アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

番組紹介:「脱北者たち 大阪・八尾に生きて」(関西テレビ)

2011年06月28日 00時15分14秒 | 北朝鮮・中国人権問題
※超久しぶりに北朝鮮関連の話題をアップします。内容は標記テレビ番組の紹介・告知です。かつて私も何度かお会いした事のある山田文明さん(北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会・前代表)による、大阪を舞台にした脱北者支援活動がテレビで取り上げられます。放送時間帯が時間帯なので、私自身も見れるかどうか定かではありませんが、もう明日深夜(明後日未明)に放送されるとの事なので、とりあえず告知だけ先にしておきます。

-------------------------------------------------
第20回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『脱北者たち 大阪・八尾に生きて…』
(制作:関西テレビ)
大阪府八尾市には約30人の脱北者が、支援者を頼り、ひっそりと暮らしている。彼らは「地上の楽園」と宣伝された「帰国事業」で、北朝鮮に渡ったものの、食糧不足や政治弾圧に絶望した在日朝鮮人や日本人だ。最近、脱北した夫妻は、八尾での生活をスタートしたが、日本語も話せず、仕事もない日本社会の厚い壁に直面している。彼らを取り巻く日常を通じて、日本で暮らす脱北者の日常を描く。

<2011年6月28日(火)26時45分~27時40分>

 大阪府八尾市。今この街で、約30人の脱北者たちが身を隠すかのように、ひっそりと暮らしているという事実は、あまり知られていない。彼らは1959年、朝鮮総連などが「北朝鮮は地上の楽園」と宣伝した「帰国事業」に乗じて北朝鮮に渡ったものの、北での食糧不足や政治的弾圧に絶望し、命がけで脱北した在日朝鮮人や日本人妻たちだ。第20回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『脱北者たち 大阪・八尾に生きて…』(制作:関西テレビ)では彼らを取り巻く日常を通じて、日本で暮らす脱北者の現実を描く。

 日本政府は人道的立場から、脱北した帰国者たちの日本への入国と定住を受け入れてはいるが、日本語の習得や、日本社会への適応、そして就職など、多くの壁に直面する彼らに対する公的支援は、事実上、生活保護以外には行われていない。脱北者たちが八尾で暮らす理由、それは彼らを献身的に支援してくれる山田文明氏(大阪経済大学准教授)がこの街に住み、心の支えになってくれるからだ。山田氏は、脱北者支援のための非政府組織「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」の副代表として、これまで十数年にわたり、中朝国境での脱北者の保護や、八尾で暮らす脱北者たちの生活自立のため、尽力してきた。大学准教授としての収入は、ほぼ全て脱北者支援のために使い果たし、自らの生活は、妻の収入に頼っているのが実状だという。山田氏の過去を探ると、2003年には中国・上海で脱北者とともに公安当局に拘束され、国外退去処分を受けたほか、2006年には北朝鮮の人民保安省から「北朝鮮人拉致・誘拐の罪」で逮捕状が出されるなど、学者に似つかわしくない、勇ましい経歴がある。山田氏は、「1990年代、北朝鮮の実態を知り、自然と脱北者支援を始めるようになった」と話す。帰国者の家族から、北の惨状や帰国者に対する差別・抑圧の実態を直接聞いたことが、活動の原点だという。

 つい最近、山田氏を頼って、また新たな脱北者夫婦が八尾にやってきた。呉さん(仮名)夫婦(夫:60歳代、妻:50歳代)は、中朝国境を越えて脱北した後、アジアの第三国を経由して日本にたどり着いた。呉さん(妻)は幼少期まで、西日本のある街で過ごしていた在日朝鮮人だ。1960年代に、家族とともに北に渡り、その後、北朝鮮で現地の夫と結婚。子どもも生まれたが、夫が北で不法逮捕されそうになったことをきっかけに脱北を決意。しかし、何度か脱北に失敗し、夫婦ともに逮捕され、政治犯収容所では拷問も受けた。当初、支援者の家に身を寄せていた呉さん夫婦は、日本での自立をめざし、つい最近、アパートを借りて、八尾での生活をスタートさせた。しかし、日本に来てまもない二人は、日本語を十分に話すことができず、就職もできないまま、日本社会の「さまざまな厚い壁」に直面しながら、日々を過ごしている。呉さん夫婦を支援するため、日本語の習得には、先輩格の脱北女性が協力しているほか、山田氏も、呉さん夫婦の日本での就職のために、日々奔走している。

 この番組では、八尾で新しく生活を始めた呉さんや、彼らを助ける、別の脱北者たちの「生きざま」を描く。なお、ナレーションは、同じ脱北者の一人で、関西在住の女子大学生、リ・ハナが担当する。

■リ・ハナ氏 プロフィール
大阪在住。1980年代半ば、北朝鮮で生まれる。両親は帰国者で、2005年日本にやってくる。
アルバイトをしながら夜間中学校に通い、日本語を勉強して2009年、大学に合格。現在通学中。

■井筒慎治ディレクターコメント
 「脱北者」とは、「自分とは関係のない遠い世界にいる人たち」と、考えていましたが、自分たちの取材エリアである大阪府八尾市を拠点に、山田文明氏らが、 15年以上も前から、脱北者の日本への入国、そして定住のための支援活動を行っていると知ったとき、己の無知を恥じました。理不尽な「金王朝の独裁」を乗り越え、命がけで脱北した彼らは、日本に入国後も、日本語の習得や就職など、「日本社会の厚い壁」に直面して、苦しみ悩み続けることになります。番組に登場する呉さん夫婦が取材中に漏らした「北朝鮮でも中国でも死にたいとは思わなかった。日本に来て初めて死にたいと思った」という言葉は、実に重いと感じました。事実上の「難民」である彼らに対し、今後どのような支援策を構築すべきか? 番組を通して、考えていただければと願っています。

■番組概要
◆番組タイトル
第20回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『脱北者たち 大阪・八尾に生きて…』(制作:関西テレビ)

◆放送日時
2011年6月28日(火)26時45分~27時40分

◆スタッフ
 プロデューサー 土井聡夫
 ディレクター  井筒慎治
 撮影      孝岡則夫(エキスプレス)
 編集      中島福夫(TEFU2)
 監修      徳永俊彦(関西テレビ社友・芦屋大学講師)
 MA       中嶋泰成(テレコープ)
 効果      西原長治(テレコープ)

 http://www.fujitv.co.jp/b_hp/fnsaward/20th/11-137.html
-------------------------------------------------

(過去の参考記事より)
・どちらも国家犯罪の犠牲者だ(2009年12月01日)
 http://blog.goo.ne.jp/afghan_iraq_nk/e/da29ccc84888d8ef20ca94a49b6a8bd4
・クロッシングの絶望と希望(2010年05月10日)
 http://blog.goo.ne.jp/afghan_iraq_nk/e/3592751ce14fdec3381ba1ffdcdb305d
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« JCO事故と六ヶ所村の悲劇... | トップ | 続・JCO事故と六ヶ所村の... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
見られたくない方の北朝鮮番組だったのでは (プレカリアート)
2011-07-01 00:29:15
 このテレビ番組を勧めて下さった方曰く、「深夜番組ですが録画してでも見て欲しい」と仰っていましたが、生憎私の家は、最近ようやくテレビを地デジに変えたばかりで、ビデオデッキまで買い揃える余裕がありませんでした。若しこれがゴールデンタイムの放送で、当日残業も無ければ、私もてっきり見ていたでしょう。

 単に「脱北者は可哀想」というだけでなく、脱北者自身のもつ弱点・欠点までさらけ出して、そういう「奇麗事だけでは済まない現実」も明らかにして、脱北者支援の困難さと支援・定着の必要性を訴える。
 ここでは、ただ単に脱北者に対してだけでなく、特定永住者(在日コリアン)やその他の在留外国人・難民に対する日本社会の在り方までもが、同時に問われていると思います。現に、私の職場でもアルジェリア人の同僚がいて、周囲の日本人労働者との間で微妙なすれ違いが起こっているという実態があります。その打開策を探る上でも、色々と考える良い機会になったかも知れないのにと、悔やまれてなりません。

 しかし、今まで北朝鮮関連の番組といえば、特にフジ産経グループの関西テレビなどは、「横田めぐみ」関連や「喜び組」「金正恩」などの「有名人&キワモノ&お涙頂戴」番組はずっとゴールデンタイムで放送していたのに、何故この番組については、ここまで超深夜の時間帯に押しやってしまったのでしょうか。(夜2時45分から3時40分になんて放送しても、一体誰が見れるのか)

 「今は一頃と違い、北朝鮮モノでは視聴率は稼げないから」というのも確かにあるでしょうが、それだけが理由ではないでしょう。はっきり言って、「脱北者を本音では厄介者扱いの政府・財界にとっては、どちらかと言えば好ましくない番組だったから」という理由もあるのでは。先の「有名人&キワモノ&お涙頂戴」系番組を、政府・財界の意向に沿った「表の北朝鮮番組」とすれば、こちらは「裏番組」としての扱いだったのでは。
返信する
Unknown (三浦小太郎)
2011-08-21 07:25:51
日本に入国した脱北者は200 人前後になっていると思います。脱北者が初めて日本に入国したころは、受け入れ後のことなど考える余裕もなく、〝身元引受人がないのなら、私たちでするしかないと次々に引受人になり、受け入れてきました。最初のころは、入国管理局でも市役所や区役所でも前例のないことに戸惑い、私たちも法制度が分からず、手探りの状態でしたが、必死の熱意と努力で、時には思わぬ協力者にめぐり会うことで、なんとか日本定着への支援をしてきました。それからもう10 年が過ぎました。

脱北者受け入れに対する政府の対応は小さな一進一退があっただけで、定着支援の具体策がないまま過ぎたことは、私たちの予想や期待を大きく裏切るものでした。
これからの脱北者の受け入れを考えると、具体的な定着支援の仕組みを私たちなりに作っていかなければ、もはや対応できない事態になっています。(後略)

北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会ホームページに掲載されている、機関紙「カルメギ」の最新号10ページの記事です。http://hrnk.trycomp.net/
執筆者は守る会副代表の山田文明氏。ご一読いただければ幸いです。

そして、この番組に対する視聴者、特に当の脱北者からの意見は、私の聞く限りは否定的なものが多いのが事実です。そして、財界や政治家だけが脱北者を厄介者扱いしているのではありません、むしろ政治家や財界にとって、200人の難民の存在など目に留まっていないというのが実情ではないでしょうか。現在の日本社会そのものが、彼らに関心がないというのが実態です。保守派に限らず、左派や人権派の集会で、彼らについて語られることがどれだけあるでしょうか。

もちろんこれは運動の側の力量不足もあるともいます。同時に、脱北者の側も、自分たちの問題を自分たちで解決しようという意識が欠けていることも残念ながら事実です。そして私たち支援者もまた、彼らとよい関係をつくれていません。そういう問題を少しでも明らかにしただけ、この番組には意味があったかと思います
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

北朝鮮・中国人権問題」カテゴリの最新記事