「C-DEPOT 2006 ナチュラル」 横浜赤レンガ倉庫1号館 7/29

横浜赤レンガ倉庫1号館横浜市中区新港1-1-1
「EXHIBITION C-DEPOT 2006 ナチュラル」
7/25-30(会期終了)



ジャンルにとらわれない若手アーティストの緩やかなグループ「C-DEPOT」。その日頃の活動の成果を発表する場でもある展覧会が、先日、横浜の赤レンガ倉庫で開催されました。「ナチュラル」のテーマの元に、日本画からインスタレーション、それにビデオ・アートまで、多様な作品が一堂に介します。これまでに画廊などで拝見したことがある作品も展示されていると言うことで、それに再会出来た喜びを含め、とても楽しめた展覧会でした。

   

来場者をまず出迎えてくれたのは、天野由美子による針金や金属網などで出来たペンギンの群れです。高さ30センチほどのペンギンたちが、わさわさと体を揺らすかのように歩く構図が捉えられています。その数10体以上。思わず彼らの目線へ体を落として覗き込みたくなる可愛らしい作品です。その他、銀杏が降り注ぐ大地の様子を美しく描いた野地美樹子の日本画や、ミクストメディアで沢ガニや蝸牛などを味わい深く表現した天野由美子などにも惹かれました。

一番奥の暗がりの展示室で人気があったのは、以前に和田画廊で個展を拝見した鈴木太朗の「大気のかたち」です。例のプロペラが、近づくとまるで木の葉が風に舞い上がるかのように突如上昇する大きな作品。アーチ状になっているので、そのプロペラたちに囲まれながらくぐり抜けることも出来ます。それにしてもこの作品は来場者の反応がとても興味深い。おっかなびっくり作品へ近づいて、プロペラがバサバサと上昇すると思わず後ずさりしてしまう方、またはそれを何度も繰り返し、やがて思い切ったように作品をくぐり抜ける方、ともかくトンボ型のプロペラを前に、皆、思い思いの反応を示しています。(そう言えば私もこの作品を初めて見た時、いきなりプロペラが上昇してとても驚きました。)また反応と言えば、八木澤優記によるカラフルな椅子の作品も同様です。アクリル箱の上にポリウレタン製のクッションを被せた4つの小さな椅子。初めは青白い光を放っていますが、その上に誰かが座ると一つずつ色が変わっていく。もちろん色は座る位置によって変化します。赤、黄、そして青。どれもがその光りを仄かに発しながら展示室を美しく彩っていました。またこの部屋では、青木伸介による質感の高い漆塗りの器も見事でした。その素材を見るとさらに驚きが待っています。

赤レンガ倉庫の二階と言うことで、観光や買い物のついでにぶらり立ち寄られた方も多かったのではないでしょうか。難しいことを抜きに素直に楽しんでいらっしゃる光景が見受けられました。このような間口の広いアートのイベントは大歓迎です。これからも見続けていきたいと思います。(場所は最高!もう少し会期が長ければ…。)
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