勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

ランボー 最後の戦場(2008年)

2008年05月24日 | 洋画(アメリカ系)
ランボー、20年ぶりの復活。

復活の地は、軍事政権より統治されているミャンマー。先ごろ、強烈なハリケーンに見舞われたにもかかわらず、国際社会からの援助を拒否し、世界中から非難を浴びているのは周知の通りですが、映画の公開の時期に対して、余りにもタイミングが良すぎましたね。

SmaStationの『月イチゴロー』で稲垣吾郎が「ホラーだ」と言っていましたが、意味は分かりました。R-15指定も納得です。ランボーなので、戦闘シーンが当然あるわけですが、中々。人体に銃弾が当たって人体が弾けたり、あるいは、地雷で人体が破裂したりと言うシーンで、弾けたりあるいは破裂したりするところまで、はっきりと画面に映っています。最近の、戦争映画などでも、銃撃シーンのリアルさが増してきていますが、この作品の場合は、リアルと言うより怖い。誤解を恐れずに言えば、グロイです。また、その他、死体も画面にしっかりと出てくるので、稲垣吾郎が「ホラー」と言った理由が良く分かります。

過去の3作品では、それなりにストーリーの根底に流れるメッセージがあったと思うんですが、この作品ではメッセージを全く感じませんでしたね。実際のところ、ミャンマーにおいては、一般の人々は軍事政権に虐げられているのでしょうが、この作品で見てしまうと、余りにも作り物っぽい感じがしてしまって、かえって逆効果に感じました。本当のことでは無いとね。最初の構想では、戦争のために洗脳だか、人造人間だかが作られていて、それが出てくると言うアイディアもあったそうなのですが、さすがにやり過ぎと思ったのか、そのアイディアは取り入れられていません。取り入れなくて正解です。

脳みそ筋肉と言うか、脳みそを空っぽにしないと見れません。全編突っ込みどころ満載ですが、数が多すぎて覚え切れませんでした。芸術性のかけらもありません。ランボーが好きと言う方には、良いのではないでしょうか。デートには、絶対向きませんね。

邦題は「ランボー 最後の戦場」と言うことになっていますが、原題は単に「Rambo」なので、”最後”かどうかは、実際のところわかりません。

初日だからなのか、写真のカンバッジをプレゼントしていました。

タイトル ランボー 最後の戦場
原題 Rambo
日本公開年 2008年
製作年/製作国 2008年/アメリカ
監督・脚本・出演 シルベスター・スタローン(ランボー)
出演 ジュリー・ベンツ(サラ・ミラー)、マシュー・マースデン(スクールボーイ)、グレアム・マクタビッシュ(ルイス)、レイ・ガイエゴス(ディアズ)、ティム・カン(エン・ジョー)、ジェイク・ラ・ボッツ(リース)、ポール・シュワルツ(マイケル)

[2008/05/24]鑑賞・投稿

チャーリー・ウィルソンズ・ウォー(2007年)

2008年05月17日 | 洋画(アメリカ系)
9.11の原点。実話です。映画館での予告編や、TVCMでは、お気楽な音楽と、コミカルなチャーリー・ウィルソンの日常が見られますが、それは一部しか描いていないことが(予告編なので一部なのは当然ですが)、本編を見て認識させられました。

あの時点で、アフガニスタン紛争を解決したのは正しい判断だったと思います。それが後の9.11に繋がるとは、誰も思わなかったかもしれません。しかし、このときアメリカが訓練した民兵達が、その後、アメリカと敵対することになったのは、歴史の強烈な皮肉です。今この時に、この話が映画化されるのは、21世紀のチャーリー・ウィルソンが出現して、イラクとアフガニスタンの紛争を解決してくれることを祈っているのか、あるいは、この時の不適切な後処理が今につながっていると言うことを示し、後への教訓としようとしているのか、果たしてどちらなんでしょうね? 私は、後者だと思いたいです。

トム・ハンクスが、楽しい南部男のチャーリー・ウィルソンを見事に演じています。本人と似てなくも無いですね。さて、この映画の主人公は、そのチャーリー・ウィルソン下院議員なのですが、本当の主人公と言うか、話の黒幕(?)のジョアンナ・ヘリングを演じるジュリア・ロバーツは、見事と言う他ありません。2007年出産後初めての仕事がこの作品。しかしながら、ビキニ姿を画面に披露しています。

劇中、チャーリー・ウィルソンに関して捜査を行っている検察官のジュリアーニとは、9.11の時のニューヨーク市長のルドルフ・ジュリアーニ。何と言う因縁なんでしょうか。あえて名前を出したのは、歴史はつながっていると言うことを示そうとした、演出なのでしょうか?

予告編から受ける楽しいとか、面白いと言う印象からは全く違い、最後の終わり方は、何とも言えない終わり方です。チャーリー・ウィルソン本人の最後のコメントが、何とも言えないですね。

タイトル チャーリー・ウィルソンズ・ウォー
原題 Charlie Wilson's War
日本公開年 2008年
製作年/製作国 2007年/アメリカ
監督 マイク・ニコルズ
出演 トム・ハンクス(チャーリー・ウィルソン)、ジュリア・ロバーツ(ジョアンナ・ヘリング)、フィリップ・シーモア・ホフマン(ガスト・アブラコトス)、エイミー・アダムス(ボニー・バック)

[2008/05/17]鑑賞・投稿

相棒 劇場版 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン(2008年)

2008年05月01日 | 邦画
大ヒットテレビドラマ「相棒」の映画化です。

大人気の東京マラソンの他、2004年から2005年にかけて何件かあった、イラクにおける日本人人質事件も取り入れるなど、時事ネタをタイムリーに取り込む「相棒」ならではの展開。しかし、テレビとは違い、スケールは大きいいです。映画化ということで、これまでのテレビシリーズに出た出演者を大量動員しています。これだけの出演者を、上手くはめたと思います。

ネタバレになるので、敢えて多くは記しませんが、突っ込みどころは当然あります。簡単なところでは、片山雛子が襲撃されるシーンで、警護の警官が車を降りて応戦しようとしていますが、警護の基礎の基礎がなっていません。あの場合、警護対象者の片山雛子を警護していた者たちは、直ぐに車を反転して、襲撃場所から立ち去るべき。もう少し言うと、折角、警護対象者を警護車両から降ろしていたんだから、同じ車列に居るのは無意味。他の手段で、目的地に行くべきです。あと、襲撃側も、本気で襲う気なら、進路は塞いでいましたが、退路を断つ様に道を塞ぐべき。ちょっと、足りないですね。

それにしても、「踊る」シリーズに始まり、「アンフェア」とか、「TRICK」とか、テレビドラマの映画化は多いですね。テレビ局も、映画の持つコンテンツとしての潜在力を期待していると言う事の表れですね。

ところで、この手の刑事モノでは、何で、小料理屋が出てくるんでしょうね? 「はぐれ刑事純情派」シリーズ然り。って言うか、それだけかな? 何れもテレビ朝日の作品なので、テレビ朝日の趣味なのでしょうか?

3万人のランナーと、15万人の観衆を襲うということになっていますが、途中まではそう言う雰囲気満々だったんですが、何故だかいつの間にか、その話は曖昧に。そう言うところなどで、多少微妙なところはありますが、テレビシリーズ同様、上手く時事ネタを取り込むあたり、結構、面白いです。最後、犯人が捕まってからも、話の後段という感じで、結構長いストーリーがあるんですよね。また、このシリーズの一般的傾向として、最後は必ずしも完全なるハッピーエンドと言う感じでも無いところも、作品としては中々良いです。

タイトル 相棒 劇場版 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン
日本公開年 2008年
製作年/製作国 2008年/日本
監督 和泉聖治
出演 水谷豊(杉下右京)、寺脇康文(亀山薫)、鈴木砂羽(亀山美和子)、高樹沙耶(宮部たまき)、岸部一徳(小野田公顕)、木村佳乃(片山雛子)、西村雅彦(鹿手袋啓介)、原田龍二(陣川公平)、六角精児(米沢守)、松下由樹(武藤かおり)、津川雅彦(瀬戸内米蔵)、 本仮屋ユイカ(守村やよい)、柏原崇(塩谷和範)、平幹二朗(御厨紀實彦)、西田敏行(木佐原芳信)、有森裕子(本人役)

[2008/05/01]鑑賞・投稿