「樋口佳絵 - エンシンリョク - 」 西村画廊

西村画廊中央区日本橋2-10-8 日本橋日光ビル3階)
「樋口佳絵 - エンシンリョク - 」
2/3-2/28



乳白色に染みた虚空を子どもが駆け巡ります。2年ぶりとなる新作絵画展です。西村画廊での「樋口佳絵 - エンシンリョク - 」へ行ってきました。

樋口の描く少年少女たちには、愛らしい振る舞いとは対照的な『粗暴性』が隠されてはいないでしょうか。彼らは乳白色を下地に、薄く塗られたグレーなどの淡い色の渦の中を、時に顔を振り向かせながら終始寡黙に佇んでいます。そのあたかも仮面を被ったような無表情な様は病的ですらありますが、小さな目から発せられる強い視線には思わず後ずさりしてしまいました。テンペラの効果もあってか、絵自体の存在感はまるで色のついた影絵のように希薄ですが、その内にはふつふつと沸き立つ怒りの感情が確かに押し込められています。画風の静けさはあくまでもそれを隠すベールにしか過ぎませんでした。

行き場を失った子どもたちの揺れ動く心理は、かの目線に乗って見る側の感情を不安にもさせるようです。落ち着いて見ることを許しません。

今週の土曜、28日まで開催されています。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (あおひー)
2009-02-27 00:25:19
こんばんわ。
今回は何か作品との距離感が気になりました。

この次はたぶんもっと化けるんではないかなあと期待してたりします。
 
 
 
Unknown (はろるど)
2009-02-27 21:42:40
あおひーさんこんばんは。

>距離感

それはありますね。掴みきれない感じがまた魅力なのかなと思いました。

>化ける

期待したいです!
 
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