村上春樹。 『1Q84』以来、7年ぶりの大長編、『騎士団長殺し』
『第一部 顕れるイデア編』を読み終えました。
いつものように・・・
現実と非現実:見える世界と見えない世界の境界線が、存在している。
しかし・・・
今回は、今までの本とは、明らかに違う。変わった。
7年間の空白に、村上春樹はどこに住み(世界中のあちこちに一時滞在をする村上氏)、何を考え、何をしていたのだろう。
この作品で、村上春樹はどこに向かうのだろう? 明らかに新しい世界に入ったのでは?
読んでいて・・・
目を離せないが、なぜか?恐怖心のような?気分が悪くなってくる。恐ろしい。
日常そのままの自宅で読む気がしなくて、図書館にある学生のための『自習室』に向かい、音のない世界で読んでいます。
内容は・・・
毎度のことながら、この作品にも、「現実」と「非現実」を結ぶ『継ぎ目』が存在します。
『第一部』は『顕れるイデア編』。
改めて…『イデア』とは何か? 辞書で調べました。
『プラトン哲学の中心概念で、理性によってのみ認識されうる実在。感覚的世界の個物の本質、原型。』
村上春樹は、『非現実の世界』=『イデアの世界』を、『現実世界』に呼び寄せていきます。
何かが変わった『村上ワールド』。
『第二部』の終盤で、私は、『何』を発見できるのだろうか?
そして。
今日は3月2日。 灰の式後の木曜日。
『今日の第一朗読 モーセの言葉』
『モーセは民に言った。
命と幸い、死と災いをあなたの前に置く。
あなたの神、主を愛し、その道に従って歩み、その戒めと掟と法を守るならば、あなたは命を得、かつ増える。
もしあなたが心変わりして聞き従わず、惑わされて他の神々にひれ伏し仕えるならば、あなたたちは必ず滅びる。』
申命記 30章15-20
四旬節の今日。
私の前に、『命と幸いの道』と『死と災いの道』、が置かれました。
『最後の審判』 ミケランジェロ作品 システィナ礼拝堂
『神の世界』も『最後の審判』も『村上ワールド』も、目に見えないけれど、『現実の世界』です。
目に見えないからこそ、軽視が許されない、我が心の決断が問われる世界です。
『今日の詠唱』
『そのときから、イエスは、「悔い改めよ。天の国は近づいた」と言って、宣べ伝え始められた。』
マタイ福音書 4-17
見えない神との対峙する時期の四旬節。
悔い改めを迫られる次期であります。 頑張りましょう!
皆様!
御訪問に感謝申し上げます。
自分の心を見つめ直すのは、とても厳しい、一仕事ですね。 7年間が必要なのかもしれませんね。