勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

世界侵略:ロサンゼルス決戦 / Battle Los Angeles

2011年09月20日 | 洋画(アメリカ系)
突如世界各地に現れた、地球外生命体。突然の攻撃に、都市は壊滅していく。絶望的な状況の中、戦う海兵隊の姿を描いた映画。元々4.1に公開予定だったのですが、3.11東日本大震災の影響で公開が延期されました。

この作品を巡っては、SPEとVFX会社が、この映画の製作費用に関して争う事態(SPEは、VFX会社が『スカイライン -征服-』にこの作品の資金を流用したと主張)になっているようですが、『インデペンデス・デイ』とも似ていませんか?類似点は、以下
  • 舞台がロサンゼルス
  • 敵が圧倒的で絶望的状況
  • 敵の目的は地球資源
  • 海兵隊が主役(インデペンデス・デイ=ヒラー大尉、本作=ナンツ二等軍曹)
  • 戦闘部隊に他の要員(インデペンデス・デイ=デイヴィッド・レヴィンソン、本作=エレナ・サントス(軍人だけど空軍))
  • 民間人を抱えている
  • 味方の中に確執がある(インデペンデス・デイではデイヴィッドとホイットモア大統領、本作ではナンツと部下たち)
  • 敵基地を攻略すると、敵のドローンが動かなくなる
細かいところはもっとありますが、大まかなところだけでも、こんなに似ている点がありました(個人の感想です(笑))。

まぁ、他の作品と似ているということについては別として、二時間戦いっぱなし。一息つく暇もありません。物語上の時間も24時間程度と思われるので、それで良いのかもしれませんが。でも、最後の最後、敵基地に侵入したときは夜だったのに、敵基地から出たら陽が上がっているとか、いつの間にかナンツ達が後方暫定基地に撤収しているとか、突っ込みたくなるところはいろいろありましたが。

もっと言えば、恒星間を航行して(たぶん)地球侵略をするほどの科学力があるのに、武器が普通すぎだし、地球の普通の武器でやられ過ぎ。まぁ、そうでもしないと、それこそあっという間に侵略が完了してしまうわけですが。

女性の登場人物もあり、ベタな場合は、色恋の要素も入ってきたりしがちですが、この作品にはその要素はありません。その意味では、わたし的には好印象。だってねぇ。不要ですよ。でも、物語としては深みが無いので、一長一短ではありますが。

物語がどうだとか言う映画では有りません。アドレナリンで見る映画です。その割には、海兵隊員たちの献身さに、ちょっと心を動かされしまいましたが。

タイトル 世界侵略:ロサンゼルス決戦 / 原題 Battle Los Angeles
日本公開年 2011年
製作年/製作国 2010年/アメリカ
監督 ジョナサン・リーベスマン
出演 アーロン・エッカート(マイケル・ナンツ二等軍曹)、ラモン・ロドリゲス(ウィリアム・マルティネス少尉)、ミシェル・ロドリゲス(エレナ・サントス技能軍曹)、ネーヨ(ケヴィン・ハリス伍長)、コリー・ハードリクト(ジェイソン・ロケット伍長)、ウィル・ロッタール(リー・イムレイ伍長)、ジム・パトリック(ピーター・カーンズ上等兵)、ジーノ・アンソニー・ペシ(ニック・スタブロ伍長)、ジェイムス・ヒロユキ・リャオ(スティーブン・モトーラ上等兵)、ノエル・フィッシャー(ショーン・レニハン一等兵)、アデトクンボー・マコーマック(ジブリル・アドゥク衛生兵)、ブリジット・モイナハン(ミッシェル)、マイケル・ペーニャ(ジョー・リンコン)、ブライス・カース(ヘクター・リンコン)

[2011/09/20]鑑賞・投稿

探偵はBARにいる

2011年09月13日 | 邦画
東直己の小説「ススキノ探偵シリーズ」の第2作「バーにかかってきた電話」が原作。ちなみに、「探偵はBARにいる」と言うのは第1作のタイトル。

「ススキノ探偵シリーズ」と言う事なので(?)、北海道の大スター大泉洋が主演です。この人は、基本・・・って言うか、絶対コメディ・バラエティの人だと思うのですが、そのためか、ハードボイルドコメディ映画?と言う不思議なジャンルを形成してしまったようです。もっとも、原作でもそうなのかどうかは、原作を読んでいないので不明です。

不思議なのは、相棒は、高田と言う事で苗字は明らかになっているのですが、主人公の探偵の名前が絶対にでてこない所。推理小説にはそう言う形態の物はよくあるので、これもそれにならった形態なのだと思います。でも、高田は空手師範代と言う設定なので、強いのはよく分かるんですが、探偵も意外に強いみたいですね。

ところで、高田の車が光岡ビュートなんですが、あんなにボログルマとして描かれてしまって、光岡自動車としては大丈夫なんでしょうかね? 抗議が来ていないか、余計な所が気になってしまいました(笑)。

かなり意外だったのが、探偵を拉致した男が高嶋政伸だったと言う事。言われてから見ても、全然彼だとは解らないんですが・・・。ホテルマンも、あんな下品な演技をする様になったんですねぇ。ちょっとビックリです。

全般として、ハードボイルドコメディ的な要素はさておいて映画の内容としては、サスペンスの要素もしっかりとしていて、結構いい作品です。途中「え?そういう事??」と騙され気味になるのですが、やっぱり結末は、予想通りの結末。小雪を完全な悪役には出来ないですよね。

タイトル 探偵はBARにいる
日本公開年 2011年
製作年/製作国 2011年/日本
原作 東直己『バーにかかってきた電話』
監督 橋本一
出演 大泉洋(探偵(俺))、松田龍平(高田)、小雪(沙織)、西田敏行(霧島)、カルメン・マキ(マキ)、竹下景子(近藤百合子)、有薗芳記(田口幸平/田口晃の父)、阿知波悟美(田口康子/田口晃の母)、波岡一喜(佐山)、中村育二(南)、高嶋政伸(〈俺〉を拉致した男)、石橋蓮司(岩淵恭輔/銀漢興産会長)、本宮泰風(岩淵貢/恭輔の息子・銀漢興産社長)、田口トモロヲ(松尾)、松重豊(相田)、増田徳寿(ケラーオオハタのマスター)

[2011/09/13]鑑賞・投稿

ミケランジェロの暗号 / Mein bester Feind

2011年09月12日 | 洋画(その他)
第2次大戦時のウィーンで、ユダヤ人画商一家が持つミケランジェロの絵画をめぐる、ナチスとユダヤ人画商の戦いを描いた作品。

オーストリアで制作されたドイツ語の映画です。久しぶりにドイツ語を聞きましたが、英語と(ほぼ)同じ言葉は別として、それ以外は全く判りませんでした。当然ですが。

正直、見ていくうちにオチは予想がついて、実際にそのとおりの結末になるのですが、それでも、そこに至るまでの話が面白い。魅せられます。そういう意味で、ハラハラドキドキのサスペンスが基本なんですが、所々、ユーモアと言うか、シニカルな描写の所があり、劇場内で若干の笑も起きていました。

さて、なぜミケランジェロの絵画なのか?と言う事なんですが、実は、ミケランジェロはユダヤ人にシンパシーを感じていたとも言われており、ヴァチカンのシスティーナ礼拝堂の天井画にも密かにユダヤ人を描いています。日本人には解らないところなんですが、キリスト教の教会にユダヤ人の姿を描くというのは、ある意味、教会に対しての反抗であるそうです。そう言う背景を持つ画家の絵画なので、ユダヤ人画商が持っているというのも、物語の背景としては意味があるらしいです。

『ミケランジェロの暗号』と言う邦題ですが、あまりいい邦題では無いですね。これだとミケランジェロの絵画に何らかの暗号めいたことが描かれており、それをめぐる話のような印象を受けますが、中身は全く違います。『Mein bester Feind』と言う原題は、“私の最高の敵”と言う様な意味なので、こちらの方が映画の内容に合っています。まぁ、邦題に若干の難はありますが、見応えのある中々面白い映画です。

タイトル ミケランジェロの暗号 / 原題 Mein bester Feind
日本公開年 2011年
製作年/製作国 2010年/オーストリア
監督 ウォルフガング・ムルンバーガー
出演 モーリッツ・ブライブトロイ(ヴィクトル・カウフマン)、ゲオルク・フリードリッヒ(ルディ・スメカル)、ウルズラ・シュトラウス(レナ)、マルト・ケラー(ハンナ・カウフマン)、ウド・ザメル(ヤコブ・カウフマン)、ウーヴェ・ボーム(ウィドリチェック親衛隊大佐)、ライナー・ボック(ラウター親衛隊大尉)、クリストフ・ルーザー(ウェーバー親衛隊軍曹)、セルゲ・ファルク(ノルドナー親衛隊大佐)

[2011/09/12]鑑賞・投稿

カウントダウンZERO / Countdown to Zero

2011年09月05日 | 洋画(アメリカ系)
核の脅威に関するドキュメンタリー。

当時の関係者の数多いインタビューを中心に構成されているが、ロバート・マクナマラ元米国防長官を始め、ジェームス・ベイカー元米国務長官、ジミー・カーター元米大統領、トニー・ブレア元英首相、ミハイル・ゴルバチョフ元ソ連書記長など、各国のトップのインタービューも多数あるのは興味深い。

そして、その“当時の関係者”には、J.F.ケネディまでもが含まれる。JFKは、1961年の国連総会での演説で「我々は一本の糸で吊り下げられたダモレスクの剣(核兵器)の下で生きている。その糸は「事故」「誤算」「狂気」で切断される」我々が滅ぼされる前に核兵器は絶滅させねばならない」と語っている。その1961年の演説から今年で50年。JFKの語った理念は未だ実現されていない。

なお、映画のポスターには、オバマ米大統領の写真が多用されているが、オバマ大統領自身はニュース映像として出てくるのみで、その他には登場しない。

タイトルのカウントダウンZEROと言うのは、“核兵器がZEROになるまで”と言う意味と、“(JFKの言う)核に人類が滅ぼされるまでのカウントがZEROに向かって進んでいる”と言う2つの意味なんでしょうかね?

タイトル カウントダウンZERO / 原題 Countdown to Zero
日本公開年 2011年
製作年/製作国 2010年/アメリカ
監督 ルーシー・ウォーカー

[2011/09/05]鑑賞・投稿

ライフ ―いのちをつなぐ物語― / One Life

2011年09月01日 | 洋画(イギリス系)
『ディープ・ブルー』、『アース』を制作したBBCが制作。

この手の自然観察モノを見るといつも思うんですが、こう言う映像って、一体どうやって撮るんでしょうね? アザラシと一緒に泳いだり、魚の群れに迫ったり、ネズミ(ハネジネズミ)がトカゲから逃げすシーンに迫ったり。ものすごく不思議です。

その中でも一番驚いたのがハキリアリの巣の映像。ハキリアリは、その名の通り葉を切る蟻なんですが、その切った葉を蟻は食べません。巣に運び込んでキノコを栽培して、そのキノコを餌にしているという驚きの蟻です。そう言う蟻の生態もかなり驚きなんですが、その巣の中の映像を撮った事も驚き。人間の気配が有ったらこういうものはNGなはずなので、一体動やって撮ったのか物凄く不思議です。

今回見たのは、日本語吹き替え版。ナレーションは、松本幸四郎と松たか子の父娘だったんですが、オリジナルのナレーションは、何と!ダニエル・クレイグらしい。う~、オリジナル版でも良かったかも。

全般的には、動物の表面的な生活を捉えた映像と言ったらダメでしょうか。その生き物たちの生命行動の背景にあるものの深みを感じることが出来ず、こう言うとなんですが、お子様向けの“動物可愛いね”映画に思えて残念でした。6年もの時間を掛けて世界中で撮影しているんですから、もっと深みのある作品にして欲しかったと思います。でも、そうしたら、重すぎますかね?

タイトル ライフ ―いのちをつなぐ物語― / 原題 One Life
日本公開年 2011年
製作年/製作国 2011年/イギリス
監督 マイケル・ガントン、マーサ・ホームズ
ナレーション 松本幸四郎、松たか子

[2011/09/01]鑑賞・投稿