米国の対ロシア・プロパガンダと攻撃を煽ることで、欧州諸国政府と欧米マスコミは、世界を危機に追
いやっている。米国は、イラクのサダム・フセイン、アフガニスタンのタリバン、リビアのカダフィ、
シリアのアサド、ベネズエラのチャベス、さらにはイランの悪魔化に成功させてきたと同様に、新たな
ヒトラー、スターリンが率いる、危険な攻撃的な国として、ロシアを悪魔化するための見え透いたウソ
を利用するのに成功。本当の悪魔達、クリントン、ブッシュ、オバマ、つまり“例外的で必要欠くべか
らざる人々”は、悪魔化の対象にならず済む。連中の恐ろしい本物の犯罪は人目につかないまま、虚構
の犯罪が、例外的ではなく、必ずしも必要ではない国民や国家のせいにされてしまう(2014.07.28「欧
米の無頓着さによって、世界は破滅を運命づけられている」,マスコミに載らない海外記事,"The World
Is Doomed By Western Insouciance don’t expect to live much longer", Paul Craig Roberts)――との記事が目に
とまる。ことの起こりは、2013年11月のヤヌコーヴィチ政権が欧州連合との政治・貿易協定の調印の見
送りを契機に、親欧米派や民族主義政党全ウクライナ連合「自由」や右派セクターなどの野党勢力など
による反政府運動が勃発し、親欧米派の暴力的な示威行為で親露派のヤヌコーヴィッチ政権が崩壊した
ことにあるが、3月1日にロシア上院がクリミアへの軍事介入を承認し、ウラディミール・プーチン大
統領がクリミア半島に本格的に軍事介入を開始した4ヶ月間に、オレクサンドル・トゥルチノフ大統領
代行とアルセニー・ヤツェニュク首相の新政権とウラディミール・プーチン大統領が直ちに、直接会談
を行わなかったことに今日の紛争拡大の原因、つまり、"外交空白"にあり、そこでは、"全ての軍事的機
構の不活化と武器使用の停止"の締結を最優先事項として話されるべきだったとわたし(たち)は考えて
いる。掛け違ったボタンの代償は余りに大きい。
"The Road to Moscow Goes Through Kiev: A Coup d’Etat That Threatens Russia", 2014.02.25
● 経済数値情報に騙されない方法
高橋洋一は元気だ。ダイヤモンド・オンラインの「高橋洋一の俗論を撃つ!」の"政府の景気判断「上方
修正」に疑義あり"(2014.07.24)ではこう結論している――しかし、はじめの3つの図(下図参照)か
ら言えることは、今のところ、消費、企業設備、住宅投資ともに、過去2回の増税時より下回っている
ことだ。しかも、今回の景気パターンは1997年と似ているような兆候もでている。マスコミ報道をみて
いると、景気が悪くなりつつあるというものはあまりない。「~について、2ヵ月間上昇」と先に書い
たものは、内閣府が10日発表した景気ウォッチャー調査だ。内閣府の説明資料に、「6月の現状判断DI
は、前月比2.6ポイント上昇の47.7となり、2ヵ月連続で上昇した」「景気は、緩やかな回復基調が続
いており、消費税率引上げに伴う駆込み需要の反動減の影響も薄れつつある」と書かれていることから、
その部分だけを、そのまま引用した報道が多かった。その裏には、どうも、財務省が年末に決めるとさ
れる10%への消費税再増税ではなく、さらなる次の消費税増税に向けて動き出したらしいといううわさ
がある。(略)増税反対と言わないまでも、増税に関して黙らせるという効果がある。新聞業界は軽減
税率欲しさで、消費税についてまともな報道を期待できない。本コラムでも、新聞業界と軽減税率の密
接な関係は何度も指摘してきたから、ご存じであろう。財務省も、財政再建なんて増税の口実で、本当
のところは「歳出権の拡大」、つまり集めて使いだけなのだ。こうした状況では、景気の落ち込みも、
政治家を含む使いたい人たちにとっては、予算拡大のチャンスと映る。そのための仕掛けも、こっそり
盛り込まれている。実は、6月24日閣議決定された「骨太の方針」には、13日の素案になかった言葉が
こっそりと入っている。「ローカル・アベノミクス」だ――と述べ「消費」「住宅」「機械受注」のト
リプル悪化を下図のように解説していた。
目新しい言葉に「ローカル・アベノミクス」が出ていたので注目したが、成長戦略の第2段として、ロ
ーカル経済圏を直接のターゲットとした、次のような3段階プロセスをもつ活性化策(有効需要の創出)
のようだ。第1段階で、地域資源の魅力向上(プレミアム化)を図り、それぞれの地域にある農林水産
品や観光資源、伝統・文化などの「強み」が発展を牽引できるようバージョンアップさせる(Attraction)。
続いて、内外の市場への橋渡し(消費喚起)が第2段階で、進化した地域資源が消費者やマーケットで
高く評価されるよう売り込む作業(Bridge)。第3段階では、地域全体のコミットメント(好循環を支
える体制)を構築し、地域資源を持続的に展開する自治体の広域連携や「伴走型」による国の支援体制
の確立(Engagement)というのだが(2014.06.26 BLOGOS "「ローカル・アベノミクス」を提言" )、
これで、勤労者の所得が増えれば、景気は一気に浮上するが、当面は諸々のことを勘案して"横ばい推移"
というのがわたしの景況感。
● ハードナッツな三三七拍子
"月九"の「HERO」 が好発進だとか(『地上の星☆HERO』)。でも、"火九”の『あすなろ三三七
拍子』もなかなかいい。この番組は重松清による日本の小説、2005年2月から2006年4月まで『サンデ
ー毎日』(毎日新聞社)に連載されたものをテレビドラマ化し、2014年7月から放送されている。45歳
の中年サラリーマン藤巻大介が、廃部の危機に陥った翌檜(あすなろ)大学の応援団団長に同大学OBの
社長からの命令で就任、応援団の再建に賭けた悪戦苦闘を描いた青春群像劇ということだが、第58代副
団長にしてチアリーダー部部長の葉月玲奈役の高畑充希に注目しているが、彼女の魅力は、決して美人
タイプ(目が比較的大きい)ではないが、"静かなる頑張り屋さん"的オーラーっと表現していいのかわ
からない魅力に強く惹かれている。と言うと、フェミニズム論研究室のゼミ生で団員の松下沙耶役の剛
力彩芽も可憐で繊細だが心は強い"やまとなでしこ"的な魅力と共通してはいるが、そのキャラの幅の広
さが彼女の魅力として映る。
ところがである。この時間が終わると 『ハードナッツ! ~数学girlの恋する事件簿~』が再放送されて
いて非常に忙しいことになる(2014年6月24日から8月12日までNHK総合テレビジョン「ドラマ10」枠内
で放送)。連続テレビ小説『あまちゃん』で助演した橋本愛の連続テレビドラマ初主演作で、キャッチ
コピーは「犯人は、この数式通りに動く」―コミュニケーション能力には乏しいが、天才的な数学の才
能を持つ東都大学数学科の大学生・難波くるみが、テロや殺人などの様々な難事件を、数学を使って推
理していくという痛快サスペンスミステリー仕立て―でタイトルの「ハードナッツ (Hard Nuts) 」は、
「難問」「変わり者」などの意味を持つが、主人公・難波くるみの雰囲気を引き出すように、音楽担当
者が『くるみ割り人形』の曲が挿入される。
難波くるみは、東都大学数学科の学生。大学の寮で1人暮らし。師事する森崎教授が長期出張なのをい
いことに教授の研究室を私物化。町工場を営んでいた父が亡くなった原因を作ったある大企業に復讐す
るために数学を学んでいる。いかさまポーカー賭博で300万円の借金を負うも、伴田(初音署の刑事)
に教えられた手法を利用し大勝。伴田を気に入り、彼との今後の進展の確率を予想したり、計量文献学
を利用した「完璧なラブレター」を書いては妄想に耽るが滑舌が悪いという役所。福山雅治が主演じる
『ガリレオ』が物理学者(教授)であったが、こちらも統計学を駆使しハードナッツに挑むというドラ
マ展開も非常に面白いものとなっている。ということで、月・火とフジテレビの"一人勝ち"というとこ
ろが吾が部屋の視聴率実態である。
※計量文献学:近年のパソコンをはじめとするデータ処理機器の発達と、多変量解析などを中心とする
統計手法の進歩に伴い、著者や成立時期などが不明の文献に対し、文の長さ、詞の使用率、単語の使用
率などを計量分析することにより、そのような問題の解決を試みる新しい文献研究の分野が確立されつ
つある。これまで、『新約聖書』の中の「パウロの書簡」、『源氏物語』、『ジュニアス・レター』、
連邦主義者』、『紅楼夢』など多くの重要な著作物が分析されており、それらの研究を通じて、文献の
計量分析における問題点が次第に明らかにされてきている。
【遺伝子組み換え作物論 ⅩⅠ】
弟5章 遺伝子組み換え作物の危険性
広がるスーパー雑草
除草剤耐性作物と雑草の間でも、遺伝子の水平転位や交雑が起こる。すでに除草剤に耐性をもつ
雑草が誕生し、「スーパー雑草」と呼ばれている。農家はこうした雑草を駆除するため、かつて使
用していた強力な除草剤を混ぜて散布している。マーチン・エントス教授(カナダ・マニトバ州立
大学・農学部)は次のように指摘する。 、
「予想以上の早さでスーパー雑草が広がっており、もはや制御することは不可能だ。遺伝子組み
換え技術がもたらした副作用が、我々に警告を発しているのだ」
カナダの法学者マーチン・フィリプソンも、スーパー雑草の誕生は「必然的」だと考えている。
「モンサント社は、遺伝子組み換え技術の影響に対してどのように責任を取るのだろうか。カナ
ダの農家は、自分が栽培していない遺伝子組み換えナタネを取り除くため、何万ドルもの費用をか
けている。しかも農家は、遺伝子組み換え作物を枯らすために、もっと強力な除草剤を使わなけれ
ばならないが、モンサント社は何の責任も感じていないようだ」
さらに問題なのはヽスーパー雑草が複数の除草剤に耐性をもつようになったことだ。雑草や自生す
る作物(前年に栽培されたが収穫されずに地面に落ちて、翌年、発芽・成長した作物)に遺伝子が
転位して複数の除草剤に耐性をもつようになった。三種類以上の除草剤に耐性をもつ遺伝子組み換
えナタネもめずらしくない。カナダや米国では、遺伝子組み換え作物の商業栽培が始まってわずか
3~4年で、多種類の除草剤に耐性をもつ雑草が出現した。
こうして遺伝子組み換え技術によって生まれた怪物が、その正体を現すのに時間はかからなかっ
た。ところが、「英国土壌協会」によれば「様々な証拠があるにも関わらず、バイテク産業ぱくり
返し問題を否定していた」という。
米国では、除草剤「ラウンドアップ」に耐性をもつ雑草が、遺伝子組み換え吉見や綿の畑に出現
して問題になっている。たとえば多産系の雑草「ヒメムカシヨモギ」が除草剤ラウンドアップに耐
性をもつようになり、さらにその種子が風に乗って飛ばされて、デラウェア、テネシー、インディ
アナ、オハイオの若州で生育が確認されている。テネシー州の西部にある大豆畑だけでも20万エ
ーカーに広がっており、同州の綿畑の36%でスーパー雑草が確認されている。「デルタ農業新聞」
のウェブサイトによれば、ラウンドアップの主成分である。"グリホサート" に耐性をもつ雑草の
種類は、どんどん増えている。ウォーターヘンプ、ボウムギ、ヒメムカシヨモギ、イタリアンレイ
グラス、ベルベットリーフなどの雑草が耐性をもつようになっており、ブタクサにもその傾向が見
られる」
ある独立機関の調査では、米国の農場の17%に除草剤耐性雑草が広がっているという深刻な情
況を伝えている。また、農場管理者に対する調査によると、46%が「最大の関心事は、ラウンド
アップに耐性をもつ雑草を駆除することである」と答えている。
問題はモンサント社の除草剤「ラウンドアップ」(グリホサート)にとどまらない。「グルホシ
ネ ート」を主成分とするバイエル社の除草剤に対しても耐性をもつ雑草が誕生している。しかも、
除草剤に耐性をもつ雑草は北米だけでなく、西オーストラリア州でも大きな問題になっている。
Texas Tries Last-Ditch Attack on Super Weed - WSJ, 2014.06.19
有機農業の終焉
バイテク産業は、遺伝子組み換え作物と一般の作物とが「共存」できると主張する。しかし、現
実を見ると「共存」という理念は冗談でしかないことを示している。遺伝子組み換え作物は、何マ
イルも離れた土地で生産される有機農産物や野生の近親種さえも汚染する。「その国や地方で生産
される作物の10%が遺伝子組み換えになり、交雑や混入が起きたら、もはや有機農産物としては
認証されなくなるだろう」と欧州委員会の報告書も指摘する。米国で2004年3月に発表された
調査も、「3分の2以上の一般種に、遺伝子組み換え作物が混入していた」と報告している。
英国の調査によれば、「もし英国内でも遺伝子組み換え作物の商業栽培が始まれば、分別管理を
行なわなければならないため、一般種や有機農産物の価格が四一%も上昇する」と予測されている。
オーストラリアでも市民団体「遺伝子倫理ネットワーク」の代表ボブ・フェルプスが試算したとこ
ろ、「作物の生産と物流を分別管理し、しかも遺伝子組み換えでないと検査で証明するための費用
として、農家は10%~15%も負担が増える」と指摘する。結局、混入が起きれば、消費者が遺
伝子組み換え作物を受け入れていない中束、欧州、アジアの輸出市場を農家は失うことになるだろ。
バイテク産業は、「農家には、遺伝子組み換え作物を選び、生産する権利がある」と主張する。
しかし遺伝子組み換え作物が広がれば、短期間のうちにすべての一般種や有機農産物にも混入する
ため、「農家は、遺伝子組み換え作物しか生産できなくなる」のだ。そしてこの現実こそ、バイテ
ク企業にとって、遺伝子組み換え作物が魅力ある商品である理由なのだ。
現在、有機農産物の世界的な販売高は、遺伝子組み換え種子の販売高の7倍以上もある。200
5五年時点で、遺伝子組み換え種子の販売高は約50億ドルだが、有機農産物や食品の販売高は有
機食品販売高は約37億ドルに達し、需要も急増している。国政府の試算によれば、「有機農産物
が環境と健康にもたらす価値は1ヘクタールあたり百ポンドに相当する」という。しかも、ドイツ
では有機農業の広がりによって関連事業を含めて15万人の職を生みだしているが、バイテク農業
に関わるのは2000人しかいないのだ、
減少する作物の多様性
すでに、遺伝子組み換え作物の種子は、一般に流通している種子の中に大量に混入している。さ
らに問題なのは、その土地の農民が何世代にもわたって育ててきた在来種の中にも混入し始めたこ
とだ。メキシコでは、貴重な在来種との交雑が発見された。2003年にはメキシコの9つの州で、
在来種のトウモロコシの24%に遺伝子が転位していることが発見された。交雑の割合いは低くて
5%、高いものでは33・3%もあった。国際環境NGO「グリーンピース」によれば、原因の一
つは「毎年5百万トンもの米国産トウモロコシがメキシコ国内に輸入されている」ためである。
輸入トウモロコシの3分の1は、モンサント社の遺伝子組み換え品種である。野生の作物には、
まだ確認されていない有益な特徴を備えている可能性がある。ところが遺伝子組み換え作物と交雑
してしまえば、10年以内にその形質は消え失せてしまうと予測される。その土地固有の在来種が、
一瞬こして消えてしまうのだ。
すでに、農作物における生物多様性は危機に瀕している。多国籍の種子企業が各地方の種子会社
を買収して、在来種にかわって彼らが開発した品種を販売しているためだ。「英国土壌協会」によ
れば、1900年には北米に2千もの種子会社が存在したが、現在、残っているのは2百社もない。
その結果、農家が選べる種子の種類も世界中で滅少している。1900年に存在していた種子の
うち、すでに75%が消えてしまった。その土地の条件に適応した様々な品種を失ってしまったの
である。こうして遺伝子組み換え作物は、今後もさらに在来種を消滅させていくことになる。
リーズ、アンディ 著 『遺伝子組み換え食品の真実』
この項つづく
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます