内部には車いすやベビーカーのスペースを確保する
京都市交通局は、市営地下鉄烏丸線で開業後初めて一新する車両デザインを決定した。前面に丸みを多用した近未来的な外観と、華やかな和風カラーが特徴の内装を市民や利用者による投票で選んだ。開業40周年の2021年度末から順次導入していく。
新しい車両デザインの選定作業は17年に着手し、有識者懇談会での議論を基に交通局が外観と内装で3案ずつ考えた。投票は3月に同局ホームページや地下鉄の駅などで受け付け、3122票の中で最も多く支持された案を選んだ。
外観は、シルバーと緑を基調とした現在の配色を引き継ぎつつ、先頭車両の前面全体に緩やかな丸みを持たせる案が42%の票を獲得し、京都市電を連想させる箱形の案などを上回った。
内装は「華やかでみやびなカラー」が41%の票を集め、「現代的でさわやかなカラー」など他の2案を上回った。座席のカバーを若草色や茜(あかね)色、床を鈍(にび)色など和の色で彩る。機能的には、先頭と最後尾の車両の3分の1は座席を取っ払った「おもいやりエリア」とし、車いすやベビーカーに加え、キャリーバッグを持つ旅行者にも対応する。
1981年に開業した烏丸線では延伸のたびに車両数が増えているが、デザインは当初から変わっていない。デザインの変更は、現在の20編成120両のうち、開業時から使っている9編成54両の車両更新に合わせて実施する。
市交通局は「京都らしさとバリアフリーを両立させたデザインで、多くの人に親しんでほしい」と期待している。烏丸線全駅での転落防止用可動式ホーム柵の設置に向け、自動で定位置に停車する装置も搭載する。
(京都新聞)