医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

裁判に弱いお役所仕事

2013-07-19 06:14:54 | 薬局
こうなると何でもあり。

福島県郡山市で薬局の保険指定の是非が問われていた裁判が高裁で「逆転勝訴」となった。
JR郡山駅近くの再開発ビルで地下1階から11階に305床の総合病院が入り、12階から24階がマンションという構造らしい。
この会社はビルの土地を所有する地権者となっており、建物は別所有のようだ。
その1階に保険薬局として指定を求めていた。
もちろん同社は06年にあらかじめ厚生労働省と事前相談をし、口頭ではあるが「問題ない」のお墨付きをもらっていたそうだ。
ところが、07年に再開発全体の図面見直しがあり、薬局部分の壁面が「突き出る」構造から、病院入口と薬局入り口が直線的な壁面で横並びになる格好となったらしい。
同社は薬局入口前が「誰でもが往来できる公開的空き地」として、保険指定には仕様がないと判断した。
ところが厚生局は11年3月、健康保険法に規程により「医療機関と一体的な構造で保険薬局として著しく不適当」と判断した。
実際の現場を見ていないので軽率な事は言えないが、横並びは通常ダメでしょ。
でも、これを不服として11年8月に東京地裁に提訴していた。
その結果、12年11月の一審では敗訴になり、今回の上告で勝訴となった。

東京高裁は「構造上の独立性は医薬分業の目的達成という見地からすると、間接的な要件であるから、経営上の独立性が十分に確保されている場合には、構造上の独立性に関する規定は緩やかに解すべき」と判断された。
何だか良くわからないが、要は緩くなったってことらしい。
こうなると歯止めが無くなる。
この判断に対して厚生局側は「確定した高裁判断は今回の個別事案にだけあてはまるもので、保険指定についてはケースバイケースで判断する原則に変わりはない」としているが明らかに弱腰である。

同じ様なことはイオンでもあった。
イオンの関連企業が所有するモール内の医療機関と薬局の関係である。
これもうやむやに許可になった。
これ以来、かつての厳密さが薄れている。

実は、行政とのやり取りはかなりごね得の部分がある。
個別指導なども裁判に持ち込むと厚生局は対応が出来ない。
例えば、薬歴のどの部分に不備があるか全てのレセプトから指摘しなければならない。
レセプトの全部がダメじゃないので、個別に是非の理由が必要になる。
だから必ず自主返還として薬局側に非を認めさせている。

かつては医療機関が所有する土地や建物での保険薬局指定が認められなかった。
もちろんこの逆もある。
ところが、最近は適正な賃料だったら認められている。
適正な賃料とは何なんだ。
必要もないスペースまで借りる破目になっても適正か。
その空きスペースが薬局の駐車場のようで医療機関の駐車場だってこともある。
何事も例外から規則は破られていく。

ますます中小薬局にとっては厳しい話しだ。



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