▼マイナンバー・カードの導入に、日本政府は前のめりだ。より便利で快適な社会を目指すため、国民に対しデメリットよりメリットが大きいので推進するという。
▼河野太郎デジタル大臣の、国民の反対意見を歯牙にもかけない態度と頑固顔は「プルートー大臣」と呼んでもいいだろう。
▼プルートーとは「冥王星」のことだ。地獄の王という意味だ。長崎に落とされたプルトニウム原子爆弾は、このプルートーから名付けられたからだ。反抗する者は、殲滅させるという意気込みだ。
▼政府が強力に推し進めるマイナー・カード。国民は個人情報が一括管理され、人権が侵害される恐れがあるのではないかと疑う。
▼だが疑うだけで確信が持てない。さらに政府が強力に推進しようとする「緊急事態条項」だ。ナチスの「全権委任法」に近い内容だといわれても、危機感は沸いてこない。
▼コロナ禍のカナダでこんなことが起きた。国境を超える長距離トラック運転手のワクチンパスを、トルドー首相が禁止した。
▼毎日のように国境を超え物資を運ぶ彼らにとって、ワクチンパスがないと国境で止められ、仕事にならない。
▼そこでトラック運転手たちは、政府に抗議するため何千台ものトラックで首都を目指し、高速道路を塞いだという。
▼これを見たトルドー首相は,彼らに耳を傾けるどころか、強硬手段に出たという。【緊急事態法】を発令した。
▼次にトラック運転手と彼らを支援した国民の、銀行口座を凍結した。緊急事態法発令により、政府が勝手に口座を凍結できるということにショックを受けた人々が、国内外から銀行に殺到し、取り付け騒ぎが拡大し大混乱になった。
▼迷惑を受けた金融機関も猛抗議し、トルドー首相は「緊急事態法」を解除したという。つまり日本政府が目指す「緊急事態条項」とは、総理大臣に、すべての権限を付与する、ナチスの「全権委任法」と同様だということだ。
▼キシダ総理に「緊急事態条項」を行使させる権限を持たせれば、「敵基地攻撃」が総理独断で行うことができるということだ。
▼「憲法第9条」があるからそれはできないだろうという考えではない。「緊急事態条項」が成立されれば、それを行使できるということだ。
▼憲法は最高法規だというが、それを無視できるのが『緊急事態条項』だというのが、私の拙い解釈だ。カナダのトルドー首相が、それを実証したからだ。
▼この事件は、今読んでいる堤果歩著「ショック・ドクトリン」(幻冬舎)に記載されていた。こんな読書は、目が覚めてしまい、寝不足になる。さらにこの事件を、日本の報道機関は取り上げていないようだ。
▼堤の本は「デジタル・ファシズム」「株式会社アメリカの日本解体計画」「ショック・ドクトリン」を続けて読んだが、最近の寝不足の原因は、堤の本のせいに間違いない。
▼マイナーカードにより、国民の情報が管理され「緊急事態条項」の成立で、国民の自由と人権は奪われる。こんな流れができそうなのが、現在の我が国のようだ。
▼堤の本の中に、台湾のデジタル担当大臣オードリー・タンの言葉が載っていた。
【デジタル化で一番気をつけるべきことは?決して権力を集中させてはいけません】。
▼世界で軍隊を保有する国家は「軍隊」と「緊急事態条項」はセットだといわれている。このこともマスコミは、もっと丁寧に国民に説明してほしいものだ。
追伸=函館生まれの女優高峰秀子は、戦争体験をつづった本を上梓している。その中で【戦後と戦前は腐れ縁。戦前の次は戦後で、戦後の次は戦前なのだ」と。(北海道新聞15日のコラム卓上四季より)
函館市は1961年に「函館市安全都市宣言」、1984年に「核兵器廃絶平和都市宣言」を、高らかに宣言している。
私は2004年12月1日。函館市との市町村合併により、村民から市民となった。自分はこの合併は【無条件降伏】だと検証している。
だが、この二つの宣言を持つ市民になったことには、誇りに思っている。