「Bamboo Bank 松本秋則展」+「地球」展 BankART 1929 7/29

BankART 1929横浜市中区本町6-50-1
「Bamboo Bank(緑陰銀行) 松本秋則展」
「地球」展
7/7-8/31(松本展) 7/22-30(「地球」展 会期終了)

 

「BankART 1929」の展覧会を拝見するのは、昨年の横浜トリエンナーレ以来のことかもしれません。先鋭的なメディア・アートで構成された「地球」展と、竹の音を涼し気に奏でるインスタレーションを展開した松本秋則の個展が開催されていました。



「地球」展では、何と言っても地下の展示室にて上映されていた「PopulouSCAPE」が圧倒的です。世界に約8400ほど存在するという5万人以上の都市を高層ビルの形に視覚化し、それを俯瞰するかのように空から漫遊する。旅はニュージーランドから始まりました。一気に赤道を超えて日本へと高速移動。東アジアでは、東京・ソウル・上海などと連なる超巨大都市が、まさにバベルの塔のように高層ビルを築いてそびえ立ちます。またその周囲にはびっしりと虫のように群がる無数の大都市。恐ろしいほどの密集度です。そしてそこからは東南アジアを経由し、これまたビッシリとビルの立ち並ぶインドを超えてヨーロッパへと向かいます。煌めく欧州を過ぎれば今度は南下です。ぽっかりと暗がりになっているサハラ砂漠を過ぎ南アフリカ、さらには大西洋を経由して南米へと進みます。ここまで来ればあとは北米大陸を残すのみ。光瞬くニューヨークがゴールでした。この間約10分。世界人口のスケール感を目と耳で味わうことが出来ます。夜景に映える高層ビルの輝きは、まさに現代文明の繁栄を示す一方、まるで今にも崩れ去るガラス細工のような脆さを体現していました。ちなみに、この作品は愛知万博でも上映されたそうで、DVDとしても販売されています。部屋を真っ暗にして、一人っきりでこの眺めを味わってみるのも良いかもしれません。

「PopulouSCAPE」公式サイト



一階の展示ホールでは、人造の竹林にて涼し気な空間を作り出した松本秋則のインスタレーションが見応え満点でした。竹の一つずつが楽器となって、それらが時にミニマル音楽のように、またある時には武満(?)のように、ホール全体へ心地良い音響空間を生み出していく。小さな太鼓たちが群がる竹林。竹の先には、趣向を凝らしたベルやタンバリンのような可愛らしい楽器が、いくつもぶら下がっています。全てコンピューターにて制御されているのでしょうか。それぞれがゆったりと震え、また靡いていく様子。少し調子が悪いのか、いくつか動かない楽器があったのは残念ですが、椅子に腰掛けてずっと竹の音へ耳を傾けていたい作品でした。これぞ真夏にピッタリのインスタレーションでしょう。

松本秋則展は無料にて8月31日まで開催されています。みなとみらいから馬車道界隈の散策で疲れた際にでも、是非立ち寄ってみては如何でしょうか。癒しの空間があなたを待っています。(!?)
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