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DJ-【焦点】米シェール神話に陰り、生産頭打ちの恐れも

2017年10月09日 08時41分06秒 | 社会経済

DJ-【焦点】米シェール神話に陰り、生産頭打ちの恐れも

 米国のシェール業界は、原油価格が下げる中でも大方の予想に反して増産に踏み切り、在来型原油市場を驚かせてきたが、その勢いにいよいよ陰りが見えつつある。

 米シェール業界の活動指標とされる石油掘削装置(リグ)稼働数は7-9月期に6%増となった。それまでの4四半期の伸びは平均20%超だったため、急減速した格好だ。米エネルギー情報局(EIA)は9月、国内原油生産量の年末時点の見通しを従来の日量982万バレルから同969万バレルに引き下げた。

 米原油生産は高い水準を保っており、1970年に記録した過去最高(年平均日量960万バレル)を更新する可能性もまだ残っている。だが、生産会社は技術面や運営面、財政面で障害に突き当たり、掘削ペースを落とし始めた。

 シェール採掘会社が原油安局面でも生産を維持できたのは技術革新のおかげだ。ただ、そうした革新のペースは鈍りつつあるようだと専門家は指摘する。一方、世界有数の人気鉱区では人件費や運営費が上昇し、採掘費用を押し上げている。生産会社は投資家の圧力にも直面している。投資家は利益よりも成長を優先する生産会社に不満を募らせており、支出は収入の範囲内で行うよう各社にクギを刺している。

 エネルギーコンサルタント会社ウッド・マッケンジーのアナリスト、ロバート・クラーク氏は、熱狂の後には必ずブレーキを掛けるようなことが起こると述べた。

 よく言われるように、将来の原油生産量を予想するのは難しいが、原油価格が急上昇すれば米シェール業界の復調は間違いないだろう。だが、シェールのパイオニア的存在をはじめとする原油業界トップの間では、米国内の生産量の伸びは政府予想よりも早い段階でピークに達するとの声が増えている。実際にそうなれば国際原油市場には打撃だ。

 ここ数年は世界の原油供給に「穴」が開いた場合でも、シェールオイルの生産がそれをしっかり埋め、実質的に価格の変動を抑えてきた。シェールオイルの生産が頭打ちとなれば、これまでのような穴埋めを期待するのは難しくなる。

 センテニアル・リソース・デベロップメントのマーク・パパ最高経営責任者(CEO)は「有望なシェール層が新たに見つかっていない」とし、「(シェール層から)原油を無限に産出できるというのは神話にすぎない」と述べた。

 コンチネンタル・リソーシズのハロルド・ハムCEOは、EIAは原油生産見通しを引き下げたが、それでもまだ多すぎるとの見方だ。年初来の平均生産量は日量およそ916万バレルとなっている。EIAの見通しは非現実的で、生産量が急増しなければ達成できない水準だと同氏は述べた。

 EIAの報道官は、同局の見通しに問題はないとした上で、パーミアン鉱区を中心に米生産量の毎月の伸びを引き続き調査していると述べた。

 2014年に1バレル=100ドル超から急落した原油価格は、今年9月に50ドル台を回復した。それでも、米シェールオイル生産大手3社のCEOは先月、60ドルまで値上がりしても掘削支出を増やすとは限らないと述べた。

 パイオニア・ナチュラル・リソーシズのティム・ダブCEOはオクラホマシティーで開かれた会合で、大変多くの投資家から成長ではなく収益を重視するよう求められていると明かした。

 ダブCEOは8月、バーミアン鉱区の油井の一部が「大混乱」に陥っていると指摘し、株主を驚かせた。地中の圧力に関する問題で生産が滞り、採掘作業に数カ月の遅れが出ていると説明した。

 同社によると、これまでに問題は解決されたが、油井ごとに約40万ドルの追加費用が生じた。パイオニアは現在、こうした費用を捻出するため、それ以外の支出の削減を余儀なくされている。

 一方、パーミアン鉱区で生産するパースリー・エナジー、キャロン・ペトロリアム、QEPリソーシズの3社は、フラッキング(水圧破砕)作業の遅れなどを理由に、生産量見通しを引き下げた。

 同鉱区の新規油井の多くは、採掘技術が進歩したおかげで原油とガスの生産量が1年前よりも増えている。それでも、油井の長さを基準にした生産量を見ると、改善状況は期待されたほどではないようだ。資源専門の投資銀行チューダー・ピッカリング・ホールトによると、この基準で見た場合、パーミアン鉱区の新規油井は2014年から生産力があまり高まっていない。

 チューダーのマネジングディレクター、デービッド・パーセル氏は「これら全ての要因から、開発がより遅く慎重になっていることがうかがえる」とし、それはやむを得ないとの見方を示した。

 

 経営陣を「コスト度外視の採掘」に走らせているのは、生産量の伸びに連動した報酬制度だ、との批判が以前からある。資産運用会社のインベスコは最近、複数のシェールオイル生産会社の取締役に書簡を送り、取締役の報酬を生産量の伸び率ではなく資本利益率に連動させるよう求めた。同社で米バリュー株を担当するケビン・ホールト最高投資責任者(CIO)は、各社が変更に応じなければ、今後は現経営陣を支持できない可能性があると語った。

 より保守的なアプローチを求める投資家の要望は聞き入れられつつあるようだ。

 独立系石油・天然ガス大手アナダルコ・ペトロリアムは9月20日、18年にかけて25億ドル相当の自社株買いを実施する計画を明らかにした。同社の株価は1月~8月の間に42%下落していたが、この発表を受けて9月は20%高で取引を終えた。

 投資運用会社バン・エック・グローバルの天然資源株グループでポートフォリオマネジャーを務めるショーン・レイノルズ氏は「これは戦略的に資本を配分する重大な決定で、原油・ガス業界全体に大きな影響を及ぼしそうだ」とし、「経営者は劇的な発想転換が必要になる」と述べた。

 EOGリソーシズやコノコフィリップスといった大手生産会社の一部は、新規投資や配当の原資を事業収入のみで賄うと約束している。この約束通りなら、米原油生産量は2018年に急増するが、その後の3年間はほぼ横ばいとなり、日量1000万バレルを超えることはないだろうと、エネルギーコンサルティング会社BTUアナリティクスは述べた。

 ウッド・マッケンジーの見通しでは、パーミアン鉱区の採掘活動がピークに達するのは2025年以降で、このまま行けば生産量は日量およそ500万バレルに達するもようだ。

 同社は先日、生産会社が他の鉱区と同じくらい大規模な採掘を行い、初期生産量を最大化する一方で将来の油井を台無しにする技術を採用すれば、パーミアン鉱区の生産量は2021年にも頭打ちとなる可能性があると警告した。その時点の生産量は日量440万バレルにとどまるという。
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相続1000兆円時代へ(上)遺産マネー、首都圏に集中、東北・四国、10%超流出予測、地銀、細る貸し出し原資。

2017年08月09日 08時37分51秒 | 社会経済
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2017/08/09  日本経済新聞 朝刊  7ページ  1140文字  PDF有  書誌情報
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 個人の金融資産の半分に当たる900兆円超を65歳以上の高齢者が握る日本。相続によって近い将来、子や孫へざっと1000兆円が移る。このとき起きる「マネーの移動」が、金融業界にもたらす大きな変化を3回にわたって追う。
 「支店、東京都内にあるんですか?」。預金者が亡くなると、その資産を子どもや親族が相続する。その際、四国にある地方銀行では、こう尋ねられることが増えた。子世代は地元を離れ、大都市圏に住んでいるケースが多く、自分たちにとって利便性のよい金融機関に資産を移す。
 日本は年間で約130万人が亡くなる多死社会を迎えた。2030年前後には同160万人程度が亡くなる。つまり多相続時代ともいえる。
 相続によって個人の金融資産はどう移動していくのか。信託銀行最大手の三井住友信託銀行の協力を仰ぎ、試算した。17年3月末時点の株式や現金などの家計の金融資産をもとに、総額は変わらない前提として都道府県ごとの流出入をみてみる。すると今後20~25年の間に首都圏と近畿圏、北信越を除き、ほぼすべての地域で減少に転じることが分かった。減少率が最も高いのは四国で17・8%にのぼる。
 他の地域に移動する金融資産は約9兆円。ちょうど大手地銀1行分の預金量に相当する。東北は14・6%減で約13兆円が流出する。一方で首都圏は9・8%増え、国内の金融資産の4割を占める。相続によって、マネーの東京集中が加速する。
 家計の金融資産のうち、預金が約半分を占める。預金は銀行にとって貸し出しの原資だ。貸し出しに回せるお金が減るなど「銀行経営に大きな影響を与える」とある銀行幹部は打ち明ける。
 日本全体でみれば、預金は増加の一途で、日銀によると、国内銀行の17年3月末時点の預金残高は745兆円。前年に比べ6・2%増え、過去最高となった。
 ただ、個別に見ると、減少に転じる銀行もある。上場地銀82行・グループのうち、17年3月末時点の預金残高が前年に比べ減ったのは6行だった。このうち4行は東北地方の地銀だった。
 預金の流出要因は、相続にとどまらない。「インターネット支店で高金利で集めた定期預金のお金が、満期を迎えて他行に流出している」。山形県と秋田県を地盤とするフィデアホールディングスの担当者は嘆く。同社の17年3月末時点の預金残高は前年に比べ1・7%減の2兆5430億円になった。
 人口減で預金が減るのを食い止めようと、インターネット支店で店頭より高金利の定期預金を展開し全国からお金を集めた。
 しかし日銀のマイナス金利政策導入後、定期預金の金利を引き下げざるを得なくなると、顧客は預金と共に去って行く。人口減に相続資産の流出、そして運用難。日本が迎える少子高齢化に伴う問題に地銀は直面している。
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内閣改造はなぜ愚策なのか? 安倍総理が「こんな人たち」に負ける理由=近藤駿介

2017年07月25日 22時59分07秒 | 社会経済

小手先の内閣改造で、地に落ちた安倍政権の支持率を浮揚させるのは極めて困難だ。日本の社会と経済は、いよいよ「その時」に備えるべき時期にきている。(近藤駿介)

プロフィール:近藤駿介(こんどうしゅんすけ)
ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験。評論活動の傍ら国会議員政策顧問などを歴任。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚を伝える無料メルマガに加え、有料メルマガ『元ファンドマネージャー近藤駿介の現場感覚』好評配信中。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

安倍総理に教えたい 8/3内閣改造で支持率が回復しない最大の理由

安倍内閣、最大の危機

「盛者必衰の理をあらわす」を地で行くかのように、つい数か月前まで「安倍一強」と言われていた安倍内閣の支持率が急落している。一部メディアの調査では危険水域と言われる20%台まで低下し、安倍政権は第2次安倍内閣が発足してから最大の危機を迎えている。

23日に行われた仙台市長選挙では、もともと野党が強いという地域特性があるものの、民進党が支持する候補に敗北。「民進党には負けるはずがない」という「岩盤神話」までもがあえなく崩壊し、安倍総理離れが進んでいること示した世論調査結果を裏付ける結果となってしまった。

こうした急落する政権支持率に歯止めをかけ、回復させる機会として安倍総理が期待をかけているのは24日、25日の両日衆参両院で開催される閉会中審査と、8月3日に予定されている内閣改造である。

しかし、国会の閉会中審査と内閣改造で安倍政権の支持率を浮揚させることは極めて困難だと言わざるを得ない状況である。

「総理の人柄が信頼できない」の致命的な意味

この2カ月の内閣支持率急落が深刻なのは、危険水域と言われる30%を下回る水準まで下落したことに加え、安倍内閣を支持しない理由として「総理の人柄が信頼できない」が急増していることである。

安倍政権の支持率が急落した要因としては、森友学園問題加計学園問題金田法務大臣問題豊田議員パワハラ問題稲田防衛大臣問題等々が挙げられている。

しかし、豊田議員のパワハラや稲田防衛大臣の問題は議員、閣僚としての資質の問題であり、「総理の人柄」とは直接的には関係がない問題である。

したがって、有権者が「総理の人柄」を信頼できないと思われるようになったのは、国会運営の強引さや総理自身の言動そのものに原因があったとみるべきである。

個人的には都議選最終日の秋葉原の演説中に沸き上がった批判に対して「こんな人たちに負けるわけにはいかない」という発言が「総理の人柄」に対する不信感を高める決定打になったと考えている。

閉会中審査で安倍総理は、この「総理の人柄」について挽回を計ろうとするだろう。しかし、「他の内閣よりはよさそう」という消極的理由で安倍内閣を支持して来た有権者が、「総理の人柄」に失望して「あんな人たち」側に回ったことで支持率が急落したわけであるから、閉会中審査で「総理の人柄」に対する信頼を回復するのは困難だと言わざるを得ない。

今や「あんな人たち」が過半数を占めるようになってしまったのだから。

安倍総理は圧倒的に不利

偽証罪に問われることがない閉会中審査では、「加計学園問題」に関しては、与党側は獣医学部新設の手続きが法に則って適正に行われ、総理の意向が入り込む余地はなかったという印象を築こうとし、一方野党側は総理の関与があったという印象を与えようとする印象付け合戦になることが予想される。

その結果、議論は水掛け論になり、国民が納得できる説明を得られる可能性は低いと思わざるを得ない。

また、閉会中審査の印象付け合戦では、安倍総理側は最初から不利な立場に立たされている。内容の正確さは担保されていないとはいえ、実際に存在する議事録等の文書に基づいて総理の関与があったことを追及する野党に対して、都合の悪いことは「記憶も記録もない」と追及をかわし、都合のいいところは「絶対にない」と「記憶」に基づいて断言する与党の反論の印象が悪く映ることは避けられないからである。

都合の悪い分部に関する記憶を失う人達が、都合のいい部分でいくら自分の「記憶」に基づいた主張を展開してもまったく説得力がないからだ。

「証拠」はなくとも

常識問題として、安倍総理が個別に加計学園に便宜を図るような指示を出すことはあり得ない。また、仮にそれを示唆するような発言があったとしてもそれが明らかになることはあり得ない。原則、組織は親分の首を取られたら終わりである。それゆえ組織は様々な段階で「トカゲの尻尾切り」を行うことで責任が親分に及ぶことのないように構築されるものである。

したがって、安倍総理が加計学園問題に関与した証拠が得られることも、その責任が取られる可能性も限りなくゼロに近い。閉会中審査で野党側の追及によって総理の加計学園問題への関与が明らかになることはないはずである。

しかし、それが明らかになることがなくても、与党側が苦しい戦いを強いられることは間違いない。

何故ならば、野党側は安倍総理の関与を明らかにすることができなくても、「総理の人柄」に対する信頼を回復させなければ十分目的を達成することになるからだ。

加計学園に対する獣医学部新設を認める政策プロセスについて「一点の曇りもない」と強調する安倍総理だが、昭恵夫人を始め野党側が要求する証人喚問に一切応じない時点で発言に疑問を抱かれてしまう不利な戦いを迫られることになる。

閉会中審査で「総理の人柄」に対する信頼を回復させることは極めて難しい状況であることを考えると、安倍総理は8月3日に予定している内閣改造に支持率回復を賭けることになる。

「内閣改造」での支持率回復は困難

これまで安倍総理は内閣改造で支持率回復をさせた実績を持っているので、今回も内閣改造で支持率低下に歯止めを掛けることを狙っているはずである。しかし、今回の内閣改造で支持率を回復させることはこれまで以上に難しい

ここ数カ月安倍内閣の支持率が急落してきたのは「総理の人柄」に対する不信感が強まったからである。もし、金田法務大臣稲田防衛大臣の閣僚の資質が内閣支持率急落の原因であれば、その患部を切り落とすことで体制を立て直すことが可能かもしれない。

しかし、今回の内閣支持率の元凶は「総理の人柄」にある。元凶を取り除く最も有効な手段は「総理を変える」ことだが、それはあり得ない話。また忘れてならないのは森友学園問題と加計学園問題の両方で顔を出している昭恵夫人の存在が内閣支持率低下に影響していることである。そしてこの元凶も内閣改造では取り除くことのできないものである。

安倍総理は閣僚の「布陣」を変えることはできても、「夫人」を変えることはできない。

ここが8月3日に予定されている内閣改造の大きな問題点であり、これまでの内閣改造との大きな相違点である。これでは内閣支持率の回復を期待することは期待薄であると言わざるを得ない。

自国経済への影響はアメリカよりも深刻

海の向こうの米国でもトランプ大統領の低支持率が問題になっている。大統領就任半年後のトランプ大統領の支持率は36%と戦後最低となった。そのトランプ大統領の支持率を、つい数か月前まで「安倍一強」を謳歌していた安倍総理が下回るというのも衝撃的な出来事である。

考えておかなければならないことは、自国経済に対する影響という点で、トランプ大統領の支持率低下と比較して、安倍政権の支持率低下の方が深刻である可能性が高いことだ。

日本社会は「その時」に備えよ

米国株式市場はトランプ大統領の支持率が低空飛行を続ける中でも主要3指数ともに史上最高値を更新してきた。株価の上昇に大きく貢献してきたのは、政府から独立した中央銀行FRBが慎重な金融政策をとってきたことである。

一方、日本では安倍政権と黒田日銀が一体となって「アベノミクス」を推進してきている。黒田日銀は7月20日に2年で達成すると豪語してきた「2%の物価安定目標」の達成時期を「2018年度中」に先延ばし、金融緩和を継続することを表明した。目標達成時期の先送りは既に6回目であり、任期が来年4月に迫っている黒田総裁の下での目標達成を諦めた形となっている。

一般社会の常識に従えば、6度も目標達成時期を先送りしなければならない状況になれば、目標設定に問題がないのか、あるいは設定した目標に対して手段が適切でないのかを検証し、修正していくのが普通である。

しかし、「2%の物価安定目標」を達成するために「異次元の金融緩和」を実施するためだけに誕生した黒田日銀には、目標設定の是非や手段の適正性を検討する権限は実質的に与えられていない

5年間という時間を掛けて実現できなかった目標と手段をこのまま続けていくためには、安倍政権が高い支持率を維持し、「安倍一強」体制を保つことが必要条件である。

安倍総理の支持率が今後も低迷するとしたら、「2%の物価安定目標」の達成時期を6回も先送りした「異次元の金融緩和」の推進役である黒田総裁の続投は望み薄となってくる。つまり、安倍総理の支持率急落の影響はアベノミクスの推進に大きな逆風となる。

安倍総理の支持率急落は「アベノミクスは黒田日銀総裁の任期と共に去りぬ」という状況を招くことになる。

閉会中審査と内閣改造で「総理の人柄」に対する信頼を回復できなければアベノミクスも行き詰まることになる。市場がそのような認識を抱けば、安倍政権の高支持率の原動力であった「円安・株高」にも転機が訪れる可能性がある。その時には安倍総理を支持しない理由として「政策に期待を持てない」が急上昇することになるはずである。

「総理の人柄」と「政策に期待を持てない」というダブルパンチを食らって安倍政権は持ちこたえることはできるのだろうか。安倍内閣の支持率急落は、日本経済に負のスパイラルをもたらす危険性を秘めている。日本社会は「その時」に備え始める時期にきている。

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DJ-【焦点】未来のATM、カギ握るのはスマホ(1)

2017年07月11日 15時07分01秒 | 社会経済

 

 利用者の本人確認をするため虹彩をスキャンし、4桁の暗証番号は不要に――。金融大手シティグループがそんな現金自動預払機(ATM)を試験的に導入したのは、2015年のこと。それから2年たつが、このプロジェクトはいつの間にか中止されている。

 お蔵入りとなった背景には、何百万人もの利用者の生体情報を集めて管理することの複雑さやコストの高さがある。生体情報を集めた巨大なデータベースは、ハッカーたちの格好の標的にもなる。

 バンキング技術関連のスタートアップ、HYPRのジョージ・アベスチソフ最高経営責任(CEO)は、生体情報に基づく認証の問題点をこう語る。「私がパスワードを盗めば、あなたは新たなパスワードを作ればいい。だが新しい指紋を作る方法などあるだろうか?」

 こうした課題に挑むかのように、複数の銀行がこれまでと違った形で利用者の生体情報を活用し始めている。目的はやはりパスワードや個人識別番号を廃止することだが、そのために使うのはATM利用者のスマートフォンだ。生体情報の管理も本人のスマホに頼る。

  ウェルズ・ファーゴ や JPモルガン ・チェース、そして バンク・オブ・アメリカ などはここ1年の間に、スマホとつながる新型のATMを導入し始めている。利用者が指紋などを使ってスマホでサインインすることで、ATMにコードが送信される仕組みだ。

 この場合、個人の照合に一手間が加わることになるが、それでも取引の際に必要となる複数の個人識別番号やパスワードの入力がはぶけることは利用者にとって魅力的だ。HYPRによれば、指紋・瞳・顔・音声を使った認証機能を持つスマホは全世界で20億台もある。これらのツールはモバイルバンキング用のアプリを通してサインイ
ンする際に広く使われている。

虹彩認証ATMは開発せず

 シティグループのアプリの場合、個人認証に使うのは音声・顔・指紋だが、同行は「カードレス」なATMはまだ導入していない。虹彩認証ATMについては「ロジ面や運用面の理由」で、現時点では開発を進めていないと広報担当者は話す。

 他の銀行も生体認証技術の導入には同様の問題を抱えている。英オックスフォード大学と米クレジットカード大手マスターカードが6月に発表した調査結果によれば、銀行の9割は生体情報を活用したいと考えているものの、実際に技術を導入して好結果を得られたと答えたのは3割にとどまっている。

 状況をさらに複雑にしているのは、米国には諸外国と違って全国的な個人識別データベースがないことだ。チリのようにそうしたデータベースを持つ国では、銀行がそれを活用し、ATMの本人確認に指紋を使うことができる。米国の銀行は独自で生体情報を記録し保管する方法を考え出さなければならない。これがコストと手間を増
やしている。

 そうしている間にも、次世代型ATMの必要性は高まっている。カードにチップを埋め込むなどの新たなセキュリティー対策が実施される中でも、詐欺事件は増え続けている。 信用リスク分析を手がける フェア・アイザック (FICO)によれば、昨年はATMや店舗でカードが不正に利用された回数が前年比で70%増えた。

 モバイル時代の今、50年前に登場したATMは古くさい存在に思えるかもしれないが、その利用頻度は相変わらず高く、銀行も投資を続けている。JPモルガンは昨年に支店の3%を閉鎖する一方で、ATMの台数は4%増やした。シティグループは1月、3万台のATMを小売店などに設置する契約を結び、ATMネットワークを2倍近くに拡大し
た。

スマホがデジタルトークンを発行

 銀行はスマホの生体認証機能を活用するにあたり、すでに定着したやり方を取り入れようとしている。ATM利用者はアップルの「iPhone(アイフォーン)」や電子決算サービス「アップルペイ」と同じように指紋認証で本人であることを証明する。次にスマホが独自のデジタルトークンを発行し、ATMに送信。こうすることで生体情
報が銀行側に伝わることなく、取引が実現する。

 生体情報は各自のスマホの中に保管されるため、生体情報を集めた「宝箱」を銀行がハッカーから守る必要もなくなる。

 「トークンを使えば銀行のサーバーを攻撃する意味がなくなる」とHYPRのアベスチソフ氏は話す。デジタルトークンはモバイル決済向けのアプリですでに広く使われているうえ、クレジットカードに埋め込まれているチップで作成することも可能だ。

 この方法では、利用者にとってセキュリティー対策の負担が増えることになる。スマホがハッキングされたり模造されたりしないよう、スマホ自体のセキュリティーも気にしなければならない。アベスチソフ氏は「スマホが自宅の鍵のようなものになる」と話し、こう続けた。「しかし最大の利益を狙うハッカーにとって、一個人を
攻撃するのはより難しく、得られる利益も少ない」
(続く)

 

 

アップルとグーグルの脅威

 シティグループが2015年に試験的に導入した虹彩認証ATMは、ATMメーカーの ディボールド・ニックスドルフが製造した。同社の技術開発やデザインを担当するディレクターのデビッド・クチェンスキー氏は、虹彩認証ATMは時代を先取りしていたと振り返る。

 「スマホの生体認証機能には多くの人が慣れてきた。銀行はモバイル端末を通して、生体認証技術について学んだことを再度活用しようとしている」

 ウェルズ・ファーゴは昨年の投資家向け年次説明会で、生体認証機能がついたATMの可能性をうたった。今年の説明会ではモバイル端末を使った生体認証を取り上げた。広報担当者は、ATMに生体認証機能を加える「計画は現時点ではない」とした。

 同行は年内から2018年にかけ、アップルペイやグーグルのアンドロイドペイといったアプリにATMを対応させる予定だ。いずれも指紋認証でアクセスする。

 だが調査会社オートノマス・リサーチのフィンテック戦略責任者、レックス・ソコリン氏は、スマホを活用すれば銀行にとって別のリスクが生じると指摘する。IT企業がより直接的に銀行と競合する可能性があるからだ。その一例としてアップルは最近、個人間送金を可能にするアプリを立ち上げ、銀行のアプリと直接競合する道を
進んでいる。

 「現実世界でアップルやグーグルがシェアを拡大し続ければ、認証の分野も牛耳るようになるだろう」とソコリン氏は話す。
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DJ-トランプ政権、アラスカ開発拡大へ前進 石油埋蔵量調査命じる

2017年06月01日 15時20分39秒 | 社会経済

 

 ドナルド・トランプ米政権はアラスカ州の広大な公有地について、石油の埋蔵量や生産に関する調査を行うよ
う命じた。これを機に州内で掘削対象となる区域が増え、北極圏国立野生生物保護区(ANWR)も禁止区域から外
れる可能性がある。

 ライアン・ジンキ内務長官が5月31日、アラスカ州アンカレッジで長官令に署名した。

 トランプ大統領が同じ日に地球温暖化対策の新たな枠組み「パリ協定」から離脱する可能性に言及したことも
あり、トランプ政権と環境保護団体との政治的な対立に拍車が掛かりそうだ。

 トランプ政権はすでに、バラク・オバマ前政権時代の環境政策を相次いで撤回し、批判にさらされている。例
えば、トランプ氏は4月、アラスカ沖をはじめとする海上掘削や陸上掘削の規制を緩和する大統領令に署名した

 ジンキ内務長官は、2300万エーカーの国家石油開発保留地(NPRA)とANWRの150万エーカーに及ぶ沿岸平野部
の地質学的評価をアップデートするよう求めた。

 複数の企業が今回の長官令を支持した。米石油大手コノコフィリップスの広報担当、ナタリー・ローマン氏は
「当社は石油・ガス開発用地へのアクセス改善を支持しており、それがアラスカ州だけでなく米国全体にとって
最大の利益になると確信している」と述べた。

 環境保護団体は長年、手つかずの自然には大きな価値があるとして、ANWRでの掘削に反対してきた。ANWRを掘
削向けに開放するには議会で関連法案を可決する必要があるため、政治・法廷闘争が長期にわたる恐れがある。

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「こんなところに日本人が・・」という番組で、道も飛行機もない、一年中ほとんど氷の世界のアラスカで石油掘削事業してるということを知りました。

と言うことは、これで益々原油価格は下がるわけね。

適正価格30$

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日銀の国債保有残高額60兆円 佐々木の視点

2017年05月23日 16時21分52秒 | 社会経済
  今日のNews
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
●日銀の黒田東彦総裁は10日、衆院財務金融委員会で国債の保有残高増加額は
  「足元で60兆円前後」との認識を示した。民進党の前原誠司議員の質問に答えた。
          日本経済新聞 5月10日
●外国人、国内機関投資家、日銀と大きな買い手が並び、売りが多かった個人投資家
 も個人型確定拠出年金(iDeCo)などを活用した長期投資が増えつつある。
 18日に発表された1~3月期の国内総生産(GDP)は5四半期連続のプラス成長
 となり、消費の回復ぶりが顕著だった。
 企業業績、需給関係、マクロ経済と好条件がそろってきた。相場を支える国内の好
 環境を考えると、日経平均が2万円、という水準は終着駅とは思えない。コモンズ
 投信の糸島氏は「1ドル=105円の前提で18年3月期の純利益が前期比11.6%増、
 日経平均ベースの1株当たり利益(EPS)は1387円になる。PER(株価収益率)
 15倍で日経平均は2万0800円」とみている。
          日本経済新聞 5月22日
   __________
   佐々木の視点・考え方
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
★日経新聞は2万円の日経平均株価にやけに執着しており、検索してみたら1400
 件のヒットがあった。相当拘っていると見られる。

 強いGDP成長率と、為替の円安に起因する増益という経済ファンダメンタルズが
 株価を押し上げると記者は見ている。

 昨日のメルマガで書いたように、強いGDPは実はマイナスだったことや、日本
 企業の利益全体の多くを占める自動車産業の今の環境が毀損している事を先週木曜の
 当メルマガで読まれたあなたは、当惑されたのではないだろうか。

 そもそも、昨今の日経平均の大きな上昇の切っ掛けは、なんだったかご記憶か。
 2014年10月から5千円上がって2万円になったというのと、2016年5月に
 1万5千円から2万円弱にまで上昇した2回があった。
 http://www.cantan.co.jp/mag/vol623_NikkeiETF.gif

 この2回に共通するのは、日本銀行が日本株ETFの購入額を上方修正した事だ。
 そして、日本銀行は日本株の2番目の大株主にのし上がった(1位はGPIF)。

 日本株の恒常的な買い越し主体の公・民年金は年金支払いのために保有している株
 を売る時代に代わった。持合いも解消されているから、金融機関や事業会社の買い
 は無い。個人投資家は何十年も売り越し継続だ。

 唯一の買い越しは外国人投資家だが、毎年買い越しする訳ではなく2016年には
 3.5兆円も売っている。

 いまや、日本銀行だけが恒常的な日本株の買手なのだ。

 日本株が上昇するか下落するかは、景気や業績によって決まるのではない。
 日本銀行が日本株を買うか否かによって決まっているのだ。

 日本銀行の株式買いの理由はただ1つ。量的緩和で日本をインフレにすること。

 しかし、上記記事のように本筋の日本国債買いは、年間80兆円買う予定が、25%
 も少ない60兆円しか買えていない。買い過ぎて、売り物が無くなってしまった。

 記事は、日本銀行の量的緩和の終了が実質的に始まっている事を示す。

 となると、いつまでも日本銀行が日本株を買い続ける意味が無くなっている訳。
 これまでのメンツがあるから、そうそう、株買いを止める訳にはいかないだろうが
 その理由が無くなったのに、何時までも買い続ける訳にはいかないだろう。
 
 あなたは、これまでの4年半で、日本株で大きく利益を上げて来られたと思う。
 しかし、これからも同じように上手くいくとは考えておられないだろう。

 今後は、どのような投資戦略を立てて行けば良いのか、再考する時ではあるまいか。
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1~3月期GDP 佐々木の視点

2017年05月23日 16時18分20秒 | 社会経済
 _______
   今日のNews
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
●内閣府が発表した1~3月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響
  を除いた実質ベースで前期比0.5%増、年率換算で2.2%増となった。
 0%台後半といわれる潜在成長率を大きく上回る成長を達成した。政府はこれに
 慢心せず、日本経済の実力を高める構造改革を断行していかねばならない。
 1~3月期の日本の実質成長率は、米国やユーロ圏、英国を上回った。約11年ぶり
 に5四半期連続のプラス成長となり、ひとまず景気の足どりはしっかりしていると
 評価できる。
 経済成長の中身も比較的よい。0.5%の実質成長率の内訳をみると、0.4%分が内需、
 残りの0.1%分が外需と、バランスがとれている。
          日本経済新聞社説 5月20日
   __________
   佐々木の視点・考え方
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
★ほう。そんなに良かったですか。第1四半期GDP。

 数字を見れば、昨年第4四半期が539.2兆円。当四半期が539.0兆円。
 あれ、減っている。

 これはインフレを加味しない名目数値。

 日本銀行が2%のインフレ目標達成に向けて頑張っているはずだから、実質数字
 を見れば、昨年第4四半期が524.0兆円。当四半期が526.8兆円。
 2.8兆円も増えているじゃないか。
 
 あれ、おかしいぞ。この4半期の間に3兆円ものデフレがあったという事じゃ
 ないのか。名目値と実質値の差が3兆円も拡大している。

 しかも、このデフレは昨年第1四半期から続いている。

 それも当然だ。昨年1月に日本銀行はマイナス金利の導入と言う、金融引き締め
 策を導入したのだから。

 景気を計るには、企業の決算をつぶさにみてゆけばよいことはご存知だろう。

 その決算に出てくる売上とか利益には、そのままの数字(名目値)はあっても、
 インフレを加味した実質値などというものは存在しない。

 売上げや利益、そして振り込まれる給料、みなそのままの数字(名目値)だ。

 だからこそ、名目値に我々の実感が反映される。

 その名目値では、直近の数字はマイナスなのだ。日本経済は縮小しているのだ。
 景気が良いという上記記事は事実に反したフェイクニュースなのだ。

 今や、マイナス成長に陥った日本経済を何とかして建て直すのが、喫緊の課題。

 しかし、マイナス成長を好景気と誤認しているようでは、立て直しは夢のまた夢
 となる。

 
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家を買うならあと5年待て?「2022年」に得をする人、損をする人=午堂登紀雄

2017年05月14日 21時41分09秒 | 社会経済

不動産の2022年問題をご存知でしょうか?これは、いずれ戸建て住宅を郊外に持ちたい人にとってはチャンスかもしれません。あと5年待つのも選択肢の1つです。(『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』午堂登紀雄)

※本記事は有料メルマガ『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』2017年5月8号を一部抜粋したものです。興味を持たれた方は、ぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:午堂登紀雄(ごどう ときお)
米国公認会計士(CPA)。1971年生まれ、岡山県出身。中央大学経済学部 国際経済学科卒。株式会社エディビジョン代表取締役。一般社団法人 事業創造支援機構代表理事。

「なぜこんな場所に農地が」と思ったことはありませんか?

不動産の「2022年問題」とは

今から5年後に起こるであろう、「2022年問題」をご存知でしょうか。

端的に言うと、都市圏にある農地の一部が放出されて膨大な数の住宅が建築され、不動産価格が下落するのではないかと言われている問題です。

これは「生産緑地問題」とも言われることがあり、生産緑地法に基づいています。

【関連】日本財政破綻!その時あなたが返済中の「住宅ローン」はどうなる?=東条雅彦

1974年、市街化区域内の宅地化を促す目的で生産緑地法が公布されました。この法律により大都市圏の一部では農地の「宅地並み課税」が行われ、都市近郊の農地のほとんどが宅地化されることになりました。

その後、1992年に同法が改正され、一部自治体が指定した土地の固定資産税は農地なみに軽減され、また相続税の納税猶予が受けられる「生産緑地制度」が適用されました。

生産緑地とは、住宅の建築が可能な市街化区域内の面積500平米以上の土地のことで、生産緑地の指定を受けると建築物を建てるなどの行為が制限され、農地としての管理が求められます。

生産緑地制度が適用されたのは首都圏・近畿圏・中部圏内の政令指定都市、その他の一部地域です。

都市部の住宅地の中に、時折ぽっかりと畑があり、「なぜこんな場所に農地があるんだろう?」と感じてしまうような場所に遭遇したことはないでしょうか。これらはほぼ生産緑地です。

東京都だけで「ドーム724個分」の生産緑地

では、これの何が問題なのか。

1992年の改正により、生産緑地の指定から30年後が経過すると、所有者が農業を続ける意志がない場合、市区町村の農業委員会に土地の買い取りを申し出る事が可能となります。

つまり、それが2022年になるわけです(それまでは所有者が死亡したり病気などで農業に従事できなくなったなどの場合しか買い取り申し出はできません)。

法律では、市町村は特別な事情がない限り時価で買い取らなければならないと定めていますが、主に財政負担が難しいという事情から、今まで買い取るケースはほとんどどありませんでした。

市町村が買い取らない場合、市町村の斡旋によって買い手を探すわけですが、生産緑地として買う人(つまり営農する人)がいなければ、この生産緑地指定が解除されます。

生産緑地が解除されると、従来は固定資産税が宅地の1/200分のとして減額されていたものが、軽減が無くなり一気に跳ね上がります

生産緑地の所有者の多くは高齢者と見られ、農業を継続できない人もいるでしょう。かといって少なくとも500平米はあるため、その固定資産税が宅地並みになればあまりに高額となる。

そのため土地の維持ができず、売却などで一斉に手放す所有者が続出する可能性があるわけで、それを大きなビジネスチャンスとして虎視眈々と狙っているのがハウスビルダーやマンションデベロッパーです。

では、そのような土地がどのくらいあるかというと、平成26年のデータによると、

      生産緑地(ha)   東京ドーム(4.6ha)個数換算
埼玉県   1,824.80   397
千葉県   1,188.51   258
東京都   3,329.80   724
神奈川県  1,404.10   305
愛知県   1,206.02   262
大阪府   2,100.40   457

つまり、東京都だけでもドーム724個分の生産緑地があることになります。

もちろんすべての生産緑地が解除されることはないですし、土地開発の際には道路用地も必要なので宅地の有効面積はもう少し小さくなりますが、もしこの土地に新築一戸建てが建築されれば、東京都だけでも25万戸以上の戸建てが供給されることになります。

これが賃貸アパートや賃貸マンションの集合住宅であれば、賃貸物件の供給戸数も一気に増えますから、需給バランスを大きく歪めることになりかねないのです。

埼玉県羽生市の悲惨な事例

それをすでに経験した地域があります。かつてNHKでも特集された埼玉県羽生市です。

市は2003年、人口増を見込んで、住宅建設が原則不可となっている市街化調整区域の農地に住宅を建築できるよう条例を定めました。その結果、市街地から遠く賃貸には向かない立地に新築アパートが乱立し、おびただしい空き家を生んでしまったというのです。

政府もこの問題を認識しており、都市農地の保全を推進する姿勢を示し、生産緑地制度の改正も視野に入れているようですが、生産緑地を優遇しすぎている現状にも問題があると指摘されているなど、有効打となるかは不透明です。

そこでカギを握るのは、自治体の構想力とリーダーシップではないでしょうか。

一例として、パナソニック、野村不動産、横浜市が2015年3月から取り組んでいるスマートシティプロジェクト「Tsunashima サスティナブル・スマートタウン」が挙げられます。

ここは生産緑地ではありませんが、横浜市港北区綱島地区にあるパナソニックの工場跡地を活用し、次世代エネルギーシステムの導入をはじめ、さまざまな先進技術の導入による都市型スマートシティの構築を目指すプロジェクトです。開発を進めるのはパナソニック、野村不動産の2社を主幹事とする合計10団体ですが、横浜市も参画して進められています。

これは特殊な例かもしれませんが、介護施設や保育所を運営する企業、ショッピングモールを運営する企業、あるいはコンパクトシティなどの計画都市を、自治体がリーダーシップを持って街づくり構想を持ち、所有者や企業に働きかけることが必要です。

公園や通学路への転換、家庭菜園事業などといった用途は限定されますから、誰かが音頭を取らなければ土地は利益追及の不動産業者に売り渡され、ハウスビルダーの草刈り場となるでしょう。

結果、不動産価格や賃貸物件の賃料が大きく下落しかねないわけです。

個人はどう備えるべきか?

都市部の生産緑地は、通常は駅徒歩10分圏内にあるような立地は少ないため、本来は収益物件としては適さないことがほとんどです。

さらに昨今は投資物件への過大な融資が行われていることが問題視されており、金融庁も金融機関への通達や検査等によって引き締めの方向へと舵を切っています。

そのため金融機関サイドも、賃貸需要が見込めにくい場所への融資は控えるようになるはずです。

また、マンション在庫もだぶついていますから、マンションデベロッパーも売れ残りを恐れ、優良立地以外には触手を伸ばさないでしょう。

つまり、生産緑地跡に集合住宅が無法地帯のように乱立するという状況は想定しにくいと考えられます。

また、立地重視・資産価値重視の家選び・投資物件選びをしたい人にもあまり関係ないと言えるでしょう。

そもそも都心部や駅近には生産緑地はまず存在しないので、地価にしても賃料にしても、都心や駅近では2022年問題の影響はさほど大きくないと想定されます。

影響を受けるとすれば、ファミリータイプのアパートや戸建ての購入を考えている人たちや、すでに所有している投資家になります。

「2022年問題」の影響を最も受けるのはファミリー向け物件

ファミリーはを持っていることが多いため、駅から離れても賃貸としての需要はあります

それはアパート建築メーカーもわかっており、そういうプランを地主に提案しますから、ファミリー向け賃貸アパートが増え、空室増加、賃料の下落圧力が高まるという事態は想定されます。

賃貸アパートを借りる人にとってはメリットですが、所有する人にはリスク要因です。

同様に、一戸建ても駅徒歩○分といった概念はあまり通用せず、デベロッパーやハウスビルダーは広い土地を買い取って区画整理し、分譲戸建てとして売り出すでしょう。

すると、低廉な新築戸建てが乱立する可能性は高く、将来家を買う人は安く買える一方、すでに所有している人にとっては自宅の資産価値の下落が待ち受けています。

それはイコール、戸建て賃貸をしている投資家にとっては直接的な競合になるリスクとなります。

戸建て賃貸は、いったん入居が決まれば比較的長い期間の入居が期待できる一方、一般の戸建てより低コスト・ローグレードな仕様であることが多いため、魅力度で負けやすい。

現状で賃貸が決まっていても、いったん退去されるとリフォーム費用がかさむにもかかわらず、なかなか次が決まらないという事態になる可能性は否定できません。

とはいえ、自治体や業者の動きも地主の判断も私たちにはコントロールできず、どうなるかはわからない。ではコントロールできることは何か。

不動産投資家であれば、やはり立地上不利な物件を手放していき、2022年以降の環境変化を観察することではないでしょうか。

むろん、賃料を下げる余力を生めるよう繰り上げ返済を続けるとか、設備やデザインの見直しによるリフォームといった競争力を上げる努力も必要とはいえ、立地は変えることができません。

自分が売りたいときには、みんなも売りたがっているので、なかなか売れない状況になるのが通常です。

2022年以降になって慌てても選択肢が狭まるだけ。だから「売れる時に売っておく」という判断も必要です。

郊外に家を買うなら、あと5年待ってみるのも手

もうひとつ、いずれ戸建て住宅を郊外に持ちたいと思っている人にはチャンスかもしれません。

すでに過剰状態にある戸建て市場に、さらなる供給がなされると、売れ残った新築戸建ての値下げ合戦が起こるかもしれません。

いずれにせよ、もともと中古住宅を買おうと思っていた人が低廉な新築住宅に流れ、中古住宅の価格の下落が予想されます

戸建てを希望していて、もし急ぎでなければ、あと5年待ってみるのも悪くはないかもしれません。

ただし前述のとおり融資環境も変化しますから、どこで判断するかは人によって異なるのは言うまでもありません。

それに、価格は住まい選びの一要素に過ぎず、「その場所」は世界にそこひとつしかない家族の戦略基地です。

そのため、価格だけではなく、ライフスタイル全体を見据えたうえで最適な住まい選びは何かという軸を持つことが必要です。

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日本経済、5期連続プラス成長へ、アジア輸出けん引=日経

2017年05月02日 21時43分06秒 | 社会経済

 

日本経済新聞によると、民間シンクタンク11社が予測した1-3月期の国内総生産(GDP)の平均は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.5%増、年率換算で1.9%増となった。
4月半ば時点の見通しより成長率は高まり、実現すれば約11年ぶりに5四半期連続のプラス成長となる。アジア向けなど輸出が伸びたほか、生鮮食品の価格高騰が落ち着き、個人消費が持ち直したためだ。

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DJ-【コラム】自動車市場にも忍び寄る中国の過剰生産能力

2017年05月02日 09時46分26秒 | 社会経済

 

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

***

 世界の自動車メーカーは前方に注意しておいた方がいい。中国が輸出で世界の自動車市場をあふれさせようと
しているからだ。

 先週、中国の閣僚と国家発展改革委員会(NDRC)の委員が共同で自動車業界の長期計画を発表した。先進国市
場への輸出と市場シェアの拡大も目標に掲げている。

 中国メーカーが非常に高い目標を掲げるのも無理はない。今回の報告書によると、自動車産業は同国の税収の
10%と雇用全体の10%を担っている。そして、生産能力が余っている。稼働率はばらつきが激しいが60~80%で
、生産量は増え続けている。

 中国の自動車生産台数は年間2800万台と、米国の同1700万台を上回る。だが中国国内には、それらの台数を吸
収するだけの消費需要はない。自動車購入税の時限減税による優遇措置は周期的に売り上げを押し上げてきたが
、需要を先取りするだけだ。政府が昨年、優遇措置を削減したことから、販売台数の伸びは鈍化した。

 自動車メーカーが数十社あることも余剰能力を反映している。その多くは、雇用創出企業を手放したくない地
方政府に下支えされている。改善にはむしろ業界再編が有効だが、後回しにされているようだ。

 中国に得意なことがひとつあるとすれば、それは輸出だ。太陽光パネルや鉄鋼、ガラスを輸出するように、自
動車部門の余剰能力を輸出するのだ。中国製自動車は、さほど品質にはうるさくない他の新興国市場には入り込
んでいる。中国の月間生産台数のうち、新興国市場への輸出は2~3%を占めており、例えばイランへの輸出は年
間約50万台に達する。ただこの地域への輸出はここ数年伸び悩んでいる。

 日本、米国、欧州といった先進国市場への進出は、品質面での制約を考えるとハードルが上がるだろう。ドナ
ルド・トランプ米大統領らが反グローバル化の姿勢を示していることも妨げになりそうだ。中国が貿易協定を通
じて自国製品を海外に送り込むなら別だが。

 だからといって、海外自動車メーカーが中国を脅威とみなさなくて済む訳ではない。野村の試算によれば、中
国を除いた世界自動車販売台数の伸びは今年0.6%にとどまる見通しだ。コモディティー化が進んだ市場に中国
自動車メーカーが軸足を移そうとすれば、価格に下押し圧力がかかるだろう。彼らが先進国市場で主要プレーヤ
ーになり損ねたとしてもそれは変わらない。

 より有力なシナリオは、中国が新興国市場への攻勢を続けることだ。これはルノーや現代自動車、インドのタ
タやマルチといったローカルブランドなど、新興国市場に強みを持つメーカーにとって厄介な事態だろう。

 世界の自動車メーカーは引き続き中国メーカーの生産能力と闘いを強いられそうだ。中国政府は向こう3年に
ついて年間3000万台、2025年までに同3500万台の生産目標を掲げている。世界市場が吸収するには結構な台数だ

-0-

Copyright (c) 2017 Dow Jones & Co. Inc. All Rights Reserved.

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日本経済の供給力と生産性を破壊し続ける「消費増税の大罪」=内閣官房参与 藤井聡

2017年03月09日 10時34分45秒 | 社会経済

打撃はリーマンショック以上。「消費税」が日本経済を破壊している

家計消費を直撃した「消費税」

消費税は、家計の「消費」を直撃しました。消費税は「あらゆる消費行動の罰金」とも言われる税金ですから、消費が冷え込むのも当たり前です。実際、最新の本年1月の家計の実質消費(2人世帯以上)は、消費増税によって実に、一月当たり2.8万円も縮小してしまいました。

<iframe src="https://www.facebook.com/plugins/post.php?href=https%3A%2F%2Fwww.facebook.com%2Fphoto.php%3Ffbid%3D994479603986316%26set%3Da.236228089811475.38834.100002728571669%26type%3D3&width=600&show_text=false&height=361&appId" frameborder="0" scrolling="no" width="600" height="361"></iframe>

「月2.8万円」といえば、かなりの金額。各世帯の消費トータルのおおよそ1割(9.2%)に相当し、年間で言えば「34万円」となります。

これだけあれば旅行にも行けただろうし、レストランにだって何回か行けただろうし、もっといいスーツや靴をいくつも買ったりできたかもしれません。あるいはそれ以前に、「自分の好きな肉や魚を時々食べる暮らし」ができたかもしれませんし「子供を塾に行かせる」ことだってできたかもしれない――等々。

つまり、消費増税は、確実に私たちを「貧しく」させたわけです。

同じようなことは、エコノミストも政府もメディアも皆が大騒ぎした「リーマンショック」でも起きていますが、その影響は短期で収束しています(翌々年には回復基調に入っています)。しかもその落ち込み額も、消費増税によるそれの3分の2程度しかありませんでした。

…ですが、それは何も不思議なことではありません。リーマンショックはしょせん「瞬間的」ショックに過ぎませんが、消費増税は2014年だけでなく、2015年も2016年も今年も来年も再来年も…ずっと庶民から消費金額の「3%」を吸い上げ続けるものだからです。

この消費増税の「貧困化」インパクトは、もうそれだけで庶民の幸福水準に大きなダメージを与えているのですが――問題はそれに留まりません。

消費税は、日本経済の生産性、供給力、競争力にも大ダメージを与えた

多くのエコノミストや学者、経済官僚や財界の皆さんが常日頃「大切だ」と言い続けている日本経済の「生産性」や「供給力」さらには「競争力」に対して、消費増税は大きなダメージをもたらしているのです!

下記のグラフをご覧ください。このグラフは、民間投資(実質値)を示しています。

<iframe src="https://www.facebook.com/plugins/post.php?href=https%3A%2F%2Fwww.facebook.com%2Fphoto.php%3Ffbid%3D995836823850594%26set%3Da.236228089811475.38834.100002728571669%26type%3D3&width=600&show_text=false&height=337&appId" frameborder="0" scrolling="no" width="600" height="337"></iframe>

日本のGDPはおおよそ500兆円、その最大部分を占めるのが300兆円の消費ですが、民間企業の「投資」は現在おおよそ80兆円程度の水準を占めています。

この80兆円という投資水準は「消費」の4分の1弱で、全体の6分の1強ですから、さして大きくないとも言えますが、その水準は日本経済の「生産性」や「競争力」にとって、最も重要な意味を持つものです。

なぜなら民間企業が投資を重ねることではじめて、日本の生産力、供給力が維持され、増強され、国際的な競争力が獲得されていくからです。

「投資」は一旦行うと、何年も何十年もの間、生産性を向上させます。ですから、日本の「経済力」を考えるうえで、文字通りその場で消えてなくなってしまう「消費」よりも中長期的に重要な意味を持つのです。
(※これは民間投資だけでなく、公共投資についても同じことが言えるのですが――それについては本稿では一旦脇に置きましょう)

2014年の「消費増税」以降、成長率が一気に鈍化

さて、日本経済を考えるうえで、それほどまでに重要な「投資」なのですが、これもまた、リーマンショックによって大きく縮減します。ですが、その直後の2009年から徐々に回復していくことになります。

そして、消費増税の直前の2014年の1-3月期までに、リーマンショック後の最低水準だった65兆円から79兆円にまで、約14兆円も回復していったのです。その成長は年率で2.9兆円、「4%」のペースでした。その背後には、「リーマンショックからの回復」という過程に加えて、2012年からはじまったアベノミクスによる景気浮揚効果があったことは間違いありません。

しかし、2014年の4月の消費増税以降、そのトレンドがいきなり変化します。成長率が一気に鈍化したのです。グラフに示したように、年率1兆円、成長率「1.3%」にまで縮退します。これは増税前の「3分の1」の水準。実学にして年率1.9兆円も縮小してしまったわけです。

なぜこうなったのかといえば、理由は明白。そもそも、日本企業全体にとっての最大のマーケット=顧客は、日本国内の「消費」です。その「消費」が約1割、一世帯あたりにして月3万円弱も縮小すれば、企業が投資を控え始めるのも当然です。しかも、「投資」を行うにしても、その投資行為に対して消費税がかかってくるのですから、民間投資にブレーキがかかるのも必然です。

結果、日本では、昨年末時点で3.9兆円もの投資が縮退してしまったことが、先程のグラフから推計される、という次第です。

もしこのままの「投資成長率」が続けば、毎年1.9兆円ずつ投資が縮退していき、2020年時点では、「11兆円」程度もの水準で、民間投資が縮退することになってしまいます。

そもそも民間投資は、「生産性の向上」のみならず、年々老朽化していく設備に対する「維持・管理・更新」や地震等のリスクのための「強靭化」のためにも必要不可欠。このままでは、生産性の向上が阻害されるばかりではなく、「現状維持」すらままならなくなっていきます。

つまり消費増税は、短期的に需要を棄損し、景気後退、経済規模縮退を導くのみならず――、

<iframe src="https://www.facebook.com/plugins/post.php?href=https%3A%2F%2Fwww.facebook.com%2Fphoto.php%3Ffbid%3D921373207963623%26set%3Da.236228089811475.38834.100002728571669%26type%3D3&width=600&show_text=false&height=318&appId" frameborder="0" scrolling="no" width="600" height="318"></iframe>

――それを通して、日本の成長の源泉たる「供給力」や「生産性」、つまり「経済競争力」を抜本的に毀損するダメージを我が国にもたらしているのです。

この「消費増税によるダメージ」の存在を真正面から受け止めるなら、日本経済が自ら成長していく力を取り戻すために、「消費税を5%に戻す」減税の可能性も含めた「政府支出の拡大」が必要不可欠であることは、万人が認めざるを得ないのではないでしょうか。それなくして消費増税のダメージから日本経済を救い出し、日本人の消費や需要、そして「競争力」の回復を期することなどできないのです。

※追伸:あるべき経済政策については,ぜひ下記をご一読ください。
https://www.amazon.co.jp/dp/4794968248/

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【マンション業界の秘密】「バブル崩壊」よぎる融資締め付け 潮目が変わったアパートローンの審査 (1/2ページ)

2017年02月04日 18時17分25秒 | 社会経済

 一般人による不動産投資ブームが続いている。「サラリーマン大家」などというワードが定着した。

 私のところにはさまざまな投資家さんたちが相談にやってくる。派遣社員で生活費を稼いでいるアラフォーのシングル女性が、マンション数戸のオーナーだったりする。その中身を聞くと、実に上手に選んでいたりするので、さらに驚く。

 一般人が国内で不動産投資を行う場合、たいていが銀行融資を受ける。いわゆる「アパートローン」という種類の融資だ。

 融資基準は、担保となる不動産の資産価値と借りる人の属性の両方。担保物件がよくても、定期収入のない人は融資を受けにくい。ただ、すでに優良物件を運用している実績のある人には、融資が通りやすい。

 2013年春に、黒田東彦(はるひこ)氏が日銀の総裁になって以来、金融は「異次元緩和」状態となった。国債購入という資金運用の選択肢が狭められたことによって、各銀行は不動産担保融資を積極的に行うようになった。

 俗な言い方をすれば「融資の審査が甘くなった」という状況。担保不動産や投資家の属性にちょっと難がありそうでも、そこはイケイケドンドン。その結果、国内銀行の不動産向け融資残高は、16年9月末時点で69兆6698億円と統計を遡(さかのぼ)れる1970年以降で最大に膨らんだ。つまり、平成バブル期をも凌駕した。

 このうちアパートローン残高は前年比4・5%増の22兆224億円。郊外には入居者のまばらな新築アパートが目立つようになった。空室率はかなりのハイレベルに達していると推定できる。

 ところが、昨年の後半から銀行の融資姿勢に変化がみられるようになった。今年になって、金融庁がアパートローンへの監視を強めているという報道も伝えられた。

 実際、1年前はユルユルだった融資審査がかなり厳しくなっている。銀行の姿勢の潮目が変わっているのだ。

 その昔、あの平成バブルを弾けさせた一因は、1990年に大蔵省(当時)から金融機関に対して行われた「これ以上貸すな」という行政指導「総量規制」だ。

 今回は、あの総量規制ほどはっきりとした動きではないが、現場の感覚としてはよく似ている。

 お金が回りにくくなり、資金ショートした投資家や不動産会社が手持ち物件を投げ売りしだしたらどうなるか。

 融資締め付けはジワジワと不動産市場に効いてくる。ここで金利でも上がればダブルパンチ。一気にバブル崩壊へと突き進むかもしれない。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンション格差」(講談社現代新書)など多数。

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中国、資金流出過去最大の82兆円、2016年=時事通信

2017年02月03日 22時23分08秒 | 社会経済

中国、資金流出過去最大の82兆円、2016年=時事通信

時事通信によると、中国からの資金流出が2016年に過去最大になったことが、国際金融協会(IIF)が3日までにまとめた推計で分かった。トランプ米大統領の政策次第では流出が加速する可能性があり、秋の共産党大会に向けて経済の安定を保ちたい中国は、苦しい立場に置かれそうだ。

IIFによると、流入額を差し引いた純流出額は7250億ドル(約82兆円)と、15年から500億ドル増えた。人民元安の進行を嫌気した企業や個人が資金逃避を急いだためで、14年の1600億ドルに比べ5倍近い規模に膨らんだ。
中国は規制強化で流出阻止に努めているが、IIFは「米国に本拠を置く多国籍企業が収益を中国から本国に移し始めれば、17年は流出がさらに進む可能性がある」と指摘。トランプ氏の保護主義的な政策が「重大な不透明要因」だとした。 

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DJ-【焦点】低インフレ時代に幕閉じるか―世界的に上向きの兆し

2017年02月02日 13時10分13秒 | 社会経済

 

 米国とユーロ圏、日本ではデフレとの長年の闘いを経て、消費者物価と賃金が上昇の兆しを見せている。異例
の低インフレ時代が世界から姿を消しつつあるようだ。

 この背景には、エネルギー価格の回復、労働市場のスラック(余剰)縮小につながる失業率の低下、融資や経
済成長を促す低金利政策などさまざまな要素がある。

 ユーロ圏では、欧州連合(EU)の統計機関ユーロスタットが1月31日発表した1月の消費者物価指数(CPI)が
前年同月比1.8%上昇。約4年ぶりの大幅高となったエネルギー価格が寄与し、昨年12月の上昇率(1.1%)を大
幅に上回った。

 市場ベースのインフレ指標も上昇している。トムソン・ロイターによると、ドイツでは債券市場に反映されて
いる今後10年間の予想インフレ率が昨年11月上旬の1.10%から上昇し、31日には1.36%に達した。日本でも同じ
期間に0.45%から0.61%へ上昇している。

 米国では、賃金と物価に緩やかな上昇圧力がかかっている。米労働省が31日発表した2016年の雇用コスト指数
は2.2%の上昇となり、10年~14年までの年平均伸び率である2%をやや上回った。

 また、米国の民間平均時給は12月に前年同月比2.9%上昇した。足元の景気拡大期では最高の伸びとなり、人
材プールが縮小する中で雇用側が賃上げを競っていることがうかがえる。

 世界の成長に水を差す新たな経済ショックや、エネルギー安の再開など、この傾向を覆す可能性のある要素が
多いことは確かだ。インフレが低水準から急激に加速するとみるエコノミストはほとんどいない。それでも、世
界のデフレに対する懸念は、エコノミストらの懸案事項の中で優先度が下がり始めている。

 調査会社パンテオン・マクロエコノミクスのチーフエコノミスト、イアン・シェパードソン氏は「ディスイン
フレのメカニズムやデフレのメカニズムではなく、インフレのメカニズムが定着している」と述べた。世界的な
エネルギー価格の安定、中国製品の価格上昇、米国の低い失業率が賃金の伸びを促す見込みだという。

 米連邦準備制度理事会(FRB)は1日、政策金利の据え置きを決定し、今後も緩やかに引き上げる方針をあらた
めて確認した。景気拡大を妨げることを恐れ、これまでも極端に積極的な行動は渋っている。

 物価指標としてFRBが重視する個人消費支出(PCE)価格指数は、12月に前年同月比1.6%の上昇と、14年9月以
来の伸びを示した。これもエネルギー価格が回復したおかげだ。

 ユーロ圏と日本では、インフレの上昇が続くかどうかは欧州中央銀行(ECB)と日本銀行の次の動きにかかっ
ている。FRBと異なり、ECBと日銀は景気刺激を目的とした大規模な債券買い入れを続けており、政策金利はマイ
ナスだ。

 ユーロ圏のインフレ率はECBの目標である「2%弱」をほぼ達成していると言えるが、ECBは刺激策を解消する
兆しを見せていない。ECBはむしろ、変動の大きいエネルギーや食品を除いたコアのインフレ率に注目している
。1月は0.9%と低く、15年1月の水準も下回っている。

 ECBのマリオ・ドラギ総裁は1月19日の理事会後、「総合インフレ率は上昇が見込まれるが、基調的な物価圧力
は引き続き抑制されている」と述べた。

 ECBはインフレ上昇に伴い、利上げを早まった歴史がある。08年と11年には利上げを開始したものの、数カ月
後に方向転換して再び利下げせざるを得なくなった。

 みずほインターナショナルの欧州金利ストラテジスト、アントワーヌ・ブーベ氏は「インフレの上昇で、(債
券買い入れの)縮小ないし打ち切りを望んでいる理事会メンバーの立場は有利になるだろう」とし、「ドイツ以
外の国でインフレが加速しているという事実も、タカ派メンバーの追い風となる」と指摘した。

 フランスとスペインでも1月のインフレ率がそれぞれ1.6%、3%とアナリスト予想を上回った。

 BNPパリバの欧州担当シニアエコノミスト、ギゼム・カーラ氏は「ECBに対し、インフレ統計に反応するよう求
める圧力が高まる公算が大きい」と述べた。

 日銀は31日の金融政策決定会合で政策を据え置くとともに、インフレ見通しの引き上げを見送った。長年デフ
レと闘う日本で物価を押し上げることの厳しさが浮き彫りとなっている。

 だが一部の投資家は希望を見いだしている。商品(コモディティー)価格の上昇で総合インフレに弾みがつく
とともに、円安が輸入物価を押し上げる一方で輸出と成長を促すという重要な役割を果たす可能性があるためだ

 昨年11月以降、ドルは対円で7.7%上昇している。FRBと日銀の政策方向性の違いが引き続き円安・ドル高につ
ながるとみる向きは多い。

 米金利が上昇する一方、日銀が長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の下で10年物国債金利をゼロ
%程度にとどめれば、為替相場の材料となる日米金利差は拡大する。一部の投資家は、これもインフレ加速につ
ながると指摘する。

 とは言え、欧州と日本ではインフレの持続的上昇は難しいとの見方もある。日本ではインフレ期待が慢性的に
低い。ユーロ圏は失業率が10%に近く、賃金インフレを定着させるのは困難だ。

 JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル債券担当最高投資責任者(CIO)、ニック・ガートサイド
氏は「世界的なインフレ上昇を確認するなら、米国が最も分かりやすい」と語った。同氏はドナルド・トランプ
米政権の規制緩和と減税で成長とインフレが促されるとみている。
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日本経済を予測する上で今年のリスクシナリオを考えてみる

2017年01月09日 08時10分39秒 | 社会経済

塚崎公義 (久留米大学商学部教授)

 新しい年を迎えたので、今年の経済見通しが次々と発表されています。しかし、今年の日本経済は、「昨年同様に緩やかな回復を続ける」とする以外のメインシナリオは考えにくいでしょう。そこで本稿は、日本経済に今年起こりえるリスクについて考えてみることにしましょう。ちなみに筆者の専門は経済予測であり、軍事・外交面の予測には難があり得ますが、悪しからず。

国内的には、特段のリスクが見当たらず

(iStock)

 日本国内を見る限り、政治面でも経済面でも特段のリスクは見当たりません。政治面では自公の安定政権が続くでしょうから、概ね無風でしょう。都議会選挙を契機として自民党内に亀裂が生じる可能性はありますが、それが経済政策に大きな影響を与えることはないでしょう。もちろん、安倍晋三総理が健康問題等で辞任される可能性等はゼロではありませんが。

 経済の面でも、特段のリスクは予想されません。消費税率の引き上げは予定されていませんし、財政金融政策が景気の腰を折ることは考えにくいでしょう。為替レートの円安と原油高が進行すれば、インフレ率が一時的に2%を超えることは考えられますが、それで金融政策が変更されることもないでしょう。一時的な要因によることが明白で、インフレ率が安定して2%を超えるといった状態にはほど遠いからです。

 国内要因だけを考えれば、株価の暴落も考えにくいでしょう。株価はトランプ相場で大幅に上昇しましたが、PBRやPERを見る限り、未だに「大幅な買われ過ぎ」という水準にはありません。

 少子高齢化による労働力不足は着実に進行し、非正規労働者の待遇は改善を続けるでしょう。その結果、高い時給が払えない非効率な企業は淘汰されるかも知れませんが、労働力が高い時給が払える効率的な企業に流れるのであれば、それはマクロ的な日本経済にとってはリスクというよりもむしろ望ましいことでしょう。

リスクというより、予想に近いのが、米国のインフレ懸念

 トランプ次期米国大統領の政策は、未だ全貌が見えて来ないものの、米国内の雇用を増やす政策が採られることは確かなようです。財政政策で景気を浮揚させれば、物価には上昇圧力がかかるでしょう。

 移民の流入を阻止したり、違法な移民を強制送還したりすれば、現在移民が従事している低賃金労働の従事者が不足し、人件費が上がることでインフレ圧力を強めることになるでしょう。もしかすると、ボトルネックが生じるかもしれません。イメージとしては、清掃要員が大幅に不足して、営業停止に追い込まれるホテルが続出し、営業しているホテルの宿泊料が需要と供給の関係から高騰する、といった感じです。

 中国からの輸入品に高額関税を課す、といった保護貿易主義が採られるとすると、これも米国経済のインフレ要因になります。中国製品よりも高い他国製品に輸入先がシフトするかもしれず、米国国内での生産にシフトするかもしれませんが、いずれにしても中国製品よりは高く付くでしょう。国内生産の場合には、米国内の労働力需給を逼迫させて賃金を上昇させ、「賃金コストの転嫁によるインフレ」を引き起こす可能性もあるでしょう。

 米国がインフレになる(あるいはインフレ懸念が高まる)と、日本経済にはいかなる影響が出るのでしょうか? 理論的には購買力平価説に基づき、物価の上がる国の通貨は安くなる(ドル安円高になる)とも言えそうですが、実際には「米国のインフレ懸念が高まるとFRBが利上げをするであろうから、日米金利差が拡大してドル高円安になるだろう」という金融市場の思惑からドル高円安となり、日本の景気にとってはリスクというより追い風となる可能性もあります。米国の利上げによって資金が引き上げられて困る途上国も多いでしょうが、日本の場合には資金が米国に流れることは困ったこととは言えないでしょう。むしろ、景気の予想屋にとっては経済予測以上に景気が良くなってしまう「上振れリスク」なのかもしれません。

TPP離脱はリスクにあらず

 トランプ次期大統領がTPPを離脱したとしても、何も起きません。TPPが発効すれば起きたかもしれないことが起きなくなった、というだけですから、今より悪くなることはありませんので、これはリスクとは言えないでしょう(良くなることもありませんが)。

 トランプ次期大統領は、NAFTAからの脱退も考えているようです。これについては、メキシコ経済にとっては大きなリスクであり、メキシコに進出している日本企業の子会社にとっても大きなリスクでしょうが、日系メキシコ企業は、日本企業ではなくメキシコ企業であって、失業するのはメキシコ人労働者です。日本経済への影響は、せいぜいメキシコ子会社から東京本社への配当金が減る程度の話ですから、気にする必要はありません。

 年明け早々、トランプ次期大統領が、トヨタがメキシコに工場を作る計画を批判したことが話題になりましたが、これでトヨタの日本人従業員が失業するわけではありませんから、(株式投資家は別として、日本経済を予想する人にとっては)過度な懸念は不要です。

米中貿易戦争の勃発

 トランプ氏は、支持基盤である米国の工場労働者の雇用を確保するため、中国からの輸入製品に関税を課するかもしれません。そうなれば、中国も報復関税を課するかもしれませんが、中国の被る打撃の方が圧倒的に大きそうです。

 そもそも米国の対中輸入は対中輸出の4倍もあること、米国の対中輸入品は国産品に置き換えることができる労働集約型製品である一方で、中国の対米輸入は国産品に置き換えることができない技術集約型製品であること、などがその理由です。

 米国に圧倒的なメリットがあるとわかれば、「米国第一主義」を掲げるトランプ氏としては、対中輸入関税を課するインセンティブが充分にあることになります。これにより、中国経済が大打撃を被り、日本の対中輸出が激減してしまうリスクは、考えておく必要があるでしょう。しかし、過度な懸念は不要です。米国が中国から輸入していた物の多くは、他の途上国からの輸入に振り変わるでしょうから、そちらの途上国の経済が発展し、日本製品の輸出が増えることになるはずだからです。

 米中間の関税引き上げ合戦が行なわれるとすると、日本が漁父の利を得る可能性も大きいでしょう。米国が中国から輸入しているものは、労働集約的な財が多いでしょうから、日本からの輸出に振り変わるケースは少ないかもしれませんが、中国の対米輸入が激減した穴の一部を日本製品が埋めるケースは多そうです。日本製品と米国製品は、いずれも技術集約型製品で、代替候補になりやすいからです。

 そう考えると、米中の貿易戦争は、日本にとってリスクというよりチャンスかもしれません。もちろん、米国の全面的な保護主義による対日輸入関税といった話にまで発展しない、という前提ですが。

米国の対日輸入関税

 米国の保護主義が、対中国、対メキシコ等にとどまらず、対日輸入関税にまで拡がるリスクもあるでしょう。昔懐かしい「日米貿易摩擦」の再来です。これは、まぎれもなく日本経済にとってリスクでしょう。

 もっとも、過度な懸念は不要かもしれません。日本は中国やメキシコと異なり、昔から日米貿易摩擦に悩まされて来ましたので、免疫力も付いています。たとえば米国には日本企業の子会社が数多くの工場を持ち、現地生産を行なっています。日本経済が対米輸出に頼る度合いが、以前よりも大幅に低下しているのです。

 また、日本製品は高品質であるため、高くても日本製品が欲しい、という買い手が世界中にいます。従って、多少の関税が課せられても、売上の減少幅は限定的かもしれません。低価格を武器に輸出を伸ばしている中国製品とは、関税に対する耐久力が異なっている、というわけです。

 今ひとつ、トランプ円安の恩恵がバッファーとなってくれる可能性もあります。関税を課せられたら、その分だけドル建て輸出価格を引き下げることが可能かもしれないからです。ドル建て輸出価格を関税分だけ引き下げても、円建て輸出価格はトランプ円安前と大差ない、ということも考えられるでしょう。

米国一国主義に伴い、中東地域などで紛争が多発するリスク

 米国が、「世界の警察官」であることをやめ、米国一国主義に走るとします。その場合でも、日本や欧州は同盟国ですから、簡単に見放したりしないでしょうが、懸念されるのは、米国が中東地域への関与をやめることです。

 中東地域は、大産油国が多いことから、米国の国益を考える上で重要な地域でしたが、昨今のシェール・オイル掘削技術の発展等により、米国が原油の自給自足出来るようになりつつあります。そうなれば、米国第一主義の観点から米国が中東地域の安定に関心を示さなくなる可能性が高まるでしょう。

 米国は原油が自給自足出来るかもしれませんが、原油等のエネルギーの殆どを輸入に頼り、しかも原油の圧倒的大部分を中東地域からの輸入に頼っている日本にとっては、これは大きなリスクです。

 今年何かが起きるというわけではないでしょうが、たとえば中東で紛争が多発するようになるかもしれません。最悪の場合、中東全体がシリアの内戦のような状態になりかねません。

 こうした動きを加速しかねないのが、産油国の窮乏化です。原油価格が暴落したまま回復せず、産油国がようやく減産に合意したものの、原油価格の戻り幅は限定的でした。さらには、米国のオイル・シェールの技術進歩によって彼等の採算ラインが急速に低下していることから、原油価格が本格的に戻ることは難しくなりつつあるとも言われています。

 そうなると、潤沢な原油輸出収入を用いて国民の税金をゼロにするなど、究極のバラマキ政策で政権を安定させてきた中東諸国の政権運営が不安定になるかもしれません。国内で不満が高まり、革命に繋がるかもしれませんし、国内の不満を逸らすために対外的な強攻策に出る無謀な政権が出て来るかもしれません。

 いずれにしても、これは日本経済にとって大きなリスクです。幸い、そうした事態が今年中に起きる可能性は大きくありませんが、少し長い目で見た場合には巨大なリスクであるわけで、そのことはしっかり認識しておいた方が良さそうです。


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