保健福祉の現場から

感じるままに

医学部新設の行方

2013年11月26日 | Weblog
秋田魁新聞「医学部新設構想 地域医療への配慮必要」(http://www.sakigake.jp/p/akita/editorial.jsp?kc=20131124az)。<以下引用>
<東北地方への医学部新設構想が持ち上がっている。東日本大震災の復興支援として政府が検討しているものだが、医師会などは、教員となる医師の引き抜きによる地域医療への影響を強く危惧する。ただでさえ深刻な東北の医師不足。これに拍車を掛けるような形での新設は絶対避けなければならない。大震災により被災3県で医師不足が一段と深刻化したため、宮城県知事が東北への医学部新設を政府に要望、具体化に向け検討が始まっている。医師不足が社会問題化している東北だが、医学部新設を手放しで歓迎できるかというと必ずしもそうではない。医学部ができれば教員などとして約300人の医師が必要という。東北の大病院から勤務医らが引き抜かれると、地域医療に深刻な影響が出るのは必至だ。仮に秋田大医学部や付属病院から医師が引き抜かれれば、大学病院の医師そのものが不足。地域の中核病院から派遣医師が引き上げられ、地域医療の崩壊が進むことは誰の目にも明らかだ。日本医師会は医学部新設に当初から反対し、開設を求めていた東北市長会さえも、東北の医師は教員として採用しないよう配慮を求める要望書を文部科学相に先ごろ提出した。引き抜きによる地域医療への影響に強い危機感を抱いているのだ。東北の医師不足は数字からも明らかだ。2010年末の人口10万人当たりの医師数は、本県(203・8人)を含め東北6県はいずれも全国平均219・0人を下回り、地域偏在や診療科偏在も深刻化している。政府が1979年の琉球大を最後に医学部を認可せず、医師抑制策を続けたのが最大の原因だ。ところが高齢化などで医療ニーズが急増したため政府は方針転換。医学部の定員増を進め、総定員は79年当時から約1400人増え、現在は9千人を超す。定員100人の医学部なら14大学分増えたことになる。秋田大医学部もかつては定員100人だったが、地域枠などを含め120人まで増えた。仮に医学部ができても、一人前の医師になるまでは10〜20年という長い年月を要する。卒業生が東北にどの程度定着するかという問題もある。とはいえ東北の医師数はまだ絶対的に不足しているのも事実。一段と進む高齢化で医療ニーズはさらに増すはず。地域医療への影響を最小限に抑えるような教員確保策を施した上で、復興支援など災害医療、地域・へき地医療に特化した医師の育成という考え方があってもいい。医学部の総定員は増えており、将来人口、高齢化率の推計や必要医師数なども考慮する必要があるだろう。将来を見据えた医師養成だけでなく、地域偏在と診療科偏在という当面の課題改善にも力を注ぐべきだ。政府には東北の現状を踏まえた真の意味での地域医療の確保策を求めたい。>

文科省「地域の医師確保等の観点からの平成26年度医学部入学定員の増加について(通知)」(http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/iryou/1340778.htm)(http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/iryou/1340780.htm)では、地域の医師確保のための入学定員増として、「各都道府県につき原則10名を上限に増員を認める。」「入学定員増について、都道府県は、地域医療再生計画に当該入学定員の増加を位置付け、大学と連携し卒後一定期間の地域医療等の従事を条件とする奨学金を設定すること」「入学定員増を希望する大学は、別添の「平成26年度入学定員増員計画」を文部科学省に平成25年10月29日(火曜日)までに提出すること。」とあったが、医師不足を強調される都道府県ではどうだったのであろうか。地元大学の入学定員増ではなく、医学部新設にこだわる理由はいったい何であろうか。今年9月25日、日本医師会が会見で医学部新設に反対表明(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20130925_12.pdf)し、9月30日には全国医学部長病院長会議も医学部新設に反対を表明している(http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/181761/?category=)中で、医学部新設が容易に進まないように感じる方が少なくないであろう。一旦、医学部が新設されると、医学部の定員調整と違って、柔軟な対応がしにくくなる。歯科医師過剰(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%AF%E7%A7%91%E5%8C%BB%E5%B8%AB%E9%81%8E%E5%89%B0%E5%95%8F%E9%A1%8C)や法科大学院定員割れ(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%95%E7%A7%91%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E9%99%A2%E5%AE%9A%E5%93%A1%E5%89%B2%E3%82%8C%E5%95%8F%E9%A1%8C)等と同じ轍を踏んではいけない、と思う方は少なくないかもしれない。なお、国家戦略特区の官邸資料(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/kadaibetu/dai1/siryou5.pdf)p1で、「国際医療拠点の創設と連携して、医学部の新設」があったが、10月18日の国家戦略特区における規制改革事項等の検討方針案(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/dai10/siryou.pdf)p2では、「医学部の新設については、高齢化社会に対応した社会保障制度改革や全国的な影響等を勘案しつつ、国家戦略特区の趣旨を踏まえ、関係省庁と連携の上、検討する。」とされている。しかし、医学部新設や入学定員の増加よりもさらに即効性があって、全くお金を使わず、医師数を増やす方法が一つある。それは医師国家試験の合格率をアップすることである。第107回医師国家試験は、受験者数8569人で合格率 89.8%(http://www.tecomgroup.jp/igaku/topics/107.asp)で、7696人の医師が誕生したが、4年前の第103回の合格率91.0%であれば、あと約100人の医師が増えていた。これは医学部一校分に相当する。安易な方法と批判されるであろうが、例えば、初期研修の充実(研修達成項目の厳格化)等でカバーできないものであろうか。
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難病医療費助成の行方

2013年11月25日 | Weblog
朝日新聞「難病患者の負担増を修正 厚労省、批判受けて重症者半減」(http://apital.asahi.com/article/news/2013112500001.html)。<以下引用>
<難病の医療費助成で大半の患者が負担増になる見直し案について、厚生労働省は24日、患者の自己負担額を重症者に限って半分程度に引き下げる方針を固めた。患者団体から批判が相次いだため、修正することにした。筋萎縮性側索硬化症(ALS)などで人工呼吸器をつけた患者には、さらに負担軽減を検討する。ソウルを訪問中の田村憲久厚労相が記者団に「重度で高額な医療費が長期間続く皆さまには、一段の軽減策を示したい」と述べた。厚労省は12月上旬の難病対策委員会に最終案を示す。負担圧縮となる「重症者」の認定基準は、新設する第三者委員会で決める。難病助成の見直しでは、助成対象を56疾患の78万人から約300疾患の100万人に増やす。日本難病・疾病団体協議会の伊藤たてお代表理事は「重症の定義があいまいで、どの程度負担が軽くなるのかわからず、現時点で評価できない」と話す。>

読売新聞「難病患者、月負担2万円に…医療費上限引き下げ」(http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20131125-OYT1T00017.htm)。<以下引用>
<厚生労働省は、難病患者の医療費助成制度見直しに関し、患者の1か月の負担限度額を最大2万円程度とする方針を固めた。10月末にまとめた素案で最大4万円超とした限度額を引き下げ、患者の経済的負担を軽くするものだ。同省は2015年1月からの新制度実施を目指しており、政府・与党内の調整を経て、14年の通常国会に新法を提出したい考えだ。これに関連し、田村厚生労働相は24日、訪問先のソウル市内で記者団に対し、素案で年収に応じ6段階に分けた負担限度額について、「上限は自立支援医療制度並みにしていくことで最終調整している」と述べた。自立支援医療制度は、障害者の1か月の医療費負担限度額を2500~2万円(生活保護世帯は免除)と定めている。田村氏の発言は、これと同様に、難病患者の医療費の負担限度額も最大2万円程度としたい意向を示したものだ。>

「患者の自己負担額を重症者に限って半分程度に引き下げる方針」と報道されているが、厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002tl6o-att/2r9852000002tl96.pdf)p37に出ているように、現行の難病医療費助成では重症患者認定者は自己負担がなく、p38にあるように全体の1割余が該当する。これに一切触れない報道はおかしい。既に報道では、「10月8日の自民党の厚生労働部会と社会保障制度に関する特命委員会の合同会議で、消費税率8%への引き上げに伴う平成26年度増収分から難病や小児慢性特定疾患に係る医療費助成の制度確立で平成27年1月を目途に新法による法定給付、初年度は平成27年2月・3月の2か月分が対象で300億円程度充てる(国150億円程度)、平成27年4月以降満年度化した場合の事業費は1800億円程度(国900億円程度)、平成25年度の事業規模は難病医療費助成で約1300億円、小児慢性特定疾患医療費助成で約260億円」(保健衛生ニュース10月21日号)とあり、そのとおりであれば、国制度の治療研究事業全体としては、現状よりも年間約240億円の事業費増が意図されていることは理解したい。疾病対策部会難病対策委員会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008f2q.html#shingi127746)、社会保障審議会児童部会小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008f07.html#shingi126716)の最終報告に注目である。
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医療計画と障害福祉計画との一体的推進

2013年11月25日 | Weblog
精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針等に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000almx.html#shingi141270)の次回会合は11月29日で、改正精神保健福祉法の施行事項も協議される。すでに、11月11日の障害保健祉関係主管課長会議(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaigi_shiryou/)で「改正精神保健福祉法の施行について」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaigi_shiryou/dl/20131112_01_12.pdf)が出ているので見ておきたい。さて、厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000026440.pdf)p19では「医療計画の策定サイクルを見直す(両者の計画期間が揃うよう、平成30年度以降、計画期間を6年に見直し、在宅医療など介護保険と関係する部分等は、中間年(3年)で必要な見直しを行う」とある。医療計画と介護保険事業計画との一体的推進は当然必要であるが、これまであまり強調されてこなかったように感じるのが、医療計画の精神疾患と障害福祉計画(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaigi_shiryou/dl/20131112_01_11.pdf)との一体的推進である。精神医療指針(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000almx.html#shingi141270)を進めるには、医療計画(精神疾患)において、精神保健福祉資料「630調査」データ分析(http://www.ncnp.go.jp/nimh/keikaku/vision/data.html)をもとにした政策科学としての戦略的な対応が求められる。それは、医療計画(精神疾患)、障害福祉計画(精神障害者)、介護保険事業計画(高齢精神患者、認知症)、健康増進計画(心の健康)等の組織横断的対応でなければならす、「保健所と市町村の連携・協働」が欠かせない。平成25年4月26日障発0426第6号「保健所及び市町村における精神保健福祉業務について 保健所及び市町村における精神保健福祉業務運営要領」(http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T130430Q0047.pdf)では、保健所の業務として、会議(所内企画会議、ケース会議、市町村・関係機関・団体との連絡調整、地域精神保健福祉連絡協議会等)、企画調整(現状把握・情報提供、障害者計画や医療計画の策定・実施・評価の協力)、普及啓発、研修、組織育成、相談、訪問指導、社会復帰・自立・社会参加への支援、入院等関係事務(移送に関する手続き、関係機関との連携、人権保護、精神科病院に対する指導監督等)、市町村への協力・連携などが示されている。また、厚労省医政局通知(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/tsuuchi_iryou_keikaku.pdf)p36では「圏域連携会議は、各医療機能を担う関係者が、相互の信頼を醸成し、円滑な連携が推進されるよう実施するものである。その際保健所は、地域医師会等と連携して当会議を主催し、医療機関相互または医療機関と介護サービス事業所との調整を行うなど、積極的な役割を果たすものとする。」とある。保健所と市町村が連携・協働すべきは、在宅医療・医療介護連携・地域包括ケアだけではない。
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補助金と利益相反

2013年11月24日 | Weblog
日刊ゲンダイ「狙いは補助金6850億円 徳洲会の東京「新病院」建設計画」(http://gendai.net/articles/view/news/146184)。

産経新聞「徳洲会施設に補助金7億5000万円 猪瀬氏副知事時代」(http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131123/crm13112308590005-n1.htm)。<以下引用>
<医療法人徳洲会グループは東京都内にも病院・保険施設を抱えており、猪瀬直樹都知事が副知事だった時代には、グループが開設した老人保健施設に都が約7億5千万円の補助金を支出していた。グループは東京都内に総合病院として東京西徳洲会病院(昭島市)を運営しているが、昨年5月にグループ傘下の特定医療法人「沖縄徳洲会」が老人保健施設「武蔵野徳洲苑」(西東京市)を開設した。武蔵野徳洲苑の工期は平成22~23年度の2年間で、沖縄徳洲会が西東京市に設立を申請し、都が近隣に所在する施設数などを考慮して150床を認可した。150床規模の施設の場合、都は最大で9億6千万円の工事費を補助している。沖縄徳洲会は一般競争入札で工事業者を選定し、工事額全額の7億4970万円の補助を受けた。>

NHK「徳洲会側「猪瀬知事が1億円お願い」」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131123/k10013280511000.html)。<以下引用>
<東京都の猪瀬知事が去年の知事選挙の前に大手医療法人「徳洲会」グループ側から5000万円を受け取っていた問題で、関係者によりますと、徳洲会の徳田虎雄前理事長が次男の徳田毅衆議院議員から「猪瀬さんが『1億円をお願いしたい』と言っている」と伝えられ、「5000万円で対応しろ」と指示していたということです。猪瀬知事は、初当選した去年12月の知事選挙の告示日直前に「徳洲会」グループから5000万円を受け取り、ことし9月に徳洲会が東京地検特捜部などの強制捜査を受けたあと全額を返却していました。この経緯について猪瀬知事は、去年11月上旬に徳洲会の徳田虎雄前理事長に面会し、選挙への支援を要請したと説明しています。関係者の話によりますと、その後、前理事長は次男の徳田毅議員から電話で「猪瀬さんが『余ったら返すのでまずは1億円をお願いしたい』と言っている」と伝えられたということです。これに対し前理事長は「5000万円で対応しろ」「足がつかないよう議員会館で渡せ」などと指示したということです。これを受けて徳田議員は議員会館の事務所で知事本人に直接、現金で5000万円を手渡したということです。猪瀬知事は22日の会見で、受け取った資金は個人的な借入金だと強調したうえで、「徳洲会側から申し出があり、厚意を断るのは失礼だと考えて借りた。5000万円という額になった理由は分からない」などと説明しています。>

行政補助金を受けた側からの資金提供はまずいように感じる。しかし、「高血圧症治療薬の臨床研究事案を踏まえた対応及び再発防止策について(中間とりまとめ)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000025682.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000025683.pdf)が出ているように、利益相反に対しても社会の目は厳しくなっているであろう。研究だけではなく、審議会に対してもそうである。例えば、疾病対策部会難病対策委員会論点(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000021123.pdf)の中の最大のポイントは、医療費助成であり、医療費助成の対象となる疾患の選定を行う第三者的な委員会が設置されるというが、委員の利益相反のチェック(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002b5l0-att/2r9852000002b6xj.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001jmcs-att/2r9852000001jmi4.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001jmcs-att/2r9852000001jmk7.pdf)が欠かせないであろう。とにかく、補助金を出した相手から安易に資金提供を受けてはいけないし、便宜を払ってもらった相手に嫌疑をかけられるような補助金を出してもいけない。ところで、ネットでは詳細な資料(http://iiyama16.blog.fc2.com/blog-entry-7068.html)が出ているが、どこまで本当であろうか。
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医療機関の機能分化

2013年11月24日 | Weblog
キャリアブレイン「厚労省、医療機関が協議する機能分化案提示- 知事の権限範囲が論点に」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/41436.html)。<以下引用>
<厚生労働省は22日に開かれた社会保障審議会医療部会に、「病床機能報告制度」を踏まえた医療機能ごとに病床数をコントロールする仕組みの修正案を提示し、おおむね了承された。地域において医療機能に著しい偏りがあった場合、都道府県による政策的に補正する力をどの程度持たせるかや、知事の権限の範囲などが論点として残った。厚労省は来年の通常国会で、医療法を改正し、医療機関が担っている医療機能を都道府県に報告する病床機能報告制度を開始。その後、都道府県が、将来目指すべき医療提供体制を示した「地域医療ビジョン」に基づき、病床機能の分化を推進することを想定している。同省が10月11日、機能分化を進めるために医療機能ごとの基準病床数を設定、必要な病床数へと「誘導」する仕組みを同部会に示したところ、委員がそろって反発したため、修正案を提示した。厚労省の修正案は、医療機関の自主的な取り組みに依存する仕組みで、医療機関同士で「協議する場」を設け、地域医療ビジョンに掲げられた医療機能の必要量に向け、収れんさせていくものだ。また、医療機関の協議を実効性あるものにするために、知事に一定の権限を与えることを提案している。知事の要請に従わない場合は、医療機関名を公表したり、各種補助金の交付対象から除外したりする措置を講じることができるようにする。22日の会合では、日本医師会(日医)と四病院団体協議会が、病床機能の分化を進める仕組みを共同案として発表。共同案は、厚労省の修正案と共通点が多く、医療機関同士で連携し、今後の方向性を自主的に選択できるようにしている。共同案を説明した中川俊男委員(日医副会長)は、「共同案は、地域のニーズに応じた定量的な『指標』を設定するとしていて、厚労省の当初案にあった、定量的な『基準』を定めて、誘導していくのとは大きく違う」と強調した。同部会は、月内に病床機能分化の仕組みについて、最終的な方向性を固めたい考えだが、都道府県や知事の権限拡大を警戒している医療団体と、ぎりぎりの調整が続きそうだ。>

11月22日の社会保障審議会医療部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008f07.html#shingi126719)資料が出れば目を通しておきたい。知事に権限を与えて機能分化を進めるというが、政治力ではなく、データに基づく分析評価による政策科学の視点が不可欠と感じる。一つは、NDB(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/reseputo/dl/guide02_02.pdf)である。厚労省資料;「National Databaseを用いた医療計画策定のための基盤資料の作成に関する研究」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001g288-att/2r9852000001g2d4.pdf)、「NDBを活用した医療計画策定の考え方」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/shiryou_b-4.pdf)、「NDB配布データの理解と可視化ツールの操作方法」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/shiryou_b-3.pdf)に出ているように、NDBのレセプトデータを用いて、2次医療圏ごとの傷病構造及び医療提供体制を把握することは容易であり、医療計画・地域医療ビジョンにも活用できる。もう一つは、医療機能情報(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/teikyouseido/index.html)である。医療機能情報提供制度(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)は国の実施要領(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/teikyouseido/dl/youryou.pdf)はあるが、都道府県によって項目がバラバラであり、最近の診療報酬改定にも対応できていない。国策として、地域包括ケアシステム、医療介護連携を強力に推進するのであれば、この際、介護サービス情報(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/kouhyou/)(http://www.espa-shiencenter.org/)、薬局機能情報(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/kinoujouhou/)、サービス付き高齢者向け住宅情報(http://www.satsuki-jutaku.jp/index.php)等も含めて、国レベルでデータベースを構築し、地域毎に比較分析・評価できる体制の構築が必要ではないか。以前、厚労省「医療機能情報集約システム経費」(http://www.mhlw.go.jp/seisaku/jigyo_siwake/dl_rv3/039a.pdf)では、「病院等から各都道府県に提出された医療機能情報について、各都道府県から厚生労働省に電子媒体で提出させ、当該情報を集約し、データベース化する」とあったが、どうなっているであろうか。ところで、「国保の保険者が都道府県になると、知事は保険料制限に動くことは必至」と出ているが、高齢者医療確保法(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S57/S57HO080.html)第13条、14条で医療費適正化の評価によって、都道府県では、診療報酬特例ができることはどれほど知られているであろうか。医療計画・地域医療ビジョンは医療費適正化計画と一体的に推進されなければならないものである。国保財政運営の都道府県単位化されれば、都道府県別の資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2013/02/dl/tp0215-12-06p.pdf)を前面に出して、医療費適正化(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/info02c.html)を推進する必要があるように感じる。
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集団検診車への医師の立会い要件

2013年11月23日 | Weblog
キャリアブレイン「胸部エックス線撮影、医師立ち会い不要に- 法改正後、来年度中の施行目指す」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/41437.html)。<以下一部引用>
<社会保障審議会医療部会は22日の会合で、エックス線検診車などで診療放射線技師が胸部エックス線撮影を行う際、医師または歯科医師の立ち会いを不要にするために、診療放射線技師法を改正することを了承した。厚生労働省は、来年の通常国会に同法改正案を提出、成立後、来年度中の施行を目指す。>

11月22日の社会保障審議会医療部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000030449.html)で、「X線検診車におけるX線撮影時の医師又は歯科医師の立会いについて」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000030436.pdf)が出ている。全国保健所長会から厚労省に対する要望(http://www.phcd.jp/osirase/130821yobo-1.pdf)p12で、「集団検診車(胃、胸部)への医師の立会い要件について、実態調査を踏まえ、その在り方等の検討を行われたい。」とある。以前、キャリアブレイン「検診車医師不在問題、エックス線リスク検証- 厚科研報告後にWGで議論へ」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/40754.html)と出ていた。実態(http://www.jart.jp/news/tclj8k0000001f3g.html)を踏まえて、医師の包括的な指示により実施可能としてもよいのではないか、と感じる。集団検診機関からの情報公開とセットもよいかもしれない。
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薬品卸売業者に転売された薬剤

2013年11月22日 | Weblog
岩手日報「業者からDM勧誘きっかけ 洋野町の薬剤師横領」(http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews)。<以下引用>
<洋野町種市の国保種市病院に勤務する男性薬剤師(52)が病院内の薬を転売し、売上金約1億7千万円を横領していたとされる問題で、薬剤師は岩手日報社の取材に対し、東京都内の薬品卸売業者からダイレクトメール(DM)で勧誘を受けたのをきっかけにこの業者への転売を始めたと語った。薬剤師によると、当時数百万円の借金があったといい、横領の動機になったとみられる。町は問題を受け、20日付で薬剤師を懲戒免職処分とした。薬剤師によると、14年ほど前、薬剤師の元に医薬品の買い取りを勧誘するDMが届いた。これを受け、消費期限切れが近い薬や余った在庫の薬で、血圧が高い患者に処方する降圧剤などを宅配便で送付。後日、薬剤師の口座に代金が振り込まれていた。業者との電話やメールでのやりとりはほとんどなかったという。薬剤師が取引をしていたという薬品卸売業者のホームページには、「秘密厳守」をうたい、店頭や出張、発送による「高価買い取り」を受け付けている旨が記されている。業者は20日、取材に対し「東北の業者との取引はない」と関与を否定した。薬剤師は数日内に町に対し、500万円を返済する意向を示し「30年間お世話になった町民や病院の信頼を裏切ってしまい深くおわびする。できる限りの返済をする」としている。>

岩手日報「薬剤師2人確保できず 横領発覚の洋野・国保種市病院」(http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews)。<以下引用>
<薬剤師の横領が発覚した洋野町の国保種市病院は、久慈保健所が昨年度行った立ち入り検査で、薬剤師不足の指摘を受けていた。町側は2人目の薬剤師確保を目指したができず、長年男性薬剤師(52)一人に在庫管理などを任せていたことが、着服が長期化し多額になった背景にあるとみられる。医療法では、病院は入院患者数や処方箋を受けた外来患者数などを踏まえ、適正な薬剤師の配置人数が決められている。町によると、同病院は昨年度まで、専属の薬剤師2人が必要だった。薬剤師を募集したが見つからず、補助職員を配置し対応してきたという。2001年からの2年間は薬剤師が2人在籍していたが、それ以降は、この男性薬剤師が医薬品の発注や在庫管理業務のほぼ全てを一手に担っていた。>

病院での医薬品安全管理は医療機関立入検査(http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20130610_02.pdf)でのチェック項目の一つであるが、医薬品業務手順書に基づくチェック体制がどうなっていたか、気になるところである。報道では「補助職員を配置し対応してきた」とされるが、全く気づかれなかったのであろうか。報道では「売上金約1億7千万円」とある。また、薬品卸売業者に転売された薬剤が、その後、どのように流通したのか、徹底的な究明を期待したい。ネット販売や闇取引がないか、気にならないではない。そして、麻薬や向精神薬はなかったのであろうか。仮にそうであれば、麻薬及び向精神薬取締法(http://www.ron.gr.jp/law/law/mayaku.htm)に抵触することになり、麻薬取締官(http://www.nco.go.jp/)の出番である。果たして、薬品卸売業者への転売薬剤は今回の報道事件に限ったことなのか、である。今回の報道事件が突破口にならないとも限らないかもしれない。期限切れ薬剤の管理徹底が必要と感じる。そういえば、警察庁による昨年の生活経済事犯検挙状況(http://www.npa.go.jp/safetylife/seikan25/h24_seikeijihan.pdf)では、薬事関係事犯の検挙が105事件である。
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TPP並行協議

2013年11月22日 | Weblog
朝日新聞「日米、TPP並行協議開始 自動車分野など交渉」(http://www.asahi.com/articles/TKY201311200803.html)。<以下一部引用>
<TPP交渉と並行して進める日米二国間協議の第4回会合が20日、東京都内で開かれた。日本の交渉参加を認めてもらう条件として始めた貿易交渉。自動車分野など、米国の要求事項を中心に22日まで交渉する。>

11月22日までの交渉内容がどこまで明らかにされるであろうか。今年3月の自民党決議(http://www.jimin.jp/policy/policy_topics/pdf/pdf091_1.pdf)をみればわかるように、TPP=農業問題ではない。全国保険医団体連合会「TPPと医療の特集ページ」(http://hodanren.doc-net.or.jp/tpp/index.html)での「TPP協定交渉と医療制度」(http://hodanren.doc-net.or.jp/tpp/130627TPP-iryo.pdf)にも出ているように、もっと、知的財産権(http://thinktppip.jp/)等の非関税措置にも焦点があてられるべきである。医事新報10月26日号p129で、「TPP参加の「今そこにある危機」は医薬品・医療機器価格規制の撤廃・緩和による医薬品・医療機器価格の上昇であり、それは患者負担の増加と医療保険財政の悪化をもたらし、保険給付範囲の縮小と診療報酬の抑制につながる」とある。それにしても、満足な情報が入らない中で、マスコミ世論調査(http://www.asahi.com/politics/update/0317/TKY201303170178.html)(http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2700Y_X21C13A0MM8000/)(http://sankei.jp.msn.com/region/news/130927/kgw13092702100002-n1.htm)ではTPP賛成が反対を大きく上回っていることに不思議な感じをするのは気のせいであろうか。newsポストセブン「安倍氏 反TPP派は左翼と認定」(http://www.news-postseven.com/archives/20130624_195924.html)どおりであれば、国内は左翼で溢れていることになり、まさに異常な雰囲気を感じる。特定秘密保護法(http://www.nichibenren.or.jp/activity/human/secret/about.html)も少々異様かもしれない。
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ロタウイルスワクチンの行方

2013年11月22日 | Weblog
予防接種法改正での附帯決議(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20130402_2.pdf)には、「ロタウィルス・ワクチンについては現在実施中の専門家による評価・検討の結果を踏まえ、予防接種法上の定期接種の対象とすること等について早期に結論を得るよう検討すること。」とあった。11月18日の厚労省「ロタウイルスワクチン作業班中間報告書」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000029637.pdf)には目を通しておきたい。予防接種に関する基本的な計画素案(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000026715.pdf)p5では、「厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会等において、「広く接種することがのぞましい」とされた7つのワクチンのうち、平成25年度にHib感染症、小児の肺炎球菌感染症、ヒトパピローマウイルス感染症の3ワクチンが予防接種の対象疾病となったが、その他水痘、おたふくかぜ、B型肝炎、成人用肺炎球菌の4ワクチンについては、ワクチンの供給・実施体制の確保、必要となる財源の捻出方法等の検討を行った上で、関係者の理解を得るとともに、副反応も含めた予防接種施策に対する国民の理解を前提に、必要な措置を講じていく必要がある。また、ロタウイルスワクチンについても、4ワクチンと同様に、必要な措置を講じていく必要がある。」とされている。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000030jzo-att/2r98520000030k56.pdf)で、「平成23年7月にロタリックスが、平成24年1月にロタテックが承認され、既に任意接種として接種が行われているほか、一部自治体において助成事業が実施されている。」とある。今年10月から、基幹定点の届出対象疾病に「ロタウイルス胃腸炎」が追加されたが、ロタウイルスワクチン(http://www.know-vpd.jp/vc/vc_nw_rota.htm)の行方が注目である。なお、スマートフォン対応の予防接種スケジューラーアプリ(http://www.know-vpd.jp/vc_scheduler_sp/index.htm)や国立感染症研究所「乳幼児予防接種スケジュール」(http://idsc.nih.go.jp/vaccine/dschedule/2012/Lchildren120401.pdf)では、乳児期のロタウイルスワクチンがあることは知っておきたい。国立感染症研究所の予防接種ページ(http://idsc.nih.go.jp/vaccine/vaccine-j.html)はブックマークに入れておきたいところである。
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カプセル内視鏡とがん検診の精度管理

2013年11月22日 | Weblog
朝日新聞「カプセル内視鏡のんで大腸がん検査 1月から保険適用」(http://apital.asahi.com/article/news/2013112100001.html)。<以下引用>
<「飲むだけ」のカプセル内視鏡で大腸のがんを探す検査が、来年1月から公的医療保険の対象になる。大腸がんは、がんの死因の上位だが、「恥ずかしい」などの理由で検診の受診率が低い。受診を促し、早期発見につなげるのがねらいだ。藤田保健衛生大病院(愛知県豊明市)では保険適用に先駆けて、7日からこの検査を始めている。検査は、長さ3・1センチ、直径1・1センチのカプセル型の内視鏡をのみ込む。2台の小型カメラとLEDライト、バッテリーが内蔵されており、1秒間に最大35枚の画像が撮影できる。データは随時、受診者が肩から提げたレコーダーに送信される。数時間後、カプセルは便として排泄(はいせつ)される。肛門(こうもん)から細長い管を入れる従来の内視鏡検査と比べると、痛みと心理的負担がないことが利点だ。カプセル内視鏡は、小腸用が07年に保険適用されている。大腸用は7月に国が製造販売を承認。厚生労働省の中央社会保険医療協議会が今月6日、来年1月からの保険適用をスピード承認した。カプセルの価格は8万3100円。ここに検査費用が加わり、3割負担なら1回数万円で受けられる見通し。ただ、従来の内視鏡と違い、検査中に病変が見つかってもその場で治療できない弱点もある。精度もやや劣り、2011~12年に国内3施設が行った治験では、66例中4例(6%)で病巣を発見できなかった。>

カプセル内視鏡がどの医療機関で実施されるか、医療機能情報(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/teikyouseido/index.html)の項目に追加されるべきであろう。医療機能情報提供制度(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)は国の実施要領(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/teikyouseido/dl/youryou.pdf)によるが、都道府県によって項目がバラバラであり、最近の診療報酬改定にも対応できていない。さて、がん検診のあり方に関する検討会中間報告書 ~がん検診の精度管理・事業評価及び受診率向上施策のあり方について~」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000019916.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000019915.pdf)が出ているが、精密検査受診率が他に比べて低いのが大腸がん検診である。中間報告書(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000019915.pdf)のp3「日本消化器がん検診学会の全国集計によると、市区町村が実施した大腸がん検診における精密検査受診率が70%であるのに対し、保険者や事業者が実施した大腸がん検診における精密検査受診率は30%であった。」、p4「精密検査の未把握率は9~20%程度であり、受診状況の把握は十分とは言えない。」とある。平成25年度市区町村におけるがん検診の実施状況調査集計結果」(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=147922&name=0000013913.pdf)p2で、「精密検査の受診結果を把握し、入力している」は集団検診74.2%、個別検診71.9%で、「精密検査受診対象者に確認する」は集団検診55.1%、個別検診51.4%である。これでは地域保健・健康増進事業報告(http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/NewList.do?tid=000001030884)で求められる情報の把握は不十分である。厚労省「がん検診事業の評価に関する委員会報告書」(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/03/dl/s0301-4c.pdf)における、各がん検診の許容値(要精検率、精検受診率、がん発見率、陽性反応適中度等)が各自治体でクリアされているかどうか、地域保健・健康増進事業報告(http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/NewList.do?tid=000001030884)のデータ分析に基づく各自治体の情報公開が必要と感じる。例えば、厚労省による「がん検診精度管理マップ」作成と公表はどうであろうか。
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特定秘密と安心・安全

2013年11月21日 | Weblog
NEWSポストセブン「特定秘密保護法案 汚染食品など生活に密接にかかわる恐れも」(http://www.news-postseven.com/archives/20131121_227994.html)。<以下一部引用>
<「国の秘密情報なんて、私の生活には関係ない」と思うかもしれないが、実はそうではないのだ。「防衛、スパイやテロなどは一般市民から遠いイメージですが、実は私たちの生活に密接にかかわる法案なんです」と語る日弁連の特定秘密保全法制対策本部事務局次長・齋藤裕弁護士によれば、こんなケースが考えられるという。「例えば『外交』では、外国政府や国際機関との交渉のうち、“国民の生命や身体の保護に関する重要な情報”が特定秘密になります。ですから、メタミドホス入り餃子やBSE(牛海綿脳症)、遺伝子組み替え食品など、国民の健康にかかわる食品の輸入に関する外交交渉も含まれる可能性があります。米国から『BSEなんて心配ないから、もっと米国産牛肉を買え』と迫られ、弱腰で行う交渉を特定秘密に指定できる。市民が食の危険を知らされないばかりか、義憤を抱いた農水省の役人が、『国民の健康が危ない』と内部告発すると、法律違反で逮捕されることもあります」 さらに「テロ防止」の項目にもこんな危険性が。「テロ組織が狙うとして、原子力発電所の情報も特定秘密の対象となりえます。現在問題となっている汚染水タンクや福島第一原発4号機の使用済み核燃料などの情報はもちろん、また原発事故が起きた場合も、秘匿されるかもしれません」(齋藤弁護士) そもそも、「特定秘密」の内容が曖昧すぎると呆れるのは、ノンフィクション作家の澤地久枝さんだ。「法案をよく読んでも、特定秘密がどこまでを対象とするか見えず、国家権力が好き放題に運用できる内容です。国民が『何が秘密ですか』と聞いても、『それは秘密』と言い逃れできる、ひどい法案です」>

日本弁護士連合会の「~秘密保護法とは~」(http://www.nichibenren.or.jp/activity/human/secret/about.html)では大きな懸念が表明されている。正直、よくわからない。昨日の食の安全を語る会ではTPPに対して「食の安全」が懸念されていたが、特定秘密保護法案もそうなるのであろうか。
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介護保険制度の見直し

2013年11月21日 | Weblog
キャリアブレイン「サ高住の住所地特例、既存の利用者は対象外- 全国介護保険担当部(局)長会議で厚労省」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/41430.html)。<以下一部引用>
<介護保険計画課の榎本健太郎課長は、サ高住に住所地特例の適用が検討されていることを説明。また、既にサ高住に入居している人や、制度改正が予定されている15年4月1日の前に入居した人については、特例の対象外とする方針だとした。振興課の朝川知昭課長は、規模が小さな通所介護事業者の指定権者を都道府県から市町村へ委譲する方針であることを説明。規模の基準については「今のところ、利用者定員で区分することを考えている」と述べた。ただ、基準となる具体的な定員数については、今後の検討事項とした。また、居宅介護支援事業者の指定権限も都道府県から市町村に委譲することが検討されていることを説明。その上で、「指定権限が市町村に移っても、(居宅介護支援が)地域密着型サービスになるわけではない。市町村が指定すれば全国的に効力が及ぶ仕組みを考えている」と述べた。生活支援サービスの充実・強化を図るため、地域のニーズと地域資源のマッチングなどを行うコーディネーターの配置が検討されている点については、「コーディネーターは、特定の資格の保有者を念頭に置いてはいない。地域ごとにふさわしい人を充ててもらえばいい」とした。>

11月21日の全国介護保険担当部(局)長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000am0d.html#shingi163724)資料が出ればぜひみておきたい。「予防給付の見直し」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000029570.pdf)のほか、資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000029421.pdf)に出ている、「一定以上所得者の利用者負担の2割化」「補足給付の資産要件(預貯金、不動産)の勘案」なども気になる。とにかく、介護保険部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008f07.html#shingi126734)の動向に注目である。
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新医療基金の行方

2013年11月21日 | Weblog
共同通信「病床再編へ都道府県に新医療基金 知事の権限強化も、厚労省」(http://www.47news.jp/CN/201311/CN2013112001002219.html)。<以下引用>
<厚生労働省は20日、高度な治療に偏っていると指摘される医療機関の病床の再編を進めるため、各都道府県に新たな基金を設置する医療法改正案の概要をまとめた。都道府県は病院などが参加する協議機関を設置し、地域の機能ごとの病床数を調整する。病床の転換に関する知事の権限強化も盛り込む。厚労省は2014年の通常国会に法案提出を目指す。新基金は14年度に設置予定。基金の規模は来月の予算編成過程で決め、消費税率引き上げによる増収分を充てる考えだ。>

厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000026440.pdf)p12~に示される「都道府県の役割の強化等及び新たな財政支援制度」は知っておきたい。地域医療再生基金(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/saiseikikin/)から変更される新たな医療基金の行方に注目である。しかし、莫大なコストをかけさえすれば地域医療体制が充実するものではないことは認識しておくべきように感じる。
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医学部新設の行方

2013年11月21日 | Weblog
河北新報「医学部新設支援を強化 宮城県、課長級のポスト新設」(http://www.kahoku.co.jp/news/2013/11/20131120t11026.htm)。<以下引用>
<宮城県は、政府が検討に着手した東北への医学部新設を支援する業務態勢を強化しようと、保健福祉部に課長級の担当副参事を置くことを決めた。20日付で関連人事を発令する。 医学部新設の関係業務はこれまで、同部医療整備課が通常業務の一環で担当していた。安倍晋三首相が10月、医学部新設の検討を下村博文文部科学相に指示し、政府内で具体化に向けた作業が始まったことから、省庁などと調整に当たる専門の職員が必要と判断した。医学部新設は、東北の医師不足解消につながるとして村井嘉浩知事が安倍首相に要請した。県は業務量を見極め、さらなる態勢整備も検討する。>

今年9月25日、日本医師会が会見で医学部新設に反対表明(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20130925_12.pdf)し、9月30日には全国医学部長病院長会議も医学部新設に反対を表明している(http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/181761/?category=)。これから医学部を新設しても卒業は最短で6年後である。ところで、文科省「地域の医師確保等の観点からの平成26年度医学部入学定員の増加について(通知)」(http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/iryou/1340778.htm)(http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/iryou/1340780.htm)では、地域の医師確保のための入学定員増として、「各都道府県につき原則10名を上限に増員を認める。」「入学定員増について、都道府県は、地域医療再生計画に当該入学定員の増加を位置付け、大学と連携し卒後一定期間の地域医療等の従事を条件とする奨学金を設定すること」「入学定員増を希望する大学は、別添の「平成26年度入学定員増員計画」を文部科学省に平成25年10月29日(火曜日)までに提出すること。」とあったが、医師不足を強調する都道府県ではどうだったのであろうか。
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原発事故議事録

2013年11月21日 | Weblog
エコーニュース「日本政府にない福島第1事故の議事録、米国が保有 アメリカ情報公開法で公開」(http://echo-news.net/japan/usnrc-disclosed-fukushima-criss-proceedings)に目がとまった。この時系列情報(http://pbadupws.nrc.gov/docs/ML1212/ML12122A950.pdf)でとにかく驚かされるのは、地震発生前から、秒単位で克明に記録されていることである。しかし、国内では、朝日新聞「原発事故対応、議事録なし 政府対策本部、認識後も放置」(http://www.asahi.com/special/10005/TKY201201240551.html)と報道されている。「アメリカ連邦情報公開法に基づく開示決定で、本紙編集長の江藤貴紀などに公開しました」(http://saigaijyouhou.com/blog-entry-1241.html)とあるが、果たしてどこまで本当なのであろうか。政府の東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会(http://icanps.go.jp/)の最終報告書や国会の東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(http://www.naiic.jp/)(http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3856371/naiic.go.jp/index.html)の報告書だけではわからないのかもしれない。
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