保健福祉の現場から

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精神障害にも対応した地域包括ケアシステム

2017年03月17日 | Weblog
キャリアブレイン「精神科医ら派遣、モデル圏域で包括ケア助言 厚労省、退院率向上目指し支援事業開始へ 」(https://www.cbnews.jp/news/entry/20170316184315)。<以下引用>
<厚生労働省は来年度から、各都道府県にモデル圏域を設定し、精神科医や精神保健福祉士らをアドバイザーとして派遣する支援事業を始める。精神障害に対応した地域包括ケアシステムを構築するのが狙い。入院中の精神障害者の退院率を向上させるなどして地域移行を加速させたい考えだ。入院中の精神障害者の地域移行に取り組んでいる厚労省は、都道府県や市町村が次期障害福祉計画(2018-20年度)を作成する際に参考とする基本指針に、入院後6カ月時点の退院率の目標値(84%以上)を新設する予定。こうした目標を達成するには、退院する精神障害者の受け皿となる地域包括ケアシステムの構築が不可欠と判断。まずは各都道府県に「モデル障害保健福祉圏域」を1カ所程度設定し、厚労省が委託したアドバイザーを派遣して地域移行を支援することを決めた。厚労省によると、アドバイザーには、精神科医や看護師、保健師、精神保健福祉士などを選任する。1-3都道府県を担当する「広域アドバイザー」と、モデル圏域の都道府県を担当する「都道府県等密着アドバイザー」を都道府県と政令市に派遣する。アドバイザーは、これまでに培った地域移行の経験を生かし、退院率の向上や退院支援プログラムの作成、地域包括ケアシステムの実態を把握する方法などを、モデル圏域の行政・医療関係者らに助言する。厚労省は現在、この支援事業の準備を進めており、早ければ来月にもアドバイザーを派遣する予定。>

「障害福祉サービス及び相談支援並びに市町村及び都道府県の地域生活支援事業の提供体制の整備並びに自立支援給付及び地域生活支援事業の円滑な実施を確保するための基本的な指針の一部を改正」(http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495160374&Mode=0)の「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築;「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会」の議論を踏まえ、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を目指して、成果目標を次のとおり設定する。・平成32年度末までに、全ての障害保健福祉圏域ごとに保健・医療・福祉関係者による協議の場を設置することを基本とする。・平成32年度末までに、全ての市町村ごとに保健・医療・福祉関係者による協議の場を設置することを基本とする。・都道府県は、平成32年度末の精神病床における1年以上長期入院患者数(65歳以上、65歳未満)の目標値を国が提示する推計式を用いて設定する。・都道府県は、平成32年度末における入院3ヶ月後時点、入院後6ヶ月時点、入院後6ヶ月時点及び入院後1年時点の退院率の目標値をそれぞれ69%以上84%以上及び90%以上として設定することを基本とする。」とある。これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会報告書(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000152272.pdf)p12「平成32年度末・平成37年(2025年)の精神病床における入院需要(患者数)及び、地域移行に伴う基盤整備量(利用者数)の目標を明確にした上で、計画的に基盤整備を推し進めるべきである。あわせて、医療計画における精神病床の基準病床の算定式との整合性を図るべきである。」「より速やかに地域の実態を把握できるように、630 調査の改善を図るとともに、レセプト情報等データベース等を用いて、新たな指標を設定すべきである。」に注目である。医療計画の見直し等に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=127276)の意見のとりまとめ(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000146953.pdf)p12「(長期入院精神障害者の地域移行)○長期入院精神障害者のうち一定数は、地域の精神保健医療福祉体制の基盤を整備することによって、地域生活への移行が可能であることから、2020年・2025年の精神病床における入院需要(患者数)及び、地域移行に伴う基盤整備量(利用者数)の目標を明確にした上で、計画的に基盤整備を推し進める。(精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築)○精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に向けて、圏域ごとの保健・医療・福祉関係者による協議の場を通じて、精神科医療機関、一般医療機関、地域援助事業者、市町村などとの重層的な連携による支援体制を構築する。」とあり、平成29年度策定の第7次医療計画における精神疾患は第5期障害福祉計画との一体的推進が欠かせない。第1回NDBオープンデータ(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139390.html)では、都道府県ごとの精神医療レセプト分析データが出ているが、障害保健福祉圏域または二次医療圏単位での分析データが必要であろう。また、精神科病院の実態については、630調査(http://www.ncnp.go.jp/nimh/keikaku/vision/data.html)で把握されているが、医療法に基づく病床機能報告制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)は一般病床と療養病床を有する医療機関にNDBとリンクした詳細な医療実績が公表されているように、630調査(http://www.ncnp.go.jp/nimh/keikaku/vision/data.html)でもNDBとリンクさせ、「精神病床機能報告」として活用すべきであろう。精神障害にも対応した地域包括ケアシステムには、まずは、モデル圏域から取り組むのは一つの戦略かもしれない。一口に「障害保健福祉圏域」「市町村」といっても様々だからである。なお、「平成28年度診療報酬改定」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000106421.html)説明会(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000112857.html)医科資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000115977.pdf)p96「集中的な退院支援と精神病床数の適正化に取り組む精神病棟を評価 (新) 地域移行機能強化病棟入院料 1,527点」「5年以上の長期入院患者の退院に係る評価を充実 精神科地域移行実施加算 20点」も出ているが、「精神障害に対応した地域包括ケアシステム」に合わせた精神病床数の適正化でも成り立つ経営モデルが必要であろう。
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