勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

イーグル・アイ(2008年)

2008年10月18日 | 洋画(アメリカ系)
コピーショップの店員ジェリー(シャイア・ラブーフ)が、外出から帰宅すると、部屋には最新の武器が部屋一杯に。不思議に思っていると、携帯電話に謎の女から「FBIが来る。直ぐ逃げなさい。」と言う電話が・・・。一方、シングルマザーのレイチェル(ミシェル・モナハン)の元にも、息子の命が惜しければ指示に従えと言う、やはり同じ謎の女からの電話が掛かっていた。全く面識の無い男女が、数奇な運命から行動を共にし始める・・・。

とか何とかストーリーを要約してみましたが、言ってみると、嘗て『エネミー・オブ・アメリカ』と言う、知らぬ間にトラブルに巻き込まれた挙句プライバシーを侵害され、国家機関から監視・追跡されてしまうと言うウィル・スミス主演の映画がありましたが、それと、超高性能なロボットが人間を襲ってしまうと言う、やはりウィル・スミス主演の『アイ、ロボット』を足して、二で割ったみたいな感じ(?)と言えば、当たらずとも、遠からずだと思います。そして、実は結構派手なアクション映画です。『ダイ・ハード』シリーズにも匹敵と言うのは、言い過ぎかもしれませんが、それでもかなり派手です。

冒頭のシーンは、ちょっと予想を外すところから始まります。もっとも、それがこの映画の重要なポイントであったのは、物語の後半に明かされるのですが、いまのアメリカをある意味象徴するような場面では有ります。そして、アメリカ側の物語の舞台はシカゴから始まるのですが、なぜシカゴ? LAXとか、NYCとかがアメリカの映画の定番だと思うんですが。D.C.ではロケしているんで、NYCで出来なかったと言う事でも無いと思いますしね。ちょっと不思議に思いました。

この作品は、そもそもスピルバーグ自身が映画化しようと思っていたのですが、彼は『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』も撮っており、そちらに集中する必要があったので、D・J・カルーソーに監督を託したと言うシロモノ。その意味で、スピルバーグの思いが篭った作品でもあります。”秘蔵っ子”シャイア・ラブーフが主演ですしね。

この物語のもう一人の主人公「謎の女」ですが、その正体は物語の後半に明らかになります。なるほどねぇと言う感じです。それならば、電話を操作したり、次々と信号を変えたり、機械を操作したりするのも、簡単ですよねぇ。アメリカでは、電話はNSAに常に監視されているという話もありますしね。

リアリティに拘ったと言う話ですが、その通りに、それなりにリアリティのある仕上がりになっています。ですが、数点、納得の行かないところが。1点目は、物語後半に、プレデターを撃墜するために、F-16が追いかけるシーンがあるんですが、その際、遠隔操作でF-16のパイロットをベイル・アウトしてしまうんですが、これは多分無理。ありえないです。そしてもう一つ。これも物語り後半、って言うか、クライマックス。ジェリーが危機を知らせに議会に向かうんですが、それに対する議会警察?の反応が鈍い。POTUSがいるんだから、ちょっとねぇ。

とか何とか言っていますが、結構面白いアクション映画です。

タイトル イーグル・アイ
原題 Eagle Eye
日本公開年 2008年
製作年/製作国 2008年/アメリカ
監督 D・J・カルーソー
製作総指揮・原案 スティーヴン・スピルバーグ
出演 シャイア・ラブーフ(ジェリー・ショー)、ミシェル・モナハン(レイチェル・ホロマン)、ロザリオ・ドーソン(ゾーイ・ペレス/空軍特別捜査局捜査官)、ビリー・ボブ・ソーントン(トーマス・モーガン/FBI捜査官)、マイケル・チクリス(ジェフ・カリスター国防長官)、アンソニー・マッキー(スコット・ボウマン少佐)、イーサン・エンブリー(トビー・グラント)

[2008/10/18]鑑賞・投稿

容疑者Xの献身(2008年)

2008年10月04日 | 邦画
フジテレビで放映され、大ヒットした『ガリレオ』の映画化。って言うより、東野圭吾の探偵ガリレオシリーズの中の長編『容疑者Xの献身』の映画化と言った方が正しいんでしょうかね? 

テレビの際も(元々原作には居なかった”内海薫”とか、”城ノ内桜子”とかの女性登場人物を除いては)、基本的に大体原作に沿った形での映像化でしたが、映画の場合にも、その方針は踏襲されています。まぁ、本であったなら、湯川・草薙の男と男のコンビでも良いかもしれませんが、映像になるとしたら、やっぱり花があったほうが見栄えはするわけで、その意味では、湯川・内海と言う組合せになったのは、間違いでは無かったと思います。(同じような手法は、『チーム・バチスタの栄光』でも取られています。)最終的に内海は、原作にも登場してきていますしね。

原作者の東野圭吾によれば、湯川学は佐野史郎をイメージして書かれていたわけですが、テレビそしてこの映画の影響で、圧倒的に福山雅治と言う印象が、一般には刷り込まれてしまったのでは無いでしょうか? テレビ化する際に湯川役を佐野史郎にしなかった理由は不明ですが、一部の人間には、彼には1992年TBSドラマ『ずっとあなたが好きだった』の桂田冬彦のイメージも無い訳ではないので、良かったのかもしれませんが。

映画の中では、あまり出演シーンは多くなかったですが、私に演技力を感じさせたのは、意外にもダンカンです。非常に少ない出演シーンにも係らず、芸達者だなぁと感心してしまいました。

あとは、言うに及ばず、松雪泰子ですかね。やっぱり彼女の演技は、一流だと思います。陰のある雰囲気とか、表情は見せますね。

柴咲コウは、テレビドラマ等多数出演していますが、微妙な感情表現を伴う演技は苦手と見ました。これまでの出演作品でも、微妙な感情表現を必要とする役柄が少ないのも、その傍証かと思います。

時間的制約や、物語の盛り上げ方などにより、完全に原作に忠実と言うわけでは有りませんが、それなりに原作にそっているので、原作を読んでいる人も、そうでない人も、楽しめると思います。

タイトル 容疑者Xの献身
日本公開年 2008年
製作年/製作国 2008年/日本
監督 西谷弘
原作 東野圭吾
出演 福山雅治(湯川学)、堤真一(石神哲哉)、松雪泰子(花岡靖子)、金澤美穂(花岡美里)、柴咲コウ(内海薫)、北村一輝(草薙俊平)、ダンカン(工藤邦明)、長塚圭史(富樫慎二)、渡辺いっけい(栗林宏美)、品川祐(弓削志郎)、真矢みき(城ノ内桜子)

[2008/10/04]鑑賞・投稿