3/12(火) 10:32 京都新聞
県産野菜やシソの花をあしらった彩り豊かなビワマスの手まりずし
滋賀県の琵琶湖でとれた湖魚と同県産の農産物を使った新しいご当地グルメが、このほどお披露目された。「びわ湖魚グルメ」と名付けられた新メニューは、ビワマスやアユ、ホンモロコなどの湖の幸を新鮮な県産野菜と合わせた全45品。県内30の旅館や飲食店で今月から提供が始まっており、参加店は「淡水魚のイメージを変えたい」と意気込んでいる。
湖を介した持続的な農林水産業が「琵琶湖システム」として2022年に世界農業遺産に認定されたことを受け、食材の宝庫でもある湖国の食のファンを増やして琵琶湖を守る取り組みにつなげようと、県が参加店を募って新しいグルメ開発に乗り出した。
2月に大津市のびわ湖ホールで新メニューのお披露目会があり、竜王町産のあわび茸(たけ)のカツにゴリのつくだ煮で作ったソースをかけた和風バーガーや、ビワマスフレークや日野菜を混ぜたいなりずしなど、和洋中のバラエティーに富んだ料理がずらりと並んだ。「鯉(こい)のバカンス」「近江の玉手箱」といったネーミングもユニークで、ふなずしと生ふのピザ、近江牛とビワマスのカツなど、意外な取り合わせも多い。
エビ豆コロッケを自家製野菜と味わうサンドイッチに仕上げた湖島婦貴(ことぶき)の会(近江八幡市)は「パン以外は100%沖島産。時間のない人もサンドイッチなら気軽に食べてもらえそう」と期待を込める。ビワマスの漬けや炙(あぶ)りをひつまぶしに仕立てた宝船温泉湯元ことぶき(高島市)は「滋賀を初めて訪れた人にも、シンプルにビワマスのおいしさを味わってほしい」と願った。ビワマスにゆずゼリーなどのかんきつ類を合わせ、一口サイズの手まりずしにした近江懐石清元(大津市)は「淡水魚は地味なイメージ。いかに明るく表現できるか考えた」とした。
県の委託を受けて旅行雑誌「じゃらん」が制作した無料のパンフレットは、参加店のほか、県内の道の駅や観光案内所などで入手できる。問い合わせは県農政水産部077(528)3812