(京都市下京区・京都鉄道博物館)
明治時代の鉄道開業以降、天皇の全国訪問を支えた皇室専用の臨時列車「お召し列車」と、道中の立ち寄り先の駅で休憩に使われた貴賓室をテーマにした企画展「鉄路を翔(か)けた鳳凰(ほうおう)」が、京都市下京区の京都鉄道博物館で開かれている。お召し列車の証しである鳳凰や菊花紋の装飾などが並び、来館者が見入っている。
天皇陛下の即位を記念して企画し、約200点を並べた。お召し列車が初めて公式運行されたのは、1872(明治5)年の新橋―横浜間の鉄道開業時にさかのぼる。当時の様子を描いた錦絵が飾られており、大勢の人たちが見守る中、力強く黒煙を吐く列車の姿がうかがえる。
77(同10)年の京都―神戸間の開業に合わせて製造された皇室用客車「1号御料車」の彩色図面のほか、京都駅や神戸駅など主要駅に設けられた貴賓室の写真、室内の椅子や机、シャンデリアなど当時の調度品も展示している。
戦後には国民生活への配慮もあり、「お召し列車」の利用は減少したという。同館は「普段は見ることができない資料を多く飾った。鉄道と皇室の深い関わりを知ってほしい」と話す。
7月15日まで。水曜休館。
時間:10:00~17:30 *入館は17:00まで
入館料金:一般1,200円 大学生・高校生1,000円 中学生・小学生500円 幼児(3歳以上)200円
(京都新聞)