海外の若い女性で時々意見交換ができる人を募集したとき、「女性ではないけど、あなたと話しがしたい」と連絡をくれた20代半ばの若いアメリカ人男性がいました。
彼は電機業界の仕事をしていて、趣味にアニメやゲームがあるというものの、歴史、政治、哲学にも興味があるという男性で、礼儀正しくもあり。
しかし、話をつづけたところ、彼が非常に戦争・軍隊に興味を持っていて、一番興味がある人物が、ナポレオンとゲッペルス(ナチスの宣伝相)。
私は「私も近現代史が好きで19世紀後半から20世紀の戦争には興味がありますが、『戦争』への関心は、戦争をなくすための戦争のメカニズムの分析、戦時中に自分の信念を貫きとおした人達について調べる、といったことなんです。」ということも書きくわえた上で、やり取りはすぐお断りしました。
これで思い出したのは、私のスペイン人の友人の一人の話。彼女の夫は大手金融機関の要職についている人で、やはり、『戦争や軍隊』に興味があります。
その彼が、仕事でのストレスが溜った時のストレス発散法の一つが戦争のバーチャルゲームで遊ぶこと。
各々の戦闘自体に興味がある彼につきあって映画を観ることがある友人は、私にクリント・イーストウッドが撮った日米の戦争映画2本を薦めてきて、「あなたはこれらを観た?あなたの感想を聞きたいから、観ていないなら観て。主人が硫黄島などに非常に関心を持っているの。」と言ってきたことがありました。(私は、「戦争映画でも、軍隊や戦いがメインになっているものは観ない」と言って断りました。)
彼女自身はご主人ほどには戦争に興味があるわけではないですが、「戦争は文化を作り上げてきた」という考えも持っています。(ただし、たとえば上記の若者が挙げたナポレオンなどは、スペイン人の彼女から見れば『侵略者』。彼女はナポレオンが英雄史されていることを許せないようです。)
この彼女夫婦のことだけではなく、欧米人と話していると、「戦争に関する観念は彼らは理解しあえないところがある」などと思うことはたびたびありましたが、これは私が敗戦国出身だからなのか、それとも・・・。
さて、スペインですが、私は正直なところスペインは(スペインの友人達には申し訳ないのですが)興味があまりないのですが、唯一、独裁者でスペイン内戦以降も自由主義者を含む反対派を迫害してきたフランコ将軍が戦後もずっと政権を握ってこれたところには興味(というより、「違和感」)がありました。
第二次世界大戦前は日独伊と協力体制をしいてきたものの、戦争が始まるとフランコ将軍は中立を保ち、ユダヤ人の逃亡を助けた側であり(これは別の見解を述べる人もいるそう)、反共であることから、国際世界(米国)から大目にみられてきたのはわかるとしても、彼が1969年に病で倒れるまで国のリーダーであったのはどうしてなのか。
ウィキペディア
フランシスコ・フランコ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B3
これは、一寸微妙な問題なのでスペインの友人達と意見交換をしたことがありませんが、これは敗戦後も(戦犯だった)日本の長州閥達が戦後もずっと日本の中枢で日本を動かしてきていた(いる)理由と同じなのでしょうかね。
フランコ政権が第二次世界大戦中は日本より賢かったのを除けば、共通点が多い気がします。
(皇室がある点、親米反共、財閥と政治家の癒着など、ドイツなどよりずっと日本に近い気がします。)