勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

2010年上期振り返り

2010年06月30日 | 振り返り
2010年上半期の振り返り。

まず、見た本数ですが、
1月3本、2月3本、3月6本、4月4本、5月4本、6月3本。
2009年が、
1月4本、2月4本、3月4本、4月5本、5月4本、6月4本
だったので、昨年より二本少ない本数です。
邦画の本数は、7本/23本。(2009年は7本/25本)

上期で一番印象に残ったのは、『告白』ですかねぇ。
やっぱり、衝撃的内容ですよ。
かなり極端に振っているとは思いますが、
イマドキの中学生の一端を垣間見た気がします。

あと、『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』も、
ツッコミどころはいくつかあるんですが、意外に良かったです。

何れも邦画なので、洋画で印象に残ったのは、
いま奇しくもサッカーワールドカップが行われていますが、
ラグビーワールドカップで活躍する南アフリカを描いた
インビクタス/負けざる者たち / INVICTUS』を上げておきます。
何が良いって、モーガン・フリーマンはマンデラソックリだし、
題材も、中々素晴らしい題材だと思います。

マイナスの印象に残った作品としては、
セックス・アンド・ザ・シティ2 / Sex and the City 2』ですね。
ちょっと(いや、かなり)方向性を見失っている気がします。
今回は、単なるエロ映画でしたね。

って言うか、近年、邦画の作品力が上がってきていますが、
見応えのある、邦画が多くて、今年もそれを実感しています。
逆にいうと、洋画の作品力が低下していると言えるんですかね。

ザ・ウォーカー / The Book of Eli

2010年06月20日 | 洋画(アメリカ系)
“何らか”の原因に依って文明が崩壊してしまっている社会が舞台。

とは言うものの、“何らか”が示すものは、核戦争である事を映像的に表現しています。“何らか”と記したのは、明示的に台詞として語られていなかったから。冒頭のシーンから、核の灰の降るシーンですからねぇ。って言うか、デンゼル・ワシントン演じるイーライが、防護服を持っているのは、不思議でした。物凄く腕が立つので、元々兵士か何かと勝手に想像していたら、何と、Kマートの店員だったりしていました。

原題は“The Book of Eli”。見終わって考えてみると、欧米人的には原題が、本当にピッタリですね。でも、日本人の間隔では、恐らく理解できず・・・。なので“ザ・ウォーカー”と言う、微妙にポイントをずらしたタイトルに成っているのだと思います。

さて、そのポイントとなっている【本】ですが、何の本であるかは、敢えてここでは記しません。欧米人にとっては大切な本ですが、日本人の多くは共感できないと言うことだけ記しておきます。

核戦争後の世界を描いた作品は数多いですが、何故今、核戦争後の世界を描いたんでしょう? そして、何故、あの本なんでしょうね? ちょっと気になったのは「本が戦争の原因ともなった」と言うイーライの言葉。それは今の、イラクやアフガニスタンの事(アメリカが本の方の立場であって、イラクやアフガニスタンがそれに対抗する側ということ)を暗示しているんですかね?

あ、そうそう。物語の最後に、イーライが、物凄く嗅覚や聴覚に優れている理由(と言っていいと思う)が明らかになります。その後の件では、ある意味イーライ自身が本になっています。って言うか、セリフ的にもそう言っているし。

何れにしても、日本人の間隔では結構不思議な内容です。日本では、万人受けする作品では無いですね。

タイトル ザ・ウォーカー / 原題 The Book of Eli
日本公開年 2010年
製作年/製作国 2010年/アメリカ
監督 アルバート・ヒューズ、アレン・ヒューズ
出演 デンゼル・ワシントン(イーライ)、ゲイリー・オールドマン(カーネギー)、ミラ・クニス(ソラーラ)、ジェニファー・ビールス(クローディア)、トム・ウェイツ(エンジニア)

[2010/06/20]鑑賞・投稿

告白

2010年06月13日 | 邦画
「娘の愛美は、このクラスの生徒に殺されました」と言う衝撃的な台詞が印象的な、2009年度「本屋大賞」授賞作品が原作。実は、「娘の愛美は、このクラスの生徒に殺されました」のセリフが物凄く印象に残ったので、原作を読もうと思っている間に、映画化されてしまいました(苦笑)。思ったときに読まないとダメですね。

最初の衝撃のセリフの印象から、生徒の中から犯人探しをしていくストーリーと勝手に思っていたのですが、全然違いました。むしろ、名指しはしないものの、少年A/少年Bを知っている人物=クラスメイトであれば、それぞれが容易に特定される形で告発し、しかも、復讐を宣言して去っていくと言う余計に怖いストーリーでした。

内容が内容なので、R15指定になっています。と言う事は多数劇場に見えた生徒たちは、高校生?と言うことですかね。しかも、男子は全くおらず、女子ばっかり。う~ん、女子に刺さりそうな内容といえば、言えるかもしれませんね。

この話の映画化の話が出たときに主人公を演じる人物として最初に監督の頭に浮かんだのが松たか子だそうです。コメディアンヌのイメージもある彼女ですが、松たか子は主人公森口悠子を全く違和感なしに演じています。って言うか、上手くて怖すぎる・・・。

もう一人の女優、木村佳乃。松たか子と1歳しか歳は違わないはずなのですが、一方は娘が児童の担任教師、もう一方は中学生の息子を持つ母親となっています。それが違和感無いんですが・・・。必要以上に過保護な母親像を見事に演じきっています。

そうですか。岡田将生が教師役ですか・・・(苦笑)。でも、KYな(死語?)熱血教師役は上手く演じていますね。

それにしても、怖い、怖すぎます。映像全体も、作品のイメージを考慮して、少し霞んだような、暗いような色使いがされています。それにしてもなぁ、少しでも救われるところがあれば明るい気持ちになれるんですが、これでは救いようが・・・無いです。デートには勧めません。

タイトル 告白
日本公開年 2010年
製作年/製作国 2010年/日本
監督・脚本 中島哲也
原作 湊かなえ
出演 松たか子(森口悠子)、岡田将生(寺田良輝)、木村佳乃(下村優子/少年B=下村直樹の母)、橋本愛(北原美月)、西井幸人(少年A=渡辺修哉)、藤原薫(少年B=下村直樹)、山口馬木也(桜宮正義)

[2010/06/13]鑑賞・投稿

セックス・アンド・ザ・シティ2 / Sex and the City 2

2010年06月06日 | 洋画(アメリカ系)
前作から2年後と言う設定ですが、実際に2年経ってもいます。

キャリーのMr.ビッグとの結婚生活に暗雲が立ち込めたり、あるいは、若くて魅力的な乳母の存在がシャーロットの心を乱したり、あるいは、ミランダの仕事に障害が生じたりと、二年経つとみなさん色々ある様です。もっとも、サマンサは相変わらず(より一層?)お盛んな様で・・・(笑)。と言う感じで、今回のストーリーは、正直言って、“fabulous”で、“gorgeous”で、“glitter”と言うS.A.T.C.の世界観とはちょっと違って、かなりありきたりな感じがしました。って言うか、むしろ庶民的・・・。冒頭に、物語が始まった14年前の4人の姿がカットインする様なシーンがあります。この辺りからも、ちょっと方向性を見失い始めているんですかね? ただ、出演者的には、ライザ・ミネリが本人役で出たり、ペネロペ・クルスが銀行の副頭取役で出たり、出演者は豪華です。このあたりで、辛うじてS.A.T.C.の面目躍如と言うところでしょうか。

146分の作品なんですが、ちょっと冗長な感じもします。始めに、スタンフォードとアンソニーのゲイ結婚式のシーンが有るんですが、これって必要? 固定観念にとらわれないと言うキャリーの生き方・考え方を示す意味も有るのかもしれませんが、無くても物語は成立すると思いました。なので、物語の舞台はアブダビなんですが、アブダビに行くのは物語も結構進んでから。この辺りも、ちょっとシナリオが甘い気がします。アブダビでのシーンも、終わらせ方が結構強引かな。かなり無理矢理感が・・・。

物語の本筋とは全く関係ないんですが、日本では良く『XX女子』と昨今言いますが、アメリカでも『XXガールズ』と言う事に気が付きました。いくつになっても、若く、可愛らしくいたいと言う女性の気持ちは、世界共通と言うことですね。

さて、上記に物語の舞台はアブダビと書いたんですが、実際のロケ地はモロッコです。タイトルに“セックス”と入っているのが、当地の当局に咎められたらしいです。その意味では、この映画の通りなのかもしれませんね。

それにしても、4人の14年前の姿をカットインするとか、物語のマンネリ化に制作側も何となく気が付いているのではないかとも思いますが、この物語の最後はどこに有るんでしょうね?

辛口の事ばかり書いていますが、この話が好きな方は外せない映画だと思います。

タイトル セックス・アンド・ザ・シティ2 / 原題 Sex and the City 2
日本公開年 2010年
製作年/製作国 2010年/アメリカ
監督 マイケル・パトリック・キング
出演 サラ・ジェシカ・パーカー(キャリー・ブラッドショー)、キム・キャトラル(サマンサ・ジョーンズ)、シンシア・ニクソン(ミランダ・ホップス)、クリスティン・デイヴィス(シャーロット・ヨーク)、クリス・ノース(ミスター・ビッグ)、ジェイソン・ルイス(ジェリー・"スミス"・ジェロッド)、ライザ・ミネリ(本人)、ペネロペ・クルス(カルメン・ガルシア・カリオン)

[2010/06/06]鑑賞・投稿