・「新型うつ病」は首に原因とする学会発足 雅子さまも？ 治療で治せる（Ｊ－ＣＡＳＴニュース）
従来のうつ病とはタイプが異なる「新型うつ病」が精神科医の間でも注目されているが、この病気は精神病ではなく、首が原因で治せると主張する「日本新型ウツ病学会」が昨年2011年12月に発足、12年1月26日に記者会見を開いた。
学会理事長に就任した松井孝嘉・東京脳神経センター理事長 (脳神経外科) は「首からの新型うつ病の最も典型的な患者は皇太子妃の雅子さまではないでしょうか。毎年3万人超の自殺者の多くもこの病気であり、精神科では治らない」と早期の対応の必要性を訴えた。（以下略）
http://www.j-cast.com/2012/02/19121144.html?p=all
もう少し早めにこの記事についての感想をブログに書くつもりでいましたが、諸般の事情で今になってしまいました。
まず、私がこの記事を読んで思ったのは、取り上げる順序が逆だろうという事です。「毎年3万人超の自殺者の多くもこの病気」だというのであれば尚更、「皇太子妃の雅子さま」一人の事よりも、そちらの問題から取り上げるのが筋でしょう。その上で、雅子さんの悩みもそれとは無関係ではないと書くべきではないですか。少なくとも、雅子さんもその他の自殺者も、同じ一人の人間としては平等であり、差別される筋合いは一切ありません。日本国憲法の第１４条においても「全て国民は法の下の平等である」と書かれています。だったら、より普遍的な問題で対象者も多い自殺者の問題から筆を進めるべきでしょう。それがこの順序では、雅子さんの方が主で、自殺者の方はまるで付け足しみたいじゃないですか。こう言うとひょっとしたら、脱原発や消費税や橋下問題が予断を許さない中で「何を些末な事を取り上げているのか」とか、或いは逆に「皇族を批判するとは何と畏れ多い」（笑）と取られる向きもあるかも知れませんが、日本人の「民主主義」「人権」「主権者」感覚の希薄さが、こんな所にも現れているのではないでしょうか。
何故こんな事を言うかというと、この「新型うつ病」＝頚性神経筋症候群（頚性うつ、首こり病、ＣＮＭＳとも言う）の問題は、私にとっても無縁ではないからです。斯く言う私自身も、もう大分以前の生協正職員時代から、類似の症状に悩まされてきたからです。幸いうつ病や自律神経失調症を発症するまでには至らなかったものの、私も首の特に左付け根の所に大きな硬結（しこり様のグリグリ）があり、そこから来る首こり・肩こり・腰痛や眼精疲労・ドライアイに悩まされてきました。この硬結は、幼児時代のプールサイドでの転倒事故に因るものですが（多分）、小さい頃はそんなに気にはなりませんでした。それが近視の影響もあって、次第に猫背や眼精疲労にも悩まされるようになりました。
それに生協時代の低温環境下（冷凍庫・冷蔵庫・作業場）での長時間労働や、当該職場でのパワーハラスメント横行（主義主張は民主的でも職場運営は軍隊式）が加わり、身体的にも精神的にも強い緊張に晒され続けてきました。生協退職後は精神的緊張からは解放されたものの、以後も結局「餅は餅屋」で主に物流センターでの商品の検品・仕分け・搬送業務に就く事になり、それにここ十数年来のパソコン・携帯使用や加齢の影響が加わり、腰痛・頸肩腕症の慢性症状に日常的に悩まされるようになってしまいました。
・頚性神経筋症候群（ウィキペディア）
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A0%9A%E6%80%A7%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E7%AD%8B%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4
・最近の「うつ症状」は、頚筋症候群（頚性神経筋症候群）を疑え！
http://profile.allabout.co.jp/w/c-51875/
・男性更年期？ それともうつ症状？ 不定愁訴と頚性神経筋症候群（週刊ダイヤモンド）
http://diamond.jp/articles/-/11388
・ＣＮＭＳ 頚性神経筋症候群の啓蒙と克服をすすめる会
http://www.cnms.info/
それは何も私だけの問題ではありません。他にも同じような労働者が一杯います。でなければ、腰痛や頸肩腕症がここまで広がる筈はないし、毎年３万人（実際はもっと多いと言われている）もの自殺者が出る筈がありません。
以前に、埼玉県のニコン熊谷工場で、過労とパワハラに苦しめられた末に、自殺に追い込まれた派遣社員（上段勇二さん）の労災認定問題が世間の耳目を集めた事がありましたが、この自殺の引き金になったのも頚性神経筋症候群だと言われています。つい最近も、居酒屋チェーンのワタミで女性店員の過労自殺があり、それに対して、ワタミ社長が他人事のようなコメントを出して社会の指弾を浴びました。似たようなブラック企業は他にも一杯あります。
・「上段さんの過労自殺裁判を勝たせる会」ＨＰ
http://www10.ocn.ne.jp/~karoushi/
・就職２カ月で過労自殺 居酒屋チェーン「和民」の２６歳女性（神奈川労連ニュース）
http://www.kanagawa-rouren.jp/archives/151
「新型うつ病」は、単なる「首こり、肩こり」でもなければ健康問題でもない。また雅子さんやうつ病患者だけに限った問題でもない。その背景には過労・自殺問題や、それをもたらす劣悪な労働条件や「蟹工船」的搾取、貧困・格差の広がりがある。
そんな大事な人権問題を、何故マスコミはもっと取り上げないのか。それを殆ど取り上げずに、雅子さん・愛子さんや天皇・皇室の問題だけに矮小化するのは、どう贔屓目に見ても片手落ちであり、はっきり言って差別以外の何物でもないと思いますね。
その上で、雅子さんたちの問題も、たとえ皇族と言えども、政治的実権のない個人に対して、寄ってたかって興味本位に書き立てるのはプライバシーの侵害であり、過労・自殺問題とも人権侵害という点では根っ子は同じだという視点で、この問題についても取り上げるべきではないでしょうか。少なくとも、マスコミがジャーナリズムや「社会の木鐸」として認知されたいのであれば。
にも関わらず、なぜ私が今回敢えてマスコミの皇室偏重姿勢を問題にしたかというと、それが日本人にもよく見られる奴隷根性や古くさい権威主義の元凶になっていると思うからだ。未だに国旗・国歌への無条件忠誠を求めるのは、実際には中国・北朝鮮や途上国の独裁国家に限られている。少なくとも先進国の中では少数派だ。だから、国旗・国歌問題を内心の自由から切り離して、ルールだから守れと無条件に忠誠を説く橋下の方が、よっぽど異常なのだ。それを異常とも思わない奴隷根性こそが、ブラック企業の「蟹工船」的搾取をのさばらしていると思うからだ。
たとえば、日本人の順法精神や公共道徳心の希薄が、権威への卑屈で置き換えられているみたいなこととかも広義の「奴隷根性」でしょうね。
７０年代頃までは、日本中いたる所でよく「その筋のお達しにより」という禁止事項告知の注意書きを眼にしましたよね。例えば、映画館などの娯楽施設で「その筋のお達しにより館内での喫煙はご遠慮願います」とか「その筋のお達しにより○○は禁止されています」みたいな。
つまり、本来なら理性的な遵法意識やマナー意識によって守られるべき事柄が、大衆の奴隷的恭順を利用して順守されるｗ
日本社会では「長いものに巻かれる」とか強い者や権威に屈服するみたいなのが日常化している。理屈による説得や納得じゃなく、権威・権力による強制への屈服が巾をきかせている。
現在もなお残る封建制の母斑ということでしょうか？
（そうそう、この問題と同様だと思いますが、小太さんあたりが嘆く日本人の人権意識の希薄性の原因究明やそれへの対策も、やはりマルクスと唯物史観の出番なんですよね。何度も書きますが私的所有を伴い人権や民主主義を発生させるのは商品交換関係なんですよ。詳しくは『資本論』「交換過程」論の御一読を）
こんにちは、私も同じような症状に悩まされています。そういう「新型うつ」は初めて知ったので大変勉強になりました。こういう病例を頭にいれて、気をつけていきたいと思います。ありがとうございます。
私も日本人の「奴隷根性」には、うんざりしています。
この「奴隷根性」を某テレビ番組で、マツコ・デラックスあたりが「懐が深い」って美化するんだから、どうしようもないです；
同時に「日本に忠誠を誓わない外国人は日本出ていけ」と発言しているにも関わらず、頷く人が多い、という…；ここまでくると日本社会の幼稚さは罪だと感じてしまいます。
1 頭が痛い、頭が重い。 □はい □いいえ
2 頸（くび）が痛い、頚が張る。 □はい □いいえ
3 肩がこる。 □はい □いいえ
4 風邪をひきやすい。 □はい □いいえ
5 ふらっとする。メマイがある。 □はい □いいえ
6 歩いていたり、立っている時なんとなく不安定。 □はい □いいえ
7 吐き気がある。 □はい □いいえ
8 夜、寝つきが悪い。目覚めることが多い。 □はい □いいえ
9 血圧が不安定である。 □はい □いいえ
10 暖かいところに長い時間おれない。体温調節異常 □はい □いいえ
11 汗が出やすい。 □はい □いいえ
12 静かにしているのに心臓がどきどきする。 □はい □いいえ
13 目が見えにくい。像がぼやける。 □はい □いいえ
14 目が疲れやすい。または痛い。 □はい □いいえ
15 まぶしい。または目を開けていられない。 □はい □いいえ
16 目が乾燥する。または涙が出すぎる。 □はい □いいえ
17 つばが出やすい。または、つばがでない。 □はい □いいえ
18 微熱が出る。（37℃台、時に38℃台も） □はい □いいえ
19 下痢をしやすい。（腹痛など胃腸症状） □はい □いいえ
20 すぐ横になりたくなる。 □はい □いいえ
21 疲れやすい。（全身倦怠） □はい □いいえ
22 何もする気が起きない。意欲がない。 □はい □いいえ
23 天気の悪い日か、その前日、調子が悪い。 □はい □いいえ
24 気分が落ち込む。気が滅入りそうだ。 □はい □いいえ
25 集中力が低下して、1つのことに集中できない。 □はい □いいえ
26 わけもなく不安だ。 □はい □いいえ
27 イライラして焦燥感がある。 □はい □いいえ
28 根気がなく、仕事や勉強を続けられない。 □はい □いいえ
29 頭がのぼせる。手足が冷たい。しびれる。 □はい □いいえ
30 胸部が痛い。胸部圧迫感がある。胸がしびれる。 □はい □いいえ
http://www.cnms.info/modules/smartfaq/faq.php?faqid=19
自己レスの補足です。上記コメントは出勤途上に携帯から投稿したので、「天皇・皇室に関する国民意識調査」の出典を表示する暇がありませんでした。それをここに補足しておきます。
出典は、実際は総理府でも内閣府でもなく、ＮＨＫが５年毎に実施してきた「現代日本人の意識調査」の中の、天皇制に関する項目です。実施主体については私の勘違いでした。ここに謹んで訂正しておきます。
そのＮＨＫの意識調査によれば、天皇制にノスタルジーを感じているのは、せいぜい戦前～戦後生まれの「団塊の世代」までで、それよりも若い「戦無」世代に限って言えば、天皇制については尊敬でも反発でもない「無感動」（無関心）が圧倒的多数を占めるとの事です。
その反面、嫌韓厨やネットウヨクを多く輩出しているのもこの「戦無」世代なのですが、これら嫌韓厨やネットウヨクのナショナリズムというのは、かつての経済大国から構造不況下の閉塞状況の中で、格差社会への怒りを資本家などにストレートにぶつけられずに、その代わりに、公務員や在日外国人といった「自分の身の回りにいる叩きやすい奴ら」に八つ当たりする事で、「日頃の鬱憤晴らし」を図るだけの「プチ・ナショナリズム」でしかありません。そんな「プチ・ナショナリスト」にとっては、今の天皇制なんて、せいぜい「癒し系グッズ」でしかなく、もはやそこからは、戦前世代が持ち合わせていたような天皇制ノスタルジーなぞ生まれようがないという事が、このＮＨＫの調査からも見て取れます。
http://www13.plala.or.jp/kyowato/yoronchosa.html
http://d.hatena.ne.jp/kihamu/20081027/p1
事情を説明して下さい。
ひょっとしたら、ほぼ同じタイミングで、「在特会」批判の別エントリーに別ハンドルで投稿されたコメント（在特会を揶揄はしていたがチンポがどうのといった煽り的な短文だった）に釣られて、一緒に削除してしまったかも知れません。
申し訳ありませんが、再度投稿していただけませんでしょうか。
＞確か雅子さんや今の天皇に同情・融和的な左派の一部風潮を批判する投稿でしたよね。
まあ、だいたいそうですね・・・。
一部の左派が天皇・皇族への擁護に傾き始めたのが2004年がターニングポイントになったと思います。
この年は皇太子の雅子の人格否定発言、そして天皇と米長の君が代強制批判と大きな事件が起きました。
個人的にはどちらもちょっと待てよと批判したい事柄なんですが、
「皇族が可哀想。今の天皇はいい人」という印象操作と彼らを「左派側から」すら批判するのはタブーになった年だと思います。
もう最近一部の左派には天皇・皇族への擁護を越えて「天皇制そのものへのリベラル的な思考での支持」を表明する物が増えて来ているのも、気になります。
かつては天皇制を批判的に捕らえていた姜尚中が2005年あたりから支持に転向していたり、左派ブロガーの中にも現天皇の敬愛を隠すことなく語るのも増えました。
2008年の朝日新聞には苅部直が「今の天皇はリベラルだから「多民族を含む国家のシンボル」として左派的に肯定せよ」と提言までしやがりました。
そして去年の震災時の巡幸パフォーマンスでそれがさらに強まったと思われます。
個人的に最凶と思う人物は田中龍作とかいう反記者クラブの「自由報道協会」ジャーナリストで他の記事的に左派リベラルを志向してると思われるのだが強烈な臣民ぶりの記事を書いている。
http://tanakaryusaku.jp/2009/10/000256
＞天皇陛下に思いのままに「お言葉」を述べて頂いた方が、国会も少しは国民本位に物事を審議するようになるかもしれない。
民主主義を否定した天皇主権をお望みの自由報道協会会員のようですな。
田中は最近も天皇へ敬愛ぶりが加速して脱原発の為なら勝手に「天皇の御身心」を創作しても構わないらしい。
天皇陛下とローマ法王の脱原発発言
http://tanakaryusaku.jp/2012/03/0003879
「原発・放射能 お言葉カット」 脱原発デモでNHKに抗議
http://tanakaryusaku.jp/2012/03/0003917
上記エントリにある画像のノボリ「国民の税金を食い尽くす寄生虫」って皇族のことじゃないんですか・・？ｗ
皇族が東電の株を買ってズブズブの関係だったなんて話もあるのに
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/4636
日本に原発を増やす中心人物だった平岩外四が宮内庁参与もやってるんだ。むしろ原発推進に荷担したと天皇が謝罪するべきだね。
最初の記事「天皇陛下とローマ法王の脱原発発言」については、「左派ジャーナリスト」らしからぬ天皇への敬語連発や、「日本人にとって天皇陛下のお言葉は～インパクトがある」といった天皇発言を過大視するような文末表現に違和感を覚えながらも、まだ何とか読めました。しかし次の記事「原発・放射能 お言葉カット～」で、「天皇陛下のお言葉を（ニュースで）放映しないのは不敬だ」「日本の歴史は重要なところで必ず天皇陛下がお出ましになる」などの他者発言を肯定的に紹介するに至っては（これは自分も同じ立場に立つと表明したのも同然）、もう唖然としました。ここまで来たらもう完全な個人崇拝です。これでは戦前日本や今の北朝鮮の国民と全く同じだ。
しかし、そもそも天皇ってそんなに国民に好かれています？幾ら右翼やマスコミが大騒ぎしようと、今の国民って、確かに右傾化していて外国人排斥に靡く人も大勢いるけど、そういう人も天皇の事なぞ殆ど意識していませんよ。現に、私の職場の「右翼的」な同僚も、２月１１日が何の日か知らなかった位ですから。その一方で、「お国の為に」なぞという言葉が自然に口をついて出てくる位ですから、マスコミ論調が今以上に天皇崇拝一色になれば、その同僚も簡単に絡め取られていく事は安易に想像できますが。
私が田中龍作ジャーナルの当該記事を読んで一番違和感を感じたのが、個人崇拝に靡く非民主的発想も然る事ながら、この「天皇への過大評価」とも取れる部分です。
斯くいう私も、今から思えば、雅子さんをマスコミによる皇室報道の犠牲者とのみ見て、自らも皇族として天皇制による国民支配や戦争責任隠蔽に加担している面を過小評価していた部分があったので、余り偉そうには言えませんが。
その、天皇の戦争責任が未精算に終わっている現状も知った上で、敢えて逆説的に述べます。
大企業による搾取や政府による新自由主義・弱肉強食の経済政策こそ格差拡大の元凶であるのに、そこを等閑にしたまま「外国人に職が奪われる」とばかり不安がり、「国を支えなければ」という形で逆に体制擁護に傾きがちな、この同僚の「奴隷根性」の根底にあるのが、「天皇的なもの」に安易に靡く心理ではないか。今、天皇の存在を問題にするのであれば、過去の戦争責任や、まだ実際には政治的権能を有しない天皇の実体以上に、この「天皇的なもの」を安易に受け入れてしまう、国民の奴隷根性や封建的意識こそ、最も問題にしなければならないのではないか。
例えば、生活保護の不正受給が今盛んにマスコミで取り上げられていますが、実際の不正受給は全体のたかだか0.03％（１万人につき３人）位に過ぎず、寧ろ受給者が少なすぎる事が問題なのです。日本の相対貧困率16％＝潜在的貧困人口が２千万人近くもいるのに、何故その事が問題にならず、逆に「受給者が200万人超もいる」と大騒ぎするのか。
また、公務員の「厚遇」が今盛んに槍玉に挙げられていますが、それは公務員がスト権を奪われていた事の代償措置（飴玉）として人事院勧告として手当されてきたものに過ぎず、少なくとも一般公務員については、決して「厚遇」と言えるものではない。寧ろ、ブラック企業による過労死や不当労働行為が横行する民間の「冷遇」ぶりこそ問題とされなければならないのに、何故そちらの方に国民の目が行かず、特権官僚も末端の一般公務員も一緒くたにして、実際には前者は見逃され、後者だけをスケープゴートに仕立て上げるような風潮がまかり通っているのか。（福知山線事故でＪＲの不当労働行為が明らかになる以前の、ＪＲの経営者も一般社員も一緒くたにしての親方日の丸批判と同じ構造がそこにある）
そのくせ、それらとは比較にならないほど莫大な、今の大企業優遇・弱肉強食の経済政策や、米軍への思いやり予算や、皇室「優遇」の奢侈や浪費については、不思議と殆ど誰も問題にしない。何故問題にならないのか？ 何故、それらの「厚遇」が放置されたまま、消費税増税などの形で、弱者にのみしわ寄せされるのか。国民も何故それにもっと抵抗しないのか。
「外国人は搾取の不当性自体に怒るが、日本人は搾取そのものには怒らず、ただ搾取の不公平さのみを論う」というブラックジョークがネットで流行りましたが、その日本人の、「下見て暮らせ傘の下」「寄らしむるべし、知らしむるべからず」といった奴隷根性や封建制の潜在的なバックボーンに、今の象徴天皇制がなっているのではないか。
水戸黄門や「暴れん坊将軍」のテレビ番組があれだけ人気を博したのも、如何に娯楽番組とはいえ、実際は水戸黄門も徳川吉宗も支配者として当時の百姓を年貢で苦しめたにも拘わらず、そこは綺麗に無視され、恰も救世主のように立ち現われ、それに視聴者が喝采する。今の橋下徹人気にも通じるものが、そこにあるのではないでしょうか。
そんな事まで言ってしまったら、大岡越前や遠山の金さんもそうなのかと、もう身も蓋もなくなってしまいますが、でもそう言わざるを得ないのも事実だと思います。
日本では、フランス革命のように、誰彼の偉人や英雄に頼らずに、民衆自身が立ち上がって歴史を変えた経験が殆どない。だから、「天皇的なもの」を安易に受け入れ、その権威や威光にひたすらすがろうとしたり、「搾取自体には怒らずその不公平だけを問題にする」ような、倒錯した風潮が蔓延するのではないか。そんな倒錯した社会では、実際に搾取に苦しめられる労働者は、ワタミの女性社員のように自殺するか、アキバやマツダのような無差別テロで鬱憤を晴らすしかなくなる。そのどちらでもない、民衆自身が連帯して立ち上がって今の政治を変えるという方向には、なかなか向かわない。
それを支えているのは何も天皇制だけではなく、米国や日本の財界やマスコミが全部そうなのですが、その中で、今の象徴天皇制が、たとえ国民の大多数が実際の天皇を空気のようにしか認識いなくても、「天皇的なもの」に無批判に迎合する風潮を、潜在的に支えるものになっているのではないでしょうか。だから、戦争責任も、今の格差政治や原発事故の責任も、全て曖昧にされてきたのです。
今の象徴天皇制の欺瞞を突くのであれば、「天皇的なるもの」を是とする国民の封建的意識が、今も格差社会や原発被害の蔓延という形で国民を苦しめている、そういう意味では、決して天皇制は過去の問題ではないと。そういう立場で突いていかないと、従来のような戦争責任追及＜だけ＞のやり方では、なかなか国民には浸透しないし、仮にそれで天皇制廃止に行き着いたとしても、また別の天皇の出現を招くだけではないか。現に、人民共和国である筈の北朝鮮で、個人崇拝がますます酷くなっているように。そういう気がするのですが、如何お考えでしょうか。
私、正直執筆は正直得意ではないのでお時間がかかってしまいます。ご了承下さい。
まず
＞しかし、そもそも天皇ってそんなに国民に好かれています？
まあ殆どの人は、「どうでもいい」な無関心な人が多いと思います。
これは君が代・日の丸が一般では特に気にしていないのと共通してると思います。
しかしどちらも、それほど気にしていない風潮が戦前の罪が現在も免責されてる起因だと思います。
例として、昨年の震災で日の丸を積極的にアイコンにした復興ポスター。イラストがどんだけ氾濫したのが象徴的だと思います。
＞仮にそれで天皇制廃止に行き着いたとしても、また別の天皇の出現を招くだけではないか
いきなり絶望論ですが・・、もう心配は無いでしょう・・。日本では左派が好んで天皇をリベラルの錦旗として持ち上げ温存した方が秩序が保たれるという左派が
隆盛の様ですから、廃止なんて宇宙が崩壊するまで安泰なんじゃないでしょうか・・・。
前回名前を挙げた姜尚中も天皇制を廃止したら歯止めが効かなくなり、軍国化が進むので防波堤になるとして存置した方がよいと言ってますから・・。
http://watashinim.exblog.jp/10055773/
田中龍作といいなぜそんなに天皇に平和の抑止力を持ってると妄想しているか理解できません。
現憲法を厳守するなら天皇がそのような政治作用がある存在だとしたら憲法違反甚だしいのですが、この手の人は平気で「護憲」と言ったりするから厄介です。
嘗ての昭和天皇も「平和主義者」「実は戦争に反対していた犠牲者」と右翼による美談創作で戦争責任を有耶無耶にし、
天寿を全うしていったじゃないですか。
それと何が違うんだと言いたいです・・。
次回は、皇族の人権はホントに制約されてるのか？というのを問い詰めた意見を語りたいと思います。
遅筆になることをお許し下さい。それでは・・・。