ringoのつぶやき

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衆議院解散・総選挙がカウントダウンか?(森田コラム)

2012年03月30日 22時07分31秒 | ケンミレコラム

 

財政再建の方法は2種類あります。

一つは行政改革や規制緩和など「官庁が既得権益を失うという痛みを伴う改革」であり、もう一つは増税という「国民や企業が痛みを伴う」財政再建方法です。

行政改革や規制緩和による財政再建という方法は、現在世界中の先進国が財政赤字に苦しんでおり、世界中のほとんどの国は「増税」による財政再建という道を選択していますので、日本だけが責められる問題ではありません。

民主党の小沢さんが言っているのは「行政改革」を行えば、消費税増税などの増税をしなくても財政再建はできるということです。民主党は「事業仕分け」という方法で行政改革を行おうとしましたが、これはご存じのとおり「スズメの涙」ほどの財政再建しかできませんでした。

なぜならば、本丸ではなく、出城だけを攻めるという方法をとったからです。小沢さんは中央省庁という本丸を攻めれば、20兆円以上の財政再建ができると言っています。つまり、徹底的に官僚をやっつけることができれば可能だと言っています。

その小沢さんの判決が4月の下旬に出ます。小沢さんを有罪にできる証拠は今回も認定されませんでしたので、常識的に考えれば「小沢さんは無罪になる」ことになります。そして、小沢さんが無罪になったときから「政局が本格化するのではないか」という見方があります。

しかし、現時点では自民党も公明党もみんなの党も小沢さんとは組まないと言っていますので、小沢さんの神通力は消えたとほとんどの人が思っています。ほとんどの人が思っているということは「覆すことができる」という意味になります。小沢さんが「どんなウルトラD難度」の戦略を組んでくるのか分かりませんが、国民新党の亀井さんとは違った戦略を取ってくると思います。

国民新党の亀井さんは昔の人であり、とても単純な人ですから「戦略なき腕力政治」を行います。この戦略なき腕力政治を表面的にでも行えたのは「三角大福中」の時代までであり、その後の派閥領袖には求心力が無くなりましたので、腕力政治は全く通じない時代になっています。もちろん「三角大福中」は腕力政治ではなく、普通の人が想像を絶するような戦略を組んでから、カリスマ性を与えるために「腕力政治」のような形を作っていました。

「俺が代表だ」という言い方は鳩山さんに通じるものがあります。つまり、単純な人で、権威主義が現代でも通じると思っている過去の遺物のような発想を持っている人です。だから、今回も亀井代表VS国民新党議員という図式が出来上がっています。

雑誌の普及により、弱者が知識を得て官僚や政治家の腕力政治が難しくなり、さらにネットの普及で「中国でさえも腕力政治ができなくなっている」わけですから、亀井さんや鳩山さんが通じなくなるのは当然といえば当然といえます。

今回、小沢さんが無罪になれば50人前後が消費税増税法案に反対すると言われています。そして、民主党首脳は反対した人は、除名を含めた厳しい対処をすると言っています。さらに、民主党首脳は自民党との大連立を模索していますが、逆風が吹いている民主党と自民党が大連立を組むとすれば、自民党が時代を知らないことになりますので、自民党は民主党とは大連立を組まないと思います。

民主党は今回の選挙で「惨敗」すると思いますが、民主党も支持率が下っても、その票は自民党には入りませんので「自民党の躍進」というシナリオも考えられません。みんなの党の存在価値も上がっていませんし、公明党や共産党や社民党の存在価値も上がっていません。

そう考えますと、次の衆議院選挙の投票率が低くなる可能性があります。ということは、組織票を持つ公明党と共産党に有利な選挙になり、政党が乱立する群雄割拠の政治の時代が始まることになります。

この選挙の性格を読み切っているのが「大阪維新の会の橋下代表」です。彼らが今度の衆議院選挙に200名以上を立候補させると言っています。彼らの成否を分けるのは「投票率」です。昔、細川さんがつくった「日本新党」が大躍進しましたが、橋下さんの戦略が当たれば日本新党以上の大躍進を維新の会が実現させるかもしれません。

地方政治で知事が成功しているのは「ターゲットが小さい」からです。中央政治は複雑すぎて、どのターゲットを攻めればよいかがわかりませんし、また、ターゲットを分類したとしても「ターゲットごとに専門家を配置して、官僚と戦うことができなければ、革命を起こすことはできない」と思います。

つまり、橋下さんは細川さんのように総理大臣になれたとしても「大阪府を赤字県から黒字県に変えたような実績」を残すことは難しいかもしれません。なぜならば、大阪府と同じようなことを「同時に行う」ことができなければ、官僚の連帯により橋下さんの目論見がつぶされるからです。

橋下さんが「消費税増税」「原発事故」「TPP」をメインにして選挙を戦った場合は厳しい戦いになります。橋下さんが選挙を戦うとすれば「成長戦略」「年金戦略」「行政改革」「規制緩和」という、国民が未来に希望を持てるようなシナリオを提示することです。

このシナリオは民主党も自民党も公明党も訴えておりません。前に民主党が訴えて、官僚に完膚なきまでに叩きのめされたことから、これを訴えて選挙に勝っても、その後に国民の失望を買って、支持率が落ちてしまうのを恐れているのかもしれません。

「成長戦略」「年金戦略」「行政改革」「規制緩和」は官僚との戦いになります。必要なことは「知識」と「戦い好き」と「仲間」「議論のうまさ」であり、小沢さんができなかったことを橋下さんができれば、明るい未来が見えてきますが、現時点では「まだまだ信じられない」ことから、具体的な話題にはなっていません。

以前、次の日本を背負って立つ政治家が「小泉進次郎=小泉純一郎の子供」と書きました。彼は蜀の国を作った劉備玄徳や魏の国を作った曹操のような生き方をしています。つまり、正統派として総理大臣になろうとしています。これに対して、橋下さんは黄巾賊の張角か漢の国を作った劉邦のような生き方をしています。橋下さんが張角になるのか、劉邦になるのか、それともその他大勢になるのかが、今政治の世界では一番注目に値することかもしれません。

レポート担当:ケンミレ株式情報 森田 謙一



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