楽しんでこそ人生!ー「たった一度の人生 ほんとうに生かさなかったら人間生まれてきた甲斐がないじゃないか」山本有三

     ・日ごろ考えること
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     ・おくのほそ道を歩く

①「三年間生存率 30%」の意味!

2004年07月04日 19時34分00秒 | つれづれなるままに考えること
(真面目でたのしいガン闘病生活)
ついこの間、ガンに罹っていることが判った。
しかも 十万人に一人の発病という。
約一ヶ月にわたる検査の結果、
「病状と今後の治療方針」について
家族を呼び寄せての告知をするという。
私にとっては晴天の霹靂。
2001年6月27日の事である。
 
 告知は、我が家の家族、私たち夫婦と
子供二人の総勢四名(長男、長女の配偶者を除く)と
総勢五名の医師団(?)が集まって行われた。
これは私も初体験であった。
五名の医師は、内科助教授S氏、他にHi氏、
中堅のHa氏、担当医のF氏、医学生のT君以上の五人。
 担当のF氏が病状を説明する。

病名は「悪性リンパ腫(血液のガン)」
腹部、胸部、骨髄に転移していて、病期(ステージ)は第Ⅳ期。
病期(ステージ)はⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ期と分かれる。
「これをわかり易く、日本語にするとどうなりますか?」
と聞いてみたが、「それはありません」とのこと。
私が勝手に、日本語に直すと、Ⅰ期(初期)、Ⅱ、Ⅲ期(中期)、
Ⅳ期(末期)。言葉の後ろにガンをつけると「末期がん」
「末期がん」イコール「死を待つだけで、回復の余地なし」

 最近、遺伝子治療のニュースが盛んで、
「ガン治療」のニュースが沢山記事になる。
見ていると、確かに「末期がん」は
「不治の病」と同等語。
ところが、病期のⅣ期は私の場合「三年間生存率 30%」で

「不治の病期」ではない。

すると、私の日本語訳が、間違っていることになる。
日本語訳を訂正することにした。
「Ⅳ期」は、「末期」ではなく、「後期」で無ければならない。
「末期がん」と比べ、「後期ガン」―― がん患者にとって、
なんと響きのよい言葉であろうか?
これで、殆ど生き返ったようなものである。

さて、F医師は続いて治療方法を述べていく。
「治療期間はおよそ14週間」
と説明したところで、S助教授から「18週間」の訂正が入った。
ああでもない、こうでもないと、変な理屈をこねる私に
警戒したのだろうか?
「がん治療は、つらくて、途中挫折する人が多く、
あるいは、最初から治療を拒む人が居ると聞きますが、
もし、治療をしないときはどうなりますか?」と私。

S助教授「一年生存の保証はありません」穏やかな表情の中に、
冷静で毅然とした物言いでの回答である。
「治療した場合、国立がんセンターの資料によれば、
五年間生存率 40%~60%とありますが、
そう考えてよいでしょうか?」の質問には、
「そんなに無いでしょう。
いいところ三年間生存率 30%」の回答。
これは、私の場合である。

なるほど、国立がんセンターの誰でも閲覧できる資料では、
がん治療中の患者も見るから、
あまり悲観的になってはいけないという
配慮もあるかもしれないし、
なんといっても病状は、個人一人一人違うのだから、
大まかにしか表現できない。
だから、私の場合「三年間生存率 30%」で
当然当たり前のことに違いない。
後で判ったことであるが、私の病は、
十万人に一~二名の病気であるから、
実は、過去の治療例、治療統計資料は少なくて、
少ない資料からの判定であったようである。
それなら「判りません」と言ってもらったほうが、
よかったのだが....


「三年間生存率 30%」は、
「あなたは、三年間しか生きられませんよ。
生きられる確率は、30%しかありませんよ。」という
意味であるが、
これは、裏を返せば、生き長らえることが出来るのは、
「三年間に 30%」の確率で存在します。ということになる。

しかし...
くどい様だが、生存率は30%と低いけれど三年間は、
生存できると折り紙を頂いたようなものである?!

普通、人の命は明日をも知れぬという。

人は生まれた時より、いつくるか判らない
死に向かって歩き始める。
言い換えれば、その生命は誰もが「明日をも知れない」のである。

ところがだ、
私の場合、計らずも「三年間は生きられる」と保証されたのだ。
三年間は保証され、そのほかの時間は、
誰とも同じ「明日をも知れぬ命」ということになる。
つまり、「誰よりも三年間は、余計に生きられる」ことになった。
まったく、喜ばしいことではある?!

こんなにめでたい事は一年に二回とはない。
これで私の人生はバラ色に輝いてきた!!


告知の会合の終わり際に、S助教授は言う、

「治療は5日後から始めます。
その間に、身辺の整理と心の整理をしてきてください」と。
                 




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