勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

ラ・ラ・ランド / La La Land

2017年02月26日 | 洋画(アメリカ系)
ネタバレ注意。

まず思ったのは、アメリカのエンターテイメント業界の奥深さ。冒頭、渋滞したハイウェイで、沢山の人が歌って踊るんですが、歌って踊れる俳優・女優を、あれだけの数が揃えられるのが凄い。ミアじゃ無いですが、それだけ出番を待っている俳優・女優が沢山居るという事ですね。

この作品の、セバスチャンの演奏シーンですが、全て吹き替え無しでライアン・ゴズリングが演じていたそう。念のために、吹き替え俳優も待機していたそうなんですが、不要だったそうです。って、ライアン・ゴズリング凄いな。よく指が動いたな。

これは、若い二人のラブストーリーですねぇ。ラストの、『Welcome to Seb's』から始まる、もう一つの人生を回想するシーンが、何とも言えないですね。“あれが、ああならなかったら、こうなっていただろう”と言うシーンが、きっとセバスチャンとミアの二人の頭の中で駆け巡って居たはずです。

正直、タモリじゃ無いですが、ミュージカルは苦手な方なんですが、やっぱり評判が高いだけあって見せます。どこかちょっと前の時代のアメリカの雰囲気も感じつつ、今風の作品です。悪くないと思います。

第89回アカデミー賞において、作品賞、主演男優賞(ライアン・ゴズリング)、主演女優賞(エマ・ストーン)、監督賞(デイミアン・チャゼル)、脚本賞(デイミアン・チャゼル)、美術賞、撮影賞、衣装デザイン賞(メアリー・ゾフレス)、編集賞(トム・クロス)、音響編集賞、録音賞、作曲賞(ジャスティン・ハーウィッツ)、主題歌賞(“Audition(The Fools Who Dream)”と“City of Stars”)と、13部門において、14ものノミネート。前哨戦とも言われるゴールデングローブ賞では、ノミネートされていた、作品賞[コメディ/ミュージカル]、監督賞(デイミアン・チャゼル)、主演男優賞[コメディ/ミュージカル](ライアン・ゴズリング)、主演女優賞[コメディ/ミュージカル](エマ・ストーン)、脚本賞(デイミアン・チャゼル)、主題歌賞(“City of Stars”)、作曲賞(ジャスティン・ハーウィッツ)の全ての部門において受賞した。

タイトル ラ・ラ・ランド / 原題 La La Land

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2016年/アメリカ
監督 デイミアン・チャゼル
出演 ライアン・ゴズリング(セバスチャン)、エマ・ストーン(ミア)、キャリー・ヘルナンデス(トレイシー)、ジェシカ・ローゼンバーグ(アレクシス)、ソノヤ・ミズノ(ケイトリン)、ローズマリー・デウィット(ローラ)、J・K・シモンズ(ビル)、フィン・ウィットロック(グレッグ)、ジョシュ・ペンス(ジョシュ)、ジョン・レジェンド(キース)
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マリアンヌ / Allied

2017年02月12日 | 洋画(アメリカ系)
カサブランカで出会った妻は、敵国のスパイ・・・?

昔の映画では“異常な状況下で結ばれた男女は長続きしない”と言われましたが、マックスとマリアンヌの二人には通用しないようです。そのくらい、この二人は愛し合っているんですよねぇ。そう言う意味では、この映画は戦争映画ではなく、完全に純愛物語。話が悲劇的なだけにねぇ、より一層、その愛が光ります。

主人公のマックスは、カナダ軍の軍人と言う設定です。なるほどね。オンタリオの出身ということですが、フランス語も出来るということなんですね。マリアンヌには“ケベック人”とからかわれていましたが(笑)。

さて、空襲の最中にマリアンヌはマックスとの子供を生むのですが、その空襲のシーンは、流石にCG/VFXには定評のあるロバート・ゼメキス監督、なかなか上手く描いています。でも、関心したのはそのCG/VFXではなくて、そう言う空襲の最中であっても、冷静に職務を遂行したんであろうなぁと想像できるロンドンの看護師さんたち。大人の国の大英帝国。いかにも、ああ言う有能な看護師さんたちが居そうな感じがしました。

そう言う看護師の描写は良いとして、ちょっと疑問に思ったのは、S.O.E.のスパイ狩りの作戦手順。この物語では、夫となっていたマックスにその始末を命じる訳ですが、そこまでしなくて良くね?って言うか、勝手に監察担当の方で捜査して、勝手に監察担当の方で始末すれば良くね?スパイと思われる人物の関係者に始末させるのは、大英帝国への忠誠を示させる意図があるんでしょうかね?ただ、スパイ狩りが行われる事を、スパイと思われる人物の関係者に明らかにしてしまうことで、そのスパイ狩り行為が、狩られる対象者にバレてしまう危険性が増加してしまうのでは無いかと思うんでが、どうなんでしょう。そんな危険を犯すよりも、勝手に捜査して勝手に始末するほうが、危険は少ないし、効率的だと思うんですけどねぇ。もっとも、そんなことを言ったら、この作品は成り立たなくなってしまうんですがね。

そころで、この映画の撮影が元で、ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーの夫婦は離婚したと言われています。でも、不倫の相手と噂されたマリオン・コティヤールにも相手が居ますし、その上、そのお相手の子供も宿してますからねぇ、違う気もしますが・・・。でも、そんな噂があっても、マリオン・コティヤール、美しいです。

タイトル マリアンヌ / 原題 Allied

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2016年/アメリカ
監督 ロバート・ゼメキス
出演 ブラッド・ピット(マックス・ヴァタン)、マリオン・コティヤール(マリアンヌ・ボーセジュール)、ジャレッド・ハリス(フランク・ヘスロップ/マックスの上官)、サイモン・マクバーニー(S.O.E.(特殊作戦執行部)高官)、リジー・キャプラン(ブリジット・ヴァタン/マックスの妹)
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スノーデン / Snowden

2017年01月29日 | 洋画(アメリカ系)
実話に基づいた作品。アメリカ政府に寄る個人情報監視の実態を告発したエドワード・スノーデンの姿を描いています。

ローラ・ポイトラスは、『シチズンフォー スノーデンの暴露』の監督でもあります。残念ながら、『シチズンフォー スノーデンの暴露』はチェックはしていたんですが、チャンスがなくて未見。見ておけばよかったなぁ。

いやぁ、エドワード・スノーデンって、エリート(?)だったんですね。『健康上の理由』で、高校は中退していますが、その『健康上の理由』って癲癇?物語終盤、スノーデンが癲癇の発作に襲われるシーンが有ります。高校を『健康上の理由』と言う事で、中退するのは、このくらいですよね?でも、その後、情報通信、プログラミングの才能を発揮して、CIAやNSAで雇われ、且つ、(この作品によれば)結構重要なプロジェクトやプログラムにも関わっているので、この世界で彼は“エリート”になるんだと思います。

このスノーデン問題って、日本では「アメリカの情報機関臨時職員による暴露話」と言う認識かもしれませんが、この作品を見てわかったのは、全然そう言う簡単なことではないということ。この作品によれば、身分としては臨時職員ではありましたが、むしろ能力は正規職員以上であったと思われます。IT分野では、正規社員じゃなくて、派遣できているSEに頼り切りという事が日本の一般企業でもありますが、まさかねぇ、アメリカの情報機関でも同じだとはね。

スノーデンは日本(横田基地)で勤務したことがあり、その際、日本側に日本人を対象とした情報収集活動を提案したものの断られたので、マルウェアを制作して、日本の電力などのインフラに感染させたと言っている事には愕然としました。作品中では、スノーデン曰く「日本がアメリカの同盟国でなくなった場合、日本のインフラは停止」させられるとも。怖いな。日本もちゃんとマルウェア対策しないとダメだよ。

その上、ドイツやフランスの首脳の通信を傍受している事が明らかになり、欧米では大問題になりました。確か日本の首脳の通信も傍受されていたと思うんですけど、日本ではさっぱりでしたよねぇ。ヨーロッパ諸国は、情報収集活動を自分でもしているのでアメリカがやっていることを理解できるのでしょうが、日本の場合、“情報収集活動”ってカッコが付く感じなので、アメリカがやっていることに関するリアリティと、問題点を理解できないのかな。

最後に、エドワード・スノーデン本人が登場。もはやインタービューには慣れたのか、自然に語っていました。

それと、意外に映画館、混んでいました。この手の話で、こんなに混むとは思いませんでした。

タイトル スノーデン / 原題 Snowden

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2016年/アメリカ
監督 オリバー・ストーン
出演 ジョセフ・ゴードン=レビット(エドワード・スノーデン)、シャイリーン・ウッドリー(リンゼイ・ミルズ/スノーデンの恋人)、メリッサ・レオ(ローラ・ポイトラス/ドキュメンタリー映画作家)、ザカリー・クイント(グレン・グリーンウォルド/『ガーディアン』記者)、トム・ウィルキンソン(イーウェン・マカスキル/『ガーディアン』記者)、スコット・イーストウッド(トレバー・ジェイムズ/NSAハワイ施設幹部)、リス・エヴァンス(コービン・オブライアン/CIA訓練教官)、ニコラス・ケイジ(ハンク・フォレスター/CIA職員)、エドワード・スノーデン
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僕と世界の方程式 / X + Y

2017年01月28日 | 洋画(イギリス系)
ずば抜けた数学の能力示す少年が、金メダルを目指して国際数学オリンピックに出場する姿を描いた作品。

“gifted”の少年ですね、ネイサンは。親がその能力に気付かないと、子供は可哀想なことになるんですが、幸いネイサンの場合、親がネイサンの能力に気付いた事で、彼の能力は更に(多分)伸びる事になります。結果それが、国際数学オリンピックへの出場につながります。言い方的には自閉症ということになるんでしょうけど、そんなネイサンをエイサ・バターフィールドは上手く演じていました。

国際数学オリンピックで出会う中国代表の少女がチャン・メイ。彼女のセリフに「台湾が羨ましい」と言う趣旨の言葉が出てきたのにはビックリ。本当の中国人、あるいは香港人は言えないセリフだよなぁと思ったら、演じていたジョー・ヤン(焦陽)は中国系イギリス人でした。プロフィールによれば、生まれは中国ですが、8歳からロンドンで育ったようです。その後、北京電影学院卒業し、中国の映画作品にも出演していたようです。でも、あんなセリフを言ったら、もう中国には行けないよね。

見終わって思ったのは、この作品は青春映画ですね。ネイサンの将来に光あれ。

タイトル 僕と世界の方程式 / 原題 X + Y (A Brilliant Young Mind)

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2014年/イギリス
監督 モーガン・マシューズ
出演 エイサ・バターフィールド(ネイサン・エリス)、レイフ・スポール(マーティン・ハンフリーズ/数学教師)、サリー・ホーキンス(ジュリー・エリス/ネイサンの母)、エディ・マーサン(リチャード・グリーブ/マーティンの知人、数学オリンピック事務局員)、ジョー・ヤン(チャン・メイ/数学オリンピック中国代表)、マーティン・マッキャン(マイケル・エリス/ネイサンの父)、エドワード・ベイカー=クローズ(ネイサン・エリス(9歳))
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ザ・コンサルタント / The Accountant

2017年01月21日 | 洋画(アメリカ系)
ネタバレあり。

ベン・アフレック版、ジェイソン・ボーン?と言う感じでしょうか。通常は会計士、しかしてその実態は凄腕の殺し屋。しかし、その殺し屋としての技量を身に付けさせたのは、軍人であった父親。そこがジェイソン・ボーンとの違うところといったところでしょうか。ジェイソン・ボーンもそうですが、ひとところに定住せずに移動しながら生活しているという意味で、ジャック・リーチャー的と言う感じでもあります。

クリスチャンと共に事件に巻き込まれるデイナを演じているのは、アナ・ケンドリック。事件に深く関わった上に、クリスチャンと恋仲になってしまうかと思ったんですが、そうでもありませんでした。クリスチャンは自閉症(あるいは、アスペルガー症候群)と言う設定ですからね、そう言うストーリーの方が良いですね。そのあたりも、ストイックなジャック・リーチャーだな。

途中、不思議に思っていたんですよねぇ。共に武術を学んでいた弟が出てこないなって。そうしたら、あんな形で出会うとはね。あそこで二人がそのまま戦っていたら、中々の悲劇ですが、そうはならない所が、良いと言えば良いし、中途半端と言えば中途半端。

ところで、原題は『The Accountant』。会計士と言う意味です。主人公のウルフの職業ですが、コンサルタントでは無く、会計士なんですよね。一体どこからコンサルタントなんて出てきたのか。邦題あるあるネタですね。

タイトル ザ・コンサルタント / 原題 The Accountant

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2016年/アメリカ
監督 ギャビン・オコナー
出演 ベン・アフレック(クリスチャン・ウルフ)、アナ・ケンドリック(デイナ・カミングス/ロボティクス会社経理係)、J・K・シモンズ(レイモンド・キング/財務省犯罪捜査局長)、シンシア・アダイ=ロビンソン(メリーベス・メディナ/財務省犯罪捜査局分析官)、ジョン・バーンサル(ブラクストン)、ジョン・リスゴー(ラマー・ブラックバーン/ロボティクス会社CEO)、ジェフリー・タンバー(フランシス・シルバーバーグ)、ジーン・スマート(リタ・ブラックバーン/ラマーの妻)
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沈黙 サイレンス / Silence

2017年01月21日 | 洋画(アメリカ系)
構想26年。マーティン・スコセッシによって、遠藤周作の小説『沈黙』の映画化。

159分にも及ぶ長い作品ですが見せます。流石にスコセッシですねぇ。それともちろん、遠藤周作の作品も良いのでしょう。時間の長さを感じさせません。加えて、キリシタン弾圧と言う非常に重いテーマを描いているのですが、非常に丁寧に描いているからか、ただ重いだけではなく、それほど重圧は感じません。

この物語で重要なポイントは、トリックスターのキチジローでしょうか?弱い者を救わなくてはならないという神父という立場では、結果として何度も騙されるような事になってしまうので心の奥底から信じることは出来ないものの、救ってしまうというロドリゴの苦悩も良くわかります。そんなキチジローを演じた窪塚洋介。最初のオーディションでは落ちていたらしいですね。それでも役を得るという所は、監督に何か感じる所が有ったのでしょうね。

イッセー尾形、彼も中々のトリックスター。実在の人物がモデルになっていますが、劇中では、さながら心理戦を駆使する取調官と言う感じですね。

それと、当初、通詞には渡辺謙が予定されていたそうですが、渡辺のスケジュールの都合上、浅野忠信に変更になっています。渡辺謙の通詞、見てみたかったですねぇ。

いやぁ、中々いい作品でした。

タイトル 沈黙 サイレンス / 原題 Silence

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2016年/アメリカ
監督 マーティン・スコセッシ
原作 遠藤周作『沈黙』
出演 アンドリュー・ガーフィールド(セバスチャン・ロドリゴ)、アダム・ドライバー(フランシス・ガルペ)、リーアム・ニーソン(クリストヴァン・フェレイラ)、浅野忠信(通詞)、窪塚洋介(キチジロー)、イッセー尾形(井上筑後守政重)、塚本晋也(モキチ)、小松菜奈(ハル/隠れキリシタン・モニカ)、加瀬亮(チョーキチ/隠れキリシタン・ジュアン)、笈田ヨシ(イチゾウ)
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本能寺ホテル

2017年01月14日 | 邦画
ネタバレあり。

主演の綾瀬はるか。女性の年齢を言うのはアレですが、三十路を迎えても、いい演技しています。結婚を迷っている女性。年相応の役ですしね。でも彼女、不思議ですよね。演技ではきちんとしているのに、何故、ボケボケの不思議ちゃん扱いなのか(失礼)

本能寺ホテルの支配人が、実は織田家家臣の末裔で、現代と過去を行き来するエレベータの管理人なのかと思っていたんですが、違うんですね。ラストで、彼自身驚いていましたしね。あの、謎めいている設定は何だったのか?

それを言うなら、本能寺ホテルそのものの謎が、全く明かされていません。まぁ、あのオルゴールと金平糖の相乗効果であるというのは判るのですが、その二つが合わさると、何故タイムスリップしてしまうのか?そのあたりの謎解きは、この作品のテーマでは無かったようです。

意外に良いのが、近藤正臣。やっぱりベテラン俳優は違います。出てくるシーンはそれほど多くはないのですが、キッチリといい仕事をして、作品にしっかりと爪痕を残していました。

全体としては、ちょっと予想が違いましたが、中々面白かったと思います。

タイトル 本能寺ホテル

日本公開年 2017年
製作年/製作国 2017年/日本
監督 鈴木雅之
出演 綾瀬はるか(倉本繭子)、堤真一(織田信長)、濱田岳(森蘭丸)、平山浩行(吉岡恭一/繭子の婚約者)、田口浩正(大塚/信長の家臣)、高嶋政宏(明智光秀)、近藤正臣(吉岡征次郎/恭一の父)、風間杜夫(本能寺ホテル支配人)
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アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男 / Der Staat gegen Fritz Bauer

2017年01月07日 | 洋画(ドイツ系)
「ユダヤ人問題の最終的解決」に関与したアドルフ・アイヒマンを追う、西ドイツ・ヘッセン州の検事総長フリッツ・バウアーを描いた作品。

アイヒマンを巡る作品としては、アイヒマン確保後の裁判を描いた『アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち』がありますが、それはこの作品後の世界を描いたものになりますね。『アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち』では、ナチスの残党が暗躍する中、どの様に安全に、そして、確実にアイヒマンを裁くのかと言う事が問題になっていましたが、その前段階の捜査の時点でも、ナチス残党の妨害に苦しんていたんですね。

ナチス残党の妨害と言えば、同じ頃のドイツを描いた『顔のないヒトラーたち』がありますが、こちらでもフリッツ・バウアーの姿を見ることが出来ます。こちらの作品でのバウアーは、メインの登場人物ではなく、ドイツの暗い過去と向き合う若手検事たちを鼓舞するカリスマとして描かれていますが、話はつながりますね。

これら作品を見て、同じ第2次世界大戦の暗い過去を持つ日本とドイツの、いまの時代に置ける近隣諸国との関係性の違いに思いを馳せてみました。戦後、ドイツは、ナチス残党の妨害に遭いながらも自らの手で過去の精算を図った事がよくわかりましたが、果たして日本はどうでしょうか?日本が自らの手で過去の精算を図ったとは、聞きません。極東国際軍事裁判はありましたが、あれは、連合国の手によるものですからね。このあたりに、いまだに過去を蒸し返される一因があるのかも。もっとも、国内事情から目を背けさせるために、近隣諸国が日本を利用しているという側面の方が強いのかもしれませんが。それでも、ドイツの精算と日本の精算の違いを学んでおいても悪いことはないと思います。

さて、不思議なのは、バウアーの公序良俗に関する品行が反対勢力に把握されていたにも関わらず、文春砲よろしく使われなかったのは何故なんですかね?使おうとしていたのに時期を逸したのか、あるいは、使えないほどにバウアー人気があったのか?ちょっと気になるところではありました。

タイトル アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男 / 原題 Der Staat gegen Fritz Bauer

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2015年/ドイツ
監督 ラース・クラウメ
出演 ブルクハルト・クラウスナー(フリッツ・バウアー/ヘッセン州検事総長)、ロナルト・ツェアフェルト(カール・アンガーマン/検事)、セバスチャン・ブロムベルグ(ウルリヒ・クライトラー/ヘッセン州上級検事)、イェルク・シュットアウフ(パウル・ゲプハルト/連邦刑事局係官)、リリト・シュタンゲンベルク(“ヴィクトリア”/“娼婦”)、ローラ・トンケ(シュット嬢/バウアーの秘書)、ゲッツ・シューベルト(ゲオルク=アウグスト・ツィン/ヘッセン州首相)、コルネリア・グレーシェル(シャルロッテ・アンガーマン/カールの妻)、ロバート・アトツォルン(シャルロッテの父)、マティアス・バイデンヘーファー(ツヴィ・アハロニ/モサド係官)、ルーディガー・クリンク(ハインツ・マーラー)、パウルス・マンカー(フリードリヒ・モルラッハ)、マイケル・シェンク(アドルフ・アイヒマン)、ティロ・ベルナー(イサル・ハルエル/モサド長官)、ダニー・レビ(チェイム・コーン)
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2016年振り返り

2016年12月31日 | Weblog
さて、今年も残すところ、あと僅かとなりました。
と言う事で、2016年鑑賞映画の振り返りです。

2016年の観賞作品ですが、以下のとおりです。
年間で、80本見たようです。

まずは、洋画から。

これらの中で、一番面白いと思ったのは、2月に見た『オデッセイ(3D) / The Martian』ですかねぇ。アンディ・ウィアーの原作が、最初はKindleによる電子出版のみであったと言う事が話題でした。Amazon上でものすごく人気になったので、伝統的な紙の出版社から、改めて出版されたというもの。大々的な宣伝もない中、Amazonで大人気となるのはものすごい事ですから、それだけ中身も面白いという事。確かに映画も面白かったです。面白かったと言えば、この作品は第73回ゴールデングローブ賞で作品賞を取ったんですが、それが“ミュージカル・コメディ部門”と言う所も話題でした。

一方で、これはゴメンナサイと言う作品。心苦しいんですが二本。まずは1月に見た『エージェント・ウルトラ / American Ultra』。おバカ映画の典型ですが、おバカになりきれない所がねぇ。もっとおバカに振り切れた方が良かったのではないかと。なんか中途半端に感じました。

そしてもう一つが、『フィフス・ウェイブ / The 5th Wave』。5番目の波がねぇ。陳腐です。4番目の波まではいい感じで盛り上がっていたんですが、最後はそれかい!と。これは、題材は良いと思うので、脚本次第ではもっと面白くなったと思います。

そして、印象的だったのは、10月に見た『ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK The Touring Years / The Beatles: Eight Days a Week - The Touring Years』。“世界の音楽は、ビートルズ前とビートルズ後に区別される”といったのは、誰だったか?(私です(笑))50年ほど前の音楽ですが、いまだに素晴らしいです。全然色あせていません。21世紀でもそんな風に思うんですから、当時はまさに異星人でも来た感じだったでしょうね?(いや、そんな事はないか)

それ以外にも、ハリウッド作品以外の作品が、全般的に中々印象的だったことは敢えて記しておきます。“印象”と言う言葉で記すなら、そう言う大作ではない作品でしたね。特に今年は、ドイツ系の作品(『帰ってきたヒトラー / Er ist wieder da』とかね)が印象的でしたし衝撃的でもありました。

次に邦画。

ところどころ、話題にはなりましたが、見ていない作品もあります。そう言った前提の上で、もう今年の邦画と言えばこれでしょう。8月に見た『シン・ゴジラ』ですね。これは、いろんな所で言われていますが、良くも悪くも福島第一原発事故のシミュレーション映画ですよねぇ。特に、“巨大不明生物”出現の直後の官邸のドタバタ。あれが、福島第一原発事故が起きた時の官邸の姿とは思いたくない・・・。その他にも色々ありますが、自衛隊が正しく評価された初めてのゴジラ映画では無いでしょうか?バシバシ弾が当たっていましたねぇ。正しい!だってねぇ、あんなに巨大な動かない標的を外さないでしょ、普通。ツッコミどころとしては、石原さとみの役が・・・。イーオンのマイナス宣伝になったのでは無いかと(笑)

それと、最後の最後に出てきた『海賊とよばれた男』も良かったぁ。途中、何度もウルッと来てしまいました。なんだかな~(笑)。本家の出光興産が、シェルとの統合を巡って創業家とドタバタしていますが、この映画を見る限り、シェルとの統合は、創業の精神とは一致しないんでしょうね。それは明らかだな。

邦画でゴメンナサイ作品は、最近ですが、11月の『疾風ロンド』。私には合いませんでしたね。東野圭吾の原作がもったいない。原作は、あんなコメディでは無かったんですが、映画化に際してコメディになってしまっていました。残念です。

ところで、『64 ロクヨン 前編』と『64 ロクヨン 後編』ですが、敢えて選から外しました。全般的には力強くて良いんですが、原作から変えた結末がねぇ。オリジナリティを出そうと思ったのが、マイナスに出たと思います。

2016年は、こんな感じです。
2017年は、どんな映画に出会えるんでしょうか。
楽しみです。
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アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場 / Eye in the Sky

2016年12月24日 | 洋画(アメリカ系)
ドローンを使った現代の戦争を描いた作品。戦争は会議室で起きています。

現代の戦争の闇ですね。ドローンパイロットは、PTSDと言うか、精神疾患に罹患する確率が高いと聞いたことがありますが、こんな事が繰り返されていればそうなりますよね。それにしても、ターゲット確認からミサイル発射までの話だけで、一本の映画になるとは。驚きです。それほど、この戦いが病んでいるということでは無いでしょうか?

この作品は、もうヘレン・ミレンに尽きます。イギリス女王から、冷徹な陸軍軍人まで、演技の幅が広いですねぇ。まぁ、だからオスカー女優でも有るし、大英帝国勲章受賞者でも有るんですけどね。

タイトル アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場 / 原題 Eye in the Sky

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2015年/イギリス
監督 ギャビン・フッド
出演 ヘレン・ミレン(キャサリン・パウエル/イギリス陸軍大佐)、アーロン・ポール(スティーヴ・ワッツ/アメリカ空軍中尉、ドローンパイロット)、アラン・リックマン(フランク・ベンソン/イギリス陸軍中将)、バーカッド・アブディ(ジャマ・ファラ/現地係員)、ジェレミー・ノーサム(ブライアン・ウッデール)、イアン・グレン(ジェームズ・ウィレット/イギリス外務省閣外相)、モニカ・ドラン(アンジェラ・ノース/政務次官)、フィービー・フォックス(キャリー・ガーション/アメリカ空軍兵曹、ドローンオペレータ)
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