アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

これでは替え玉投票もやり放題ではないか

2017年10月22日 22時14分46秒 | 戦争法ではなく平和保障法を

上記の記事は、「戦後最低の投票率52.66%を今回は更に下回るか?」と、他人事のような言い方で、まるで投票に行かない有権者だけが悪いように書いています。しかし、中選挙区制だった今から21年以上前は、上記の図にもあるように、投票率が7割前後ありました。1選挙区に2~5名当選できるので、同士討ちや派閥政治の弊害もある代わりに、色んな人が当選出来て、選挙も、それなりに盛り上がっていたのです。それが、1選挙区に1人しか当選できない小選挙区制に変わった事で、「寄らば大樹の陰」とばかりに、金や知名度のある与党や大政党にばかり票が集まるようになってしまいました。そして、金欲しさの離合集散が繰り返された結果、みんな白けて選挙に行かなくなってしまい、ますます安倍や麻生みたいなのが頭に乗るようになってしまったのです。

 安倍の森友・加計隠し解散で始まった衆院選も、遂に投票日を迎えました。今夜にも大型の台風21号が本土に上陸すると言われる中で、本降りの雨の中を投票場に出かけなければなりません。しかも、私の場合は、親父と喧嘩して住民票を移さないまま実家を出て来たので、投票するには、わざわざ実家近くの投票場まで、電車に乗って出かけなければなりません。台風接近に備えて、事前に期日前投票を済ませておこうとも思いましたが、ちょうどこの日は、転居後も隔週ごとに通っている実家近くの鍼灸院で診てもらう予定もあったので、治療の帰りに、近くの投票場に立ち寄る事にしました。
 実家近くの投票場は、私がかつて通っていた小学校です。私が通っていた頃は木造だった校舎も、今や立派な鉄筋コンクリートの校舎に代わっています。校舎や校庭、体育館の配置も、私の小学生時代とはガラッと変わってしまいました。そこには、昔通っていた母校の面影は、もはやありません。

 事前に実家のある市役所に電話で確認していたので、別に投票場の入場券がなくとも投票できる事は知っていました。でも、宣誓書に署名しなければならないと聞いていたので、投票所の窓口で、どこで宣誓すれば良いか聞いたら、「別にそんなもの必要ない」との返事でした。それどころか、身分証明書の提示も求められなかったのには、少々驚かされました。係員から住所と氏名を聞かれ、答えたらそれをすぐに有権者名簿と照らし合わせ、白紙の投票入場券に鉛筆で記入してくれました。さすがにそれだけではまずいだろうと思い、わざわざ自分の方から運転免許証を見せたぐらいです。
 そして、係員に書いてもらった自分の名前の入場券を名簿対照係の人に渡し、代わりに小選挙区、比例区、最高裁判所長官国民審査の投票用紙をそれぞれ受け取り、記載台で意中の候補者名や政党名を書き、投票箱に入れて投票場を後にしました。校庭も帰り道も既に雨で水浸しで、私の靴もみるみるジュクジュクになってしまいました。ニュースでは、既に大阪府内でも泉州地域を中心に、避難指示が続々と出始めていました。台風で電車が止まる恐れもあるので、夜のWワークも今日は休む事にして、早々に故郷を後にしました。

 それにしても、投票場の入場券を持っていない人には、身分証の提示ぐらいは求めなければいけないのではないでしょうか?そうしないと、替え玉投票も幾らでも出来てしまうではないですか。最近の若い子はほとんど選挙なんていきません。そこに目をつけた会社が、人事・総務部門を動員して、従業員になりすまして企業ぐるみで替え玉投票する事も、やろうと思えば可能です。また、投票用紙への記入がボールペンではなく鉛筆なのも、考えてみればズサンな話です。鉛筆では、幾ら改ざんされても分かりません。せめてボールペンにして、筆跡が残るようにしておかなければならないのではないでしょうか。逆に、最高裁長官の国民審査のように、先に投票用紙に候補者名や政党名をあらかじめ印刷しておいて、投票では意中の候補者や政党名に〇を入れるようにしても良いかも知れません。それなら、今のように、「民主党」と書かれた投票用紙が一杯出て来ても、「自由民主党」「社会民主党」「立憲民主党」のどれに入れるつもりだったのか、判断に迷う事もないでしょう。
 そのくせ、いくら投票用紙が個人別になっていても、配布されるのは、あくまでも世帯ごとなので、完全に個人には行き渡りません。しかし、私のような人間や、もっと悲惨なDV避難者の方なぞは、元の配偶者に現住所を知られるのが嫌で、転居しても住民票を移せない人も少なくありません。でも、そういう人にも選挙権はあるはずです。投票するのは、あくまでも個人なのだから、投票場入場券は世帯別ではなく個人別にちゃんと配布した上で、替え玉投票防止の為に、入場券不所持の人には、最低限でも身分証の提示を求めるべきではないでしょうか?

 それでなくても、日本の選挙は、何百万もの供託金を積まなければ選挙にも出られない等の、不当な制約が余りにも多すぎます。「高い供託金を設けているのは、泡沫候補の乱立を防止する為だ」と言いますが、それの一体何が問題なのでしょうか?たとえ泡沫候補であったとしても、誰も出ないよりは立候補者が一杯いた方が、選挙も盛り上がります。それが本来の民主主義ではないでしょうか?
 じゃあ、高額な供託金さえ積めば、もうそれで泡沫候補ではなくなるのでしょうか?むしろ逆に、自分の信念も何もなく、ただ出世欲、権力欲だけで政治家になった人間でも、金さえあればどうにでもなるので、二世議員やタレント議員、「政界渡り鳥」みたいな議員ばっかりになってしまったのじゃないですか。その挙句に、もうバカらしくなって誰も選挙に行かなくなり、投票率低下に歯止めがかからなくなってしまったのじゃないですか。タレント候補みたいなのが出て、仮に一時的に投票率が上がったとしても、政策そっちのけで、ただの人気投票みたいな選挙に成り下がってしまったのじゃないですか。
 たとえ今は泡沫であったとしても、本当に大衆から支持されれば、ゆくゆくは有力候補に代わる事もあり得ます。現に、今の立憲民主党の候補がそうじゃないですか。逆に、有力候補と見られていても、単なる人気取りである事がばれて泡沫候補に成り下がる事だってあります。現に、今の「希望の党」の候補なんか、既にそうなりかけているじゃないですか。そもそも、その候補が泡沫であるかどうかを判断するのは、選挙区の有権者であって、国や選管ではないはずです。

 また、政党助成金というのも、考えてみればおかしな制度です。「政治には金がいる、個人献金だけではまかないきれない」からと、企業・団体献金を廃止する代わりに、国が政党の議員数や得票数に応じて、各政党に国から助成金を配分するようになりました。これが、政党助成金制度が導入された表向きの理由です。これを政府は、「民主主義のコスト」だと言って、国民に一方的に押し付けて来たのです。
 でも、本当に金を払ってまで民主政治、議会政治の発展を望むのであれば、むしろ大政党よりも小政党や無所属候補にこそ、手厚く配分するのが筋です。現に、自民党と共産党を比べたら、議員一人当たりの質問回数も、受け付ける請願件数も、後者の方がはるかに多いのが実情です。政党活動も、後者の方がはるかに活発です。自民党の活動なんて、その大半が料亭政治か、森友・加計みたいな代物ばっかりじゃないですか。でも、共産党は政党助成金を「国のひも付き」だと言って拒否しているのに、自民党は逆に「もっと寄こせ」と、増税の口実にする始末です。

 なぜ、競馬のハンデ(負担重量)が、新人騎手や弱い馬に軽く、ベテラン騎手や強い馬に重いのか?単なる弱肉強食だけでは、前者はなかなか後者の壁を乗り越える事が出来ない。それでは新人騎手や次世代の馬が育たないし、競馬界も発展しない。そこで、定量戦や別定戦だけでなく、ハンデ戦も設ける事で、新人や次世代の馬を発掘しようと努めているのじゃないですか。一見、弱肉強食の実力主義に見える競馬ですら、不利なニューフェイスへのフォローもそれなりにちゃんとやっているのです。政党助成金も、それを本当に「民主主義のコスト」と考えるのであれば、これと同様に、むしろ小政党や無所属候補に厚く配分すべきじゃないでしょうか?
 ましてや、自分の党が助成金頼みなのを棚に上げ、共産党の「しんぶん赤旗」拡張を「押し売り」だとやり玉に挙げるのは、お門違いも甚だしいと言わざるを得ません。「国のひも付き」に頼らずに、自分の力で政党を運営してこそ、初めて本当の政党と言えるのです。政党助成金も、元は私たちの税金です。なぜ、支持してもない政党に助成金なぞくれてやらないといけないのでしょうか?これ以上、私たちの税金にたかるのは止めて下さい。他党の活動にケチをつける前に、自党の助成金漬け、ヒモ付き援助漬けの体質をまず見直すのが筋でしょう。

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