本交流会は宮城県指導農業士会(会長 大内喜一郎)が主催,地域の農業士や農業関連施設等の技術と経営状況を研修し,情報交換することにより,指導農業士活動の推進を図ることを目的としており,平成22年11月10日(水)~11日(木)に栗原地域で開催されました。
当日は大内会長ほか,指導農業士13名,県関係者4名の計17名が参加しました。栗原農業士会が研修内容を企画,農商工連携をテーマに①「くりはら直売館よさこい」②「株式会社 愛宕産土農場」③「有限会社 川口グリーンセンター」④「指導農業士 白鳥一彦氏」を視察しました。
「くりはら直売館よさこい」は, 食品関連会社5社((株)ダイチ,(有)えびす,(有)郷芯,(有)パレット,(有)もちっ小屋でん)で運営しており,もちっ小屋でんの狩野千萬男代表取締役社長より,本施設の設立経過と事業,運営体制について説明がありました。また,狩野社長は,自らが稲作農家であり,「お米は働きもの」を経営指針に地域農業の6次産業化に取り組んでいること,一迫商業高等学校と連携して数々の新商品を開発し,地域の人材育成を図っていることなど話してくれました。
「(株)愛宕産土農場」は,集落営農の取り組みである「愛宕生産組合」を経て,平成19年に設立しました。菓子製造業の(有)パレットと連携し,地域特産物である「ずんだ」を開発,パレットで販売しています。佐藤社長は,パレットからは色の良い豆の提供を求められるなど,実需者の視点での生産が求められるが,1次加工した枝豆のニーズはあり,さらに生産や販路を拡大したいと話していました。
「(有)川口グリーンセンター」は指導農業士の白鳥正文氏が代表取締役を務めており,地域農業の担い手として,高齢化により水田耕作ができなくなった農家から田を借受け,104戸52haの水稲受託経営を行っています。その他,スプレー菊の栽培,農産物直売所の運営などの多角経営に取り組んでいますが,さらにパンづくりの専門家と組んで米粉ビジネスの拡大に着手してるとのことでした。
白鳥一彦氏は,第58回全国農業コンクールで「クボタ賞」,さらに平成22年度全国優良経営体表彰において農林水産省経営局長賞を受賞した宮城県を代表する土地利用型農業経営経営体であり,水稲と大豆の大規模経営で高い収益をあげています。生産技術の高さに加えて,ハンドリングの部分で機械をうまく利用,最少の労働力で経営を行っていること,また,機械のメンテナンスが十分行われていることなどが高い収益性の秘訣であると考えられました。
県内各地から集まった指導農業士の方々は,栗原市において積極的に農商工連携が進められていることを初めて知り,高い関心を抱いていたようです。
<連絡先>
宮城県栗原農業改良普及センター 地域農業班
TEL:0228-22-9404 FAX:0228-22-5795・6144