函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
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憲法9条はどう改正されるか

2018年01月12日 10時16分40秒 | えいこう語る

▼一気呵成という言葉があるが、自民党による【憲法改正】は、今年秋にも発議し、2019年春の【国民投票】に持ち込む案が、浮上してきた。戦争で言えば、敵の陣営(野党の足並みや国民の憲法の習熟度)が整わないところに、先制攻撃を仕掛ける算段だ。

▼自民党内でも、オリンピックが終わってからという考えもあるようだ。アベ総理は著書「美しい国へ」では、オリンピックを『4年に一度のナショナリズム』と称し『スポーツには、健全な愛国心を引き出す力がある』と考えているようだ。

▼さらに、自分は“つねに”【戦う政治家】でありたいという。「ここ一番、国家のため、国民のためとあれば、批判を恐れず行動する政治家」であると豪語している。ということは、今年は「森友・加計学園問題」など歯牙にもかけないで、がむしゃらに憲法改正へと突き進む決意のようだ。

▼“つねに”といって思い出したのが読売新聞の主筆“なべつね”こと、渡辺恒雄だ。平成6年に『読売新聞憲法改正試案』なるものを発表している。アベ総理が熟読し、国会でも薦める新聞だ。

▼この特徴は、第一章が「国民主権」で第1条~3条。第二章が「天皇」で第4条から第9条。第三章が【安全保障】で第10条~第11条だ。

▼その、第10条第1項は、現9条と同じ文言だ。だが、第11条第1項に【日本国民は、自らの平和と独立を守り、その安全を保つため、自衛のための組織を持つことができる】と記している。

▼国民が最も知っている第九条を、天皇の章に組み入れ、さらりと外すテクニックは、見事だ。そして安全保障に、自衛隊をちゃっかり明記させている。ナベツネは東大時代「天皇制打倒」の共産党員だったという。総理をやめてから【原発ゼロ】を叫ぶ純ちゃんと同様、まさしく♪人生いろいろだ。

▼さて自民党の改憲案(2012年)だが、9条2項を『前項の規定は自衛権の発動を妨げるものではない』とし、自衛権には集団的自衛権も含まれるという。

▼最近は、1項と2項を残し、別に『9条の2』を加えた方が国民の理解を得やすいという案も浮上してきているようだ。反対する野党に対し「徴兵制につながるとした発言を、デマを飛ばし不安を煽り、刹那的な世論を作っていると、上げ足を取るのは、自民の高村正彦副総理だ。

▼アベ総理は『戦後の日本社会が基本的に安定性を失わなかったのは、行政府の長とは違う【天皇】という微動だにしない存在があってはじめて可能だったのではないか』と述べている。

▼私もそれは否定しない。さらに「日本の歴史は、天皇を縦軸にして織られてきた長大なタペストリーであり、日本の国柄を表す根幹が天皇制だ」ともいう。

▼『日本の国柄』を規定するものは何か。私は「憲法」だと思う。【憲法は国家の基本秩序】であると、憲法学が述べているからだ。象徴である天皇を【元首】とする自民の改正案などは、戦前回帰の意図的な雰囲気を醸し出しているようにも感じる。

▼ちょっとした文言の解釈が、平和を左右する。今年は特に日本語に注視し、政治をしっかり見つめていきたいものだ。