Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

安倍首相とヒトラーの手法、マルティン・ニーメラーの過ち

2013年12月06日 | 人物

現在の日本とナチスドイツの時代が重なります。

最初はナチスを受け入れ、後に反ナチ運動家となって、自らも収容所送りになった神学者のマルティン・ニーメラーの『彼らが最初に共産主義者を攻撃したとき』から:

彼らが最初共産主義者を攻撃したとき、

私は声をあげなかった

私は共産主義者ではなかったから

社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、

私は声をあげなかった

私は社会民主主義ではなかったから

彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、

私は声をあげなかった

私は労働組合員ではなかったから

そして、彼らが私を攻撃したとき

私のために声をあげる者は、

誰一人残っていなかった

(※実際には彼は、ユダヤ人の迫害が始まったとき、何もしなかったと言うことに言及しています。)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BD%BC%E3%82%89%E3%81%8C%E6%9C%80%E5%88%9D%E5%85%B1%E7%94%A3%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E8%80%85%E3%82%92%E6%94%BB%E6%92%83%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%A8%E3%81%8D

ニーメラーですが、彼と一緒に強制収容所にいたLeo Stein(政治犯ではなくてユダヤ人としての囚人でしょう)が、彼に「なぜ最初にナチを支持したのか」と聞いたとき、こう答えたそうです。

I find myself wondering about that too. I wonder about it as much as I regret it. Still, it is true that Hitler betrayed me. I had an audience with him, as a representative of the Protestant Church, shortly before he became Chancellor, in 1932. Hitler promised me on his word of honor, to protect the Church, and not to issue any anti-Church laws.

He also agreed not to allow pogroms against the Jews, assuring me as follows: "There will be restrictions against the Jews, but there will be no ghettos, no pogroms, in Germany."

I really believed, given the widespread anti-Semitism in Germany, at that time?that Jews should avoid aspiring to Government positions or seats in the Reichstag. There were many Jews, especially among the Zionists, who took a similar stand. Hitler's assurance satisfied me at the time.

On the other hand, I hated the growing atheistic movement, which was fostered and promoted by the Social Democrats and the Communists. Their hostility toward the Church made me pin my hopes on Hitler for a while.

I am paying for that mistake now; and not me alone, but thousands of other persons like me.

つまり、ルーメラーは、①「教会やユダヤ人に圧力や危害を加えない」というヒトラーの約束を信じ、そして②ドイツに無神論者が増えることを苦々しく思っていたが故、無神論を駆り立てていた社会主義者や共産主義者を弾圧するヒトラーを支持した、と答えます。

そして、「私は今過ちの償いをしている、そしてそれは私1人ではなく、同類がたくさんいる」と。

さて、ニーメラーの過ちとはなんだったのか-彼の最大の過ちは、「ユダヤ人を迫害するとは思っていなかったのでナチスを支持してしまった」ことではなく、「社会主義者たちへの自分の鬱憤を晴らしてくれたナチスを支持してしまった」というところにあると思います。

今の日本には、ニーメラーと同じような過ちに気が付かない輩が大勢います。

安倍政権が公約を反故にしたり、本当は時間をかけて審議しなければならない法案を(『造反者』を脅したり野党の委員を自分の党の議員に挿げ替えたりしながら)無理やり可決したりしても、「中国や韓国が嫌いだから、彼らに強く立ち向かえる安倍首相はかっこいい」「自分達を有利にしてくれる」と、盲目的、短絡的な人々。

こうした大勢の『過ちに気が付く前のニーメラー』に支えられた日本のヒトラーやナチスの高笑いが聞こえてくるようです。

(そいえば、消費税アップが決まったときに、安倍首相は「増税したのは自分だから、好き勝手に使う」といった趣旨の発言をしたとか・・・。)

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2 コメント

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Yukariさん、こんにちは。以下、長文にて失礼致し... (フランスねこ)
2013-12-08 22:19:15
Yukariさん、こんにちは。以下、長文にて失礼致します。

南アフリカの元大統領、マンデラさんの死(12月5日)が特定秘密保護法案の誕生前夜に重なったのは、民主主義の重要性を私たちに思い出させるための不思議な巡り合わせのように感じます。

「一人一票を求める」
「人間の自由はディスカウントできない。完全な自由を要求する」

マンデラさんが生きた時代と今の日本に多くの共通点があると思います。一人一票が保証されていないこと。自由が抑圧されていること。

白人の話す言葉を学び、白人指導者の一人一人について詳しく調べて共感をもてる部分を探し当てたマンデラさん。スポーツやユーモアのセンスで白人と黒人 の垣根を取り払って行った人です。
黒人と白人の信頼関係を築けたからこそ人種差別政策をやめることができたと思います。改めて、政治家として卓越していたと思います。

マンデラさんが国家の安全を脅かす「テロリスト」として投獄されていた27年の間、「ネルソン・マンデラ」の名は口にするだけで刑務所に送られる禁止用語であり、「国家秘密」でした。マンデラの写真は一切掲載を禁じられていました。そしてマンデラを知る人はほとんどいなくなってゆきました。妻で20年以上の自宅軟禁に遭っていたウィニー夫人の絶え間ない努力が無ければ、その名前は黒人にすら知られることはなかったでしょう。政府は人々がマンデラを忘れることを望み、徹底的な検閲によってその名前を社会から排除したのです。

ある白人の青年は当時の他の白人青年たちと同様、人種隔離政策をとる政府の元での兵役を嫌いロンドンへと向かいました。そして途中駅で買ったマンデラ氏についての本で初めて自国の状況を知ったといいます。

過去から学び、今とどう対峙して行くのかを考えるときが来ているように思います。長文失礼しました。
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フランスねこさん、マンデラさんのお話、ありがと... (Yukari)
2013-12-09 00:02:26
フランスねこさん、マンデラさんのお話、ありがとうございました。

特定秘密保護法について、昨日、スペインの友人とメールで話していました。

彼女は、
「私は政治の話はよくわからないけれど、夫が、こうした法律は文明国では普通にある、と言っていたわ。だけど、日本は特殊な状況にあるようですね。」
というようなことを書いてきてくれました。

私は、
「こうした法律は、『真に国民を思う、理性的な政府のもとで、民主的な手順に従ってできた』としたのなら、大きな問題にはならないかもしれない。が、安倍政権はそれと正反対であり、そして、非民主的な手段で強行してしまうのがお好き。○○に刃物を持たせるようなもの。」
というようなことを書きました。

歴史を学ぶ、ですが、特別秘密保護法云々の前に、この決め方は、まさに数ヶ月前に麻生副総理が言った、ナチスの真似です。

そしてまた、現在は大正時代の治安維持法ができたときの社会情勢とも重なると思います。

安倍政権もですが、彼らを支える人達が、ナチス政権下の人々と重なります。


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