さんぽ道から

散歩中の雑感・モノローグを書いてみました

色々思い浮かびます…

2016-10-20 11:00:19 | 抜き書き

<・・・・・その夜はビールを飲んで食事をし、法廷戦術に関する持論について話しただけだった。・・・・・「反対尋問のことをぼくは何もかもわからないんですが」「原則その一」モーガンは目を輝かせながら、大きな声で言った。「相手がどう答えるかわからない質問は決してしないこと。ほかは全部忘れても、それだけは覚えてろ。直接尋問の原則その一でもあるからな。ただ、反対尋問でこの原則を守るほうがはるかにむずかしい。証人はたいがい敵意を持っているし、こっちの望みどおりに答えたがらないからな。それを望みどおりに答えさせるぐらいの気構えが要る。または、証人が真実を語っていないと証明するか、そのどっちかだ」・・・・・「原則その二はなんですか」ぼくは訊いた。「ん?」モーガンは言った。それからテーブルを叩き、ぼくを指でさした。「ぜったいに何があろうと‟なぜ”と質問しないこと」「なぜですか」「相手は理由を説明するからさ。敵性証人を追い詰めたら、そこから逃げ出す機会を与えたくないだろう。“なぜ”と訊くな。“説明しろ”というな。“なぜそう言うのかを教えてくれ”というな」・・・・・「原則その三はなんですか」「ひとつの質問を何度もしないこと。証人を思いどおりの場所へ追い詰めたら、席についてだまってろ」・・・・・「原則その四は?」「ああ、そうだった。直接尋問で答えた内容を繰り返させないこと。みんなの記憶にとどめてしまうだけだ」「その五は?」「簡潔であれ。何かを強調するのに効果がある唯一の方法だ」・・・・・「反対尋問の手引きのようなものをまとめられたと聞きました」・・・・・「読ませてもらいますか」モーガンは長いあいだぼくを見つめたあと、ようやく言った。「そうだな。そのうちにな」>ゴードン・キャンベル越前敏弥訳「逆転立証」上P241~248より

これはモーガンこと著名な刑事弁護士が新人弁護士に、反対尋問の極意を教えているところですが、ディベートや討論会にも通じるものがあるように感じられました…

昨日TVチャンネルを回していたら、最近の地方行政は、住民のクレームに弱い、気を使い過ぎていて、仕事目的や全体を置き去りに、ほんの一握りの人々の便宜や己の罰点評価の回避に走り過ぎているきらいがある、そしてこの底辺にあるのは、短絡(楽)思考や課題への討論姿勢の欠如とコメントしている方がいらっしゃった。そうですよね。周辺国の反日意見・見解が国連や国際機関に出されてから、慌てて火消しに翻弄する外務省も、この同じ穴のムジナでしょう。

日本人は和に重きを置くきらいがあるので、会合等で、即ディベートとなると、戸惑い気味で沈黙となりがちですが、国際化のこの時代、様々な価値観が混在するこの社会で、自己主張や相手の主張にコメントすることは、生き残るパスポートのようなもの。

英会話教室でよく行われるディベート授業、勝ち負けがハッキリするの教師は敬遠しがちですが、ゲーム好きの世代には好まれるのでは。学校教育にぜひ取り入れてもらいたいものですね。モーガンの手引書が教育現場に使われるといいですね…
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