<水耕栽培の視察の様子>
平成29年9月6日(水)に,農業や食関連産業への就業を検討している宮城県迫桜高等学校の生徒の農業経営等への理解と関心を醸成することを目的に,栗原市一迫の2つの農業法人を訪問しました。視察研修にはアグリビジネス系列の21人の生徒(2~3年生)が参加し,水耕栽培の仕組みや経営の概要,今後の経営計画等について学習しました。
最初は,「有限会社 耕佑」の常務取締役の伊藤秀太氏を講師に,耕佑で導入している水耕栽培システム(M式水耕研究所)の仕組みやメンテナンスについて見学し,地域の女性労働力を活用した葉物野菜に特化した経営についてお話しを伺いました。(有)耕佑では,サンチュやサラダ菜を中心に栽培しており,経営の基本は,「売り先のある品目を安定供給する」です。最近は,新たにケールやホワイトセロリを作っていますが,中食・外食向けが多いため安定供給が特に重要であり,グローバルGAPの実践が役に立っているとのことでした。
次は,平成28年6月に法人化したばかりの「農事組合法人 ファーム南栗原」の代表理事組合長の松田久義氏を講師に,法人化の経緯や今後の計画についてお話を伺いました。一迫南沢地区は110haの耕地があるものの沢沿いの中山間地であり,地区住民の減少に伴い,地区内ほ場の維持管理が困難になってきたのが法人化の一番の理由とのことでした。現在は水稲中心の経営で,役員の平均年齢は60歳を超えていますが,今後,ライスセンターの整備や園芸品目の導入,基盤整備事業の実施等により経営基盤を整え,若手の役員や従業員を雇用できる経営体にすることが目標とのことでした。
どちらの農業法人も,地域や実需の状況に対応しつつ,今後の目標をしっかり見据えた経営を行っており,参加者は,今後の進路選定に向けて大変参考になったようでした。
<連絡先>
宮城県栗原農業改良普及センター 地域農業班
TEL:0228-22-9404 FAX:0228-22-6144