勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

アンフェア the movie(2007年)

2007年03月21日 | 邦画
テレビドラマ『アンフェア』の映画版。当然のことながら、テレビシリーズからストーリーはつながっています。私は残念ながら、テレビシリーズは未見なので、ちょっと話のつながりがわからない所がありますが、まぁ、それでも何とか楽しむことは出来ました。同じフジテレビの刑事物には『踊る大捜査線』がありますが、『踊る』がコミカルであるのに対し、こちらの『アンフェア』は徹底してシリアスでクールな作品になっています。

今回の映画の舞台は、警察病院。警察の裏金80億円を要求する犯人が立て篭もります。しかし、その病院はテロ対策がなされたある意味要塞。外からの進入は困難と言う設定。そして、その病院には篠原涼子扮する雪平夏見の娘が入院していると言うのが、ストーリーのベースになっています。

逆の意味で『踊る』とは同じように、これまでの日本の刑事ドラマには無いような刑事物ですが、突っ込みどころは満載です。刑事畑の雪平が、公安に異動するという事は、刑事と公安の中の悪さを考えればありえない話ですし、係長(警部相当)が管理官と言うのもありえないですし(まぁ、これは警視から降格されたと言うこともありますが)、内部の偵察活動を全く行わずにSATが突入すると言うのもありえません。まぁ、その辺は、ドラマと言うことで目を瞑りましょう。

『アンフェア』と言うタイトルにもあるように、内容はアンフェアと言うか、裏切りに次ぐ裏切りで、どんでん返しが色々とあります。今回も、えーっ!と言う感じもします。それと、俳優たちが、普段のキャラクターとは全く演技を見せているのも、この作品の特徴のひとつ。特に、阿部サダヲ、濱田マリなどは、普段はああ言うキャラクターではないですからね。意外です。

加藤ローサが出ていますが、物語の冒頭、あっという間に犠牲になってしまい、再び出てくることはありません。また、就活女優で有名な原田佳奈も出ていますが、こちらも、加藤ローサ以上に出演シーンは少なく、あっという間にいなくなります。椎名桔平は、中々クールで怖い役柄を演じています。あえて言えば、寺島進くらいでしょうか?普段のキャラクターとの違和感があまり無いのは。

映画のエンドロールの後にも映像が続きますので、エンドロールが出てきたからといって席を立ってはいけません。また、ああ言う終わり方は、次があるんでしょうか? 物語は全然解決していません。

タイトル アンフェア the movie
日本公開年 2007年
製作年/製作国 2007年/日本
監督 小林義則
原作 秦建日子
出演 篠原涼子、椎名桔平、江口洋介、成宮寛貴、阿部サダヲ、濱田マリ、加藤ローサ、原田佳奈、加藤雅也、大杉漣、寺島進

[2007/03/21]鑑賞・投稿

デジャブ(2006年)

2007年03月17日 | 洋画(アメリカ系)
舞台は、ハリケーン・カトリーナで壊滅的な打撃を被ったニューオリンズ。2006年2月28日のマルディグラの日、海軍水兵・退役兵・家族が乗ったフェリーが、突如大爆発するところから物語は始まります。これから書くことには、ちょっとネタばれありなので、作品を見ていない方はご注意。

主人公のATF捜査官ダグ・カーリンを演じるのは、デンゼル・ワシントン。ATFとは、日本ではあまり有名ではありませんが、アメリカの連邦捜査機関でアルコール・タバコ・火器・爆発物取締局。名称に含まれる連邦犯罪を管轄としています。主人公が所属する機関が、有名なFBIではなく、どちらかと言うと日本では無名なATFであることとか、舞台が映画で描かれることが少ないニューオリンズであることは置いておくとして、『デジャブ』と言うタイトルから想像されるストーリーとは、ちょっとイメージが異なる内容です。はっきり言って、あれはデジャブじゃ無いですよ。サスペンスなのは間違いありませんが、ある意味SFにもなっています。

見終わってみて、何となくスッキリせずに、私的にはちょっと不満。これは果たしてSFなのか、サスペンスなのか。ちょっとどっちつかずな内容と思いました。もう少し、どちらなのか、はっきりとさせた方が、見終わった後もっとスッキリしたと思います。大体、あの得体の知れない装置が何とも胡散臭い。それが一番の不満です。とは言うものの、得体の知れない装置をつけてダグがカーチェイスをするシーンは、ハラハラドキドキ。実際あんなふうに見えたら、私は車の運転なんてとっても出来ません。時間をテーマにする内容なので、物語全般には、過去と現在を結びつけるような伏線が、沢山ちりばめられています。

この映画の撮影は、ハリケーン・カトリーナが、ニューオリンズを襲った直後。映画の端々に、被害に遭ったニューオリンズの街並みが見て取れます。実は、私自身、マルディグラの時期にニューオリンズに行った事があるのですが、あの美しい街並みが壊滅してしまったと言うのはものすごくショック。あ、マルディグラというのはカーニバルで、ニューオリンズの街全体がお祭り一色になります。特に夜のパレードがキレイです。まぁ、私の個人的経験はおいて置くとしても、そう言う経験があるので、別の意味で、映画に見入ってしまいました。ニューオリンズ、早く復興すると良いですね。

タイトル デジャブ
原題 Deja Vu
日本公開年 2007年
製作年/製作国 2006年/アメリカ
監督 トニー・スコット
製作 ジェリー・ブラッカイマー
出演 デンゼル・ワシントン、ポーラ・パットン、ヴァル・キルマー、ジム・カヴィーゼル、ブルース・グリーンウッド

[2007/03/17]鑑賞・投稿

ナイト ミュージアム(2006年)

2007年03月10日 | 洋画(アメリカ系)
先行上映に行ってきました。結構客の入りは良かったですね。子供が多いかとも思ったのですが、吹き替えバージョンではなく、字幕バージョンを鑑賞したので、子供の姿はありませんでした。ちょっと安心しました。

夜の博物館。夜の学校と同じように、ちょっと怖いような気もする場所ですね。でも、行って見たい気もします。で今回は、自然史博物館で、夜な夜な展示物が生き返ると言う、ありがちな定番のストーリーになっています。しかし、その生き返る展示物は、一癖も二癖もあるようなものばかり。なぜか追いかけっこが好きなT-REXの化石、頼りになるけどシャイな元アメリカ大統領の蝋人形、いたずら好きの剥製のサル、血気盛んなローマのミニ将軍とアメリカ開拓時代の西部のミニカウボーイ、そして、この展示物の生き返りの元となる紋章の持ち主のエジプトの若き王(包帯の下はイケメン)etc.etc.・・・。およそ自然史博物館にありそうなすべてのものが生き返ります。そしてその博物館では、ある”陰謀”が進行しているというのが、この映画のベースストーリー。

そんな不思議で、困った博物館の新任夜警ラリーに扮するするのがベン・スティラー。離婚して、元妻は裕福な生活、別れた元亭主は泣かず飛ばずという、こう言う物語には典型の設定。しかも、元妻の再婚相手は、リッチな株のブローカー。株ブローカーって、アメリカでは儲かる職業の典型なのでしょうか。そういえば、失業した父親と子供が幸せに向かって格闘する『幸せのちから』でも、主人公が目指すのはリッチな株のブローカーでした。でもこう言うときって、なんで子供は貧乏な父親と一緒なんでしょうね? まぁ、裕福な母親と一緒にいてしまったら、あまり物語にはならないのかもしれませんが。それにしても彼は、どたばたコメディーにピッタリですね。それと、元アメリカ大統領のセオドア・ルーズベルトに扮しているのが、これまたコメディー俳優ロビン・ウィリアムズ。ベテランの余裕たっぷりの演技が見れます。

全般を通して突っ込みどころは満載です。物語終盤のサカジャウィアが展示物を捜索するラリーに協力するシーンでは、まじめな顔をして、サカジャウィアが結構笑える事をしています。ここでは、みんなから笑がおきていました。その他にも、いろいろありますが、基本的にはドタバタコメディーなので、ストーリーに関して多くは語らないことにします。あまりにも馬鹿らしくて、笑えます。最後は、お約束のハッピーエンド。子供と一緒に行っても、安心な映画です。

タイトル ナイト ミュージアム
原題 Night at the Museum
日本公開年 2007年
製作年/製作国 2006年/アメリカ
監督 ショーン・レヴィ
出演 ベン・スティラー、カーラ・グギーノ、ディック・ヴァン・ダイク、ミッキー・ルーニー、ビル・コッブス、ロビン・ウィリアムズ

[2007/03/10]鑑賞・投稿