都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「豊かな実りを祈る」(博物館に初もうで) 東京国立博物館
東京国立博物館・本館特別1室(台東区上野公園13-9)
「豊かな実りを祈る - 美術のなかの牛とひと - 」(博物館に初もうで・平常展)
1/2-25
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/69/131494621b86341182810ee546708466.jpg)
早くも正月恒例のイベントとして定着した感があります。少し遅くなりましたが、東博の平常展「初もうで展」へ行ってきました。
以下は印象深かった作品の一覧です。今年の干支は人間の生活と密接な牛だけに、さすがに展示品には事欠かない様子でした。(出品リスト)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/a7/8f3ca78a73b81f467e71567bb811cf0e.jpg)
「駿牛図巻断簡」(鎌倉時代)
駿牛とは優れた牛を表す言葉だそうです。妙なたとえかもしれませんが、ちょうど競馬の名馬の写真のように、このような評判の牛の姿を飾り立てていたのかもしれません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/99/cf3ed56e96a3395c4d65781fda9e750f.jpg)
渡辺華山「牧牛図」(江戸時代)
可愛らしい目をした牛と、その背中へ楽し気にのる牧童の姿が描かれています。手に飛来して来た雀ももちろん仲間です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/c4/f671778308bbf6303a04524630ed724f.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/14/b19e75d0404a299def5d4133d07fd427.jpg)
渡辺始興「農夫図屏風」(江戸時代)
秋の農村です。耕作にいそしむ農夫の姿が穏やかなタッチで表されています。遠目からでは牛が見当たりませんが、拡大するとあちこちにいることが分かりました。実りを与えてくれる牛は感謝すべき貴重な労働力です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/7f/e3c5658e9f542698ba5d8e85d75a9f27.jpg)
森徹山「牛図屏風」(江戸時代)
今回の一推しです。大胆な銀地に二頭の牛が向かい合います。やや変色した銀の力にもよるのか、どこか異様な雰囲気をたたえていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/1d/69e25b9dd7df923e4e35ed1a627d4e04.jpg)
俵屋宗達「牛図」(江戸時代)
水墨の名手、宗達の作品です。お馴染みのたらし込みの効果も巧みに、駆ける牛が軽やかに描かれていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/04/75ab33c24c916e8502799e00a54c0817.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/1d/489d6a699aeca3b563a49e0ec1a3a91b.jpg)
「小袖 茶綸子地四季耕作模様」(江戸時代)
艶やかな友禅でも違和感がありません。中央には田を耕す牛の姿が描かれています。精緻な絵柄の細部に見入る作品です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/08/270cb7a9e74a86a5f669c3ce67b8411a.jpg)
「二匹牛透鐔」(安土桃山~江戸時代)
地味ながらも重文指定を受けた逸品です。家康の次男、結城秀康の刀に付属していました。二頭の牛が何やらアクロバットに回転しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/aa/e35521bb6f5456893cdb47035a7a070a.jpg)
ベトナム「五彩水牛文大皿」(16世紀)
キャプションにはキュビズム風とありましたが、私にはどうしてもそう見えません。赤と緑の線描で色鮮やかな牛を象ります。
本展示の前に、東洋館の特集陳列「吉祥 - 歳寒三友」も拝見してきました。そちらも次回以降のエントリでご紹介出来ればと思います。
平常展示「豊かな実りを祈る」は今月25日までの開催です。
「豊かな実りを祈る - 美術のなかの牛とひと - 」(博物館に初もうで・平常展)
1/2-25
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/69/131494621b86341182810ee546708466.jpg)
早くも正月恒例のイベントとして定着した感があります。少し遅くなりましたが、東博の平常展「初もうで展」へ行ってきました。
以下は印象深かった作品の一覧です。今年の干支は人間の生活と密接な牛だけに、さすがに展示品には事欠かない様子でした。(出品リスト)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/a7/8f3ca78a73b81f467e71567bb811cf0e.jpg)
「駿牛図巻断簡」(鎌倉時代)
駿牛とは優れた牛を表す言葉だそうです。妙なたとえかもしれませんが、ちょうど競馬の名馬の写真のように、このような評判の牛の姿を飾り立てていたのかもしれません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/99/cf3ed56e96a3395c4d65781fda9e750f.jpg)
渡辺華山「牧牛図」(江戸時代)
可愛らしい目をした牛と、その背中へ楽し気にのる牧童の姿が描かれています。手に飛来して来た雀ももちろん仲間です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/c4/f671778308bbf6303a04524630ed724f.jpg)
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渡辺始興「農夫図屏風」(江戸時代)
秋の農村です。耕作にいそしむ農夫の姿が穏やかなタッチで表されています。遠目からでは牛が見当たりませんが、拡大するとあちこちにいることが分かりました。実りを与えてくれる牛は感謝すべき貴重な労働力です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/7f/e3c5658e9f542698ba5d8e85d75a9f27.jpg)
森徹山「牛図屏風」(江戸時代)
今回の一推しです。大胆な銀地に二頭の牛が向かい合います。やや変色した銀の力にもよるのか、どこか異様な雰囲気をたたえていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/1d/69e25b9dd7df923e4e35ed1a627d4e04.jpg)
俵屋宗達「牛図」(江戸時代)
水墨の名手、宗達の作品です。お馴染みのたらし込みの効果も巧みに、駆ける牛が軽やかに描かれていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/04/75ab33c24c916e8502799e00a54c0817.jpg)
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「小袖 茶綸子地四季耕作模様」(江戸時代)
艶やかな友禅でも違和感がありません。中央には田を耕す牛の姿が描かれています。精緻な絵柄の細部に見入る作品です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/08/270cb7a9e74a86a5f669c3ce67b8411a.jpg)
「二匹牛透鐔」(安土桃山~江戸時代)
地味ながらも重文指定を受けた逸品です。家康の次男、結城秀康の刀に付属していました。二頭の牛が何やらアクロバットに回転しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/aa/e35521bb6f5456893cdb47035a7a070a.jpg)
ベトナム「五彩水牛文大皿」(16世紀)
キャプションにはキュビズム風とありましたが、私にはどうしてもそう見えません。赤と緑の線描で色鮮やかな牛を象ります。
本展示の前に、東洋館の特集陳列「吉祥 - 歳寒三友」も拝見してきました。そちらも次回以降のエントリでご紹介出来ればと思います。
平常展示「豊かな実りを祈る」は今月25日までの開催です。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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はろるどさん
こんばんは
私も従姉妹の子供達連れて参りました
牛の展示物を探したり…
カレンダーに絵を書いたりと
子供も楽しめる企画があって皆喜んでいました
牛もさることながら…
興福寺伝来の文殊菩薩様や2階の奈良時代の日光菩薩様…手が4本ある文殊菩薩様…伊藤若冲の屏風と
特別展示と異なりますが、常設展示に丸山応挙の牛もコロっとしていて可愛いかったっスね
本末転倒なコメントですみません
ついでに阿修羅展の阿修羅ファンクラブ用ピンバッジを交換して参りました
これも、あまり関係ないっですね…
初もうで展、早速ご覧になられたのですね!
>カレンダーに絵を書いたりと
子供も楽しめる企画があって皆喜んでいました
カレンダーはばっちりいただいてきました。
ああいうイベントは東博も上手ですよね。感心します。
>常設展示に丸山応挙の牛もコロっとしていて可愛い
常設の江戸絵画も良かったですよね。
またご紹介したいと思いますが、私も久々に若冲の大作屏風を見られて興奮しました。
>阿修羅クラブ
大変な会員数ですよね。一体本展示までに何名までふくれあがるのでしょうか…。
駅広告なども凄いですし、本当に盛り上がる展覧会となりそうです。