喜多流の『融』の小書は曲水之舞、笏之舞、遊曲之舞、遊曲と4つあり、いずれも早舞の前にイロエかハタラキ的な短い舞が加わります。但し、遊曲のみが早舞が無くなり、イロエだけの特別に重い習となります。
今回の「曲水之舞」は源融の霊が曲水に流れる盃を掬い、先ずは水上(川上)と想定する幕際まで行きます。そこで、ゆっくり振り返り、流れ下る曲水を見ると、その流れに乗るかのように、正に融自身が流れる盃になったように橋掛り(三の松前)から本舞台へ入り、クルクルと円を描くように丸く廻ります。ここまでが曲水之舞で、その後に通常の早舞となり、今回は短い三段構成で勤めます。
曲水之舞は両手で盃を掬う型をした後、左手は右手の袖(袂)を持ち、右手の中啓(扇)を盃と見做す演出です。早舞となるまで、終始右手で盃を持っている構えで舞うのが曲水之舞です。
 
「第106回 粟谷能の会」
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