6月24日から28日の間、国立能楽堂で主催される「能楽鑑賞教室」は喜多流の『黒塚』と大蔵流『清水』です。
私は、25日午前と27日午後の二回を勤めます。学生対象ですが空席があれば一般の方もご覧いただけます。
詳細は下記までお問い合わせ下さい。
国立能楽堂 03-3423-1331
文責 粟谷明生 . . . 本文を読む
母・粟谷恵子は柴田トヨさんの「くじけないで」を英訳自費出版しました。
母の添え書きの一部をご紹介します。
この詩集「くじけないで」がイタリア、オランダ、韓国、台湾、フィリピン、タイ、ドイツなど、それぞれの国の言葉に訳されているのに、世界で最も多く使われているはずの英語に未だ訳されていないということは、不思議というより異常と言いたくなるくらい信じ難い事実です。
2010年、初版が出版されて早 . . . 本文を読む
今、能という仕事に携わっているが、これは一般的に言う音楽にも通じるものがある。
話は遡るが、昔、小、中学生の頃は音楽が嫌いであったことは以前にも書いたが、高校生になってから音楽を聴くことに目覚めてしまった。日本のレコードよりも海外のレコードを買っては聴き入っていた。レコードを聴くとなるとそのオーディオ機器にも興味がわき、結構なお高いステレオを買ったのを覚えている。私の選んだものは、広い居間 . . . 本文を読む
昔、身体検査、今は健康診断と言う。関係者にその理由を聞くと
「やっていることはなんら変わっておりません」
と、笑顔の答えであった。なんだ言葉の問題か・・・。
私は、大腸を悪くしたことがあって、主治医にアルコールを控えるように、いや、やめろと忠告された。だが呑み助の私は酒がやめられない。そこで好物の中からひとつだけ飲まないと決めた。
「先生、大腸に良くない飲み物は何ですか?」と訊くと
「ワイン」 . . . 本文を読む
今日の投稿に能は出てこない、予めお伝えしておく。
最近カメラに凝っている。
以前、ペンタックスの一眼レフを使用していたが、今はキャノンX5で楽しんでいる。
「女性にも簡単に撮れる!」というコピーと、一度はキャノンかニコンを手にしたい、と思っていたので、まあ中の下クラスでも、それなりに満足している。
レンズはタムロンの高倍率18~270ミリが使い勝手のよく標準設定にしているが、最近は明るい50 . . . 本文を読む
小学生の頃、もう40年以上も前のことだが、国語の作文の授業が大嫌いだった。
「なんでもいい自由に書いて下さい」と先生に言われると余計書けなくなった。
では「今回はこのテーマで!」と言われたら書けたのかと言うと、そうではなく、やはりだめなのである。
30歳近くなって観世寿夫集を読み、能楽師でこんなに能を学者のように知っている人がいるのに驚き、その文章力にも驚いた。寿夫氏の能は5番ぐらいしか拝見し . . . 本文を読む
昔、「舞台をよく見ておけ」とよく言われた。
よく見る、とはどのように舞台が進行するかだが、それだけではない。どのようにまわりが動くか、どのような配慮がなされているかを見て知ることだ。作品内容の深層部までも知ることが出来たら、かなり優等生だろう。ぼ~っと見ているだけでは、あとでそれなりのツケを負うことになる。これは年令には関係ない。
さて、能を習うことについて、と書いたが具体的には声の出し方も . . . 本文を読む
昨日は阪大喜多会、正式には「大阪大学喜多流能楽研究会」ですが25年度初の大学校舎での稽古に行って来ました。
乗車券が高いと学生には敬遠されている大阪モノレール「柴原駅」で12時前に待ち合わせをして、12時15分から3時半までみっちり稽古をして来ました。
仕舞『是界』を舞う大西慶子さんです。
現在部員は3名とすこし寂しい状況ですが見学者が一名来て下さったので入門初心者用の指導を行い、見学者のA . . . 本文を読む
厳島神社御神能の初日の模様を写真でご紹介します。
7時半のフェリーで宮島へ
神社の神殿より海を見る
能をご覧になる大勢の方々、
翁の御神酒の神事がはじまる前の囃子方の皆様
御神酒をいただき、大夫に挨拶してお調べとなります。
お調べをするお囃子方
三番三を勤める茂山良暢氏
楽屋弁当
初日の留めは『雷電』替装束、シテは出雲康雅氏
執事、出雲康雅氏のお兄様、森田流 . . . 本文を読む
昨日は私の社中の発表会が朝9時からはじまり17時半まで、無事盛会に終わりほっとしている。
露払いは東北大能楽部の4名の仕舞、連吟、連調とはじまり、すべて間違えずに立派にやってくれてとても満足、嬉しい限りだ。若い人は上達が早くていい。羨ましい。前回の稽古で注意したところを、ちゃんと修正してくるのは頭脳が柔らかく、いや元々持っている頭脳が違うのかも・・・。現在女子3名、男子1名と少し寂しいが、これか . . . 本文を読む
『紅葉狩』についての投稿もこれが最後である。
「『紅葉狩』のシテをやるときにどんな気持ちで勤めたらいいのか?」
と父に聞いたことがあった。父は
「BAR・もみじのママ・カエデちゃんになった気持ちでやったらいい」
と即答してくれた。また、今回、小鼓を打って下さる横山晴明先生からは
「『紅葉狩』のシテの色気は、銀座のNO.1のようなお気持ちでなさったら・・・」
とご指導を受けた。このような言葉が私 . . . 本文を読む
世阿弥が幽玄の世界と称し、シテが一人静かに過去を回想して舞を舞う世界を確立したが、その反動なのか、『紅葉狩』の作者、観世小次郎信光は大衆に気軽に楽しんでもらえる風流能の創作に挑み、人気曲を生み出している。大きな作り物を活用し、大勢の登場人物に各役に似合う配役をし、舞台進行を判りやすくするのが特徴だ。
『紅葉狩』でも、塚(山)の作り物を一畳台の端において空いた場所でも演技する。
私たちシテ方能楽師が . . . 本文を読む
鬼女が上臈に化けて舞う舞は、最初静かでゆっくりな舞、序之舞からはじまるのが喜多流だ。
囃子方の奏す、ゆったりとした音色は、観ている者も眠気を誘う。その序之舞のリズムが途中急に速くなり、それまで美しかった上臈が恐ろしい鬼の形相に替わりはじめる。この早い舞を急之舞といい、スピードがもっとも速い舞である。
喜多流では『道成寺』と『絵馬』の小書「女体」が付いた時の力神の舞、そしてこの『紅葉狩』にしかな . . . 本文を読む
4月になると、今年も宮島・厳島神社の桃花祭神能の時期が来た、と思う。
私の年度初めは正月元旦と、神能初日4月16日の二回である。
今年は三日目の最後に能『紅葉狩』を奉納する。そこで『紅葉狩』をご紹介する。
本舞台の大小前に、一畳台の上に山を想像させる塚に紅葉枝が挿された作り物が置かれる。
ここは山々の木々が紅葉している信濃国(長野県)戸隠山。ひとときの時雨がより錦秋を深める美しい秋の景色を想像 . . . 本文を読む