2010年に放映されたNHK『一週間de資本論①〜④』を動画にアップしている人がいました。
1週間で資本論 FC2 Video
https://www.youtube.com/watch?v=dAgzD3GQ0gw
(この番組を、私はすべて観てなかったのでアップしてくださっている方に感謝。)
この番組の第四回目、実は出演していた田中直毅氏が番組上で使っている数字に疑問を抱き、私がNHKに問い合わせをしたものでした。
NHK教育『一週間de資本論④』のPEWデータは間違い
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/24e9f1ed350f8917db1a57a46265ed6e
NHK教育『一週間de資本論』のデータについて番組担当者からの説明
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/d41f9a8f0b19ba3346ed1c78569cb3d2
田中氏が番組で紹介した「国別-自由貿易を支持する人の割合」はPew Researchのデータとなっていたものの、パネルに書かれた数字ははPew Researchの「国別-貿易を支持する人の割合の表」の数値。
私の問い合わせに、NHKからは、
「・・・確かに、ご指摘の通り、紹介されたのは、PEWリサーチの「Views on Trade」のデータです。これを、番組内では、出演者のT氏の訳に従い「自由貿易を支持するか?」という問いに対する調査結果としています。データ自体を取り違えていたわけではございません。・・・紛らわしい表現になってしまい、申し訳ございません。また、紹介すべきだったのは「Views of the Free Market」のデータだったのではないかという御意見、その通りだったかも知れません。その点は、私の力不足だったと思います。」
と返事をもらったものの、「政策関係者がだれ一人、あの数字を疑問に思わないわけがなかろうに」と不思議に思ったものでした。
この番組を観た方がブログに感想を書かれていましたが、
ブロッギン・エッセイ自由への散策
https://ameblo.jp/e-konext/entry-10731247334.html
第四回目については、
「歴史と未来」というテーマだったと思うが,メインコメンテーターの的場昭弘氏と,ゲストの経済評論家の田中直毅氏との対論が中心だったのだが,田中直毅が資本主義や市場経済のもつ柔軟性やダイナミズムを主張して,マルクスの理論を否定するのに対して,マルクス研究では日本で第1人者でもある的場さんが有効な反論をできなかったところが,ある意味おもしろかった。
経済不況の今日,資本主義の矛盾を暴いたマルクスをポジティブに見直そうというのが,番組の趣旨だったと思われるが,それが最終回でひっくり返って,マルクスを否定するような結果にしまった。あの最終回を観た視聴者なら,ほとんどの人がそういう印象を持ったと思う。第1~3回,というか第4回の前半までは,的場さんが『資本論』のエッセンスを素人に本当に分かりやすく解説して,視聴者も多くが「『資本論』って結構おもしろいな」という印象を持ったのではないか。それが最後の最後,4回目の放送の後半で大どんでん返しがあった。社会主義への可能性を完全にシャットアウトし,資本主義経済の懐の深さを視聴者に印象づける結果になってしまったのだ。
もし番組プロデューサーがそこまで見越して,マルクスの限界を指摘する意図を込めて,この番組を作っていたとしたら,すごいプロデューサーだが,まずそんなことはないだろう。」
と。
NHKの方の返事に「力不足」という言葉があったことも併せて考えると、「あの時分に人興味を持つ人が増えていたマルクス-NHK内に単にマルクスをを持ち上げて落としたかった人がいたとか、この番組を知って不満に思った人が、田中氏(21世紀政策研究所理事長・2007年国際公共政策研究センター理事長)をゴリ押ししてきたとかではないか?」と思えてきます。
(動画はまだ全部見ていませんが、数字の訂正テロップは流していませんよね、きっと。)