「子供のアトリエ」の子供たちが、画を描くだけではなく、指先や両手を共応させる作業を毎月のように摂り入れています。
前月は新聞紙と糸だけで、造形を試みました。 毎年のように摂り込んでいる作業です。
柔らかい新聞紙を揉んだり、畳み込んだりしながら糸を巻いている内に、何か動物のような有機的な形が生まれてきます。 更に、出来上って来たひも状の塊に凹凸を付けて、何の形が解らない造形が生まれるのです。
大切なことは、左手の掌と指と、右の指が異なる作業をバランスを取りながら進めることが出来るかどうと云うことなのですが、 ごく日常のそんな作業が、体験が無いものですから、随分不器用な子も出て来るのです。 他愛のないようなこんな作業が「体験の幅」の違いで大きな「差」を生んでいくのだと、教室を進めながらいつも思います。
「子供の絵は、個性ではありません、生活そのものです」と言うのが、私の考えてすし、生活が活き活き進んでいる限り十分な子供が育つと信じて30年以上もこのアトリエを進めています。
出来上った新聞紙と意図で造った造形物を「ギプス」の溶き液に浸して、無造作に乾燥させた「駆体」に、昨日は着彩したのです。 ギプスに浸すところまでは、子供たちも見ていましたので、ご家庭でも簡単に出来るようになっている筈です。 文具店で、「教材用焼き石膏」1㎏袋を購入して家庭でも造って見て下さい。 廉い教材です。 指の作業は大切だとされています。
「駆体」を支えるために、爪楊枝を造形物に差し込んでボンドで固めています。
出来上った自作に、「ネオカラー」(アクリル系の色の津葉絵の具です。)で、模様を入れて見ました。
笹を取り付けて変化を試みた作品も出来ました。
造った子供たちすらが、出来栄えに感動していました。
ついでに見本として造った私の作品です。 愉しい造形になったと、子供たちと評し合ったのです。 つまり、教育用語でいう「鑑賞・評価」を進めたのです。