都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「内藤礼」 神奈川県立美術館鎌倉館
神奈川県立美術館鎌倉館(神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-53)
「内藤礼 - すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している」
2009/11/14-2010/1/24
神奈川県立美術館鎌倉館で開催中の「内藤礼 - すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している」へ行ってきました。
展示の概要については同館のプレスリリースが参考になります。
内藤礼展・プレスリリース@神奈川県立近代美術館鎌倉館
既に会期末を迎えた展覧会です。その内容などは雑誌などにも大いに取り上げられているところなので、ここは作品の一部タイトルでもある「精霊」をキーワードに、私の感じたことを簡潔にそして自由に記しておきたいと思います。お付き合い下されば幸いです。
2階第1展示室「地上はどんなところだったか」
篝火の置かれた暗闇に精霊たちを召喚する。供え物はキラリと小さく光るガラス玉と小瓶の水。彼らの到来を知った鑑賞者は舞台へとあがり、静かに歩きながら、精霊たちと出会い、また心を通わせた。ゆらめく明かりと震える風船に彼らの行き交う姿を見る。
2階第2展示室「地上はどんなところだったか(母型)」
舞台で鑑賞者と交信した精霊たちは、母なる海へと帰って行った。我々はその姿をただ目で追いかけ、また胸に刻み、その確かな証を一枚の紙切れに求める。再び出会えることを願って。
1階中庭「精霊」・「恩寵」
精霊の抜け殻が風に吹かれながら舞っている。彼らをとどめるのは、館の周囲に張り巡らされた簡素な結界のみ。闇とは一転、外の世界と一体化したこの「場」の中で、我々は手に届かない精霊に少しでも近づくべく、その結界を一つずつ巡礼した。そして最後にようやく出会えることが出来たのは、抜け殻の主であり、またにこやかな顔で微笑む精霊のカップルだった。
この展示は再訪問するつもりでいましたが、スケジュール的に少々厳しい状況となってしまいました。先だって購入した図録を見返しながら、精霊の宿った鎌倉での至福の一時を、記憶の片隅へ、それでいながらも永遠に寄せておきたいと思います。
24日まで開催されています。
「内藤礼 - すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している」
2009/11/14-2010/1/24
神奈川県立美術館鎌倉館で開催中の「内藤礼 - すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している」へ行ってきました。
展示の概要については同館のプレスリリースが参考になります。
内藤礼展・プレスリリース@神奈川県立近代美術館鎌倉館
既に会期末を迎えた展覧会です。その内容などは雑誌などにも大いに取り上げられているところなので、ここは作品の一部タイトルでもある「精霊」をキーワードに、私の感じたことを簡潔にそして自由に記しておきたいと思います。お付き合い下されば幸いです。
2階第1展示室「地上はどんなところだったか」
篝火の置かれた暗闇に精霊たちを召喚する。供え物はキラリと小さく光るガラス玉と小瓶の水。彼らの到来を知った鑑賞者は舞台へとあがり、静かに歩きながら、精霊たちと出会い、また心を通わせた。ゆらめく明かりと震える風船に彼らの行き交う姿を見る。
2階第2展示室「地上はどんなところだったか(母型)」
舞台で鑑賞者と交信した精霊たちは、母なる海へと帰って行った。我々はその姿をただ目で追いかけ、また胸に刻み、その確かな証を一枚の紙切れに求める。再び出会えることを願って。
1階中庭「精霊」・「恩寵」
精霊の抜け殻が風に吹かれながら舞っている。彼らをとどめるのは、館の周囲に張り巡らされた簡素な結界のみ。闇とは一転、外の世界と一体化したこの「場」の中で、我々は手に届かない精霊に少しでも近づくべく、その結界を一つずつ巡礼した。そして最後にようやく出会えることが出来たのは、抜け殻の主であり、またにこやかな顔で微笑む精霊のカップルだった。
この展示は再訪問するつもりでいましたが、スケジュール的に少々厳しい状況となってしまいました。先だって購入した図録を見返しながら、精霊の宿った鎌倉での至福の一時を、記憶の片隅へ、それでいながらも永遠に寄せておきたいと思います。
24日まで開催されています。
コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )
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はろるどさんの文章で、まさに私も至福の体験が蘇ってきました。建物も周りの空気も取り込んだ「一期一会」とでも言うべき展覧会ですよね。
精霊たちが眠りについているのでは?
と思うくらいシーンとした空間でした。
道も空いていたし、とてもいい時に
訪問したな~と今更ながらしみじみ。
その時と同じような空を見ると
自分なりの精霊を空に探している自分がいます。
息子が思った以上に堪能しまくっていることに
正直驚きました。
もしかして来場者最年少だったりして。
帰宅後の入浴時に
風呂中の入れ物にお湯を入れまくり
全裸で(入浴時なんで当たり前ですが)熟考して
いろんな場所に置いて
「作品なの!片付けないで!」
と言われたのも楽しい思い出です。
早速のコメントをありがとうございます。
>建物の周り
屋外の展示はまさにそうでしたね。
鎌倉の「気」そのものを取り込んだインスタレーションでした。
決してうちに閉じこもりません。
@Takさん
こんばんは。
内藤さんのトークの日は大変に混雑していたそうです。
ただあの展示ばかりはやはり空いている時に拝見したいですよね。
そう言う意味でもあの日は「完璧」でした。
また宜しくお願いします!
@せいなさん
こんばんは。
>精霊を空に探している
雲を見るとそんな感じがするときがありますよね。
太古の人達はこのようにして万物に神を見ていたのかなと思いました。
>「作品なの!片付けないで!」
大切なことですよね。
そのうち玄関先にビーカーが置かれたりするかもしれませんよ。
あの繊細な展示を見事にご自分の言葉に置換されていらっしゃいますね。
鎌倉近美のあのときの空気が清冽に蘇りました。
こんばんは。
このような昔の記事にまで目を通して下さってありがとうございます。
展示は本当に素晴らしかったですね。
感想は短めになってしまいましたが、
実際にはもっと色々なイメージが心に浮かび上がりました。
定まった枠を必要としない展示はむしろ強度がありますよね。
場所との相性も抜群でした。