リタイヤ親父の暇つぶし

ぼけ防止に日常のこと、趣味の燻製、スキーを書いています

ロースハムの燻製条件の標準化の確認

2015年06月30日 | ロースハム

今回この標準案に基づきロースハムを作りました。燻製と湯煎時に肉の表面と芯部の温度測定を実施しました。


青色は肉の中心に黄色は表面2mmの位置に差し込みさらしを巻いて固定しています。
薫製後すぐに真空パックの袋に入れ湯煎の鍋に沈めて空気を抜き湯煎中の温度も測定します。熱電対の線があるため真空パックはできません。

湯煎の加熱器は新しく購入したANOVAのPrecision Cookerです。
今回使用した豚ロースはさらしを巻いた後では直径90~100mmありました。

乾燥2時間燻煙3時間後では表面芯部とも約37℃でこのまま61℃の湯に浸けます。肉のサイズが大きいため湯煎の目標温度にするには5時間もかかりました。ここで温度測定は終了し引き続き12時間、合計17時間湯煎します。

やっと出来ました。

冷蔵庫で3時間寝かし、断面を見てみました。綺麗に火が通っています。食べてみると赤身は柔らかく、脂身は滑らかで美味しいかった。低温湯煎の効果がでています。
ハムとベーコンの燻製温度と時間の暫定標準です。但し、赤身がもう少し歯ごたえがあっても良いかと思います。湯煎温度を62℃で時間短縮もトライしてみます。
ハムの燻製標準
(1)55℃で2時間 (2)65℃に上げて燻煙3時間 (3)61℃で湯煎、時間は肉の厚み(cm)÷2+12時間(もしくは62℃で肉の厚み(cm)÷2+5時間)
ベーコンの燻製標準
(1)55℃で2時間 (2)65℃に上げて燻煙4時間 (3)61℃で湯煎、時間は14時間(もしくは62℃で7時間)
8月7日(月)標準条件見直しました。
ハム
(1)55℃で3.5時間 (2)65℃に上げて燻煙3.5時間 (3)62℃で湯煎、時間は肉の厚み(cm)÷2+3時間
ベーコン
(1)55℃で3.5時間 (2)65℃に上げて燻煙4時間 (3)62℃で湯煎、時間は5時間

ANOVAで焼き豚

2015年06月28日 | ANOVA
Anova Precision Cookerを湯煎だけに使うのはもったいないので、低温調理を調べて焼き豚をつくることにしました。前日に下味を付けておいて、62℃で5時間ボイルしました。

加熱温度と時間はこの自作のグラフで決めています。加熱食肉基準70℃1分(相当する63℃30分)よりも殺菌のレベルは上になります。

攪拌がうまく出来ています。


柔らかい焼き豚が出来ました。

早速昼食に冷やし中華の具に使用しました。夕食には娘と孫に焼き豚を食べて貰います。
この調理器具を使った料理にはまりそうです。

ANOVAのテスト

2015年06月27日 | ANOVA
1週間前にアメリカのAmazonに注文していたAnova Precision Cookerが昨夜届きました。


30cmの寸胴鍋に取り付けました。鍋の深さが30cmあり底からかなり離れてしまいます。22cm位が適切な深さになります。

浅い四角いステンレス容器に取り付けました。30×50×10cmの水の量(15L)でテストしてみました。
撹拌テスト

浮かべた爪楊枝が結構回転しています。撹拌に期待が持てます。
温度のテスト

水から加熱すると2時間半でやっと設定温度の60℃になりました。

60℃になったところで、ステンレス容器の各部で熱電対で測定したところ59.5~59.7℃でした。バラツキは少ないです。熱電対とANOVAの温度差がありますが、どちらが正しいかは分かりません。基本となる正確な温度計があれば校正できるのですが購入するには高過ぎます。湯煎については今後この機械で実施するのでこの表示温度を基準とします。
実際の肉の加熱
実際この機械を使っての湯煎は2週間後になります。水からではなくお湯から加熱します。水が対流するように肉の入れ方を考慮しなければなりません。一度に沢山は無理みたいです。
新しい湯専用鍋

Anova Precision Cooker用に34cmの半寸胴鍋を購入しました。この装置だけで加熱するには能力不足です、昇温時には電熱器を併用し、設定温度に達すれば電熱器をOFFにしました。鍋が大きくても十分攪拌され温度バラツキは0.2℃でした。

和歌山通信

2015年06月26日 | 日記
本日和歌山に行きました。用事は、①ソフトバンクのアンテナ移設場所打ち合わせ②ブルーベリー畑の草刈り③銀行の用事④森岡さんから依頼されたものを届けるでした。雨のため草刈りは出来ませんでした。
ブルーベリー生育状況




2本だけは早生の品種でそのうちの1/3は収穫出来そうな感じでした。残り50本は未だ色づいていません。あと1~2週間後位かかりそうな気がします。大量に収穫出来るのは7月10日以降の感じです。これからの天気によっては早まったりします。


早生のブルーベリーを採りに来られたうえすとこーすとのマスタが刺虫に刺されました。刺されたところの葉の裏には刺虫の団体がびっしりです。生まれたてで、これから色んなところに出動する前のようです。枝から切って瓶に入れ溺死させます。

これから暑くなるので、毎朝10分間スプリンクラーで水撒きをするためのタイマーセットをしました。
キャベツを貰いました


うちが貸している畑で見事な大きさのキャベツが出来ていたので、電話で了解をとり持って帰りました。
昼食
陶芸家の森岡さんところにおじゃまし、昼食をご馳走になりました。


温度調整器の製作

2015年06月25日 | 燻製道具
6月22日に燻製器製作のことで来宅された方の温度調整器を製作しました。過去ブログに説明しているものです。今回で5台目で、やり方も道具も揃えてあるのでスムーズに進みました。


穴明けが最も時間がかかります。



部品を取り付け配線して完了です。

右は本温度調整器の性能です。左のON-OFFだけの制御では大きな温度ばらつきが出ますが、この温度調整器では±1℃で温度を制御できます。

湯煎の簡易撹拌装置

2015年06月23日 | 燻製道具
ハムとベーコンの湯煎に撹拌装置の必要性を感じています。本格的なものはアメリカに注文しましたが、他にも方法があります。

熱帯魚の水槽も撹拌が必要でエアを吹き出すものが売っています。安く手に入ります。

寸胴鍋の下に沈めました。これでは中央のみ泡がでています。

真上にトレーを置くとエアは側面に出てきます。水面が動いており効果がありそうです

燻製仲間

2015年06月23日 | 友達
昨日午後から、燻製の機械を作りたいという島本町に住んでいる知り合いの方が自宅に来られました。我が家の燻製の装置、温度調整器、湯煎方法を説明しました。60℃×24時間湯煎したハムやベーコンが残っていたので試食して貰いました。特にハムの柔らかさには驚いたようです。木製の燻製器で中に入る金網のサイズを300角に決めました。PDI制御温度調整器は作り慣れている私が製作します。燻製器の方は私の構想図に基づいて彼が製作します。早速温度制御装置の部品を手配しました。
夕方からは、私の燻製の弟子で東大阪でうどん屋をやっている大学時代の友達のところに豚ロースを取りに行きました。仕事がら業務用の新しい肉が手に入るので彼に頼んでいました。彼も我が家の燻製器を参考に木製の装置を作りました。PDI制御の温度調整器を彼のために作ってあげました。燻製は童仙房にある別荘で作っています。
訪問したのが夕食時だったので天ざるうどんをご馳走になりながら燻製談義をしました。彼は燻製のたびにレシピをノートに記録してあります。


ここのうどんは材料や出汁にも拘っており、細うどんですが特に冷やしうどんは旨いです。、

頼んで買ってもらった豚ロースで6kgありました。低温湯煎の実験に使用します。

私はレシピの記録は残していません。彼は香料まで分量を記録しています。私は香料はその時の気分で適当に擦り込んでいます。参考にしてみます。
帰りにお土産にうどんと出汁を沢山戴きました。うちの娘と孫も当然私もうどんも出汁も大好きです。いつもありがとうございます。

ハムとベーコンの燻製標準(案)

2015年06月22日 | 燻製
ハムとベーコンを作りながら、少しづづ条件を変えて燻製してきました。この作業を標準化してみようっと思いました。燻製の最初の乾燥は55℃×2時間、燻煙は70℃でも芯部温度は60℃を超えることは有りませんでした。低温湯煎を前提としているので、燻煙は65℃とします。ハムは3時間、ベーコンは4時間とします。
湯煎時間ですが、60℃で24時間は出来上がりの柔らかさと味には問題無いのですが、24時間は長すぎます。

湯せん温度を61℃にすることによって12時間でほぼ同じ殺菌条件が得られます。次回からのハムとベーコンでテストして問題なければ本案を標準とします。

湯煎時間は61℃に芯部が達する時間を2時間とみて計14時間とする。

湯煎用のヒータの購入

2015年06月20日 | 燻製道具
低温湯煎を始めてから、この方法で作ったハムやベーコンが肉が軟らかく熟成された味になり気に入っています。昨日作ったベーコンは横向きに2枚重なった状態で湯煎しました、下の方が上に比べ肉汁の出る量が多かった。下の方が温度が高かった推測されます。何も入っていない状態では湯の温度のバラツキは少ないのですが、材料を入れると湯の流れを考えて漬ける必要があります。撹拌装置がないかと色々調べていくと。低温調理器具にヒータと撹拌のスクリューがセットになったAnova Precision Cookerを見つけました、鍋に投入するタイプで自動で温度調整が出来撹拌もできます。これを日本で買うと4万円もします。


アメリカのアマゾンにアカウントがあるので注文しました。送料込みで2万9千円でした。届いたら頑張ってハムやベーコンを作ります。

ベーコンの発送

2015年06月20日 | 日記
2日前のベーコンに引き続き「塩ベーコン」の燻製を行いました。

塩ベーコンとは私が付けた名前で、普通のベーコンと同じ作り方をするのですが、塩漬け時の塩分を5%にして、塩抜なしで燻製します。これを作る理由は、塩抜きが大変で切って焼いてみないと丁度良い塩加減が見出せないこと、および脂濃いベーコンをそのまま食べるのを控えていることです。塩辛いものはそのまま食べられないので、スープとか炒め物の味付けに使用します。いい味がでます。最大の理由は塩抜きの手抜きです。

塩辛いので使う量が少ないので小分けして真空パックして冷凍保存します。


今朝の朝食はできたての塩ベーコンを使ったスクランブルエッグです、追加の味付けはなしです。昨日作ったポテトサラダとゆみちゃんから貰ったキュウリとトマトを添えました。食後、30切れの塩ベーコンを1切れづつ真空パックし、ハムと一緒に頼まれていたところに送りました。

ポテトサラダ

2015年06月19日 | 食物
雀友のゆみちゃんがベーコンと交換に家で作った野菜(玉葱、ジャガイモ、キュウリ、トマト)を持参してくれました。残っていた野菜を処分しないと折角の取りたてのものが新しいうちに戴くことが出来ません。古い野菜で久しぶりのポテトサラダを作りました。近くの娘とこに持って行き孫達と一緒に食べます。

絶品低温湯煎ベーコン

2015年06月18日 | 燻製
60℃24時間湯煎したベーコンが出来上がりました、一晩冷蔵庫で寝かしてから切って味見するのですが、待ちきれずに冷えたところで一口味見してみました。

湯煎後は今までとは違い表面にゼラチンが沢山付いていました、食感は柔らかくとろけるような感し゛です。旨みと丁度よい塩加減でした。普段ベーコンをそのまま食べることはないのですが、このベーコンはいくらでもそのまま食べたくなります。焼いて食べてみてもジューシさは残っています。名古屋の忠市さん、頼まれていたので土曜日低温湯煎のロースハムと一緒に発送します。
一夜冷蔵庫で寝かしたものは

作りたてのようなぶよぶよ感が無くなり締まってきており綺麗な色になりました。

同時に作ったロースハムも綺麗な色に仕上がっていました。

脳トレ麻雀で忘れ物

2015年06月18日 | 日記
昨日は、毎週実施している脳トレ麻雀の日です。


昨日は左のゆみちやん(男です)の一人負けでした、帰りに皆さんにかますの燻製をお土産に一匹づつ持って帰って貰いました。
今朝、気づくと携帯電話がありません。いくら呼び出しても家にはありません。雀荘に電話してみると忘れており、メンバーの一人が持ち帰ってくれていました、免許証、クレジットカードも一緒に入っており、早速メンバーの会社まで貰いに行きました。


ベーコンの温度測定

2015年06月17日 | 燻製
ベーコンを60℃24時間の低温湯煎で作って見ようと思い、明日7時から女子サッカーを見ながら燻製を開始しました。今回ベーコンの燻製および湯煎時の表面と芯部の温度測定も一緒に実施しました、

表面温度を測定するための熱電対です。芯部は先の尖ったものを差し込みました。
燻製条件は、55℃×3時間煙なし、その後60℃×4時間燻煙し、そのまま直ぐに60℃で湯煎、60℃になってから24時間キープします。

ベーコンの肉厚が40mmでさほど厚くないので、表面と芯部は同じように上昇します。燻製終了時は47~49℃でした。燻煙だけで完了させるにはグラフから推測すると75℃×4時間になります。70℃では芯部が過熱不足になりそうです。湯煎では2時間で目標の温度に達します。出来上がりは24時間後の明日15時になります。

燻製及び湯煎の温度と時間についてのまとめ

2015年06月15日 | 燻製
燻製を始めて20年以上になりますが、大きなポイントは3つ有ると思っています。
①良い材料を使うこと②塩の選定と塩加減③燻製の温度と時間です。
①と②は人の感覚で判断可能ですが③の温度については、マニュアル本とかネット上での結果が報告されていますが、大抵は燻製温度という表現です。中には温度がアバウトであったり温度に幅を持たせたりしています。本当に大事なのは燻製中の材料に加えられた時間と温度です。レベルの高い人は燻製中(含む湯煎中)の中心温度と時間を決めて燻製しています.
これまでの調査結果と実験結果(本ブログの別記事参照)から纏めて見ました。
燻製温度
燻製の作り方を書いた本やネット上には、作る対象によって乾燥温度と時間、燻煙する温度と時間さらに湯煎する場合は温度と時間が記載されています。あくまでもこれは目安にしかなりません。燻製する装置あるいは道具により、温度設定のレベルが違う、雰囲気温度の材料への熱伝達も装置のサイズや煙の逃がし方によって変わってきます。先ず自分の燻製器で設定(目標)温度に対して実際の温度がどうなっているか把握している人は少ないです。昔からベーコンを作っていますが、一応ON-OFF型の温度調整器を付けて燻煙していたのですが、内部まで火を通すと外側が黒く焦げており、以降設定温度を下げ内部に火が通っていないところを湯煎で加熱しています。2年前に温度調整をバラツキの少ないPID制御方式に変更しました、これで雰囲気温度を±1℃に抑えることが可能になりました。温度調整器の性能を比較してみました。

左はロバートショーの温度調整器です、内部の液体の膨張でON-OFF制御します。このタイプの温度調整器を使用している方が沢山いると思います。私の燻製器はφ450高さ680の灯油タンクを改造したもので中に1100Wのヒータが入っています、75℃に温度設定した結果実際の温度は上に+7~8℃、下に-7~8℃で、15℃のバラツキがあります。ヒータの能力が小さければハンチングは少なくなります。教科書どおり75℃でベーコンを燻製すると中は火が通っているが外が黒く焦げます。右はOMRONの温度調整器です。PID制御します。加熱だけなら誤差0℃です。燻煙中は±1℃の誤差レベルです。
 温度がバラツク状態で燻煙すれば燻煙時間の決め方はいい加減なものになります。温度が正確での燻煙時間になりますが、本に書いてある通りもしくは他人の報告に基づいて燻製してみても思った通りにならないことが多いです。書いた人の温度管理や装置がどうなっているのか分からないし、燻製を作る側の温度管理レベルと装置のこともあります。要は試行錯誤でないと思ったものが出来ない状態です。教科書どおり出来ないところに燻製の面白さと奥深さがあると思います。
推薦する温度調整器
 温度調整器の購入を考えているのなら、PID制御できる調整器と先端が尖った熱電対のセットがお勧めです。燻製時だけではなく湯煎時の温度が正確に制御出来、肉の内部温度の測定にも使用できます(温度調整との同時は出来ません)。
燻製時間
 燻製の時間については、時間どおりやっても大抵は対象物の温度は設定温度よりも低くなります。これは加熱した空気で対象物を加熱するには空気と対象物の熱伝達が悪いため長時間の加熱が必要となります。魚の干物とかベーコンくらいの比較的厚みが小さい物なら燻製時の加熱だけで内部まで火が通ります。もし内部に火が通っていなければ温度を高くするか時間を長くすれば解決します。

燻製中のベーコンの芯部の温度測定結果です。50℃で1時間乾燥後70℃で燻煙したものです。8.5時間でやっと60℃です。いつもベーコンは燻煙5時間くらいでやっています。芯部温度は55℃位で、温度不足なので湯煎を追加しています。ベーコンでは燻煙の温度を75~80℃位で実施すれば芯部は63℃を超えて湯煎が不要になると思いますが、表面の焼き過ぎを嫌って私は70℃での燻煙をしています。
肉の厚みの大きなロースハムなどになると、燻煙中の加熱だけでは芯部まで温度上げることが出来ないので、薫製後の湯煎が必要となります。教科書では50~55℃で2時間乾燥、55~60℃で3時間燻煙、湯煎はたっぷりの鍋に水を入れハムを入れてゆっくり温度を上げ75℃で1.5時間ボイルするとある。

厚み70mmの肩ロースの燻製時の表面温度と芯部温度を測定した結果です、55℃で煙りなし2時間、同じく55℃で燻煙3時間です。表面芯部ともほぼ同じ37~38℃になっています。上昇曲線から温度は収れんに近く時間をかけても温度はなかなか上がらない状態です。表面温度が低い状態で燻煙しています。燻製の香りを増すには65℃まで温度を上げても良いかと思われます。
温度設定と実際の温度
燻製中の設定温度と実際の素材の温度の差があるということです。燻煙の温度だけで目標温度(多分殺菌がされる温度)に達しません。大抵は燻煙時の温度を試行錯誤で調整しているものと思います。ベーコンや魚などでは多少温度が高くなって肉が硬くなっても我慢できます。一方ロースハムでは元々燻煙だけで目標温度にするには難しく、後の湯煎がポイントとなります。
湯煎の温度と時間
湯煎の温度と時間は殺菌の温度と時間に大きく関わっています。殺菌の点では、芯部が70℃1分あるはよりシビヤな75℃1分とかあります。芯部をこの温度にするには外側の部分はもっと高くなります。これでは、硬い肉になります。
美味しい豚肉

NHKの「ためしてガッテン」にペプチド自体には味はありませんが、肉全体の味をまろやかにするといわれています。ペプチドは50℃~60℃の温度帯を通過するときに、最も増えます。この温度帯に長く置くには「かたまりの肉」を使います。かたまり肉の状態で蒸すとゆっくり温度を上げることができるため、50℃~60℃の温度帯を通る時間帯が長くなります。プロは、かたまり肉で加熱をした後スライスし、様々な料理に応用していたのです。かたまり肉の蒸し時間は、300グラムの場合、中火で30分です。

上の図から62℃からタンパク質の凝固が開始し68℃からタンパク質の収縮が開始するとあります。一般細菌の死滅温度は60℃となっています。
以上のことから、タンパク質が硬化しないで殺菌ができる温度は60~62℃になります。旨みを増すためにはコラーゲンを分解しゼラチン化すれば旨くなると言われています。コラーゲンは加熱調理によってゼラチン化し、溶けたゼラチンはさらに小さな断片(ペプチド)にまで変化します。コラーゲンの分解温度は68℃以上ですが、時間をかければ低い温度で分解するとのことです。
それではどれだけ時間をかければよいのか、ネットで調べると60℃で短いものは2時間長いものは24時間となっていました。
殺菌の温度と時間
一方殺菌の関係から60℃で殺菌可能かどうか可能なら保持時間をどうするかが調査必要です。殺菌条件として70℃1分または63℃30分あるいはそれと同等以上の殺菌条件とあります。同じ殺菌条件を得るための各温度と保持時間が数値ででています。これをグラフ化したものが下図です。

時間を対数で表示すると温度と時間の関係は直線になります、70℃1分と63℃30分は同等の殺菌条件となります。60℃では129分になります。一方よりシビヤな75℃1分という条件もあります。これと同じ殺菌条件は60℃ではほぼ24時間になります。60℃での保持時間は最大24時間の範囲で決めればよいことになります。
低温湯煎の時間の決定
湯煎を温度を60℃にして保持時間を6、12,18および24時間でサンプルを試作し味を見た結果、24時間が最も良いという結果が出ました。
あとがき
我が家でのロースハムは60℃×24時間湯煎ということになりましたが、長時間精度良く温度管理が必要なことから他人にお勧めはできないと思っています。真似をするなら自己責任でお願いします。
最新の燻製と湯煎の温度と時間
ベーコンとハムについて標準を決めました。燻製と湯煎の温度測定結果も載せています。下記ブログ参照ください。
http://blog.goo.ne.jp/kusa-kun/e/d307b8e386ead7b0683c2d418446f457