保健福祉の現場から

感じるままに

補助金と利益相反

2013年11月24日 | Weblog
日刊ゲンダイ「狙いは補助金6850億円 徳洲会の東京「新病院」建設計画」(http://gendai.net/articles/view/news/146184)。

産経新聞「徳洲会施設に補助金7億5000万円 猪瀬氏副知事時代」(http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131123/crm13112308590005-n1.htm)。<以下引用>
<医療法人徳洲会グループは東京都内にも病院・保険施設を抱えており、猪瀬直樹都知事が副知事だった時代には、グループが開設した老人保健施設に都が約7億5千万円の補助金を支出していた。グループは東京都内に総合病院として東京西徳洲会病院(昭島市)を運営しているが、昨年5月にグループ傘下の特定医療法人「沖縄徳洲会」が老人保健施設「武蔵野徳洲苑」(西東京市)を開設した。武蔵野徳洲苑の工期は平成22~23年度の2年間で、沖縄徳洲会が西東京市に設立を申請し、都が近隣に所在する施設数などを考慮して150床を認可した。150床規模の施設の場合、都は最大で9億6千万円の工事費を補助している。沖縄徳洲会は一般競争入札で工事業者を選定し、工事額全額の7億4970万円の補助を受けた。>

NHK「徳洲会側「猪瀬知事が1億円お願い」」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131123/k10013280511000.html)。<以下引用>
<東京都の猪瀬知事が去年の知事選挙の前に大手医療法人「徳洲会」グループ側から5000万円を受け取っていた問題で、関係者によりますと、徳洲会の徳田虎雄前理事長が次男の徳田毅衆議院議員から「猪瀬さんが『1億円をお願いしたい』と言っている」と伝えられ、「5000万円で対応しろ」と指示していたということです。猪瀬知事は、初当選した去年12月の知事選挙の告示日直前に「徳洲会」グループから5000万円を受け取り、ことし9月に徳洲会が東京地検特捜部などの強制捜査を受けたあと全額を返却していました。この経緯について猪瀬知事は、去年11月上旬に徳洲会の徳田虎雄前理事長に面会し、選挙への支援を要請したと説明しています。関係者の話によりますと、その後、前理事長は次男の徳田毅議員から電話で「猪瀬さんが『余ったら返すのでまずは1億円をお願いしたい』と言っている」と伝えられたということです。これに対し前理事長は「5000万円で対応しろ」「足がつかないよう議員会館で渡せ」などと指示したということです。これを受けて徳田議員は議員会館の事務所で知事本人に直接、現金で5000万円を手渡したということです。猪瀬知事は22日の会見で、受け取った資金は個人的な借入金だと強調したうえで、「徳洲会側から申し出があり、厚意を断るのは失礼だと考えて借りた。5000万円という額になった理由は分からない」などと説明しています。>

行政補助金を受けた側からの資金提供はまずいように感じる。しかし、「高血圧症治療薬の臨床研究事案を踏まえた対応及び再発防止策について(中間とりまとめ)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000025682.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000025683.pdf)が出ているように、利益相反に対しても社会の目は厳しくなっているであろう。研究だけではなく、審議会に対してもそうである。例えば、疾病対策部会難病対策委員会論点(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000021123.pdf)の中の最大のポイントは、医療費助成であり、医療費助成の対象となる疾患の選定を行う第三者的な委員会が設置されるというが、委員の利益相反のチェック(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002b5l0-att/2r9852000002b6xj.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001jmcs-att/2r9852000001jmi4.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001jmcs-att/2r9852000001jmk7.pdf)が欠かせないであろう。とにかく、補助金を出した相手から安易に資金提供を受けてはいけないし、便宜を払ってもらった相手に嫌疑をかけられるような補助金を出してもいけない。ところで、ネットでは詳細な資料(http://iiyama16.blog.fc2.com/blog-entry-7068.html)が出ているが、どこまで本当であろうか。
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医療機関の機能分化

2013年11月24日 | Weblog
キャリアブレイン「厚労省、医療機関が協議する機能分化案提示- 知事の権限範囲が論点に」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/41436.html)。<以下引用>
<厚生労働省は22日に開かれた社会保障審議会医療部会に、「病床機能報告制度」を踏まえた医療機能ごとに病床数をコントロールする仕組みの修正案を提示し、おおむね了承された。地域において医療機能に著しい偏りがあった場合、都道府県による政策的に補正する力をどの程度持たせるかや、知事の権限の範囲などが論点として残った。厚労省は来年の通常国会で、医療法を改正し、医療機関が担っている医療機能を都道府県に報告する病床機能報告制度を開始。その後、都道府県が、将来目指すべき医療提供体制を示した「地域医療ビジョン」に基づき、病床機能の分化を推進することを想定している。同省が10月11日、機能分化を進めるために医療機能ごとの基準病床数を設定、必要な病床数へと「誘導」する仕組みを同部会に示したところ、委員がそろって反発したため、修正案を提示した。厚労省の修正案は、医療機関の自主的な取り組みに依存する仕組みで、医療機関同士で「協議する場」を設け、地域医療ビジョンに掲げられた医療機能の必要量に向け、収れんさせていくものだ。また、医療機関の協議を実効性あるものにするために、知事に一定の権限を与えることを提案している。知事の要請に従わない場合は、医療機関名を公表したり、各種補助金の交付対象から除外したりする措置を講じることができるようにする。22日の会合では、日本医師会(日医)と四病院団体協議会が、病床機能の分化を進める仕組みを共同案として発表。共同案は、厚労省の修正案と共通点が多く、医療機関同士で連携し、今後の方向性を自主的に選択できるようにしている。共同案を説明した中川俊男委員(日医副会長)は、「共同案は、地域のニーズに応じた定量的な『指標』を設定するとしていて、厚労省の当初案にあった、定量的な『基準』を定めて、誘導していくのとは大きく違う」と強調した。同部会は、月内に病床機能分化の仕組みについて、最終的な方向性を固めたい考えだが、都道府県や知事の権限拡大を警戒している医療団体と、ぎりぎりの調整が続きそうだ。>

11月22日の社会保障審議会医療部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008f07.html#shingi126719)資料が出れば目を通しておきたい。知事に権限を与えて機能分化を進めるというが、政治力ではなく、データに基づく分析評価による政策科学の視点が不可欠と感じる。一つは、NDB(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/reseputo/dl/guide02_02.pdf)である。厚労省資料;「National Databaseを用いた医療計画策定のための基盤資料の作成に関する研究」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001g288-att/2r9852000001g2d4.pdf)、「NDBを活用した医療計画策定の考え方」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/shiryou_b-4.pdf)、「NDB配布データの理解と可視化ツールの操作方法」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/shiryou_b-3.pdf)に出ているように、NDBのレセプトデータを用いて、2次医療圏ごとの傷病構造及び医療提供体制を把握することは容易であり、医療計画・地域医療ビジョンにも活用できる。もう一つは、医療機能情報(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/teikyouseido/index.html)である。医療機能情報提供制度(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)は国の実施要領(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/teikyouseido/dl/youryou.pdf)はあるが、都道府県によって項目がバラバラであり、最近の診療報酬改定にも対応できていない。国策として、地域包括ケアシステム、医療介護連携を強力に推進するのであれば、この際、介護サービス情報(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/kouhyou/)(http://www.espa-shiencenter.org/)、薬局機能情報(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/kinoujouhou/)、サービス付き高齢者向け住宅情報(http://www.satsuki-jutaku.jp/index.php)等も含めて、国レベルでデータベースを構築し、地域毎に比較分析・評価できる体制の構築が必要ではないか。以前、厚労省「医療機能情報集約システム経費」(http://www.mhlw.go.jp/seisaku/jigyo_siwake/dl_rv3/039a.pdf)では、「病院等から各都道府県に提出された医療機能情報について、各都道府県から厚生労働省に電子媒体で提出させ、当該情報を集約し、データベース化する」とあったが、どうなっているであろうか。ところで、「国保の保険者が都道府県になると、知事は保険料制限に動くことは必至」と出ているが、高齢者医療確保法(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S57/S57HO080.html)第13条、14条で医療費適正化の評価によって、都道府県では、診療報酬特例ができることはどれほど知られているであろうか。医療計画・地域医療ビジョンは医療費適正化計画と一体的に推進されなければならないものである。国保財政運営の都道府県単位化されれば、都道府県別の資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2013/02/dl/tp0215-12-06p.pdf)を前面に出して、医療費適正化(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/info02c.html)を推進する必要があるように感じる。
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