医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

GWだというのに

2018-05-04 05:37:07 | 薬局
期待されているのか、あきらめられているのか。

厚生労働省が2017年度老人保健健康増進等事業「介護分野における薬剤師の関わり方等に関する調査研究事業」の報告を行っている。
その結果は、情けないことに医師やケアマネジャーらの他職種の9割が、薬剤師に介護に対する理解や知識を深めるように望んでいたそうだ。
そのことを知って、早速その調査内容を確認してみた。

介護分野における日常的な服薬指導以外で、薬剤師に期待することを聞くと「介護に対する理解・知識を充実させる」と答えた診療所の医師が86.1%、ケアマネジャーが89.9%、看護職員が91.1%、介護職員が90.6%だったらしい。
もちろん回答は「そう思う」と「ややそう思う」の合計になる。
それにしても薬剤師による在宅業務の97%が介護保険による「居宅療養管理指導費」での請求となっているにもかかわらず、関係職種からはあまり期待されていないような結果と見える。
この現状をどうとらえて、どの様に対処したらいいのだろうか。
これは薬剤師としての職能の尊厳にかかわる重要課題じゃないだろうか。
私はセミナーで「もっと薬剤師は介護保険について勉強しれ」と吠えているが、こんな形で露呈してしまった。

また、ちょっと驚くのは薬局薬剤師が未だに「認知症サポーター」についての認識を「よく知っている」が43.6%、「聞いたことがある」が25.6%、「ほとんど知らない」が24.4%である。
これは「認知症サポーター」に対する薬剤師の認識が問われている。
因みに、認知症サポーター数は2018年3月末段階で10,151,589人となった。
そして養成人数の目標も 800万人(平成29年度末)→1,200万人(平成32年度末)と昨年あらためられている。
本来は地域への啓蒙する立場じゃないのか。

2015年1月に出された「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」には明確に薬剤師への期待が書かれている。
「認知症の早期発見における役割が期待される。歯科医師等による口腔機能の管理や薬剤師による服薬指導等を通じてこれらの専門職が高齢者等と接する中で、認知症の疑いがあ
る人に早期に気付き、かかりつけ医等と連携して対応するとともに、その後も認知症の人の状況に応じた口腔機能の管理や服薬指導等を適切に行うことを推進する。このため、歯科医師や薬剤師の認知症対応力を向上させるための研修の在り方について検討した上で、関係団体の協力を得ながら研修を実施する。」とある。
これから3年が経過している。
関係団体とはどこのことだろうか。
関係団体は何をしてきたのだろうか。

今回の調査の結果から薬剤師の職能が問われているような気がしてならない。
申し訳ないが大手調剤チェーンの薬剤師は介護保険についても、認知症サポーターについても研修を受けていると思われる。
少なくとも私が確認している限りでは。
問題は中小薬局を支える職能団体に、ことの重要性に対する意識の無さじゃないだろうか。

今回の調査研究が今後の薬局にあり方を示す大きなきっかけになるような気がする。
評価される方向にはなさそうなことは確かだ。


コメント
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