勝手に映画評

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終戦のエンペラー / Emperor

2013年07月27日 | 洋画(アメリカ系)
毎年8月頃になるとこの手の戦争ものが出てきますが、こう言う視点での話は初めてではないでしょうか。実語を下にしたフィクションです。

“アヤ”と言うのは架空の人物ですが、河井道と言う女性と一色ゆりと言う女性をモデルにしているようです。フェラーズが大学で会ったと言う件は一色ゆりですし、自身がクリスチャンであると言うところは河井道に該当します。

その他の、主人公ボナー・フェラーズ以下、マッカーサー、昭和天皇、木戸幸一、関谷貞三郎、近衛文麿、東條英機は実在の人物。見た目は若干微妙な所はありますがね。

物語に戻ります。フェラーズは、大学で留学生のアヤと出会うわけですが、既に当時のフェラーズは大佐の階級であり、他方のアヤは一留学生であるわけですから、10数歳、20歳弱の年齢差が有るわけです。それが相思相愛の形になるのは、中々興味深い所ではあります。純愛っぽいですけど。

一応、日米双方の視点で歴史考証はしているようですが、若干微妙。宮内次官と言う設定の関谷貞三郎ですが、終戦時には貴族院議員で、宮内次官は退任していたはず。あと、皇宮警察がフェラーズに抵抗するシーンは、あれは??? 警察なので、軍とは違いますが、あそこまで抵抗は出来なかったのではないかと思いますけど?

ところで、関谷貞三郎ですが、この映画のプロデューサー奈良橋陽子の祖父だそうです。奈良橋の息子野村祐人も本作品の共同プロデューサーを務めていて、「家族の話でもある」と奈良橋自身が語っています。そういうのって、珍しいですね。

日本人から見ると、若干「?」と思うところがないわけではないですが、ひと昔前の日本の描かれ方に比べれば雲泥の差。プロデューサーを奈良橋陽子が務めている(日本人が務めている)と言う事も、無関係では無いと思います。

アヤとフェラーズの関係も気になりますが、それはあくまでもサイドストーリー。昭和天皇の戦争責任が、どのように回避されたのかと言うのが、この作品の主眼です。そういういう意味では、中々、興味深いです。逆に言うと、日本というのは、やっぱり欧米人には理解不能であるということも、良く解りました。

あ、宇宙人ジョーンズは、このころから日本で監視に付いていたんですね(笑)。

タイトル 終戦のエンペラー / 原題 Emperor
日本公開年 2013年
製作年/製作国 2012年/アメリカ
監督 ピーター・ウェーバー
原作 岡本嗣郎(『陛下をお救いなさいまし 河井道とボナー・フェラーズ』)
出演 マシュー・フォックス(ボナー・フェラーズ/准将)、トミー・リー・ジョーンズ(ダグラス・マッカーサー)、初音映莉子(アヤ)、西田敏行(鹿島/アヤの叔父、海軍大将)、片岡孝太郎(昭和天皇)、羽田昌義(高橋/フェラーズ専属通訳)、伊武雅刀(木戸幸一)、夏八木勲(関屋貞三郎)、中村雅俊(近藤文麿)、火野正平(東條英機)、桃井かおり(鹿島の妻)、コリン・モイ(リクター/少将)

[2013/07/27]鑑賞・投稿


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