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保健福祉の現場から

感じるままに

在宅医療

2007年03月29日 | Weblog
先日、保健・医療・福祉関係者活動研修会を開催した。今回のテーマは「在宅医療」である。在宅医療の推進は医療制度改革の中でも重要な要素の一つであるのはいうまでもない。新たな医療計画(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/12/s1209-8d.html)において、医療連携体制の一つとして「在宅医療(終末期を含む)」が盛り込まれ、「地域で在宅医療を行っている医療提供施設とその医療機能の明示」、「在宅医療を支援する地域の取組の明記」が予定されている。また、医療機能公表制度(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/10/dl/s1031-6c.pdf)の医療機関から都道府県に報告される「一定の情報」(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/10/dl/s1031-6a.pdf)においても「在宅医療」に関しては診療内容や在宅療養指導等、詳細な内容になっている。確かに在宅医療の推進は、入院日数を減らし、医療費適正化が意図されているであろう。しかし、実際に在宅医療を熱心に行われている先生方から話を聞くと、やはり「患者・家族本位」が基本ではないか、と感じるのである。現在、緩和ケア病床は満床で、患者が順番待ちになっているそうである。順番待ちの間は在宅医療も選択肢としてあってもよいのではないか。また、待っている方は本当に病院で終末を迎えたいのであろうか。但し、在宅での看取りは家族にも診療側にも負担がかからないわけではない。24時間対応のため、在宅療養支援診療所の整備が図られているが、様々な問題が指摘されている(http://hodanren.doc-net.or.jp/news/tyousa/061019sien-sinn.html)。研修会では管内で取り組まれている「在宅終末期医療・療養連携」について紹介してもらった。緊急時に対応するため、3人一組の開業医が主治医となって診療にあたるとともに、公的4病院がバックアップされている。また、「在宅療養実施クリティカルパス」を使用し、情報の共有化が図られている。最近は、在宅で胃ろう(PEG)や麻薬投与されている患者が急増しているとのことである。さて、今回の研修会はホテルの広い会場で行ったが満杯になった。地域医療関係者だけでなく、介護事業所関係者も多数参加されていた。医療福祉連携における行政側の役割には様々なものがあると改めて感じたところである。
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選択肢の一つとしての「在宅医療」 (風間昭彦)
2007-04-10 16:18:10
在宅医療は、「在宅での看取り」等の患者と家族の終末期医療の希望の一形態であることが本来の姿と思います。
ところが、どうも入院日数を減らし、医療費適正化が真の目的のようです。

例え、真の目的が後者であったとして、「在宅での看取り」「終末期医療と尊厳死」は必要であると考えていますので、在宅医療の拡大は賛成です。

在宅医療の国民への説明
後者の目的であれば、コストのシュミレーションを行っているはずです。
シュミレーション結果を、医療関係者のみならず一般国民に厚生労働省は公表すべきと思います。
情報公開の時代です。
在宅医療は国民が直接関係してくることであり、経済効果を含め、分かりやすい説明が不可欠です。

在宅医療の心配
前述の通り、在宅医療の推進は賛成です。
例えトータル医療費が増加しても、「在宅での看取り」を中心とする「在宅医療」は、終末期医療の一形態として、希望者には選択できるようにすることは重要と考えます。

心配は、在宅医療はコスト削減に通じると考えたが、シュミレーションの相違で、想定ほどコスト削減効果がなく、政策を修正すると言い出すのではないかと心配しています。
次に述べるような基盤整備等に相当のコストがかかり、「在宅医療」はコスト高になると見ています。
コスト削減かコスト高かに関係なく、国民の選択肢の一つとして、「在宅医療」が必要であるとの観点から、その充実を希望します。

在宅医療のコスト・・過疎地の問題
在宅医療実現に必要な基盤整備として、必要な項目の落ちはないのでしょうか、その費用を適正に見積もっているのでしょうか
シュミレーションに不安があります。
単に「入院日数」の減による経済効果をそのまま100%在宅医療のコスト減と見ているわけではないでしょう
在宅医療に必要な基盤整備項目や整備に必要な費用を失念してないか不安があります。
例えば、在宅医療の推進に当たって、ブログで等で次の基盤整備がいわれています。
1)24時間対応のため、在宅療養支援診療所の整備
2)医療・保健・介護・保健分野の連携体制の構築
3)家族のサービス提供技能の訓練
4)医療報酬の加算
5)在宅医療に必要な住宅リフォーム
人口減少が進む過疎地での上記1)、2)のコストは相当かかると思われます。

高齢者世帯では話し相手等の「看取る」ことは出来ても、医療的な支援を期待できる家族は皆無でしょう。

決して、医療コスト削減にはつながらないのではないでしょうか。
前述の通りシュミレーションの内容を知りたいところです。
また、シュミレーションの正誤に関わりなく、国民の選択肢の一つとして、「在宅医療」の充実を希望します。

緩和ケア病床の充実
過疎地での在宅医療がコスト高になるか否か、そもそも過疎地で在宅医療が可能か否かも不明です。
但し、いずれにしても、高齢者の増加によって、多様な医療供給体制の整備が必要です。
その一つとして「在宅医療」があるわけです。
このことは、例えば「緩和ケア病床」の縮小を意味することであってはならないと思います。
両者の充実が必要です。
是非「在宅医療」の充実と病院での「緩和医療」「慢性期医療」の充実の両者を目指すように希望します。

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