東京電力や東北電力、日本製紙グループなど電力・素材メーカー11社は、石炭の共同輸入を始める検討に入った。2018年にも福島県の小名浜港に大型船で一括輸送し、輸送費を個別で運ぶより4割安くする。大型船が入港できるよう国土交通省は同港に新しい岸壁を整備する。火力発電用の石炭を安価に輸入できるようになれば電気料金の抑制にもつながる。
共同輸送を検討するのは東電などのほか、東邦亜鉛、クレハ、三菱マテリアルが出資する小名浜製錬など11社。自家発電向けも含め、いずれも電力源として石炭を使う。 計画では、大型船でオーストラリアやインドネシアから小名浜港まで石炭を輸送し、同港周辺で使う分を降ろす。残った分を小型船に小分けしたり、そのまま大型船を使ったりして、東北地方と茨城県の5港に輸送する。共同輸送で海外からの輸送コストは平均で1トン1619円と個別に運ぶ場合に比べ4割下がる。11社合計のコスト削減効果は最大で年50億円規模に達する。 国交省は18年までに小名浜港に水深18メートルの岸壁を整備する。現在は14メートルが最深。新設後は12万トン級の大型船が着岸でき1隻あたりの輸送能力は5割増える。港湾内の混雑緩和で小名浜港を利用する企業全体で年12億円のコスト削減効果がある。 |
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