全国に散在するプレカリアートよ決起せよ!
長い間虐められて来た人々よ、過去数十年間に渡って、種々なる方法と、多くの政治家によってなされた職業紹介・職業訓練・失業対策などの施策が、何等の有難い効果をもたらさなかった事実は、それらのすべてが吾々によって、又他の人々によってつねに人間を冒涜されていた罰であったのだ。そして、これらの自己責任論に基づく政策は、かえって多くの人々を絶望の淵に追いやった事を想えば、この際吾等の中より、政治や経営の責任を追及する事によって、自らの生存権・人格権を取り戻せんとする者の集団運動を起こせるは、むしろ必然である。
兄弟よ、吾々の先輩は自由、平等の渇仰者であり、実行者であった。陋劣なる階級政策の犠牲者であり、男らしき産業的殉教者であったのだ。日払い労働の報酬として、モノ扱いされ使い捨てられた挙句に路上に放り出され、3K労働の代価として、そうなったのも全て自業自得と蔑まれ、そこへ下らない嘲笑の唾まで吐きかけられた呪はれの夜の悪夢のうちにも、なお誇り得る人間の血は、涸れずにあった。そうだ、そして吾々は、この血をうけて主権者が政治を取り戻そうとする時代にあうたのだ。「蟹工船」の犠牲者がその烙印を投げ返す時が来たのだ。
ロスジェネ(就職氷河期世代)が、その荊冠を祝福される時が来たのだ。吾々が貧乏人である事を誇り得る時が来たのだ。吾々は、麻生の「金の無い奴は結婚するな」暴言や、舛添の「派遣村怠け者」妄言によって、祖先をはずかしめ、人間を冒とくしてはならぬ。そうして人の世の冷たさが、どんなに冷たいか、人間をいたわる事が何であるかをよく知っている吾々こそが、心から格差も差別も無い社会を願求礼賛するものである。
「貧困・格差社会」ノーの世論は、かくして生まれた。
生きさせろ!命落すな、自民落せ!
※注:
(1) 上記の文章は、「日本史上初の人権宣言」とも言われる「宣言」(戦前の解放運動団体・の創立宣言)の文面を、「反貧困運動」風にアレンジしたものです。
http://www006.upp.so-net.ne.jp/asao/suiheisha3.htm
(2) 同じく「プレカリアート」というのは、21世紀に入って、欧州の反グローバリゼーション運動の中から生まれた造語。プレカリアス(不安定な)とプロレタリアート(労働者階級)の2つの単語を組み合わせて、ワーキングプア・失業者などの不安定な生活を余儀なくされている人々の事を指す。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%88