保健福祉の現場から

感じるままに

下がる年金、上がる介護保険料

2012年02月12日 | Weblog
毎日新聞「国民年金:来年度後半1.2%減 改正法案を閣議決定」(http://mainichi.jp/select/seiji/news/20120210dde001010081000c.html)。<以下引用>
<政府は10日午前の閣議で、国民年金法改正案を決定した。特例で2・5%高くなっている公的年金を本来水準まで3年かけて段階的に引き下げることや、12年度の基礎年金の国庫負担割合を2分の1に維持するのに必要な2兆6000億円を賄うための交付国債発行を盛り込んでいる。現在の年金水準は、過去の物価下落時に減額をしなかったため、本来より2・5%高くなっている。これを解消するため、12年度は10月(12月支給分)から年金額を0・9%引き下げ、13、14年度は4月からそれぞれ0・8%減額する。これとは別に、12年度の年金は、昨年の物価下落を受けて4月(6月支給分)から0・3%減額されることが決まっており、これと合わせて12年度下期は計1・2%の引き下げとなる。一方、交付国債は将来の消費増税による償還を前提に発行する。公的年金の積立金に組み込まれるが、運用できないため、運用した場合の利益想定額、約4000億円も含めて償還される。政府は12年度分の計約3兆円について、消費税8%への引き上げ時から毎年1500億円ずつ償還する方針。>

先月、厚労省が今年4月分からの年金額0.3%の引下げを発表(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000021a9c.html)しているが、10月分からさらに引き下がるようである。一方で、一号(65歳以上)介護保険料は4月から大幅アップである。毎日新聞「介護保険料:65歳以上、4月から4割値上げへ--大牟田市 /福岡」(http://mainichi.jp/area/fukuoka/news/20120120ddlk40010376000c.html)という報道もある。管内の2つの保険者も大幅アップとなるが、①要介護高齢者の増加だけではなく、②介護職員処遇改善交付金(http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/10/tp1023-1.html)について、介護報酬の加算で「税対応から保険対応への振り替え」が行われたこと、③1号(65歳以上)被保険者の負担割合が20%から21%に引き上げられたこと、④介護給付費準備基金の取り崩しが限られること(第4期計画で基金残額が少なくなった)等によるらしい。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/dl/tp101027-01b_0002.pdf)で、準備基金の取り崩しや介護従事者処遇改善臨時特例交付金による軽減効果を抜いた第4期の「実力ベース」4500円が示されているように、3年前の第4期計画策定時に、莫大な基金取り崩しや政府予算投入によって、見かけ上、介護保険料の抑制を図ったことが、今表面化しているといえる。とにかく、「介護保険料は低ければよい」というのではなく、介護保険料はサービスと一体である(サービスが少なければ保険料が下がり、サービスが多ければ保険料が上がる)ことと、介護保険料を無理に抑制し、赤字が出て財政安定化基金から借り入れ(http://www.tmnf.net/kourei9.html)すれば、次回以降計画で65歳以上の保険料に上乗せされる仕組みになっていることをしっかり理解したい。各市町村では、4月からの介護保険料アップ理由について、説明を徹底するとともに、住民の予防意識と自治意識を高める必要があるように感じる。
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