宮城の農業普及現地活動情報

県内9つの農業改良普及センターから,地域の特色ある取組や,宮城を元気にする農業普及情報をお届けします!

オリーブ巡回指導会

2021年06月28日 10時15分21秒 | 東日本大震災からの復興に関する支援

 石巻市では平成26年以降オリーブの試験栽培が行われています。栽培面積は年々増加しており,令和3年4月時点で4haあまりとなっています。
 栽培の主体は平成29年に設立された「石巻市北限のオリーブ研究会」で生産者団体の他,石巻市,復興庁,宮城大学や県が構成員となっています。研究会では行事の一環として香川県から(株)アライオリーブ社長の荒井雅信氏を講師としてお迎えし,定期的に指導会を開催しています。
 令和3年の第3回目となる今回の指導会は令和3年6月22日,23日の2日間にわたり石巻市内6か所の栽培試験地を巡回指導する形で開催され,これから発生が多くなる病害虫の防除やちょうど満開期となり受粉※の時期となっていることから確実に受粉・結実させるための作業などについてお話しをいただきました。また,普及センターからはオリーブ花粉の発芽率調査の結果について説明しました。
 今年1月の低温により一部の樹に凍害が発生するなど今後の生育への影響が心配されましたが,今年は昨年以上の開花があり,今後自然災害などの発生がなければかなりの収量増が見込まれます。
 石巻産のオリーブは植栽後の年数が浅いこともあり,まだ本格的な収量には達していないため現在のところ市販はされていませんが,昨年試作したオイルは上々の品質となっています。近い将来,石巻産のオリーブオイルが店頭に並びますので,お見かけの際は是非お買い求めいただき御賞味くださいますようお願いします。

※オリーブなどの果樹の多くは別の品種の花粉を受粉しないと実がなりません。これを自家不和合性といいます。このため,実をならせるためには別の品種の花粉をめしべにつけてあげる必要があります。たまに「花は咲くのに全く実がならない」という御相談を受けることがありますが,1本しか植えていない,または同じ品種だけを植えているような場合は上記の理由により実がなりません。

 <連絡先>
 宮城県石巻農業改良普及センター  先進技術第2班
  TEL:0225-95-1435   FAX:0225-95-2999 


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長面地域での土づくりの効果を検討しました。

2021年02月09日 09時37分59秒 | 東日本大震災からの復興に関する支援

 長面地域を耕作する法人の水稲収量向上・安定による経営安定化に向けて,令和3年1月13日に検討会を開催しました。農事組合法人みのり,農事組合法人ゆいっこ,株式会社宮城リスタ大川の3法人と関係機関が出席し,長面地域での水稲栽培や,農地・揚排水機場の復旧状況などについて情報交換を行いました。石巻市大川地区の長面地域の復旧農地は,津波によって作土が流失したため,新たに客土を行いました。そのため堆肥などの有機物施用による土づくりが必要ですが,周辺地域のどこから,どのくらいの量の堆肥を入手できるのかが明確ではありませんでした。今回,普及センターから,周辺地域の畜産農家への聞き取り調査などで判明した堆肥の活用状況と長面地域に供給可能な量を示しながら,散布計画に沿った堆肥施用による土づくりの重要性を説明しました。出席者からは,新たに堆肥施用に取り組みたい,堆肥施用による収量向上を実感している,今後も堆肥施用を継続したいといった意見があがりました。普及センターでは今後も,長面地域での水稲収量向上や,有機物の地域内循環の取り組みを支援していきます。

 

<連絡先>
 宮城県石巻農業改良普及センター  先進技術第一班
  TEL:0225-95-7612   FAX:0225-95-2999 


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沿岸部の復旧農地で土壌調査を実施しました。

2020年12月03日 13時16分30秒 | 東日本大震災からの復興に関する支援
 石巻市大川長面地域の復旧農地では,地盤地下や津波による土の流出のため,盛土と客土により地面を高くする工事が行われました。この復旧農地に水稲を作付けして栽培管理を行うことができるよう,11月12日に土壌断面調査を実施しました。土壌断面とは,土壌表面に対して土壌を垂直に掘削した面のことで,色や土の性質,硬さが異なるいくつもの層が見られます。今回は約1mの深さまで穴を掘って層ごとに調査し,作物の根が主に生育する作土層だけでなくその下層の状態を確認し,ほ場の排水性や保水性,作物の根の伸長が妨げられるような硬い層がないかなどを把握しました。長面地区の中でも,客土された土の性質は異なっており,適切なほ場管理のために土壌調査を行い,下層土の性質を把握することが重要です。
 今後も普及センターでは,復旧農地における営農と農業経営の安定化を支援していきます。

 <連絡先>
 宮城県石巻農業改良普及センター  地域農業班,先進技術第1班
  TEL:0225-95-1435    FAX:0225-95-2999

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津波被災地,南三陸町廻館地区の営農計画等を検討 第2報

2020年10月27日 17時50分25秒 | 東日本大震災からの復興に関する支援

 東日本大震災で被災した南三陸町廻館地域では,ほ場整備後の農地利用について検討を行っています。令和2年10月22日にほ場整備事業合同委員会が開催され,作付体系図等を検討しました。前回の合同委員会で検討した農地利用計画を元に,各ほ場における令和4年度までの具体的な作付体系図を作成しました。
 今年で復興10年目を迎え,本格的な営農活動がスムーズに行えるよう,当普及センターでは今後も支援していきます。

<連絡先>
 宮城県気仙沼農業改良普及センター 地域農業班
 TEL:0226-25-8068   FAX:0226-22-1606


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南三陸町普及農地の田んぼアート2020 第2報

2020年08月18日 08時58分10秒 | 東日本大震災からの復興に関する支援

 南三陸町廻館地域では,廻館営農組合員が平成29年から田んぼアートを作り続けています。今年は5月15日に田植えを行い,現在はだんだんと色付き始め,デザインが形取られてきました。「赤穂波」や「紫穂波」などの穂が色づく品種も用いているため,6色すべてが色付くのは穂揃い期から成熟期の8月中旬から9月頃となりそうです。今年のデザイン「五輪の輪」の完成が楽しみです。

<連絡先>
 宮城県気仙沼農業改良普及センター 地域農業班
 TEL:0226-25-8068 FAX:0226-22-1606


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津波被災地,南三陸町廻館地区の営農計画等を検討

2020年07月08日 09時42分41秒 | 東日本大震災からの復興に関する支援

 気仙沼農業改良普及センターでは,東日本大震災で被災した南三陸町廻館地区を対象にプロジェクト課題「集落営農組織の地域営農体制構築による経営体質強化」を実施しています。
 当地区は,農地復旧により平成28年から営農が再開され,水稲や野菜などが作付けされています。復興期間の最終年度である本年度は,一部で補完工事が行われる予定となりました。
 6月18日にほ場整備事業合同委員会が開催され,農地の利用計画を踏まえた補完工事となるよう話し合いを行い,また将来の作付けビジョンについて検討し,営農組合内での意識統一を図りました。
 当普及センターでは,今後も安定した生産活動が行えるように支援してまいります。

<連絡先>
 宮城県気仙沼農業改良普及センター 地域農業班
 TEL:0226-25-8068   FAX:0226-22-1606


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土づくりモデル実証ほの設置で地域の地力向上へ

2020年06月02日 09時13分32秒 | 東日本大震災からの復興に関する支援

  令和2年5月26日,石巻農業改良普及センターが石巻市大川地区に設置した土づくりモデル実証ほにおいて,田植後の植付本数及び栽植密度調査を行いました。
 東日本大震災の津波被災を受け,その後のほ場整備事業が完了した石巻大川地区及び北上地区の復旧農地においては,これまでの水稲生育調査等の結果から地力が低いことによる低収量が課題であることが明らかになっています。そこで普及センターでは,令和2年度からのプロジェクト課題で,大川地区の法人に堆肥の施用量を変えた土づくりモデル実証ほを設置し,堆肥施用による効果の検証等を行います。実証ほでは令和2年5月24日に田植えが行われており,今後生育調査や成熟期調査を行いながら,施肥効果の比較や,現地検討会の開催に取り組んで参ります。

<連絡先>
 宮城県石巻農業改良普及センター  先進技術第1班
  TEL:0225-95-7612   FAX:0225-95-2999 


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南三陸町復旧農地の田んぼアート2020

2020年05月22日 09時22分42秒 | 東日本大震災からの復興に関する支援

 東日本大震災で被災した南三陸町では,ほ場整備が完了し,引き渡された農地について,農地中間管理事業が活用され,水田の集積が図られました。
 廻館地域では,今年で4年目となる田んぼアートの田植えが5月15日に行われました。今年のデザインは,紫や白,赤などの6種類の稲の苗を用いた五輪の輪です。今年は,新型コロナウイルス感染症の蔓延防止のため,例年行っているボランティアの参加を募ることができませんでしたが,営農組合員が田植機を用いて五輪の輪を描きました。残念ながらオリンピックは1年延期となりましたが,田んぼアートは,7月から見頃を迎え,志津川高校の校門前から見ることができます。
 普及センターでは,今後も担い手へ復旧農地の集積が計画的に進むよう支援していきます。


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石巻市北限オリーブ研究会の3部会会議を開催

2020年01月08日 15時47分36秒 | 東日本大震災からの復興に関する支援

 東日本大震災からの復興のシンボルとして石巻市において試作されている「北限のオリーブ」の収穫,搾油作業が11月に行われました。これを受けて,このたび研究会に設置している3部会(「栽培技術・生産部会」,「特産品開発・6次産業化部会」,「震災復興活用部会」)の合同会議が開催されました。

 本年は,約100kgのオリーブ果実から約4リットルのオリーブオイルが搾油され,合同会議では,搾油したオリーブオイルの試飲会を行いました。未成熟な果実から搾ったオリーブオイルは,夏草の香りに近いフレッシュな香りが高く,果実の緑を溶かし込んだような緑色の濃いオイルに仕上がっており,石巻産のオリーブオイルの品質の高さ,商品化に向けた手応えを感じることが出来ました。

 この他,合同会議においては,生産計画の見込みや,商品化に向けた課題などについて,活発な意見交換が行われました。

 試験栽培も5年目を迎えたものの,まだ収穫量は少なく,生産が軌道に乗るまで数年かかる見込みですが,石巻地域の新たな特産品として,また復興のシンボルとして期待が高まっています。

 ※写真は収穫作業の様子と搾油した石巻産オリーブオイル(濃い緑色が特徴)

 

 

<連絡先>  宮城県石巻農業改良普及センター  先進技術第1班   TEL:0225-95-7612   FAX:0225-95-2999


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「井土ねぎ」の地産地消教育・食材PR活動を行ないました

2019年07月26日 09時37分19秒 | 東日本大震災からの復興に関する支援

 令和元年6月27日に「井土ねぎ」をテーマ食材とした地産地消教育・食材PR活動の一環として,仙台コミュニケーションアート専門学校と連携して生産現場実習を行いました。実習には,仙台コミュニケーションアート専門学校調理師科の学生16名と先生2名が出席しました。
 井土ねぎを生産する (農)井土生産組合は,東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた井土地区において,集落内の個別経営農家15戸が共同で再建を目指し設立された農事組合法人です。現場実習では,組合の鈴木副代表理事から,経営概要や井土ねぎに関する説明があり,その後,実習として畝や通路の除草を行いました。
 今回の実習を終えて,学生からは,「生産者から栽培で大変なことをきき,また,実際の作業を体験して食材に対してありがたさを実感した。井土ねぎを使った料理レシピの考案時に感じたことを表現し,食べる人に伝えていきたい」という声をいただきました。
  今後,仙台コミュニケーションアート専門学校では,今回の実習で得たことを秋に予定する井土ねぎ料理レシピコンテストのレシピ開発に活用していく計画です。

〈連絡先〉
宮城県仙台農業改良普及センター 先進技術第二班
〒981-8505 仙台市青葉区堤通雨宮町4番17号
TEL:022-275-8374
FAX:022-275-0296
E-mail sdnokai@pref.miyagi.lg.jp

 


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