薬局業界が急速に変化しつつある。
いつの間にか敷地内薬局は当たり前になりつつある。
次から次と大手調剤チェーンが敷地内への進出を目指している。
そして、その条件はますます過剰となりつつある。
大学病院などは、ここぞとばかりに処方箋に群がる薬局に優先交渉権という蜜を匂わせる。
甘い蜜には重い負担がのしかかる。
薬局は密が枯渇するなど考えもせず。
敷地内薬局に唯一反対の姿勢を示しているのは日本薬剤師会である。
反対と言いつつも強くは出られない。
なぜなら大なり小なり敷地内に薬局を構える会員も多い。
そもそも敷地内薬局の定義がない。
問題にされているのは大学病院や官公立病院の敷地内で、民間の敷地内などは関係なさそうだ。
診療所にだって敷地内はある。
敷地内薬局には病院側にもメリットがあり薬局側にもメリットがある。
問題は資金力の有無となりつつある。
無いものが有るものへのやっかみとしか思えない気がする。
そして、この傾向はまだまだ続く。
敷地内薬局が増えると面で応需する処方箋はどうなるのか。
敷地内より自分の薬局の方がいいという患者目線の差別化に急いだ方がいい。
新聞などを読んでいて気が付くのは、密を避けた新業態の躍進である。
何度か書いたがスシローやマックの繁盛ぶりが参考になる。
薬は例外などと高をくくっていると足元をすくわれる。
今のところどうなるのかわからないが、宅配業者が薬局と組むケースが見え始めた。
処方薬の当日配送サービスである。
この前提となっているのは「0410対応」になる。
FAXで処方箋が送られてきて、調剤し、電話で服薬指導を行う。
その後、宅配便などの手段にて自宅に届ける。
基本的にオンライン服薬指導ではFAXによる処方箋受付を認めてはいない。
これを「特定処方箋」と言って医療特区でしか認めていない。
それがなぜかしら「0410対応」でなし崩しになっている。
さらに電話での服薬指導もオンライン服薬指導では認めていない。
顔が見えるスマホでは可としている。
この他にも中途半端な仕組みがまかり通っている。
ただ恐ろしいのはなし崩しがまかり通るってことである。
国は夏までにオンライン服薬指導に関する恒久化に向けた指針を出すと言っている。
この議論に対してどうあるべきかの議論が薬剤師側から出ないと危険だと感じている。
国民の利便性だけが求められる。
世の中は急に変化するように思えるが、変化の兆しに気づかないだけかもしれない。
気づいたときは遅い。
どんな影響があるのか考える頭が欲しい。
変化の足音はすぐ近くまで来ている。