サウスカロライナ、チャールストンの教会の銃乱射事件、21歳の犯人ですが、彼はおそらく精神に異常をきたしていると思いますが、関連で記事で気になったものを。
産経新聞(2015年6月21日)
ネット上に犯行宣言か「黒人は劣等人種」 他人種にも敵意むき出し、FBI捜査
http://www.sankei.com/world/news/150621/wor1506210020-n1.html
【ニューヨーク=黒沢潤】米南部サウスカロライナ州チャールストンの黒人教会銃撃事件で、9人を殺害したディラン・ルーフ被告(21)が事前に作成したとみられる「犯行宣言」が20日、ネット上で見つかった。黒人の「劣等性」に言及した上で殺人行為を正当化しているほか、他の人種にも敵意をむき出しにしており、連邦捜査局(FBI)は同被告が作成したものか調べている。
「宣言」は黒人を「下等人種」と断言し、白人による黒人差別の歴史を「誇張であり、神話だ」と強調。チャールストンを犯行場所に選んだのは、「かつて米国で黒人の比率が一番高かった歴史的な街だからだ」とし、「(殺害以外に)選択肢がない」と身勝手な持論を展開している。
また、中南米系(ヒスパニック)についても「米国人にとって大問題でわれわれの敵」と言明。ユダヤ人についても「血ではなくアイデンティティーが問題。それを破壊すれば、彼らは(米社会で)問題を引き起こさない」と指摘した。
東アジア人については、「生来の人種差別主義者であり、白人の偉大な同盟者となり得る」と、奇妙な連帯感を示している。
(後略)
東アジア人が生来の人種差別者であり、白人の偉大な同盟者-
これで思い出したのは、2011年7月のノルウェー銃乱射事件を起こした32歳の犯人、アンネシュ・ベーリン・ブレイヴィーク。
彼も、日本と韓国が多文化主義に否定的な国として評価し、インターネットの投稿サイトで、「会ってみたい人」として欧州の極右政治家2人、李明博(書きこみ当時)大統領とならんで、(書きこみ当時の首相)麻生太郎の名前を挙げていたとか。
(ウィキペディア
アンネシュ・ベーリン・ブレイヴィーク
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%93%E3%82%AF
この若い2人の犯人は、同じ人種・宗教差別者であっても、その差別意識が微妙に違います。しかし、そうであっても、東アジアに対してリスペクトが共通しています。なぜでしょう。
(ルーフ被告については、もっともらしいことを言いながら、東アジアのサブカルチャーファンという可能性もありそうですが。)
そういえば、前に、私がjapan guideに広告を出したときに返事をくれた、ポーランド人の20代の若者がいました。
彼は日本語学科を卒業したあとは独学で日本語の勉強を続けてきた人で、日本の社会や政治にたいへん興味を持っていたこともあって、質問に答える形で彼とはしばらくメッセージボックスを使ってのやり取りを続けていました。しかし、途中で彼がイスラムやイスラム教徒に偏見・憎悪を抱いているのがわかり、彼との文通はお断り。
彼の日本語レベルや、それ以外の話からも彼が相当のインテリであることは想像できましが、彼は職には就いておらず(仕事にあぶれたというより、仕事につかないで何か研究をしている様子のも思えました)、実家暮らしでした。
チャールストンやノルウェーの事件の犯人の連想で、このポーランドの青年のことを思い出したのはこの青年には大変失礼なのですが、日本や東アジアをパラダイスと思う人間のなかに、こうした人種主義者や民族主義者、およびその予備軍が一部であっても含まれているということ、これはちょっと日本は(東アジアも)考えていかなければならないのではないかと思います。
追記:
チャールストン事件関連の記事をついでに一つ。
市庁舎では未だに南北戦争時の南部連合の旗が掲げられているということに、驚きです。
ハフィントンポスト(2015年6月21日)
「レイシストの旗を降ろせ!」銃乱射事件で揺れるアメリカ
http://www.huffingtonpost.jp/2015/06/21/grief-in-charleston_n_7632898.html?utm_hp_ref=japan