70万人のモーツァルト音楽祭全記録 「熱狂の日 2006」

今更ではありますが、今年の「熱狂の日音楽祭」を振り返る記録冊子、「70万人のモーツァルト音楽祭 全記録」(リンクはpdfです。)をいただいて来ました。タワーレコード(クラシック取り扱い店舗のみ。)や新星堂、それにぴあステーションや国際フォーラムの総合案内所などで、今月中旬から無料で配布されています。

 

冊子は、A4サイズ、オールカラー全24ページとなかなか豪華でしたが、中は殆どコンサートの様子を捉えた写真で構成されていました。私も楽しんだベルリン古楽アカデミー&ルクスや、コルボ&ローザンヌ声楽アンサンブルなどの写真を拝見すると、その美しい響きが改めて頭の中に甦ってきます。またその他には、どの「熱狂の日」よりも東京を重要視していく息巻くマルタン(音楽祭の仕掛人です。)の挨拶や、当日の丸の内界隈の賑わいなどが紹介されていました。パラパラとめくるのに最適です。

紙面で一番興味深いのは、やはり最後に掲載されていたアンケート結果でした。ここにその一部を、昨年の数字と比較する形で引用させていただきます。(カッコ内は昨年の数字です。)

Q.音楽祭の感想をお聞かせ下さい
大変良かった 56.1% (47.1%)
よかった 33.7% (36.35%)
あまりよくなかった 3.6% (1.4%)
よくなかった 2.7% (0.47%)

「大変良かった」と「よかった」を合わせた満足度が昨年よりもあがっています。その一方で、否定的な意見も僅かながら増加していました。これは二極化でしょうか。(?!)

Q.お聴きになった有料公演数はいくつですか
1公演 15.6% (32.29%)
2公演 15.3% (24.02%)
3公演 9.1% (15.13%)
4公演 7.2% (6.55%)
5公演 5.5% (3.43%)
6公演 4.7% (5公演以上 10.45%)
7公演 3.0%
8公演 2.8%
9公演 1.7%
10公演 2.3%
それ以上 6.6% 

平均4.7公演だそうです。10公演以上の方が6%もいらっしゃるとは驚きました。昨年よりもハシゴする方が明らかに増えています。これは「昨年来て良かったので、今年はもっと聴こう。」と思った方が多かったからではないでしょうか。前売段階にてチケットがかなり売り切れていたことにも納得させられます。

Q.これまでクラシックコンサートに何回いらっしゃいましたか
初めて 7.9% (14.66%)
1-2回 21.1% (35.88%)
3-5回 22.7% (26.83%)
6-10回 14.4% (9.98%)
それ以上 16.5% (11.86%)

いわゆるビギナーが多いのも事実ですが、コアなクラシックファンも増えています。モーツァルトでこの結果だとすると、来年(国民学派)はさらにその傾向が強まりそうです。

Q.性別
男性 34.7% (29.02%)
女性 61.6% (68.02%)

昨年より男性客が増えたとは言え、圧倒的に女性客が多くなっています。また、実際に会場を歩いても、一般的なクラシックコンサートと比べてかなり女性が目立っていました。これは、通常のコンサートでは殆ど無視されているファミリー層の存在や、休日の銀座・丸の内という立地特性などが影響しているからだと思います。

Q.年齢
10代 6.9% (5.77%)
20代 12.2% (22.78%)
30代 22.7% (22.78%)
40代 18.9% (17.63%)
50代 18.1% (15.6%)
60代 11.5% (8.11%)
70代 5% (2.81%)
80代 0.2% (0%)

高齢化が進むクラシックコンサートとしては異例なほど、40代以下の若い層が多いようです。ただ気になるのは20代の激減ぶりです。ほぼ半分に減っています。何故でしょうか…。

Q.同伴者
なし 29.3% (15.28%)
家族 47.8% (42.75%)
親戚 1.9% (1.54%)
友人・知人 17.9% (34.72%)
音楽仲間 1.4% (1.85%)
学校 0.1% (0%)

メインはやはりファミリーです。このイベントが、ゴールデンウィーク中の一行楽スポットとして認知されている証拠かと思います。ただし、「友人・知人」が減少し、その一方で「なし」がほぼ倍増していることも見逃せません。やはりコアなファン層が増えているからでしょうか。イベントはイベントらしく皆で楽しむのがピッタリかと…。(と言う私も、一人で出かけたコンサートがありましたが…。)

Q.今後、音楽祭で取り上げて欲しい作曲家があればお書き下さい
バッハ 21.4%
ショパン 13.9%
チャイコフスキー 12%
ブラームス 9.2%
シューベルト 6.3%
ベートーヴェン 4.2%
モーツァルト 3.6%
ドヴォルザーク 2.4%
その他 26.9%

*昨年のベスト10:モーツァルト、ショパン、バッハ、チャイコフスキー、ブラームス、シューベルト、ベートーヴェン、ドヴォルザーク、ヨハンシュトラウス、マーラー、リスト

やはり抜群の知名度がものを言うのでしょう。バッハが圧倒的な一位の座に輝きました。バッハだけではなく、有りがちな「バロックの調べ」などというテーマで、バロック音楽を一括りにして開催するのも面白いと思います。ちなみに、チャイコフスキーやドヴォルザークは来年のテーマ作曲家です。あちこちで、新世界と、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番の冒頭部分が高らかに鳴り響くことが予想されます。それにしても、昨年のアンケートでマーラーが挙がっていたのには驚きました。また、個人的には苦手のショパンが、昨年に続いて二位というのにもその根強い人気を思わせます。当然ながらどうしてもピアノ曲ばかりになってしまうので、他の作曲家と合わせての開催となりそうです。

私がいただいた時にはまだ冊子はたくさん残っていました。ご興味のある方は一度手に取ってみては如何でしょうか。
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