保健福祉の現場から

感じるままに

「急性期 ⇒ 在宅」を評価すべき

2015年06月15日 | Weblog
中医協総会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=128154)の10日会合(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000088376.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000088491.pdf)p38「「在宅復帰率」の設定により想定される在宅復帰の流れ」では、「7:1入院基本料」の病院は、「自宅等退院患者割合75%以上」を満たすため、①地域包括ケア病棟、②回復期リハ病棟、③療養病棟(在宅復帰機能強化加算を算定する病棟)、④介護老人保健施設(在宅強化型施設又は在宅復帰・在宅療養支援機能加算の届出施設のみ)、⑤自宅、居住系介護施設への患者の流れが想定されているが、p40をみれば、7対1病棟からは圧倒的に自宅退院の割合が多いことがわかる。地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会報告書(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000088511.pdf)p12~「構想区域ごとの医療需要の推計」、p21~「医療需要に対する医療提供体制の検討」、p23「医療需要に対する医療共有を踏まえた病床の必要量の推計」では、高度急性期、急性期、回復期、慢性期であるが、急性期⇒在宅が多い実態を認識したい。地域連携診療計画管理料(http://shirobon.net/26/ika_2_1/b005-2.html)は「3段階の連携に限られる必要はなく、必要に応じて、計画管理病院及び2段階目の保険医療機関等の2段階の連携も活用されるべきものである。」と通知されているが、「急性期;計画管理病院⇒在宅」が評価される必要性を強く感じる。その際、計画管理病院がない市町村の存在を考慮しなければならない。介護保険の地域支援事業における在宅医療・介護連携推進事業の手引き」(http://www.jcma.or.jp/images/150331kaihogokensaisinjyouhouVol.447.pdf)p21では「(ク)在宅医療・介護連携に関する関係市区町村の連携」について「複数の市区町村における、退院時の医療機関と介護支援専門員との情報共有の方法について、厚生労働省補助事業の都道府県医療介護連携実証事業を実施している場合は、その成果を活用して検討することが望ましい。実施していない場合も、他の都道府県による当該事業の成果を活用して情報共有の方法を検討することも考えられる。」とある。都道府県医療介護連携調整実証事業(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/jitu.pdf)の普及・普遍化が急務と感じる。地域医療構想策定ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000088511.pdf)p50~病床機能報告の「公表しなければならない項目」には診療報酬の「介護支援連携指導料」「退院調整加算」「退院時共同指導料」「地域連携診療計画退院時指導料」等があり、それらの指標は、すでに医政局「医療計画作成支援データブック」(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=141464&name=2r98520000036flz.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000036854.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000036855.pdf)のNDB分析でも医療圏別に出ている。4月の厚生労働省から日本医師会あて通知(http://www.toyama.med.or.jp/wp/wp-content/uploads/2015/04/27chi1_34.pdf)では、「(2)のデータブック、(3)の推計ツールについては、現在は、厚生労働省保険局のレセプト情報等の第三者提供の依頼手続き上、都道府県以外に直接開示することができません」とあるが、国策として地域包括ケアシステムを推進するのであれば、地域における医療介護関係者が医療計画作成支援データブックのNDB分析結果を情報共有できるようにすべきであろう。
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がんリスクチェック

2015年06月15日 | Weblog
国立がん研究センター「「5つの健康習慣によるがんリスクチェック」」(http://www.ncc.go.jp/jp/information/press_release_20150612.html)(http://epi.ncc.go.jp/riskcheck/)が目にとまった。リスク軽減シミュレーション付であるのが良い。まさにがん予防はメタボ予防とセットで考えたいものである。しかし、がん特有のリスクもある。例えば、がんを防ぐための新12ヵ条(http://www.fpcr.or.jp/pdf/12kajou.pdf)では、「ウイルスや細菌の感染予防と治療」が柱の一つである。一昨年のヘリコバクター・ピロリ感染の診断・治療の保険適用拡大(http://www.hospital.or.jp/pdf/14_20130221_01.pdf)は、やはり、今後の胃がん対策の柱になる感じがする。「がん対策推進基本計画」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/gan/dl/setsumeikai03.pdf)p23で感染症対策からのがん予防が打ち出されていることは認識したい。
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乳幼児健診の問診

2015年06月15日 | Weblog
そういえば今月、日本看護協会「乳幼児健診虐待問診に関する要望書」(http://www.nurse.or.jp/up_pdf/20150605103607_f.pdf)が出ていた。まさに現場サイドからの要望であり、多くの関係団体から出ていることが注目される。とにかく早急な対応が期待される。健やか親子21HP(http://rhino3.med.yamanashi.ac.jp/sukoyaka2/)の充実にも期待したい。
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地域医療構想と診療報酬改定

2015年06月15日 | Weblog
キャリアブレイン「「病床数」ではなく「患者数」に着目を- 厚労省・佐々木室長」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/45946.html)。<以下引用>
<厚生労働省医政局の医師確保等地域医療対策室の佐々木昌弘室長は12日、大阪市内で開かれた日本医療マネジメント学会の学術総会で講演した。その中で佐々木氏は、報道などで将来必要な病床数にばかり注目が集まりがちな点を指摘。「ベッド数の話ではなく、患者数の話で、そこが一番大事なところ。データを見る際にはその点をご理解いただきたい」と述べた。佐々木氏は、政府が示す2025年の医療需要や医療機能の必要量の推計は、「表現は病床数だが、医療機能ごとに医療需要を算出し、病床稼働率で割り戻して、病床数に変換しているだけで、もともとの数字は患者さんがどれくらいいるかという医療需要」と説明。その上で、病床機能報告制度や地域医療構想は、あくまで地域の病院の姿や将来の医療の姿を知るための情報源だと強調した。また、座長の近畿厚生局の山本光昭局長から、「政府は病床削減を、強制力を持ってやろうとしているのか、減反政策のように補助金や診療報酬の評価などで誘導しようとしているのか」と水を向けられると、「強制的な削減はない」とし、データを見てどうするかはおのおのの医療機関の経営判断に委ねられているとした。さらに、「強制削減をしない代わりに、ベッド数を減らせば何かということもない」と述べ、病床削減に対するインセンティブ付与の可能性を否定。診療報酬についても「基本的に中医協(中央社会保険医療協議会)で決めるもの」とした。>

茨城新聞「病床15万〜20万削減へ 政府、25年の適正数推計」(http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=CN2015061101001693.1.N.20150612T020021.xml&elem=z)。<以下引用>
<政府が2025年時点で適正だと考える全国の病院ベッド数の推計が11日、判明した。現在の約134万7千床(13年)から、10年後までに約15万〜20万床削減して115万〜119万床程度にすることを目指す内容だ。入院患者向け病床の適正化により、地域によってばらつきのある医療費支出を是正し、年約40兆円に上る国民医療費の抑制を図る。入院先が減るため、患者30万人程度が介護施設や自宅などで在宅医療を受けられるように対応を強化する。埼玉、千葉、東京、神奈川、大阪、沖縄の6都府県ではベッド不足のため今後は増床が必要だが、鹿児島や富山など41道府県では過剰とされ30%前後の削減を迫られる県も多い。大都市圏への人口集中や高齢者人口の変化が影響した。政府は近く、都道府県別の詳細な推計結果を公表し、都道府県が策定する「地域医療構想」に反映させる考え。各地域で病床を機能別に再編し、受け皿となる介護サービスとの連携を進める。今回の推計は延べ3億人を超す患者の診療データを活用し、将来の人口動態の変化も踏まえた。病床の機能を、救命救急や集中治療に対応する「高度急性期」、次いで緊急性の高い「急性期」、リハビリや在宅復帰に向けた「回復期」、長期療養向けの「慢性期」の四つに分類して実施した。その結果、25年に全国で必要と見込まれる病床数は(1)高度急性期13万床(2)急性期40万1千床(3)回復期37万5千床(4)慢性期24万2千〜28万5千床―だった。現行の療養病床は地域により定員数の差が著しいため、これに相当する慢性期病床の削減目標に幅を持たせた。ベッドが過剰だと不必要な入院や長期療養が増えて医療費がかさみやすい一方、病院が少ない地域は1人当たり医療費が低い傾向にある。サービス提供体制の違いが医療の費用や質の地域格差を生んでいるのが現状で、是正が求められている。日本の医療機関は民間経営が主体で、政府の削減方針に強制力はないが、補助金や診療報酬で誘導する。>

地域医療構想策定ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000088511.pdf)p23「高度急性期、急性期、回復期及び慢性期それぞれにおける②に関して、厚生労働省がデータ提供の技術的支援」とあり、また、社会保障制度改革推進本部(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shakaihoshoukaikaku/index.html)の医療・介護情報の分析・検討ワーキンググループ(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shakaihoshoukaikaku/chousakai.html)の3日会合(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shakaihoshoukaikaku/wg_dai11/siryou.html)の「データに基づく医療機能別病床数の推計方法」(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shakaihoshoukaikaku/wg_dai11/siryou1.pdf)では「推計結果(全国及び都道府県)については、ワーキンググループで精査し、とりまとめた上で、専門調査会に報告を行うこととしたい。」とあり、推計データのネット公表を期待したい。地域医療構想は、構想区域圏ごと、病床機能ごとの医療需要推計を認識共有することがスタートであろう。とはいえ、既に経済産業省「将来の地域医療における保険者と企業のあり方に関する研究会」報告書(http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150318001/20150318001.html)(http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150318001/20150318001e.pdf)の地域の医療需要の推計(http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150318001/20150318001a.pdf)(http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150318001/20150318001b.pdf)(http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150318001/20150318001c.pdf)(http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150318001/20150318001d.pdf)、日医総研「地域の医療提供体制の現状と将来─都道府県別・二次医療圏別データ集─(2014年度版)」(http://www.jmari.med.or.jp/research/working/wr_553.html)、病院情報局「入院患者数の将来予測値と既存病床数とのギャップ試算」(http://hospia.jp/wp/archives/244)もネット公開されており、ある程度予想がつくかもしれない。とにかく、いつまでも国レベルの議論をするのではなく、都道府県・二次医療圏(構想区域)レベルの議論をしなければならない。財務省資料(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia270427/01.pdf)p49「医療提供体制改革、医療費適正化計画策定等のスケジュール」には報酬改定がしっかり組み込まれていることは認識したい。中医協総会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=128154)の10日会合(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000088376.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000088491.pdf)p3「急性期病床の機能分化をさらに進めるためには、急性期の大病院は高度急性期から急性期医療に特化できるようにすべきではないか。急性期の大病院の一部で、空床を埋めるために中小病院のようなケアミックス化や病院の分割を行うような動きもあるが、むしろ病床を削減して診療密度を上げるべきではないか。」「次回改定では、7対1入院基本料の適正化をさらに進める方向で見直すべきであり、平均在院日数、重症度の比率、重症度、医療・看護必要度、在宅復帰率といった項目を活用して、病床転換を促進するような議論を期待したい。」とある。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000088491.pdf)p4「7対1入院基本料の経緯(平均在院日数・看護必要度)」をみれば、診療報酬改定のたびに要件ハードルが高くなっている感じである。地域医療構想策定ガイドライン(http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20150331_02.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=216011)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000088511.pdf)p6「地域医療構想の策定プロセス」では、「毎年度の病床機能報告制度による集計数」と「地域医療構想の必要病床数」を比較し、「構想区域内の医療機関の自主的な取組」「地域医療構想調整会議を活用した医療機関相互の協議」「地域医療介護総合確保基金の活用」で取り組むとされるが、診療報酬改定による誘導は大きいであろう。そして、公立病院改革(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei06_02000103.html)も小さくないように感じる。
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精神医療改革

2015年06月15日 | Weblog
厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaigi_shiryou/dl/20140307_01_01.pdf)p48~にあるように、平成27年度からの第4期障害福祉計画において、精神科病院から地域生活への移行促進として、①平成29年度における入院後3ヶ月時点の退院率64%以上、②平成29年度における入院後1年時点の退院率91%以上、③平成29年6月末時点の長期在院者数を平成24年6月末時点の長期在院者数から18%以上減少、の目標が掲げられている。入院後3ヶ月時点の退院率、入院後1年時点の退院率、長期在院者数がどうなっているかは、630調査(http://www.ncnp.go.jp/nimh/keikaku/vision/data.html)をみればわかるが、それぞれの地域において、認識されているであろうか。平成24年10月に医療計画に係る「精神疾患の医療体制の構築に係る指針」(http://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2012/121018_2.pdf)が出た後、昨年3月、「良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針(精神医療指針)」(http://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kenko/syofuku/files/2014-0409-1331.pdf)が告示されている。平成26年度診療報酬改定(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000037464.pdf)でp100~「精神病床の機能分化」、p104~「精神疾患患者の地域移行と地域定着の推進」等があるように、診療報酬からも精神病床の機能分化、地域移行が誘導されている。中医協総会資料「精神医療について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000031076.pdf)のp8「精神病床の平均在院日数」をみれば我が国の長期入院が国際的にみて際立っていることがわかる。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000064544.pdf)p564精神病床の「都道府県別・指定都市別の在院期間別患者数」にもっと注目すべきであろう。「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会取りまとめを踏まえた主な取組について」(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000064165.pdf)p92「都道府県だけでなく市町村でも精神障害者地域移行・地域定着推進協議会を設置し、市町村における体制整備を図る。」とあるが、そのためには、保健所と市町村の連携・協働が不可欠と感じる。精神医療は市町村完結ではない。また、保健所には、入退院報告・定期病状報告、通報対応・措置事務、精神科病院実地指導、立入検査、医療計画など、市町村にはない法定業務があるとともに、精神保健福祉法第49条第3項(http://www.ron.gr.jp/law/law/seisin_h.htm)で「保健所による市町村支援」が規定されている。保健所に期待されるのは個別対応だけではない。少なくとも、精神保健福祉資料「630調査」データ分析(http://www.ncnp.go.jp/nimh/keikaku/vision/data.html)をもとにした政策科学としての戦略的な対応が求められる。この資料(http://www.ncnp.go.jp/nimh/keikaku/vision/pdf/data_h22/h22_630_sasshitai.pdf)では都道府県の詳細な実態が出ているが、圏域レベルの実態把握が必要と感じる。「精神医療の現状」(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=146953&name=2r98520000037jxk.pdf)を変えるには、医療計画での精神疾患の取り組みがもっと重視されるべきであろう。平成24年3月30日付厚労省通知(障発0330第11号)「保健所及び市町村における精神保健福祉業務運営要領」の保健所の役割として期待される。全国保健所長会「改正精神保健福祉法に対応するための保健所機能について(提言)」(http://www.phcd.jp/02/soukai/pdf/iinkai_chihokenjyu_H26_tmp03.pdf)を推進したいところである。
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