Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

「中国ガス田」と2006年のメール・90年代共同開発を断った日本、今は政治利用?

2015年07月22日 | 国際・政治

読売新聞(2015年7月22日)
中国ガス田施設の写真公開へ…日中中間線で開発
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150722-00050132-yom-pol 

政府は、中国がガス田開発を巡り東シナ海の日中中間線付近で建設を進めている海洋プラットホーム(海上施設)の状況を示す航空写真など証拠資料を公表する方針を固めた。 

22日午後にも菅官房長官が記者会見で発表する。海上施設が軍事利用されれば日本の安全保障に重大な影響を及ぼしかねないため、一方的な開発状況を国際社会に訴えることで中国をけん制する狙いがある。 

(後略) 

2006年1月に知人に送ったメールを思い出しました。途中省略、一部編集して貼り付けます。(後半の話はガス田からは離れますが。) 

「○○ 様 

(前略) 

元日の東京新聞に日本エネルギー経済研究所の内藤理事長(旧通産官僚)のインタビューが載っていました。 

「約十年前に中国からの要請を踏まえて、日米企業が東シナ海で中国との共同開発をしようとの構想を進めようとしたが、日本の行政が問題の先送りをしたので動かなかった。あの時進めておけば、現在日本が提案しているのと全く同じ共同開発が実現していただろう。」なんてしゃべってしまっていました。 

昨年の2月から「東シナ海のガス田は中国が日本に相談することなく勝手に開発」「輸銀はそれにアンタイドローンを出した」とメディアはこぞって、中国叩きの材料にしていましたが、行政はやはり都合の悪いことは言わなかったのですね。 

いったい、10年前なぜ先送りしたのでしょうか。 

(中略) 

なお、この内藤理事は「原発力を中枢にすべき」と息巻いていました。 

(中略) 

資料が古いので現状はわかりませんが、日本が原子力発電に頼っている割合が主要国の中では第3位。4位のドイツは原発をこれ以上作らないと決定していたようだし(その代わりお隣フランスから電気を買っているので、間接的に原発に頼っている)、ヨーロッパの多くの国では今の段階で原発をなくしていこうとしています。二酸化炭素のこともあるし、最近ロシアのこともあるので今後どうなるかなんともいえないでしょうが、ここでも日本はアメリカの真似なのでしょうか。 

原発は、その危険性や廃棄物の問題を考えれば、それが歓迎されるものでないのは一目瞭然。ただ、水力、風力、太陽光、メタンガス、波による発電が主流になるまでに時間がかかるとしたら、今反対している国なども、どんどん原発の負の部分には目をつぶり(もちろん安全性の面で技術は向上していくのでしょうが)、良い点だけを誇張していくのでしょう。そして残念なことにそれには政治家などの利権もからんでいたりするでしょう。 

新しいエネルギー確保よりも、本当は省エネが先なのですが、企業の利益優先のため見直しされることがないように思われます。(「自動販売機」「24時間営業・年中無休営業店」「高い公共交通機関」を見直し、素人レベルでも思いつきますけれど。) 

 日中間から拡がっててきた興味が、とうとう原子力にたどりついてしまいました。いずれにせよ、それらを解決するのは"人間の良識”ですね。 

(後略) 

ゆかり」 

この、「(90年代)なぜ先送りにしたのか」という件ですが、これはこのあと調べて、「「採算が合わない」という理由で日本は見送った」というのを知りました。 

また、今改めて考えると、他にも、「日本は化石燃料ではなく、電力を原子力でまかなう方にシフトを切る考えでいたから、今ほどガス田に魅力がなかったのか」とか、「(もともと採算に合わないようなことだし、)当時は中国ともめごとを起こす必要もなかった」なども、あったのだと思います。 

ともかくも、この流れが変わったのが、小泉政権。
このガス田は、尖閣諸島同様に、世論操作にはもってこいだったでしょう。 

(・・・と言いながら、私は中国の味方をするつもりもありません。
中国に関しても、本来だったら、「90年代に、日本に共同開発を持ちかけたのに、断ったのは日本だ!」と反論できるところをしない。それは、今はもう、自分のところで独り占めしたいからでしょう。)

※2008年福田首相のときに日中共同開発合意。(次回のブログへ)

今もまた、安倍政権は、この中国のガス田で、「中国は危険だ!」コールをはじめました。
もう見え見えです。 

なんて書いていると、一部の人達から「国賊」と言われそうですね。

(私にとっては、“国賊的”とは、「自分は安全なところにいて、国民の命や危険を米国がする戦争にささげさせることや、国民の大半が反対をしているのに、何千億円の巨大な生ガキ建設を押し通したり、イスラエルの会社と組んでカジノを建設しようとたくらんでいる現政権」のほうですが。) 

でもついでにもう一人の“国賊的”な意見も貼り付けましょう。 

大前研一のニュースの視点Blog (2015年7月17日)
中国ガス田開発・尖閣諸島問題・上海協力機構~中国ガス田開発に目くじら立てる必要は全くないhttp://www.lt-empower.com/ohmae_blog/viewpoint/1237.php 

中国ガス田開発に目くじら立てる必要は全くない

中谷防衛相は10日、中国が東シナ海に建設している新たな海洋プラットホームが軍事拠点化される可能性に言及し、日本の安全保障にとって新たな脅威になるとの認識を示しました。

東シナ海のガス田開発をめぐり、中国が2013年6月以降、日中中間線の中国側海域でプラットホームの建設を拡大しており、菅官房長官も記者会見で「中国側の動きを注視し、引き続き警戒監視をしっかり行っていきたい」と牽制しています。

私に言わせれば、中国がガス田を掘りたいなら好きなようにさせれば良いのです。私はボーダレス経済の提唱者です。もし中国がガス田を掘り当てたのなら、安い国際価格で買ってあげればいいだけです。

オホーツク海で「流し網漁」が禁止された時にも騒がれていましたが、あんな危険な海で漁業をするのはロシアに任せて、収穫されたものを購入すればいいのです。どうしても「日本がやらなくてはいけないこと」ではないのなら、目くじらを立てる必要はないと思います。

軍事拠点としての活用に懸念しているというのも、私には不思議です。もし本当に中国が軍事拠点を置くのなら、もっと尖閣諸島に近い場所のほうが良いでしょうし、あえてこの場所を選択しないと思います。

仮にその可能性があっても、採掘に利用されるリグを破壊するのはそれほど難しいことではないでしょう。

また、根本的に今回の中国ガス田に関して言えば、採算がとれる可能性は非常に低いと私は見ています。同じような事例を見ても、深いところまで掘ってみたものの採算コストがかさんでしまい、黒字にならない場合がほとんどです。

中国は経済の成長が止まってしまっていますし、このガス田も下火になっていくと思います。 

(後略) 

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